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jus46 最近の更新履歴 北海道都市地域学会

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(1)

Architecture Geography

Housing City Planning

Landscape Architecture

Sociology Economics

Regional Planning

Agriculture Business Studies

Environmental Planning

Civil Engineering Transportation

都 市 学 研 究 46

Journal of Urban Studies

北海道都市地域学会 研究論文集 2009

ISSN 1343-3261

(2)

都市学研究 掲載論文について

北海道都市地域学会

本学会 学会会員 学術研究活動 一環 し 。1)研究発表会 発表し 学会論文集 あ 都市学研究に掲載す 研究論文 「 学会 論文集 あ 都市学研究へ 一般投稿に 研 究論文 」 編集委員会 学会論文集 あ 都 市学研究に掲載す た に依頼す 特別寄稿論 文 。4)研究発表会 発表し 学会論文集 あ 都市学研究に掲載す 報告論文 調査報告等を 含 5 学会論文集 あ 都市学研究へ 一 般投稿に 報告論文 調査報告等を含

以上5つを設け ます

こ うち 1 び 4 につい

研究発表会 口頭発表を経た す 。1) び 「 につい 都市学研究査読規定に基

1論文につ 3名 査読者 報告を 受け 最終的に論文委員会 掲載を許可した

都市学研究に掲載さ ます また 4) び 5)につい 原則 し そ まま都市学

研究に掲載し ます

「009年度 論文委 員会 メン バー 右 記

通 す

論文委員会

委員長 中鉢 兒 幌国際大学 委 員 愛甲 哲也 北海道大学大学院

押谷 一 酪農学園大学 高野 伸栄 北海道大学大学院 森 傑 北海道大学大学院

査読委員 論文委員以外

石本 正明 北海道大学大学院 岸 邦宏 北海道大学大学院 小山 茂 幌大学

坂口 大洋 東北大学大学院 敷田 麻実 北海道大学大学院 瀬戸口 剛 北海道大学大学院 千葉 博正 幌大学

中原 宏 幌市立大学 星 卓志 幌市役所 吉田 順一 北海道大学大学院

50音順

(3)

北海道都市地域学会 研究論文集 2009

都市学研究

46

目 次 研究論文

幌市の郊外戸建住宅地居住者 る住 続け / 住 替え意識の実態 3

- 居住者意識 配慮したコンドクダクテ゛実現のための基礎的研究 - 岡 浩一 北海学園大学工学部建築学科

積雪寒冷地 ける規模 周辺環境の異 る街区公園の 11 周辺住民の利用実態 意識 いて

谷 彩音 北海道大学大学院農学院 愛甲 哲也 北海道大学大 院農学研究院 大友 雅子 幌市環境局 りの推進部

ニセコ地域への゜ントウンチの動向 展望 いての考察 19 市岡 浩子 幌国際大学観光学部観光学科

河 光弘 幌国際大学観光学部観光学科 成澤 義親 幌国際大学観光学部観光学科

体験 よる観光モチベヴクョンの変 関する研究 27

- さ ろ雪 り ける台湾人観光客を事例 して - 黄 仕豪 幌国際大学観光学研究科

寄稿論文

台湾 ら た北海道の観光 37 蘇 文瑜 中国文 大学観光事業学科ン大学院観光研究科

ニセコひらふ地区の分 りやすい道案内 向けた取り組 ィ1 角田 洋 株式会社チヴコン

藤 康生 株式会社チヴコン 報告論文

公立文 ホヴル管理運営の選択肢 ィ7

- 北海道内市立文 ホヴルの設立契機 -

酒 智美 北海学園大学大学院法学研究科博士課程

観光産業゜ンタヴンクップ ける地域 の係わり 関する考察 イ3

- ホテル鶴雅を事例 して -

中鉢 令兒 幌国際大学観光学部観光経済学科 十嵐 元一 幌国際大学観光学部観光ビグネス学科 河 光弘 幌国際大学観光学部観光経済学科

※ 都市学研究 投稿論文審査方針 イ9

(4)

