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第2章 介護職の定着と「キャリア・アップの仕組み」の整備―職種と雇用形態に注目して

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第 2 章 介 護 職 の 定 着 と 「 キ ャ リ ア ・ ア ッ プ の 仕 組 み 」 の 整 備

― 職 種 と 雇 用 形 態 に 注 目 し て

第 1 節 は じ め に ― 問題 意 識

介護 業界 を担 う人 材 の確保 と育 成を 進め て いくた めに は、 様々 な 方策が 考え られ る。 し か し、そ れが 介護 業界 で 働いて みよ うと 考え る 若者の 動機 (モ チベ ー ション )づ けと この 業 界

(ある いは 法人 ・事 業 所)で 既に 働い てい る 社員の 動機 づけ を引 き 出すも ので なけ れば 何 の 意味も 持た ない 。そ れ は、介 護業 界で 働い て みよう と考 える 若者 ・ 既に働 いて いる 社員 の モ チベー ショ ンが 組織 を 活性化 させ 、生 産性 の向 上に大 きく 貢献 する か らであ る。した がっ て、 事業の 方策 を立 案・ 計 画し、 その 方策 を実 行 するに あた って は、 介 護業界 に就 職を 希望 す る 若者・既 存社 員の モチ ベーシ ョン を高 める た めには 、「何 をす べきで あるの か 」に 関す る工 夫 を凝ら すこ とが 大切 で ある。 その ため には 、 介護業 界に 就職 を希 望 する若 者や 既存 社員 は ど のよう なと きに モチ ベ ーショ ンを 発揮 する の か、あ るい は、 どの よ うにし たら 若者 や既 存 社 員のモ チベ ーシ ョン を 引き出 すこ とが でき る のかを 正し く認 識し て おくこ とが 重要 であ る 。 とくに 、人 材不 足が 深 刻であ る介 護業 界で は 、獲得 した 人材 が離 職 をしな いた めに は、 ど の ような 取り 組み が有 効 である のか につ いて 検 討する こと が必 要で あ る。

そ の た め 、 厚 生 労 働 省 は 介 護 業 界 に お け る 人 材 確 保 ・ 定 着 を は か る た め 、 2007 年 ( 平 成 19年)8月 に「社 会福 祉 事業に 従事 する 者の 確 保を図 るた めの 措置 に 関する 基本 的な 指針( 福 祉人材 確保 指針 )」を改 定した 。その 指針 のな か で、人材 確保・定 着の た めの方 策と して 、「 キ ャリア ・ア ップ の仕 組 みの構 築」 が提 示さ れ た。具 体的 には 、経 営 者、職 能団 体、 その 他 の 関係団 体等 、国 、地 方 公共団 体は 、福 祉・ 介 護サー ビス 分野 にお け るキャ リア パス に対 応 し た生涯 を通 じた 研修 体 系の構 築を 図る とと も に、施 設長 や従 事者 に 対する 研修 等の 充実 を 図 ること が明 記さ れた 。

そ し て 、 上 記 の 福 祉 人 材 確 保 指 針 で 示 さ れ た 「 労 働 環 境 整 備 の 推 進 等 」( 具 体 的 に は 、 国 や地方 公共 団体 がキ ャ リアと 能力 に見 合う 給 与体系 の構 築の 観点 か ら、介 護福 祉士 や社 会 福 祉士等 の専 門性 の高 い 人材を 配置 した 場合 の 介護報 酬等 によ る評 価 の在り 方に つい て検 討 を 行うこ と) の一 環と し て、2009 年 (平成21 年)に は介 護保 険サ ー ビス事 業及 び障 害者 サ ー ビス事 業に おい て、 従 事者の 処遇 改善 を主 旨 とした 報酬 単価 の改 定 が行わ れた 。

さらに 、2009年 (平成21年)10月か らは 「介 護職員 処遇 改善 交付 金 」が開 始さ れ、 2010 年( 平成22年 )には「 キ ャリア パス に関 する 要 件」が新 設さ れた 。これ を継続 する 形で 、2012 年( 平成24年 )4月 か ら介護 職員 処遇 改善 加 算が新 たに 介護 報酬 に 創設さ れ 、現 在に おい て も「キ ャリ アパ スに 関 する要 件」 は引 き継 が れてい る。 これ は、 加 算を受 ける ため にキ ャ リ アパス の作 成を 条件 づ けるも ので あり 、介 護 職員の 能力 ・資 格・ 経 験等に 応じ た処 遇を 行 う

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こ と を 定 め 、 キ ャ リ ア パ ス を 賃 金 に 反 映 す る ( キ ャ リ ア パ ス 要 件 Ⅰ ) こ と

1

が 難 し い 場 合 は、 OJT、OFF-JT等 の研 修 機会を 提供 し 、資 質向 上 のため の取 組み を行 う ことと する もの であ る

(キャ リア パス 要件 Ⅱ )

2

。さら に 、2019年度(平成29年度 )から は 、新 加算 およ びキ ャリ アパス 要件 Ⅲ

3

の増 設 も行わ れる 。キ ャリア パス要 件Ⅰ・Ⅱ だけで は、昇 給条 件が 曖昧で あ ること が懸 念さ れて お り、そ れを 明ら かに す るため に追 加さ れた 条 件がキ ャリ アパ ス要 件 Ⅲ といえ る。 昇給 ・昇 格 に対す る経 験年 数や 保 有資格 、能 力評 価な ど の条件 を整 備す るこ と が 新加算 算定 のた めに 必 要とな る。 つま り、 役 職や役 職ご との 職務 、 能力、 給料 等の キャ リ ア パス制 度を 定め るこ と 、職員 の能 力向 上の た めの目 標や 研修 計画 を 策定、 それ に対 する 評 価 制度を 定め るこ と、 職 員の昇 進・ 昇給 に対 し て、経 験年 数や 保有 資 格等の 明確 な基 準を 定 め ること 、な どの 人事 管 理の仕 組み を整 備す る ことに より 、介 護職 の 確保・ 定着 につ なげ て い きたい と厚 生労 働省 は 考えて いる 。

では、 キャ リア パス 要 件Ⅰ、 Ⅱ、 Ⅲと 関係 が 深い介 護職 を対 象と し た「キ ャリ ア・ アッ プ の仕組 み」 をは じめ 「 介護能 力を 適切 に評 価 する仕 組み 」、「 介護 能 力に見 合っ た仕 事へ の 配 置」、「介 護能 力の 向上 に向け た研 修」 など の 人事管 理の 仕組 みを 整 備する こと が介 護職 の 定 着意識 (就 労継 続意 識 )とど のよ うな 関係 に あるの か。 仕組 みを 整 備する こと が現 在の 勤 務 先への 定着 意識 (就 労 継続意 識) を高 める の であろ うか 。こ うし た 点を明 らか にす るこ と が この論 文の 目的 の1 つ である 。さ らに 、設 計 された 人事 管理 のも と で、ラ イン 管理 職は 職 場 内での 部下 の配 置を 決 める、 部下 のモ チベ ー ション を高 めで 効果 的 に活用 する 、部 下を 育 成 する、 部下 の働 きぐ あ いを評 価す るラ イン 部 門にお ける 人事 管理 ( 職場の 人事 管理 )を 行 っ ている 。こ うし た職 場 の人事 管理 を整 備す る ことが 介護 職の 定着 意 識(就 労継 続意 識) と ど のよう な関 係に ある の か、に つい ても 併せ て 明らか にす るこ とが も う1つ の目 的で ある 。

上記の 2つ のこ とを 明 らかに する ため に、 著 者も参 加し た介 護労 働 安セン ター が実 施し た 介護職 を対 象に した ア ンケー ト調 査の 再分 析 を行っ た。 なお 、再 分 析で使 用し た個 人( 介 護 職)調 査は 、『 平成26年度介 護労 働実 態調 査 ―介護 労働 者の 就業 実 態と就 業意 識調 査結 果 報 告書』(介 護労 働安 定セ ンター 、2015年 )と し て刊行 され てい る。

