DI-00064 牛乳アレルギー患者に禁忌の医薬品 20080212 Q.牛乳アレルギーの患者に禁忌となっている医薬品は?
A.牛乳のアレルゲンは主に牛乳蛋白質であるカゼインや乳清蛋白質(ラクトグロブリン など)です。その中でも、カゼインは牛乳蛋白質の80%を占めており、アレルゲン性が高 くなっています。
カゼイン(及びその塩化物であるカゼインナトリウム)は、医薬品添加物に指定されて おり、賦形剤や粘着剤、結合剤などに使用されています。ここでは、添付文書に、禁忌・原則 禁忌として記載されている商品を紹介します。
Ⅰ.添付文書に禁忌と記載されている商品
①タンニン酸製剤(アルブミンに代わり牛乳由来の蛋白質(カゼイン)を使用) タンニン酸アルブミン(タンナルビン) 各社
②生菌製剤(製剤化にあたり安定剤として脱脂粉乳注)を添加) アンチビオフィルス細粒 明治製菓 エンテロノン-R 味の素ファルマ エントモール散 アステラス製薬 コレポリーR散 東和薬品 ビオスリー散、ビオスリー錠 鳥居薬品
ビオスリー散、ビオスリー錠は2007年12月出荷分より順次牛乳由来成分不使用製品に 切り替えているため、禁忌に該当しない商品もあります。当分の間、禁忌に該当しない製品 には「牛乳由来成分(粉乳)なし製品」の表示がされます。
ラックビーR 興和創薬 ラックビー、ラックビー微粒 興和創薬
・ラックビー、ラックビー微粒は2005年7月出荷分より順次牛乳由来成分不使用製品に 切り替えているため、禁忌に該当しない商品があります。
・ラックビー微粒Nは禁忌ではありません。
③経腸栄養剤(成分中に牛乳由来のカゼインを含有)
エンシュア・H アボットジャパン エンシュア・リキッド アボットジャパン クリニミール(2008年3月までの経過措置) エーザイ
ハーモニック-M 味の素ファルマ ハーモニック-F 味の素ファルマ ラコール 大塚製薬 ④肝不全用栄養剤(添加物としてカゼインを含有)
アミノレバンEN 大塚製薬 ⑤セフェム系抗生物質(添加物としてカゼインナトリウムを含有) メイアクト錠 100(2006年3月薬価削除) 明治製菓
メイアクト小児用細粒 (2005年3月薬価削除) 明治製菓
メイアクトMS小児用細粒、メイアクトMS錠100mgはカゼインナトリウム除去製品 のため禁忌ではありません。
⑥マクロライド系抗生物質(添加物としてカゼインを含有) メデマイシンカプセル 明治製菓
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⑦制酸・緩下剤(添加物としてカゼインを含有)
ミルマグ錠 共和薬品工業、高田製薬 ⑧高血圧・狭心症治療剤(添加物としてカゼインを含有)
エマベリンLカプセル 5mg,10mg,15mg 塩野義製薬
⑨一般用医薬品(カルシウム剤)
バイランCa錠 日水製薬 ⑩一般用医薬品(制酸剤・緩下剤)
小粒ミルマグ錠(2003年4月中止) エムジーファーマ
Ⅱ.添付文書に原則禁忌と記載されている商品(成分中に牛乳由来のカゼイン含有) GSDフォーミュラN明乳 明治乳業
GSDフォーミュラD明乳 明治乳業
雪印新低メチオニンミルク(2008 年3月までの経過措置) ビーンスターク・スノー
注)脱脂粉乳は牛乳から脂肪を除いたものであり、蛋白質の含量には差異がないため カゼインが含まれます。
参考資料 各社私信 各製品添付文書
医薬品情報26(6)543’99 医薬品添加物事典
薬発第853号 昭和63年10月1日 アレルギーの臨床16(9)30’96 JJPEN15(10)979’93 医学大辞典
医科学大事典
医薬品・医療用具等安全性情報 No.159(2000年3月) 日本薬剤師会ホームページ
[DI-00064] スズケン医療情報室 SDIC(東京・名古屋・札幌)作成
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