Journal of Urban Studies 2009

Vol. 46

Contents

Referred Papers

Actual state of the consciousness residents who live in suburbs detached-house area in Sapporo 3 consider keeping or changing residence

Fundamental research to realize compact city with the consideration of residents' consciousness Koichi OKAMOTO ᧤Hokkai-Gakuen University᧥

Differences of the visit and the attitudes of residents and children among three different block 11 parks in Sapporo

Ayane TANI(Graduate School of Agriculture, Hokkaido University) Tetsuya AKOH(Research Faculty of Agriculture, Hokkaido University)

Masako OTOMO(Greenery Promotion Department of Environmental Bureau Sapporo City Government)

A Study on Trends and Outlook for Inbound Tourism Markets to the Niseko Area 19 Hiroko ICHIOKA᧤Sapporo International University᧥

Mitsuhiro KAWAMOTO᧤Sapporo International University᧥ Yoshichika, NARISAWA ᧤Sapporo International University

A Study on Transformation of Tourists’ Motivation through Media and Their Travel Experiences 27 A Case Study on Actual and Potential Visitors to the Sapporo Snow Festival

Shinhau HUANG(Graduate School of Tourism, Sapporo International University)

Special Issue

Sightseeing of Hokkaido by a Taiwanese viewpoint 37 Wen-Yu Su᧤Chinese culture University᧥

Approach for comprehensible guide of Niseko Hirafu district 41 Hiroshi KAKUDA(Docon Co.,Ltd)

Yasuo FUJII (Docon Co.,Ltd)

Research Papers

An Alternative Perspective of the Public Performing Arts Centers in Cities of Hokkaido 47 Tomomi SAKAI᧤Hokkai Gakuen University Graduate School ᧥

Relations with the Area in Internship with Tourist Industry 53

― Case Study on Hotel TSURUGA ―

Reiji CHUBACHI᧤Sapporo International University᧥ Genichi IGARASI᧤Sapporo International University᧥ Mitsuhiro KAWAMOTO᧤Sapporo International University᧥

(5)

研 究 論 文

(6)

1.研究の目的

 都市は、経済成長と自動車中心社会に支えられ拡 大を続けた。しかし、その拡大は制御されたとは言 い切れず、到来した高齢社会において高齢者らの移 動を制約し、個々の自動車利用による地球環境への 負荷や都市施設の維持管理の負担を増大した。  都市のコンパクト化は急務である。一方、人口の 受け皿を担う郊外のニュータウンや団地には日々の 暮らしがある。コンパクト化実現には、暮らしの実 情を踏まえた検討が不可欠であり、ニュータウンの 今後のあり方が、重要な研究課題のひとつといえる。  ニュータウンの住環境評価と住み替え意向につい ては、原田が日本の初期の大規模なニュータウンを 対象として整理している注1が、北海道内のニュー タウンは対象とされていない。一方、北海道におけ る類似の研究には、瀬戸口らが住み替えの状況を入 / 転居データから分析したものがある注2が、データ から実態を追跡するもので、居住者の意識や住環境 評価の視点は含まれない。ニュータウンが対象の研

究には、猪股らが新住宅市街地開発法により開発さ れた公的大規模団地注3を対象に、居住者ニーズの 視点から住環境再生の課題を緊急度別に整理してい る注4。焦点は団地内の住環境であり、団地の機能

・ 空間の改編、コミュニティ再生、住環境の維持管 理手法の構築が課題としている。住み替えに関する 言及もあるが、促進 ・ 支援の必要性の指摘に留まる。  本研究は、都市のコンパクト化が求められる現状 を踏まえ、都市の居住機能再編を考える際に大きな 鍵となる住み続け / 住み替えの居住者意識に注目す る。この意識には、生活利便や都市施設、医療福祉、 安全安心、周辺環境、コミュニティ、身体状況等、様々 な要素が関係する。さらに、冬期の雪処理負担や移 動制約の顕著な戸建住宅居住者の住み続け / 住み替 え意識に焦点を当てることは、積雪地の都市の居住 機能再編を考える際に重要な意味を持つ。