1

キ ャ リ ア パ ス 要 件1は 厚 生 労 働 省 に よ っ て 、 以 下 の よ う に 定 め ら れ て い る 。 ① 介 護 職 員 の 任 用 の 際 に お け る 職 位 ( 役 職 )、 職 責 ま た は 職 務 内 容 に 応 じ た 任 用 等 の 要 件 を 定 め て い る こ と ② 1.に 掲 げ る 職 位 ( 役 職 )、 職 責 ま た は 職 務 内 容 に 応 じ た 賃 金 体 系 に つ い て 定 め て い る こ と ③ 1.お よ び 2.の 内 容 に つ い て 就 業 規 則 な ど の も の で 、 書 面 で 明 確 に し 、 周 知 し て い る こ と 。

2

キ ャ リ ア パ ス 要 件2は 厚 生 労 働 省 に よ っ て 、 以 下 の よ う に 定 め ら れ て い る 。 ① 次 の ア ) ま た は イ ) の 条 件 を 満 た し た 計 画 を 作 成 し て い る こ と 。 ア ) 資 質 向 上 の た め の 計 画 に 沿 っ て 、 研 修 機 会 の 提 供 ま た は 技 術 指 導 等 を 実 施( OJ T、OFF-J T)す る と と も に 介 護 職 員 の 能 力 評 価 を 行 う こ と 。イ )資 格 取 得 の た め の 支 援( 金 銭 、休 暇 の 取 得 な ど ) を 行 う こ と 。 ② 上 記 の 内 容 を す べ て の 介 護 職 員 に 周 知 し て い る こ と 。

3

厚 生 労 働 省 は 、キ ャ リ ア パ ス 要 件 Ⅲ に つ い て 以 下 の よ う に 示 し て い る 。経 験 若 し く は 資 格 等 に 応 じ て 昇 給 す る 仕 組 み 又 は 一 定 の 基 準 に 基 づ き 定 期 に 昇 給 を 判 定 す る 仕 組 み を 設 け る こ と 。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(J I L PT )

(2)

第 2 章 介 護 職 の 定 着 と 「 キ ャ リ ア ・ ア ッ プ の 仕 組 み 」 の 整 備

― 職 種 と 雇 用 形 態 に 注 目 し て

第 1 節 は じ め に ― 問題 意 識

介護 業界 を担 う人 材 の確保 と育 成を 進め て いくた めに は、 様々 な 方策が 考え られ る。 し か し、そ れが 介護 業界 で 働いて みよ うと 考え る 若者の 動機 (モ チベ ー ション )づ けと この 業 界

(ある いは 法人 ・事 業 所)で 既に 働い てい る 社員の 動機 づけ を引 き 出すも ので なけ れば 何 の 意味も 持た ない 。そ れ は、介 護業 界で 働い て みよう と考 える 若者 ・ 既に働 いて いる 社員 の モ チベー ショ ンが 組織 を 活性化 させ 、生 産性 の向 上に大 きく 貢献 する か らであ る。した がっ て、 事業の 方策 を立 案・ 計 画し、 その 方策 を実 行 するに あた って は、 介 護業界 に就 職を 希望 す る 若者・既 存社 員の モチ ベーシ ョン を高 める た めには 、「何 をす べきで あるの か 」に 関す る工 夫 を凝ら すこ とが 大切 で ある。 その ため には 、 介護業 界に 就職 を希 望 する若 者や 既存 社員 は ど のよう なと きに モチ ベ ーショ ンを 発揮 する の か、あ るい は、 どの よ うにし たら 若者 や既 存 社 員のモ チベ ーシ ョン を 引き出 すこ とが でき る のかを 正し く認 識し て おくこ とが 重要 であ る 。 とくに 、人 材不 足が 深 刻であ る介 護業 界で は 、獲得 した 人材 が離 職 をしな いた めに は、 ど の ような 取り 組み が有 効 である のか につ いて 検 討する こと が必 要で あ る。

そ の た め 、 厚 生 労 働 省 は 介 護 業 界 に お け る 人 材 確 保 ・ 定 着 を は か る た め 、 2007 年 ( 平 成 19年)8月 に「社 会福 祉 事業に 従事 する 者の 確 保を図 るた めの 措置 に 関する 基本 的な 指針( 福 祉人材 確保 指針 )」を改 定した 。その 指針 のな か で、人材 確保・定 着の た めの方 策と して 、「 キ ャリア ・ア ップ の仕 組 みの構 築」 が提 示さ れ た。具 体的 には 、経 営 者、職 能団 体、 その 他 の 関係団 体等 、国 、地 方 公共団 体は 、福 祉・ 介 護サー ビス 分野 にお け るキャ リア パス に対 応 し た生涯 を通 じた 研修 体 系の構 築を 図る とと も に、施 設長 や従 事者 に 対する 研修 等の 充実 を 図 ること が明 記さ れた 。

そ し て 、 上 記 の 福 祉 人 材 確 保 指 針 で 示 さ れ た 「 労 働 環 境 整 備 の 推 進 等 」( 具 体 的 に は 、 国 や地方 公共 団体 がキ ャ リアと 能力 に見 合う 給 与体系 の構 築の 観点 か ら、介 護福 祉士 や社 会 福 祉士等 の専 門性 の高 い 人材を 配置 した 場合 の 介護報 酬等 によ る評 価 の在り 方に つい て検 討 を 行うこ と) の一 環と し て、2009 年 (平成21 年)に は介 護保 険サ ー ビス事 業及 び障 害者 サ ー ビス事 業に おい て、 従 事者の 処遇 改善 を主 旨 とした 報酬 単価 の改 定 が行わ れた 。

さらに 、2009年 (平成21年)10月か らは 「介 護職員 処遇 改善 交付 金 」が開 始さ れ、 2010 年( 平成22年 )には「 キ ャリア パス に関 する 要 件」が新 設さ れた 。これ を継続 する 形で 、2012 年( 平成24年 )4月 か ら介護 職員 処遇 改善 加 算が新 たに 介護 報酬 に 創設さ れ 、現 在に おい て も「キ ャリ アパ スに 関 する要 件」 は引 き継 が れてい る。 これ は、 加 算を受 ける ため にキ ャ リ アパス の作 成を 条件 づ けるも ので あり 、介 護 職員の 能力 ・資 格・ 経 験等に 応じ た処 遇を 行 う

こ と を 定 め 、 キ ャ リ ア パ ス を 賃 金 に 反 映 す る ( キ ャ リ ア パ ス 要 件 Ⅰ ) こ と

1

が 難 し い 場 合 は、 OJT、OFF-JT等 の研 修 機会を 提供 し 、資 質向 上 のため の取 組み を行 う ことと する もの であ る

(キャ リア パス 要件 Ⅱ )

2

。さら に 、2019年度(平成29年度 )から は 、新 加算 およ びキ ャリ アパス 要件 Ⅲ

3

の増 設 も行わ れる 。キ ャリア パス要 件Ⅰ・Ⅱ だけで は、昇 給条 件が 曖昧で あ ること が懸 念さ れて お り、そ れを 明ら かに す るため に追 加さ れた 条 件がキ ャリ アパ ス要 件 Ⅲ といえ る。 昇給 ・昇 格 に対す る経 験年 数や 保 有資格 、能 力評 価な ど の条件 を整 備す るこ と が 新加算 算定 のた めに 必 要とな る。 つま り、 役 職や役 職ご との 職務 、 能力、 給料 等の キャ リ ア パス制 度を 定め るこ と 、職員 の能 力向 上の た めの目 標や 研修 計画 を 策定、 それ に対 する 評 価 制度を 定め るこ と、 職 員の昇 進・ 昇給 に対 し て、経 験年 数や 保有 資 格等の 明確 な基 準を 定 め ること 、な どの 人事 管 理の仕 組み を整 備す る ことに より 、介 護職 の 確保・ 定着 につ なげ て い きたい と厚 生労 働省 は 考えて いる 。

