平成27年度に策定された熊本県の廃棄物処理計画には、一昨々 年、阿蘇で発生した水害による災害ゴミの処理で経験した教訓を 参考に、各市町村の災害ゴミ対策が取り上げられていた。災害ゴ ミの分別方法や集積場所の事前指定、運搬や処理における近隣自 治体との連携・協力体制などが重要項目として設定されていた。 熊本地震を受けて、県では「熊本県災害廃棄物処理実行計画」 を策定し、 迅速かつ適正に廃棄物を処理し、地震発生から2年 以内の処理終了を目標とする 可能な限りリサイクル(目標: リサイクル率70%以上)を進め、埋立処分量を減らす などの基 本方針のもと、熊本県、被災市町村、解体業者、一次仮置場管理 事業者、廃棄物処理事業者の全てが一丸となって、推計約289万 トン(平成29年6月時点)にも及ぶ災害廃棄物の処理を懸命に 進めてきている。
今回の地震で改めて実感したものに、日本人に根付いている 「思いやり」の心がある。
過去の大きな自然災害において、水や食料の配給に、譲り合 いや整然と並ぶ姿などが報道される
と、これは日本におけるこれまでの 人間教育の賜ではないかと思える。 熊本地震でも同様に、頻発する余震 に怯えながらも被災者同士が助け合 い、断水が続く中、街中温泉に入る ため数時間も静かに並ぶ姿を見て、
人間教育なくしては、日本の未来は無いと思った。
自然災害と同様に、人類が直面する地球環境問題は、極めて深刻で複雑であるため、これを解決してい くためには、科学的な思考力の醸成に加えて、人間の生き方や社会での行動を見直す必要がある。そのた め、自律心、判断力、責任感などの人間性を育成しなければならない。さらに、他人との関係性、社会 との関係性、自然環境との関係性を認識し、「関わり」や「つながり」を尊重できるような人間教育が必 要である。このような考え方は、持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)と呼ばれ、我が国が2002年に国連総会で提案したものである。国連ではユネスコが担当 し、我が国では環境省、文科省、農水省、国交省、経産省が共管で既に10年以上、普及啓発を推進してい るが、ESDの認知度はまだ低いのが現状である。
しかしながら、熊本震災を体験して、ESDを実践する環境教育によって、人類は、直面する厳しい 自然災害や先の見えない地球環境問題をなんとか乗り越えていけるのではないかと、再認識させられた。
<家屋解体>
<一次仮置場>
<二次仮置場>
ESD(Education for Sustainable Development)とは?
持続可能な開発を促進するため、地球的な視野をもつ市民を育成することを目的とする教育。「一人 ひとりが、世界の人々や将来世代、環境との関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革する ための教育」と定義される。2002年にヨハネスブルクで開催された国連の「持続可能な開発に関する 首脳会談」で日本が提唱し、「ESDの10年(2005 ∼ 2014年)」が採択された。
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