 そこで本研究では、札幌市内の郊外戸建住宅地を 事例として取り上げ、住環境の認識と評価等、居住 者の住み続け / 住み替えの可能性に関連する事項を 整理・分析する。都市のコンパクト化方策を見いだ すための基礎となる要点の整理を目的とする。

2.調査の概要

1)調査対象地の選定と概要

都市のコンパクト化が求められる現代は、注意力 や運動能力の低下から車依存の生活に困難を感じ る人の増加する高齢社会である。これを踏まえて、 買い回りや通院等、徒歩で暮らす難しさを想定し、 札幌市内の戸建住宅地のうち、地下鉄 / JR駅注5 が徒歩圏注6外のものを選び、H19.10.01 時点の住民 基本台帳から町区内の高齢化率が超高齢社会注7に 分類される 21%を上回ることを条件とした ( 表 1)。 札幌市の郊外戸建住宅地居住者にみる住み続け / 住み替え意識の実態

-居住者意識に配慮したコンパクトシティ実現のための基礎的研究-

岡本浩一 Koichi OKAMOTO

 北海学園大学工学部建築学科(Hokkai-Gakuen University) Abstract: The purpose of this fundamental research is

to make clear the basic points for realizing compact-city with consideration of residents' consciousness. The fol- lowings are major indings. The valuation of present resi- dence environment by people who consider rehousing is lower than by people who want to keep present residence area.On the other, the latter think importance about the improvement of living environment for safety and com- munity. Both have uneasiness about living on annuity, alone daily life, and snow removal burden. It is important for planning of aged society’s system and residence envi- ronment to relect those actual conditions.

Actual state of the consciousness residents who live in suburbs detached-house area in Sapporo consider keeping or changing residence

Fundamental research to realize compact city with the consideration of residents' consciousness

- 3 -

北海道都市地域学会研究論文集 都市学研究 第46号 2009 Journal of Urban Studies Vol.46 2009

(7)

そのうち、対象地相互が近接しないよう考慮し、厚 別区もみじ台、南区真駒内柏丘、北区屯田 ( 各以下 もみじ台、真駒内、屯田 ) を調査対象地とした。  対象地はいずれも昭和 40 年代の開発である。居 住者の高齢化、建物の老朽化がみられる。主な用途 地域は第一種低層住居専用地域である ( 表 2)。 2)調査方法

対象地区内の各住戸を訪問し、協力の承諾を得ら れた住戸に留置自記式のアンケートを配布した。3 日後に訪問して回収し、不在時は切手付封筒を投函 し郵送による回収の協力をお願いした。

 アンケートは、現在の住環境評価、現在の暮らし 方実態、今後の暮らし方意向、居住者属性の4つの カテゴリに分け、適宜自由記入欄を合わせて、今後

の暮らし方意向と、その背景となる現状評価や属性 との関係を探るための構成とした ( 表 3)。

3. 各地区の居住状況の概要および類似点 1)居住年数と世帯構成、自動車利用

 居住年数では、31 年以上がもみじ台で 50%、31 年以上と 21 年以上を合わせると真駒内で 46%、屯 田で 51%あり、世代をまたぐ住み続けがほぼ半数 あることが伺える ( 図 1)。世帯構成では、単身と 夫婦のみを合わせて、もみじ台 47%、真駒内 40%、 屯 田 53 % と 割 合 が 高 い。 ま た、 夫 婦 と 子 は 順 に 28% 、37% 、32%で、今後、子の自立に伴い単身や 夫婦のみの増加が想定される ( 図 2)。自動車の利 用は、常に利用と場合により利用を合わせて、もみ じ台 60%、真駒内 73%、屯田 53%となり、自動車 依存の生活様式を伺い知ることが出来る ( 図 3)。

(%)0 50 100

5年以下 21~25年

6~10年 26~30年

11~15年 31年以上

16~20年 未回答 図 1. 居住年数(グラフ内数値は実数)

もみじ台 真 駒 内 屯  田

24 25 19 1510 17 128 19

10 70 742 122

0 28

12 11 11 15 7 16 31 3

10 20 30 40 60 70 80 90

(%)0 50 100

図 2. 同居世帯の構成(グラフ内数値は実数)