では、 キャ リア パス 要 件Ⅰ、 Ⅱ、 Ⅲと 関係 が 深い介 護職 を対 象と し た「キ ャリ ア・ アッ プ の仕組 み」 をは じめ 「 介護能 力を 適切 に評 価 する仕 組み 」、「 介護 能 力に見 合っ た仕 事へ の 配 置」、「介 護能 力の 向上 に向け た研 修」 など の 人事管 理の 仕組 みを 整 備する こと が介 護職 の 定 着意識 (就 労継 続意 識 )とど のよ うな 関係 に あるの か。 仕組 みを 整 備する こと が現 在の 勤 務 先への 定着 意識 (就 労 継続意 識) を高 める の であろ うか 。こ うし た 点を明 らか にす るこ と が この論 文の 目的 の1 つ である 。さ らに 、設 計 された 人事 管理 のも と で、ラ イン 管理 職は 職 場 内での 部下 の配 置を 決 める、 部下 のモ チベ ー ション を高 めで 効果 的 に活用 する 、部 下を 育 成 する、 部下 の働 きぐ あ いを評 価す るラ イン 部 門にお ける 人事 管理 ( 職場の 人事 管理 )を 行 っ ている 。こ うし た職 場 の人事 管理 を整 備す る ことが 介護 職の 定着 意 識(就 労継 続意 識) と ど のよう な関 係に ある の か、に つい ても 併せ て 明らか にす るこ とが も う1つ の目 的で ある 。

上記の 2つ のこ とを 明 らかに する ため に、 著 者も参 加し た介 護労 働 安セン ター が実 施し た 介護職 を対 象に した ア ンケー ト調 査の 再分 析 を行っ た。 なお 、再 分 析で使 用し た個 人( 介 護 職)調 査は 、『 平成26年度介 護労 働実 態調 査 ―介護 労働 者の 就業 実 態と就 業意 識調 査結 果 報 告書』(介 護労 働安 定セ ンター 、2015年 )と し て刊行 され てい る。

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キ ャ リ ア パ ス 要 件1は 厚 生 労 働 省 に よ っ て 、 以 下 の よ う に 定 め ら れ て い る 。 ① 介 護 職 員 の 任 用 の 際 に お け る 職 位 ( 役 職 )、 職 責 ま た は 職 務 内 容 に 応 じ た 任 用 等 の 要 件 を 定 め て い る こ と ② 1.に 掲 げ る 職 位 ( 役 職 )、 職 責 ま た は 職 務 内 容 に 応 じ た 賃 金 体 系 に つ い て 定 め て い る こ と ③ 1.お よ び 2.の 内 容 に つ い て 就 業 規 則 な ど の も の で 、 書 面 で 明 確 に し 、 周 知 し て い る こ と 。

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キ ャ リ ア パ ス 要 件2は 厚 生 労 働 省 に よ っ て 、 以 下 の よ う に 定 め ら れ て い る 。 ① 次 の ア ) ま た は イ ) の 条 件 を 満 た し た 計 画 を 作 成 し て い る こ と 。 ア ) 資 質 向 上 の た め の 計 画 に 沿 っ て 、 研 修 機 会 の 提 供 ま た は 技 術 指 導 等 を 実 施( OJ T、OFF-J T)す る と と も に 介 護 職 員 の 能 力 評 価 を 行 う こ と 。イ )資 格 取 得 の た め の 支 援( 金 銭 、休 暇 の 取 得 な ど ) を 行 う こ と 。 ② 上 記 の 内 容 を す べ て の 介 護 職 員 に 周 知 し て い る こ と 。

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厚 生 労 働 省 は 、キ ャ リ ア パ ス 要 件 Ⅲ に つ い て 以 下 の よ う に 示 し て い る 。経 験 若 し く は 資 格 等 に 応 じ て 昇 給 す る 仕 組 み 又 は 一 定 の 基 準 に 基 づ き 定 期 に 昇 給 を 判 定 す る 仕 組 み を 設 け る こ と 。

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第 2 節 仕 事 職 種 別 ・ 雇 用 形 態 別 に み た定 着 意 識 就 労 意識 の 状 況

再分析 を行 た 成26 度 護労 働実 態調 査 ― 護 労働 者 就業 実 態 就 業意 識調 査 護 事業 所 護 関わ 職 員を 対象 し 実 施 回 答数 20,334人 あ 従 事 し い 事 職 種 労働条 件及 び労 働日 労働時 間 賃 金 能力 開発 事 い 考

え方 働 悩 不安 不 満等 い 設問 あ

4

以 再 分 析 い

分析 対象 を限 定 し い た 成26 度 護労 働実 態調 査 ― 護 労働 者 就業 実 態 就 業意 識調 査結 果 報告書 護 労働 安定 センタ 2015 数値 異

留意 た い

現 在 勤 務 先 へ 定 着 意 識 就 労 意 識 具 体 的 変 数 し 勤 務 先

意志 具体 的 勤務 先 い 勤 たい す 設問 を用 い す

そし そ を得 化し 分析 を進 す 定 着志向 性得 半 程

度 件数 を1 ~ 程度 け たい 件数 を2 ~ 程度 け たい を3

~ 程 度 けたい を 働 け を5 し 全 体 件数

わ い 及 び 無回 答 を除 し 計 算した 値 した し た 得 5 近

いほ 定 着意 識 就 労 意識 強 対し 1 近いほ 定着 意識 就

労 意識 弱い

分 析 当 た 第 主 事 職 種 い 訪 問 護 員 サ

ビス 提供 責任 者 護職 員 職 種 第 雇用 形態 い 正規 職員 及び 非 正 規職員 第 無 回 答を除 現在 法 人 勤 数を ヶ 以 勤 務し い 者 限定し た 第 現在 働い い 事 業所 主 護サ ビ ス 種 類 い 護保

険以外 サ ビ ス そ わ い 及び 無 回答 を 除い た 件数 少 い

サ ビス 提供 責任 者 非正 規職 員 分 析 除 外し あ

図表 - 事 職 種 別 雇 用形 態別 た定 着意 識 就労 意識 状況 を表 し い そ 訪 問 護 員 正 規職 員 定 着 志 向 得 :4.19 最 定 着 意 識 就 労 意 識 強 い サ ビ ス提供 責任 者 正規 職 員 4.12 訪 問 護 員 非 正規 職員 4.09 護 職 員 正規 職員 3.94 い

護 職員 非 正規 職 員 3.88 最 定 着意 識 就労 意識 弱 い

4

調 査 対 象 護 サ ビ ス 情 報 公 表 シ ス ム 等 タ ベ 護 保 険 指 定 護 サ ビ ス 事 業 護 サ ビ ス い う を 行 う 事 業 所 簿 掲 載 護 サ ビ ス 一 所 在 地 一 申 請 法 人 寄 せ 処 理 を 行 う ち 無 作 抽 出 17,50 0 事 業 所 事 業 所 調 査 対 象 し た 対 象 事 業 者 雇 用 護 労 働 従 事 す 労 働 者52,500人 を 対 象 労 働 者 調 査 を 実 施 し た う ち 効 調 査 対 象 事 業 者 数17,295事 業 所 効 労 働 者 数 51,885 対 し 効 回 収 数 20,334 回 収 率 39.2% 事 業 所 調 査 護 安 定 セ ン タ 2015 26

護 労 働 実 態 調 査 ― 事 業 所 護 労 働 実 態 調 査 結 果 報 告 書 公 表

独立行政法人労働政策研究・研修機構(J I L PT )

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第2 節 仕 事 ( 職 種 )別 ・ 雇 用 形 態 別 に み た定 着 意 識 ( 就 労 継 続 意識 ) の 状 況

再分析 を行 った 『平 成26年度介 護労 働実 態調 査 ―介護 労働 者の 就業 実 態と就 業意 識調 査』 は、介護 事業 所で 介護 に関わ る職 員を 対象 と して実 施さ れ 、回 答数 は20,334人で ある 。従 事 してい る仕 事(職 種)、労働条 件及 び労 働日・労働時 間 、賃 金、能力 開発 、仕 事に つい ての 考 え方 、働 く上 での 悩み・不安・不 満等 につ いて の設問 があ る 。

4

なお 、以下で の再 分 析 に つ い ては、 分析 対象 を限 定 してい るた め、『平成26年度介 護労 働実 態調 査 ―介護 労働 者の 就業 実 態と就 業意 識調 査結 果 報告書 』( 介護 労働 安定 センタ ー、 2015 年 )の 数値と は異 なる こと に 留意さ れた い。

現 在 の 勤 務 先 へ の 定 着 意 識 ( 就 労 継 続 意 識 ) の 具 体 的 な 変 数 と し て 、「 今 の 勤 務 先 で の 継 続意志 」( 具体 的に は、「今の 勤務 先に いつ ま で勤め たい です か」 の 設問) を用 いる こと と す る。そし て、それ を得 点化し 、分析 を進 める ことと する 。なお 、定 着志向 性得 点は 、「 半年 程 度」の 件数 を1 点 、「 1 ~2年 程度 続け たい 」 の件数 を 2点 、「 3~ 5 年程度 続け たい 」 を3 点、「 6~ 10 年程 度続 けたい 」を 4点 、「 働き 続ける かぎ り」 を5点 として 、全 体の 件数 か ら「わ から ない 」及 び 「無回 答」 を除 して 計 算した 値と した 。し た がって 、得 点が5点に 近 いほど 、定 着意 識( 就 労継続 意識 )が 強く 、 これに 対し て、1 点 に 近いほ ど、 定着 意識 ( 就 労継続 意識 )が 弱い こ とにな る。

さ ら に 、 分 析 に 当 た っ て は 、 第 1 に 、 主 な 仕 事 ( 職 種 ) に つ い て は 、「 訪 問 介 護 員 」、「 サ ービス 提供 責任 者」、「 介護職 員」、の 3職 種 、第2に 、雇用 形態 につ いては 正規 職員 及び 日 正 規職員 、第 3に 、無 回 答を除 き、 現在 の法 人 での勤 続年 数を 6ヶ 月 以上勤 務し てい る者 、 に 限定し た 。第 4に 、現在 の働い てい る事 業所 の 主な介 護サ ービ スの 種 類につ いて は、「 介護保 険以外 のサ ービ ス」、「 その他( わか らな い)」及び「無 回答 」を 除い た。なお 、件数 が少な い

「サー ビス 提供 責任 者」(非正 規職 員) は分 析 から除 外し てあ る。

図表2 -1 は仕 事( 職 種)別 ・雇 用形 態別 に みた定 着意 識( 就労 継 続意識 )の 状況 を表 し て い る 。 そ れ に よ れば 、「 訪 問 介 護 員 ( 正 規職 員 )」( 定 着 志 向 得 点 :4.19 点 ) が 最 も 定 着 意 識(就 労継 続意 識) が 強く、 つい で、「サ ービ ス提供 責任 者( 正規 職 員)」( 同 4.12 点)、「訪 問介護 員(非 正規 職員)」(同 4.09点)、「 介護 職 員( 正規 職員)」(同3.94点)が 続い てお り、

「介護 職員 (非 正規 職 員)」( 同 3.88 点)、が 最も定 着意 識( 就労 継 続意識 )が 弱く なっ て い る。

4

調 査 対 象 は 介 護 サ ー ビ ス 情 報 公 表 シ ス テ ム 等 の デ ー タ ベ ー ス か ら 介 護 保 険 指 定 介 護 サ ー ビ ス 事 業 ( 以 下 、「 介 護 サ ー ビ ス 」 と い う 。) を 行 う 事 業 所 ( 名 簿 の 掲 載 は 介 護 サ ー ビ ス ご と の た め 、 こ れ を 同 一 所 在 地 、 同 一 申 請 者 の 名 称 ( 法 人 名 ) 等 で 名 寄 せ 処 理 を 行 っ た も の 。) の う ち か ら 無 作 為 に 抽 出 ( 17,50 0 事 業 所 ) し て 、 事 業 所 調 査 の 対 象 と し た 。対 象 事 業 者 に 雇 用 さ れ る 介 護 労 働 に 従 事 す る 労 働 者52,500人 を 対 象 に 、労 働 者 調 査 を 実 施 し た 。 そ の う ち 有 効 調 査 対 象 事 業 者 数17,295事 業 所 、 有 効 労 働 者 数 は51,885人 に 対 し 、 有 効 回 収 数 は20,334 人 で あ り 、 回 収 率 は39.2% で あ っ た 。 な お 、 事 業 所 調 査 に つ い て は 、 介 護 安 定 セ ン タ ー( 2015)『 平 成26年 度 介 護 労 働 実 態 調 査 ― 事 業 所 に お け る 介 護 労 働 実 態 調 査 結 果 報 告 書 』 と し て 公 表 さ れ て い る 。

図表2-1 仕事(職種)別 ・雇用形態 別にみた定着 意 識(就労継 続意識 )の状況

( 単 位 : % ) 件 数 半 年 程 度1 ~ 2 年

程 度 続 け い た い

3 ~ 5 年 程 度 続 け い た い

6 ~ 1 0 年 程 度 続 け た い

働 き 続 け る か ぎ り

わ か ら な

無 回 答 有 効 数 定 着 志 向 得 点

( 点 ) 訪 問 介 護 員 ( 正 規 職 員 ) 1 1 21 3. 1 6. 9 1 0. 0 5. 4 4 6. 6 2 6. 7 1. 4 80 6 4 .1 9 訪 問 介 護 員 ( 非 正 規 職 員 ) 1 4 69 1. 8 9. 9 1 1. 7 4. 8 4 3. 4 2 7. 4 1. 0 1 05 2 4 .0 9 サ ー ビ ス 提 供 責 任 者 ( 正 規 職 員 ) 1 4 43 3. 7 7. 6 1 1. 5 4. 9 4 6. 7 2 4. 7 1. 0 1 07 3 4 .1 2 介 護 職 員 ( 正 規 職 員 ) 5 0 88 4. 8 9. 4 9. 2 4. 7 3 8. 0 3 3. 3 0. 7 3 35 6 3 .9 4 介 護 職 員 ( 非 正 規 職 員 ) 2 4 10 3. 9 1 0. 8 1 2. 5 3. 7 3 7. 4 3 0. 7 1. 0 1 64 4 3 .8 8

( 注 ) 定 着 志 向 得 点 は 、「 半 年 程 度 」 の 件 数 を 1 点 、「 1 ~ 2 年 程 度 続 け た い 」 の 件 数 を 2点 、「 3 ~ 5 年 程 度 続 け た い 」を3点 、「 6 ~ 1 0 年 程 度 続 け た い 」を4点 、「 働 き 続 け る か ぎ り 」を5点 と し て 、全 体 の 件 数 か ら 「 わ か ら な い 」 及 び 「 無 回 答 」 を 除 し て 計 算 し た 値 。

第 3 節 人 事 管 理 の 機能 と 人 事 管 理 の 整 備 状況

1 . 人 事 管 理 の 機 能 と担 い 手

5

企業は 経営 目標 を達 成 するた めに 、外 部か ら 「ヒト 」、「 モノ 」、「 カ ネ」、「 情報 」の 経営 資 源を調 達し 、そ れら を 内部で 製品 やサ ービ ス に変換 し、 それ を外 部 に提供 する 。こ うし た 経 営活動 を効 果的 ・効 率 的に行 うた めに 組織 が つくら れ、 それ ぞれ の 部門で 調達 、変 換、 外 部 への提 供が 行わ れる 。そのな かで 、「ヒ ト」に 関わる 部分 を担 当す る 管理の サブ シス テム が 人 事管理 で、 基本 方針 を 決定す るト ップ マネ ジ メント 、主 に計 画立 案 や制度 づく りや 社員 に 対 するサ ービ スを 提供 す る人事 部門 、現 場で 実 際に「 ヒト 」を 調達 ・ 育成・ 活用 する こと に よ り、組 織あ るい は部 門 の目標 の達 成を はか る ライン 管理 職(「職 場の 人事管 理」)と いう3者 による 「分 権的 管理 体 制」が 敷か れて いる 。