もみじ台 真 駒 内 屯  田

10 20 30 40 60 70 80 90

(%)0 50 100

図 3. 外出時の自動車利用(グラフ内数値は実数)

もみじ台 真 駒 内 屯  田

10 20 30 40 60 70 80 90

25 97 7211 161

0 33

28 22 20 21 29 27 35 17

5 51 343 7

0 2 4 単身   夫婦のみ

夫婦と子と親と祖父母

夫婦と子 夫婦と親 非親族

夫婦と子と親 未回答

常に利用 所有していない

場合により利用 未回答

利用しない

102 52 31 49 23

108 38 20 15 18

49 18 13 22 4

表 1. 調査対象地の高齢化状況(H19.10.01 時点住民基本台帳 ) 人口

( 人 )

老年人口 ( 人 )

老年人口 割合 (% )

もみじ台

もみじ台北1丁目 294 135 46 もみじ台北2丁目 325 138 42 もみじ台北5丁目 280 128 46 もみじ台東2丁目 656 268 41 対象地区小計 1,555 669 43 [ もみじ台地区全体 ] [18,442] [5,168] [28]

真駒内

真駒内柏丘1丁目 456 128 28 真駒内柏丘2丁目 343 107 31 真駒内柏丘5丁目 494 124 25

真駒内柏丘7丁目 278 72 26

対象地区小計 1,571 431 27 [ 真駒内柏丘地区全体 ] [4,070] [997] [24]

屯田

屯田2条4丁目 323 111 34

屯田3条7丁目 336 96 29

屯田3条8丁目 126 34 27

屯田4条3丁目 534 179 34

対象地区小計 1,319 420 43 [ 屯田 1 ~ 4 条地区全体 ] [9,900] [2,583] [32] 調査対象地区合計 4,445 1,520 34

表 2. 調査対象地の概要

もみじ台 真駒内 屯田

開発時期 昭和 42 年~ 昭和 40 年~ 昭和 44 年~

開発主体 札幌市 札幌市 北海道住宅供給公社

主たる 用途地域

第一種低住専

(80/40)

第一種低住専

(80/40)

第一種低住専 (80/40) その他

の特徴

・地区センター

・地域暖房採用

・計画的施設配置

・札幌五輪から

・地域暖房採用

・高級住宅地

・減反→宅地

・屯田宅地開発皮切

・防風林、遊歩道

地形 緩やかな起伏 丘陵の上 平坦地

表 3. アンケート実施状況と内容構成

地区名 もみじ台 真駒内柏丘 屯田 合計

配布日 '07.12.12 '07.12.13 '07.12.17 - 回収日 '07.12.15 '07.12.16 '07.12.20 -

配布数 302 285 111 698

回収数 257 199 106 562

回収率 85% 70% 95% 81%

1. 現在の住環境

・住宅の建替え、増築、改修(リフォーム)

・現在の住宅の評価    ・地区内利用の実態と評価

・住宅や住まいの悩み など 2. 現在の暮らし

・地区内の交流      ・雪処理の実態

・サービスの利用内容   ・夏と冬の暮らし方の変化 3. これからの暮らし

・これから暮らす場所     ・これからの暮らしの環境

・これからの暮らしに必要なこと ・これからの住まいの希望 4. 属性

・住居形態    ・居住年数  ・回答者性別 / 年齢層

・同居世帯の構成 ・同居人数  ・家族の歩行状態

・外出時の車利用 ・建替え、増築、改修の予定 など

(8)

2)建物の建替え・増築、改修の状況

 現在の住まいの建替えは、もみじ台が 26%、屯 田が 24%で約 1/4、真駒内で 15%が実施している。  増築は、もみじ台 27%、真駒内 18%、屯田 19% である。建替えと増築を合わせると、もみじ台は 53%、真駒内は 32%、屯田は 42%となる ( 図 4)。  住宅改修は、もみじ台の 45%、真駒内の 40%、 屯田の 42%で実施している ( 図 5)注8