人事 部門 が設 計す る 人事管 理は 社員 (雇 用 )区分 制度 と社 員格 付 け制度 から なる 基盤 シ ス テムと サブ シス テム か ら構成 され てい る。 サ ブシス テム は大 きく 、 職場や 仕事 に人 材を 供 給 するた めの 管理 機能 を 担う「 採用 」、「配 置・ 異動」、「能 力開 発」 及 び「雇 用調 整・ 退職 」 か ら構成 され る雇 用管 理 、社員 の働 く環 境を 管 理する 機能 を担 う「 労 働時間 管理 」及 び「 安 全 衛生管 理」 から 構成 さ れる労 働条 件管 理、 社 員に給 付す る報 酬を 管 理する 機能 を担 う「 賃 金 管理、 昇進 管理 、福 利 厚生か ら構 成さ れる 報 酬管理 、の 3つ 分野 か らなっ てい る。 さら に 、 基盤シ ステ ムと サブ シ ステム をつ なぐ 連結 ピ ンの役 割を 担っ てい る のが人 事評 価で ある 。 こ うして 設計 され た人 事 管理の もと で、 ライ ン 管理職 は人 事部 門の 支 援を受 けな がら 、職 場 内 での部 下の 配置 を決 め る、部 下の モチ ベー シ ョンを 高め で効 果的 に 活用す る、 部下 を育 成 す る、部 下の 働き ぐあ い を評価 する ライ ン部 門 におけ る人 事管 理( 職 場の人 事管 理) を行 っ て いる。

5

人 事 管 理 の 機 能 と 担 い 手 に つ い て は 今 野 ・ 佐 藤 ( 2009) の 第 1 章 、 今 野 ( 2008) の 序 章 、 佐 藤 博 樹 ( 2008) を 整 理 し た も の で あ る 。

(5)

-10--10- 2 . 人 事 管 理 の 取 り 組み 状 況

上記 のよ うな 枠組 み のもの で 、介 護職 が働 いてい る組 織(事 業所)、職 場で はど のよ うな 人 事管理 が行 われ てい る のであ ろう か。 仕事 ( 職種) 別・ 雇用 形態 別 に接近 して みよ う( 図 表 2-2 )。第1 に 、組織(事 業所 )の 人事 管理 の取り 組み 状況 につ い てみる と 、介 護職 員( 正 規職員 )が働 いて いる 事業所 で「キ ャリ ア・アップ の仕 組み の整 備」(指 摘率:34.7% )、「 介 護能力 を適 切に 評価 す るしく み」( 同 31.7%)及 び「介 護能 力の 向上 に向 けた研 修」( 同 43.8%)、 サービ ス提 供責 任者( 正規職 員 )が 働い てい る事業 所で「 介護 能力 に見合 った 仕事 への 配 置」

(同 31.1%)、 が 十 分 整 備 さ れ て お り 、 介 護 職 員 ( 正 規 職 員 ) の 働 い て い る 事 業 所 ほ ど 、 組 織(事 業所 )の 人事 管 理が整 備さ れて いる こ とがわ かる 。

これに 対し て、 訪問 介 護員( 非正 規職 員) が 働いて いる 事業 所で 「 キャリ ア・ アッ プの 仕 組みの 整備 」(同 26.8% )及び 「介 護能 力を 適 切に評 価す るし くみ 」( 同 21.6%)、 介護 職員

( 非 正 規 職 員 ) が 働 い て い る 事 業 所 で 「 介 護 能 力 に 見 合 っ た 仕 事 へ の 配 置 」(同 26.2% ) 及 び「介 護能 力の 向上 に 向けた 研修 」(同37.3% )、が 十分 整備 され てい ない。

第2に 、職 場の 人事 管 理の取 り組 み状 況に つ いてみ ると 、介 護職 員 (正規 職員 )で 「働 き 方 や 仕 事 内 容 、 キ ャリ ア に つ い て 上 司 と 相談 す る 機 会 の 設 定」(同 35.9% )、「 勤務 体 制 を 決 め る 際 の 職 員 の 要 望を 聞 く 機 会 の 設 定」(同 37.8% )、「 実務 の 中 で 、 上 司 や 先 輩 か ら 指 導や 助言を 受け る機 会の 設 定」(同 34.9%)、訪問 介護員(正 規職 員)で「勤務 体制 を決 める 際 の 職員の 要望 を聞 く機 会 の設定 」(同37.6%)、 が十分 整備 され てお り 、介護 職員 (正 規職 員 ) の働い てい る職 場ほ ど 、職場 の人 事管 理が 整 備され てい るこ とが わ かる。

これに 対し て、 訪問 介 護員( 非正 規職 員) で 「働き 方や 仕事 内容 、 キャリ アに つい て上 司 と 相 談 す る 機 会 の 設 定」(同 30.7% ) 及 び 「勤 務 体 制 を 決 め る 際 の 職 員 の 要 望 を 聞 く 機 会の 設定」(同 33.9% )、サ ービス 提供 責任 者( 正 規職員 )で「勤 務体 制 を決め る際 の職 員の 要 望 を聞く 機会 の設 定」(同 33.8%)、介護 職員(非 正規職 員 )で「働 き方 や仕事 内容 、キャ リア に つ い て 上 司 と 相 談 す る 機 会 の 設 定」( 同 30.8% ) 及 び実 務 の 中 で 、 上 司 や 先 輩 か ら 指 導や 助言を 受け る機 会の 設 定(同31.8%)、 が十 分 整備さ れて いな い。

-11-

図表2-2 仕事(職種)別 ・雇用形態 別にみた人事 管 理職の取り組み状 況

( 単 位 : % )

キ ャ リ ア ア ッ プ の 仕 組 み の

整 備

介 護 能 力 を 適 切 に 評 価 す る し く み

介 護 能 力 に 見 合 っ た 仕 事 へ の 配 置

介 護 能 力 の 向 上 に 向 け た 研

働 き 方 や 仕 事 内 容 、 キ ャ リ ア に つ い て 上 司 と 相 談 す る 機 会 の

設 定

勤 務 体 制 を 決 め る 際 の 職 員 の 要 望 を 聞 く 機 会 の 設 定

実 務 の 中 で 、 上 司 や 先 輩 か ら 指 導 や 助 言 を 受 け る 機 会 の 設 定

訪問介護員(正規職員)(N=1,121名) 3 1 . 8 2 6 . 8 2 9 . 7 3 7 . 8 3 4 . 9 3 7 . 6 3 3 . 2 訪問介護員(非正規職員)(N=1,469名) 2 6 . 6 2 1 . 6 2 8 . 4 3 9 . 5 3 0 . 7 3 3 . 9 3 2 . 5

サービス提供責任者(正規職員)(N=1,443名) 3 4 . 1 2 9 . 9 3 1 . 1 4 1 . 2 3 5 . 1 3 3 . 8 3 3 . 8

介 護 職 員 ( 正 規 職 員 ) ( N = 5 , 0 8 8 名 ) 3 4 . 7 3 1 . 7 3 0 . 9 4 3 . 8 3 5 . 9 3 7 . 8 3 4 . 9

介護職員(非正規職員)(N=2,410名) 2 7 . 8 2 6 . 6 2 6 . 2 3 7 . 3 3 0 . 8 3 4 . 9 3 1 . 8

組 織 ( 事 業 所 ) の 人 事 管 理 職 場 の 人 事 管 理

第 4 節 人 事 管 理 の 整備 状 況 と 介 護 職 の 定 着意 識 ( 就 労 継 続 意 識 )

1 . 組 織 ( 事 業 所 ) の人 事 管 理 の 仕 組 み と 介護 職 の 定 着 意 識 ( 就 労継 続 意 識 )

以上の 結果 を踏 まえ て、「組 織( 事業 所)の人 事 管理の 仕組 み 」と「介 護職の 定着 意識( 就 労継続 意識 )」との 関係 につい て 、職 種別・雇 用 形態別 に 、順 序ロ ジス ティッ クス 回帰 分を 用 いて、 明ら かに しよ う 。

6

分析に より 説明 され る のは、 介護 職の 定着 意 識(就 労継 続意 識) と の関係 であ る。 説明 す る変数 は、組 織( 事業所 )の人 事管理 の仕 組み の なかの「キャ リア・アッ プの仕 組み の整 備」、

「介護 能力 を適 切に 評 価する しく み」 、「 介 護能力 に見 合っ た仕 事 への配 置」 及び 「介 護 能 力の向 上に 向け た研 修 」であ る。 なお 、コ ン トロー ル変 数と して 、 性別、 年齢 、現 在の 法 人 での勤 続年 数、 現在 の 職種の 経験 年数 、働 い ている 事業 所の 従業 員 数及び 通常 月の 税込 み 月 収を用 意し た。

第1に 、介 護職 員( 正 規職員 )に つい てみ る と(図 表2 -3 を参 照)、「キ ャリ アア ップ の 仕組み の整 備 」が 整備 さ れてい る事 業所 に勤 務 してい る者 ほど 、「介 護 能力を 適切 に評 価す る 仕組み 」が 整備 され てい る事業 所に 勤務 して い る者ほ ど、「介 護能 力に 見合っ た仕 事へ の配 置」 が整備 され てい る事 業 所に勤 務し てい る者 ほ ど、「介 護能 力の 向上 に 向けた 研修 」が整 備さ れ

6

各 変 数 に 対 す る デ ー タ の 取 扱 い に つ い て 説 明 す る と 、 被 説 明 変 数 は 、 潜 在 的 な 移 動 ( 離 転 職 ) 性 向 に つ い て は

「 今 の 勤 務 先 に い つ ま で 勤 め た い で す か 」 に つ い て 「 半 年 程 度 」 を5点 、「 1~ 2年 程 度 続 け た い 」 の 件 数 を4 点 、「 3~ 5年 程 度 続 け た い 」 を 3点 、「 6~ 10年 程 度 続 け た い 」 を 2点 、「 働 き 続 け る か ぎ り 」 を 1 点 ) 得 点 化 し て 被 説 明 変 数 と し た 。 他 方 、 説 明 変 数 は 、 第 1 に 、 年 齢 、 現 在 の 法 人 の 勤 続 年 数 及 び 主 な 職 種 の 経 験 年 数 に つ い て は 実 数 数 を 説 明 変 数 と し た 。 第2に 、 働 い て い る 事 業 所 の 従 業 員 数 (「 5人 未 満 」 を1点 、「 5人 以 上10 人 未 満 」 を2点 、「 10人 以 上20人 未 満 」 を3点 、「 20人 以 上50人 未 満 」 を4点 、「 50人 以 上100人 未 満 」 を5 点 、「 100人 以 上 」を6点 )に つ い て 得 点 化 し て 説 明 変 数 と し た 。ま た 、こ れ ら 以 外 の 変 数 は 、す べ て ダ ミ ー 変 数 で あ り 、 変 数 名 と し て 示 さ れ た 事 柄 に 該 当 す る 場 合 に 「 1」、 そ う で な い 場 合 を 「 0」 と し た 。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(J I L PT )

(6)

2 . 人 事 管 理 の 取 り 組み 状 況

上記 のよ うな 枠組 み のもの で 、介 護職 が働 いてい る組 織(事 業所)、職 場で はど のよ うな 人 事管理 が行 われ てい る のであ ろう か。 仕事 ( 職種) 別・ 雇用 形態 別 に接近 して みよ う( 図 表 2-2 )。第1 に 、組織(事 業所 )の 人事 管理 の取り 組み 状況 につ い てみる と 、介 護職 員( 正 規職員 )が働 いて いる 事業所 で「キ ャリ ア・アップ の仕 組み の整 備」(指 摘率:34.7% )、「 介 護能力 を適 切に 評価 す るしく み」( 同 31.7%)及 び「介 護能 力の 向上 に向 けた研 修」( 同 43.8%)、 サービ ス提 供責 任者( 正規職 員 )が 働い てい る事業 所で「 介護 能力 に見合 った 仕事 への 配 置」

(同 31.1%)、 が 十 分 整 備 さ れ て お り 、 介 護 職 員 ( 正 規 職 員 ) の 働 い て い る 事 業 所 ほ ど 、 組 織(事 業所 )の 人事 管 理が整 備さ れて いる こ とがわ かる 。

これに 対し て、 訪問 介 護員( 非正 規職 員) が 働いて いる 事業 所で 「 キャリ ア・ アッ プの 仕 組みの 整備 」(同 26.8% )及び 「介 護能 力を 適 切に評 価す るし くみ 」( 同 21.6%)、 介護 職員

( 非 正 規 職 員 ) が 働 い て い る 事 業 所 で 「 介 護 能 力 に 見 合 っ た 仕 事 へ の 配 置 」(同 26.2% ) 及 び「介 護能 力の 向上 に 向けた 研修 」(同37.3% )、が 十分 整備 され てい ない。

第2に 、職 場の 人事 管 理の取 り組 み状 況に つ いてみ ると 、介 護職 員 (正規 職員 )で 「働 き 方 や 仕 事 内 容 、 キ ャリ ア に つ い て 上 司 と 相談 す る 機 会 の 設 定」(同 35.9% )、「 勤務 体 制 を 決 め る 際 の 職 員 の 要 望を 聞 く 機 会 の 設 定」(同 37.8% )、「 実務 の 中 で 、 上 司 や 先 輩 か ら 指 導や 助言を 受け る機 会の 設 定」(同34.9%)、訪問 介護員(正 規職 員)で「勤務 体制 を決 める 際 の 職員の 要望 を聞 く機 会 の設定 」(同37.6%)、 が十分 整備 され てお り 、介護 職員 (正 規職 員 ) の働い てい る職 場ほ ど 、職場 の人 事管 理が 整 備され てい るこ とが わ かる。

これに 対し て、 訪問 介 護員( 非正 規職 員) で 「働き 方や 仕事 内容 、 キャリ アに つい て上 司 と 相 談 す る 機 会 の 設 定」(同 30.7% ) 及 び 「勤 務 体 制 を 決 め る 際 の 職 員 の 要 望 を 聞 く 機 会の 設定」(同 33.9% )、サ ービス 提供 責任 者( 正 規職員 )で「勤 務体 制 を決め る際 の職 員の 要 望 を聞く 機会 の設 定」(同33.8%)、介護 職員(非 正規職 員 )で「働 き方 や仕事 内容 、キャ リア に つ い て 上 司 と 相 談 す る 機 会 の 設 定」( 同 30.8% ) 及 び実 務 の 中 で 、 上 司 や 先 輩 か ら 指 導や 助言を 受け る機 会の 設 定(同31.8%)、 が十 分 整備さ れて いな い。

図表2-2 仕事(職種)別 ・雇用形態 別にみた人事 管 理職の取り組み状 況

( 単 位 : % )

キ ャ リ ア ア ッ プ の 仕 組 み の

整 備

介 護 能 力 を 適 切 に 評 価 す る し く み

介 護 能 力 に 見 合 っ た 仕 事 へ の 配 置

介 護 能 力 の 向 上 に 向 け た 研

働 き 方 や 仕 事 内 容 、 キ ャ リ ア に つ い て 上 司 と 相 談 す る 機 会 の

設 定

勤 務 体 制 を 決 め る 際 の 職 員 の 要 望 を 聞 く 機 会 の 設 定

実 務 の 中 で 、 上 司 や 先 輩 か ら 指 導 や 助 言 を 受 け る 機 会 の 設 定

訪問介護員(正規職員)(N=1,121名) 3 1 . 8 2 6 . 8 2 9 . 7 3 7 . 8 3 4 . 9 3 7 . 6 3 3 . 2 訪問介護員(非正規職員)(N=1,469名) 2 6 . 6 2 1 . 6 2 8 . 4 3 9 . 5 3 0 . 7 3 3 . 9 3 2 . 5

サービス提供責任者(正規職員)(N=1,443名) 3 4 . 1 2 9 . 9 3 1 . 1 4 1 . 2 3 5 . 1 3 3 . 8 3 3 . 8