4.住み続け意識の段階的変化 1)住む場所からみる住み続け意識

 住み続けたいと考える場所について、市内、地区 内、今の敷地 ( 以下 現敷地 )、今の建物 ( 以下 現 建物 ) に分けて聞いた。全体の傾向を把握するため 3地区まとめて整理する。

 市内から現建物へと対象範囲を狭めるに従い、住 み続け意識が弱くなる ( 表 4)。市内の住み続け意 識は高く 70%で、こだわらないとする 16%を大き く上回る。地区内の住み続け意識は 53%で、こだ わらない 34%を上回る。現敷地の住み続け意識は

47%で、こだわらない 34%との差が地区内に比べ 縮小し、現建物の住み続け意識は 44%で、こだわ らない 38%との差がさらに小さくなる。

 未回答は市内 14%と地区内 13%に比べ、現敷地 と現建物が 19%と 18%と高めで、資産としての側 面や住み慣れ等から、決めかねる状況が想定される。 2)世帯構成からみる住み続け意識

 単身者 71%、夫婦のみ 67%、夫婦と子 59%が地 区内に住み続けたいと考えている。一方、夫婦と親 は 75%が地区内にこだわらないとした ( 表 5)。  単身と夫婦のみでは、年金生活を背景に住み替え を想定しにくい状況や、住み慣れた地区を離れる不 安等が考えられる。夫婦と子では、子供の生活 ・ 教 育環境の維持、もしくは未婚の子が高齢な親との住 み替えを想定しにくい状況等が考えられる。一方、 夫婦と親では、親の暮らしの安全や健康管理等から、 必ずしも住み続けを優先していないと推察できる。 3)地区別にみる住み続け意識

 地区の選定条件として、高齢化率と交通機関の状 況には類似性を考慮したが、それ以外の住環境条件 には様々な違いが存在する。対象地徒歩圏内の医療 機関と商業施設にも違いがある ( 表 6)。

 その上で、3地区それぞれを確認すると、もみじ 台と真駒内が 53%、屯田が 52%で、3地区とも約 半数が地区内に住み続けたいとなった。地区内にこ だわらないは、もみじ台と屯田が 36%、真駒内が 30%で、地区によらず同程度の割合となった(表 7)。

(%)0 50 100

図 5. 住宅改修 ( リフォーム ) 歴の有無(グラフ内数値は実数) もみじ台

真 駒 内 屯  田

10 20 30 40 60 70 80 90 116

45 80

82

36 51

59

25 68

あり なし 未回答

(%)0 50 100

図 4. 住宅の建替 ・ 増築の状況(グラフ内数値は実数) もみじ台

真 駒 内 屯  田

10 20 30 40 60 70 80 90 35

12 35 86

49 100 70

20 35 66

25 29

建替えた 増築した どちらもしていない 未回答

表 4. 居住場所別の住み続け意識 住み続けたい こだわらない 未回答

実数 (% ) 実数 (% ) 実数 (% ) 市内に 391 (70) 90 (16) 81 (14) 562 地区内に 297 (53) 189 (34) 75 (13) 562 今の敷地に 262 (47) 191 (34) 109 (19) 562 今の建物に 248 (44) 212 (38) 102 (18) 562

表 5. 同居家族構成別の地区内住み続け意識

地区内に 住み続けたい こだわらない

世帯構成 実数 (% ) 実数 (% ) 単身 27 (71) 11 (29) 38 夫婦のみ 133 (66) 69 (34) 202 夫婦と子 101 (59) 71 (41) 172

夫婦と親 4 (25) 12 (75) 16

夫婦と子と親 15 (52) 14 (48) 29 その他、未回答を除く

表 6. 徒歩圏内の医療施設 ・ 商業施設の数と種類注9

もみじ台 真駒内 屯田

病院 1 0 0

(科目)

外科 歯科 0 5 0 1 1 8

内科 併設 3 0 0 1 3 1

小児科 0 0 1

0 2( 皮膚 , 眼 ) 0

小計 8 4 14

9 4 14

商業施設 コンビニ 2 1 3

スーパー 1 0 2

ほか 1( 複合商業 ) 0 1(CD/DVD)