介 護 職 員 ( 正 規 職 員 ) ( N = 5 , 0 8 8 名 ) 3 4 . 7 3 1 . 7 3 0 . 9 4 3 . 8 3 5 . 9 3 7 . 8 3 4 . 9

介護職員(非正規職員)(N=2,410名) 2 7 . 8 2 6 . 6 2 6 . 2 3 7 . 3 3 0 . 8 3 4 . 9 3 1 . 8

組 織 ( 事 業 所 ) の 人 事 管 理 職 場 の 人 事 管 理

第 4 節 人 事 管 理 の 整備 状 況 と 介 護 職 の 定 着意 識 ( 就 労 継 続 意 識 )

1 . 組 織 ( 事 業 所 ) の人 事 管 理 の 仕 組 み と 介護 職 の 定 着 意 識 ( 就 労継 続 意 識 )

以上の 結果 を踏 まえ て、「組 織( 事業 所)の人 事 管理の 仕組 み 」と「介 護職の 定着 意識( 就 労継続 意識 )」との 関係 につい て 、職 種別・雇 用 形態別 に 、順 序ロ ジス ティッ クス 回帰 分を 用 いて、 明ら かに しよ う 。

6

分析に より 説明 され る のは、 介護 職の 定着 意 識(就 労継 続意 識) と の関係 であ る。 説明 す る変数 は、組 織( 事業所 )の人 事管理 の仕 組み の なかの「キャ リア・アッ プの仕 組み の整 備」、

「介護 能力 を適 切に 評 価する しく み」 、「 介 護能力 に見 合っ た仕 事 への配 置」 及び 「介 護 能 力の向 上に 向け た研 修 」であ る。 なお 、コ ン トロー ル変 数と して 、 性別、 年齢 、現 在の 法 人 での勤 続年 数、 現在 の 職種の 経験 年数 、働 い ている 事業 所の 従業 員 数及び 通常 月の 税込 み 月 収を用 意し た。

第1に 、介 護職 員( 正 規職員 )に つい てみ る と(図 表2 -3 を参 照)、「キ ャリ アア ップ の 仕組み の整 備 」が 整備 さ れてい る事 業所 に勤 務 してい る者 ほど 、「介 護 能力を 適切 に評 価す る 仕組み 」が 整備 され てい る事業 所に 勤務 して い る者ほ ど、「介 護能 力に 見合っ た仕 事へ の配 置」 が整備 され てい る事 業 所に勤 務し てい る者 ほ ど、「介 護能 力の 向上 に 向けた 研修 」が整 備さ れ

6

各 変 数 に 対 す る デ ー タ の 取 扱 い に つ い て 説 明 す る と 、 被 説 明 変 数 は 、 潜 在 的 な 移 動 ( 離 転 職 ) 性 向 に つ い て は

「 今 の 勤 務 先 に い つ ま で 勤 め た い で す か 」 に つ い て 「 半 年 程 度 」 を5点 、「 1~ 2年 程 度 続 け た い 」 の 件 数 を4 点 、「 3~ 5年 程 度 続 け た い 」 を 3点 、「 6~ 10年 程 度 続 け た い 」 を 2点 、「 働 き 続 け る か ぎ り 」 を 1 点 ) 得 点 化 し て 被 説 明 変 数 と し た 。 他 方 、 説 明 変 数 は 、 第 1 に 、 年 齢 、 現 在 の 法 人 の 勤 続 年 数 及 び 主 な 職 種 の 経 験 年 数 に つ い て は 実 数 数 を 説 明 変 数 と し た 。 第2に 、 働 い て い る 事 業 所 の 従 業 員 数 (「 5人 未 満 」 を1点 、「 5人 以 上10 人 未 満 」 を2点 、「 10人 以 上20人 未 満 」 を3点 、「 20人 以 上50人 未 満 」 を4点 、「 50人 以 上100人 未 満 」 を5 点 、「 100人 以 上 」を6点 )に つ い て 得 点 化 し て 説 明 変 数 と し た 。ま た 、こ れ ら 以 外 の 変 数 は 、す べ て ダ ミ ー 変 数 で あ り 、 変 数 名 と し て 示 さ れ た 事 柄 に 該 当 す る 場 合 に 「 1」、 そ う で な い 場 合 を 「 0」 と し た 。

(7)

-12--12-

ている 事業 所に 勤務 し ている 者ほ ど、 現在 の 勤務先 での 定着 意識 ( 就労継 続意 識) が強 く な ってい る。 こう した 結 果から 明ら かな こと は 、介護 職員 (正 規職 員 )の定 着に 関し ては 、 能 力に見 合っ た仕 事に 配 置し、 仕事 に必 要な 能 力が不 足し てい るの で あれば 能力 の向 上に 向 け た研修 を行 い 、さ らに 、能力を 評価 する 仕組 み を整備 し 、そ の結 果を 踏 まえて 、介護 職員(正 規職員 )が 1つ の組 織 のなか で、 キャ リア を 形成し てい くよ うな キ ャリア ・ア ップ の仕 組 み を整備 する こと が重 要 である こと がわ かる 。

図表2-3 組織(事業所 )の人事管理の仕 組みと介 護職の定着 意識(就 労継 続意識)

―介護員(正 規職員 ・非正 規職員)

B Wa l d B Wa l d

女 性 ダ ミ ー - 0. 0 2 28 0. 0 7 87 0. 4 5 41 6. 8 0 46 ※ ※ ※

年 齢 0. 0 1 76 2 7. 6 9 22 ※ ※ ※ - 0. 0 0 57 1. 4 9 92

現 在 の 法 人 の 勤 続 年 数 - 0. 0 0 01 0. 0 0 54 - 0. 0 0 03 0. 0 5 54 介 護 職 員 の 経 験 年 数 0. 0 0 15 3. 4 7 25 - 0. 0 0 07 0. 4 5 07 働 い て い る 事 業 所 の 従 業 員 数 0. 0 0 87 0. 0 7 85 0. 0 6 80 2. 0 8 77

月 収 額 0. 0 0 00 8. 2 2 19 ※ ※ ※ 0. 0 0 00 0. 9 3 07

キ ャ リ ア ア ッ プ の 仕 組 み の 整 備 0. 2 6 76 6. 6 4 47 ※ ※ 0. 3 6 88 4. 6 1 48 ※ ※ 介 護 能 力 を 適 切 に 評 価 す る し く み 0. 2 9 55 6. 0 2 59 ※ ※ 0. 4 9 07 6. 9 3 66 ※ ※ ※ 介 護 能 力 に 見 合 っ た 仕 事 へ の 配 置 0. 4 4 20 1 6. 8 6 71 ※ ※ ※ 0. 3 6 99 5. 6 0 53 ※ ※ 介 護 能 力 の 向 上 に 向 け た 研 修 0. 2 8 69 1 1. 6 1 15 ※ ※ ※ 0. 0 4 03 0. 0 9 54

- 2 対 数 尤 度 ※ ※ ※ ※ ※ ※

カ イ 2 乗 N a g el k e rk e R 2 N

0 .0 5 9

3 0 0 5 1 3 96

0 .0 4 6

介 護 職 員 ( 非 正 規 職 員 )

7 34 2 . 30 0 1 6 7. 0 9 0

34 4 0 .9 0 0 5 9 . 81 3 介 護 職 員 ( 正 規 職 員 )