4 1 6

表 7. 地区内の住み続け意識(地区別) 地区内に 住み続けたい こだわらない 未回答

実数 (% ) 実数 (% ) 実数 (% ) もみじ台 137 (53) 91 (36) 29 (11) 257

真駒内 105 (53) 60 (30) 34 (17) 199 屯田 55 (52) 38 (36) 13 (12) 106

297 (53) 189 (34) 75 (13) 562

- 5 -

(9)

5.住み続け意識と地区内の住環境評価

 ここでは4章で3地区とも同程度に高い住み続け 意識がみられたことを踏まえ、公共交通 ・ 医療 ・ 店 舗等、様々な機能が集まり選択性の高い都市部、比 較すると制約の大きい郊外戸建住宅地との関係性を 視野に、地区内に住み続けたいと考える居住者 ( 以 下 地区内継続 ) と、こだわらないとする居住者 ( 以 下 地区外可 ) とに2分する注 10。地区内継続と地区 外可の意識の違いを通じた分析を試みる。

1)地区内の利便性に関する評価 (1) 交通利便

 地区内継続は、満足とやや満足を合わせた満足側 の評価が 51%、不満とやや不満を合わせた不満側 の評価が 11%となった。ふつうは地区内継続と地 区外可で同程度である。一方、地区外可では満足側 の評価が 38%、不満側の評価が 20%で、地区内継 続より不満側の傾向がつよく、地区の交通利便を低 く評価していることがわかる ( 表 8)。

(2) 医療機関

 地区内継続の 44%、地区外可の 45%が、ふつう とし目立った評価はみられない。不満側の評価では、 地区内継続が 16%に対し、地区外可が 24%となり 地区内継続より低く評価している ( 表 9)。

(3) 商業施設

 地区内の商業施設の数 ・ 種類に関して、地区内継 続では 36%が満足側の評価、26%が不満側の評価 をした。対して地区外可は、25%が満足側の評価、 39%が不満側の評価をしており、ここでも地区外可 が地区内継続に比べ低く評価している ( 表 10)。 2)地区内における困りごと

 地区内継続と地区外可を比較すると、 困りごと のおおよその傾向は似通っている ( 表 11)。なかで も両者を通じた懸念事項は、空き巣等の防犯面の不 安で、地区内継続が 35%、地区外可が 41%である。  地区内継続より地区外可が多く選択したのは、施 設の不足に関する事項で、特に病院や福祉施設と生 活用品店の不足では、約2倍の開きがある。逆に、 地区内継続が地区外可より多く選択したのは、街路 の動きにくさと歩道凍結による外出のしにくさの2 点で、徒歩中心の生活に気がかりが伺える。 3)地区の利用全体に関する評価

 地区内継続と地区外可とも、不満側の評価は 6% で1割に満たない。一方、満足側の評価は、地区内 継続で 46%と半数近いことに比べ、地区外可では

表 8. 地区内の交通利便に関する満足度 満足 やや

満足 ふつう やや

不満 不満 未回答 地区内

継続

71 81 107 27 5 6 297 (24) (27) (36) (9) (2) (2) (100) 地区外

36 36 72 28 9 8 189 (19) (19) (38) (15) (5) (4) (100)

上段:実数 下段:(% )

表 9. 地区内の医療機関の数 ・ 種類に関する満足度 満足 やや

満足 ふつう やや

不満 不満 未回答 地区内

継続

48 61 129 36 13 10 297 (16) (21) (44) (12) (4) (3) (100) 地区外

21 31 85 37 8 7 189 (11) (16) (45) (19) (5) (4) (100)

上段:実数 下段:(% )

表 10. 地区内の商業施設の数種類に関する満足度 満足 やや

満足 ふつう やや

不満 不満 未回答 地区内

継続

46 60 104 62 16 9 297 (16) (20) (35) (21) (5) (3) (100) 地区外

18 29 63 52 21 6 189 (10) (15) (33) (28) (11) (3) (100)

上段:実数 下段:(% )

表 11. 地区内における困りごとの具体事項( 複数回答 ) 地区内継続

( 母数221)