( 注 ) ※ ※ ※ は1% 水 準 有 意 、 ※ ※ は5% 水 準 有 意 。

第 2 に 、 介 護 職 員 ( 非 正 規 職 員 ) に つ い て み る と 、「 キ ャ リ ア ア ッ プ の 仕 組 み の 整 備 」 が 整備さ れて いる 事業 所 に勤務 して いる 者ほ ど、「介 護能 力を 適切 に評 価 する仕 組み 」が整 備さ れてい る事 業所 に勤 務 してい る者 ほど 、「介 護 能力に 見合 った 仕事 へ の配置 」が整 備さ れて い る事業 所に 勤務 して い る者ほ ど、 現在 の勤 務 先での 定着 意識 (就 労 継続意 識) が強 くな っ て いる 。と くに、「 介護 能 力を適 切に 評価 する 仕 組み 」の 整備 と定 着意 識( 就労 継続 意識 の間 に 強い相 関関 係が 見ら れ る。介 護職 員( 非正 規 職員) のな かに は、 1 つの組 織の なか でキ ャ リ アを積 んで いく とい う のでは なく( 内部 労働 市場型 の働 き方 では な く)、外 部労 働市 場( 職 能 別労働 型の 働き 方) を 意識し なが ら、 複数 の 組織の なか で、 キャ リ アを積 んで いこ うと 考 え ている 者な ど、 様々 な 考え方 が持 った 者が 働 いてお り、 多く の介 護 職員( 正規 職員 )の よ う に、1つ の組 織の なか でキャ リア を積 んで い こうと 考え てい る者 に とって は、「 キャ リア・ア ップの 仕組 みの 整備 」 が重要 にな り、 これ に 対して 、1 つの 組織 の なかで キャ リア を積 ん で いくと いう ので はな く(内 部労 働市 場型 の働 き方で はな く)、外部労 働市場( 職能 別労 働型 の 働き方 )を 意識 しな が ら、複 数の 組織 のな か で、キ ャリ アを 積ん で いこう と考 えて いる 者 と っては 、介 護能 力を 適 切に評 価す る仕 組み や 介護能 力に 見合 った 仕 事への 配置 が彼 ら( 彼 女 ら)の 定着 にと って 大 切であ ると 考え られ る 。

-13-

第3に、訪 問介 護員 ( 正規職 員) につ いて み ると( 図表 2- 4を 参 照)、「 介護 能力 を適 切 に評価 する しく み 」が 整備さ れて いる 事業 所 に勤務 して いる 者ほ ど 、あ るい は、「介 護能 力 の 向上に 向け た研 修」 が 整備さ れて いる 事業 所 に勤務 して いる 者ほ ど 、現在 の勤 務先 での 定 着 意識( 就労 継続 意識 ) が強く なっ てい る。

第4に、訪 問介 護員 ( 非正規 職員 )に つい て みると 、「 介護 能力 に見 合った 仕事 への 配置 」 が整備 され てい る事 業 所に勤 務し てい る者 ほ ど、現在 の勤 務先 での 定 着意識( 就労 継続 意識 ) が強く なっ てい る。 訪 問介護 員( 非正 規職 員 )の評 価は 施設 等で 働 く介護 職員 とは 異な り 、 上司と 部下 が、 直接 、 一緒に 働い てい るの で はない ため 、日 常の 介 護サー ビス から 部下 の 能 力を評 価す るこ とで き ないた め、 自分 の介 護 能力と 担当 する 仕事 と の適切 なマ ッチ ング が 行 われて いる こと によ り 、彼ら (彼 女ら )の モ チベー ショ ンが 高く な ると考 えら れる 。

第5に、サ ービ ス提 供 責任者 (正 規職 員) に ついて みる と、 訪問 介 護員( 非正 規職 員) と 同様に 、「 介護 能力 に見 合った 仕事 への 配置 」が 整備さ れて いる 事業 所 に勤務 して いる 者ほ ど、 現在の 勤務 先で の定 着 意識( 就労 継続 意識 ) が強く なっ てい る。 サ ービス 提供 責任 者( 非 正 規職員 )の 重要 な仕 事 は訪問 介護 員の 介護 能 力に見 合っ た仕 事へ の 配置で あり 、訪 問介 護 員 の介護 能力 と彼 ら( 彼 女ら) が担 当す る仕 事 とが効 率よ く、 適切 に マッチ ング され る仕 組 み が整備 され るこ とは サ ービス 提供 責任 者( 非 正規職 員) の仕 事の や りがい を高 める こと に つ ながる と考 えら れる 。

訪問介 護員 やサ ービ ス 提供責 任者 は施 設等 で 働く介 護職 員と は異 な り、言 い換 えれ ば、 1 つの組 織の なか で働 く のでは なく 、つ まり 、 1つの 組織 のな かで キ ャリア を積 んで いく と い うので はな く( 内部 労 働市場 型の 働き 方で は なく)、外 部労 働市 場( 職能別 労働 型の 働き 方) を意識 しな がら 、複 数 の組織 でキ ャリ アを 積 んでい く者 が多 いた め 、介護 能力 を適 切に 評 価 する仕 組み や介 護能 力 に見合 った 仕事 への 配 置が彼 ら( 彼女 ら) の 定着に とっ て大 切で あ る と考え られ る。

図表2-4 組織(事業所 )の人事管理の仕 組みと介 護職の定着 意識(就 労継 続意識)

―訪問介護 員(正規 職員・非正規職 員)及びサービス提供責任 者(正規 職員)

B W a l d B W a l d B W a l d

女 性 ダ ミ ー 0 . 1 2 7 8 0 . 4 2 1 2 - 0 . 2 8 4 7 0 . 4 0 4 7 - 0 . 2 7 5 3 2 . 2 3 9 5

年 齢 - 0 . 0 1 4 4 3 . 9 0 9 9

※ ※

- 0 . 0 2 2 9 1 0 . 7 5 9 8

※ ※ ※

- 0 . 0 0 4 8 0 . 5 1 9 9 現 在 の 法 人 の 勤 続 年 数 - 0 . 0 0 1 6 0 . 8 6 0 8 - 0 . 0 0 2 1 1 . 4 6 8 3 0 . 0 0 0 6 0 . 2 1 5 0

介 護 職 員 の 経 験 年 数 0 . 0 0 3 3 3 . 9 6 3 5

※ ※

0 . 0 0 1 5 0 . 8 9 8 7 0 . 0 0 1 6 1 . 7 1 6 2 働 い て い る 事 業 所 の 従 業 員 数 - 0 . 0 0 7 4 0 . 0 1 1 6 0 . 0 2 4 5 0 . 1 5 1 5 - 0 . 0 6 0 9 1 . 0 9 0 0

月 収 額 0 . 0 0 0 0 0 . 0 3 7 2 0 . 0 0 0 0 3 . 1 6 6 9

0 . 0 0 0 0 0 . 4 1 4 5 キ ャ リ ア ア ッ プ の 仕 組 み の 整 備 0 . 0 2 2 2 0 . 0 0 9 7 0 . 2 9 3 2 1 . 8 6 9 2 0 . 2 6 1 3 1 . 9 4 0 5 介 護 能 力 を 適 切 に 評 価 す る し く み 0 . 5 6 3 0 5 . 1 1 8 0

※ ※

0 . 2 7 4 8 1 . 4 3 2 6 0 . 1 5 4 2 0 . 6 5 4 0 介 護 能 力 に 見 合 っ た 仕 事 へ の 配 置 0 . 3 5 0 2 3 . 2 7 2 0

0 . 3 3 3 2 4 . 0 5 9 5

※ ※

0 . 4 6 1 8 8 . 3 9 5 4

※ ※ ※

介 護 能 力 の 向 上 に 向 け た 研 修 0 . 5 3 41 7 . 2 4 9 4

※ ※ ※

- 0 . 0 1 5 2 0 . 0 0 8 9 0 . 2 2 3 7 2 . 0 6 7 0 - 2 対 数 尤 度

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

カ イ 2 乗 N a g e l k e r k e R 2 N

0 . 0 7 4 7 2 7

0 . 0 4 7 8 8 6

0 . 0 4 2 9 8 9

サービス提供責任者(正規職員)

2 2 1 4 . 0 8 2 3 7 . 7 7 0 訪問介護員(非正規職員)

1 9 7 8 . 5 7 4 3 7 . 8 6 6 1 5 6 7 . 3 5 5

4 9 . 7 4 5

訪 問 介 護 員 ( 正 規 職 員 )

( 注 ) ※ ※ ※ は1% 水 準 有 意 、 ※ ※ は5% 水 準 有 意 。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(J I L PT )

参照

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