地区外可 ( 母数165) 実数 (% ) 実数 (% ) 施設の 病院や福祉施設 20 (9) 25 (15)スーパー等生活用品店

26 (12) 35 (21) 銀行 ・ 郵便局等金融機関 11 (5) 14 (9)

交通

自動車やタクシー・バス

がないと生活が厳しい 42 (19) 41 (25) 今の街路は杖や車いすに

なると動きにくい 39 (18) 23 (14) 冬は歩道の凍結等で外出

がままならない 45 (20) 33 (20)

防犯

空き巣等防犯面が不安 78 (35) 67 (41) 夜の道路が暗くて用事で

も出歩きにくい 30 (14) 28 (17)

自分に合う趣味等の活動

場所が少ない 17 (8) 26 (16) 隣近所との付合いが希薄 41 (19) 33 (20)

困りことはない 71 - 23 -

母数は困りことはないを除いた実数 表 12. 地区の利用全体に対する満足度 満足 やや

満足 ふつう やや

不満 不満 未回答 地区内

継続

52 84 120 14 2 25 297 (18) (28) (40) (5) (1) (8) (100) 地区外

27 25 110 8 4 15 189 (14) (13) (59) (4) (2) (8) (100)

上段:実数 下段:(% )

(10)

27%、ふつうが 59%となった ( 表 12)。この結果は、 交通利便、医療機関と商業施設の数 ・ 種類の3点に 関する評価において、いずれも地区外可が地区内継 続よりも低い評価をしたことに対応している。  地区外可とした回答者は、地区内利用の面で、積 極的には評価するに至らない状況のなかに暮らして いると推察できる。また、具体的な困りごとでは、 地区内継続が歩行中心の生活を前提とした事項に着 目している点が特徴的である。

6.暮らしを取り巻く地区内の環境評価

 本研究を進める上で、近年高まる自然環境に対す る意識や、地域コミュニティの重要性に対する再認 識を考慮することも重要である。これを踏まえ、暮 らしを取り巻く環境の重要な要素として、地区内の 自然環境と交流に着目し整理する。

1)緑の豊かさと利便性との関係性

(1) 地区内の緑の豊かさ認識と景観に関する評価  地区内の緑に関する認識は、地区内継続 71%、 地区外可 68%で、同程度に豊かであると認識して いる ( 表 13)。一方、地区内の景観に関しては、地

区内継続で 50%が満足側の評価となったが、地区 外可では 32%、ふつうが 51%となった ( 表 14)。 (2) 自然環境と利便性の選択比較

 まず自然とおもに自然を合わせて自然環境を優先 するのは、地区内継続 47%、地区外可 35%となった。  一方、まず都会とおもに都会を合わせて利便性を 優先するのは、地区内継続が 39%に対し、地区外 可は 55%となった。地区外可は、地区内の緑の豊 かさを実感しつつも、地区内継続よりも利便性を優 先する傾向がつよい ( 表 15)。

2)地区内における交流の状況と評価 (1) 地区内の交流の深さ

 地区内の交流の程度は、地区内継続と地区外可と の間に大きな相違はみられない。地区内継続と地 区外可の順に、顔見知りが 66%、71%、あいさつ 程度が 89%、91%となり、日常的な礼儀程度の繋 がりが主である。それに比べ、立ち話はそれぞれ 39%、38%に限られ、ものの貸し借りや一緒に出か ける程の繋がりはほとんどみられない ( 表 16)。 (2) 地区内の近所つきあいに関する評価

 地区内継続も地区外可もおおよそ深い交流は見ら れなかった。さらに近所つきあいの評価 ( 表 17) は、 地区内継続 30%、地区外可でも 37%が近所つきあ いをよわい側に評価した。割合は小さいながら、近 所つきあいをつよい側に評価した回答は、地区内継 表 13. 地区内の緑の豊かさに関する認識

公園や街路樹の緑 敷地内の庭の緑 母数 ( 無回答除 ) 豊か とぼしい 豊か とぼしい

地区内 継続

185 8 134 4 260

(71) (3) (52) (2) - 地区外

112 8 78 4 116

(68) (5) (47) (2) - 上段:実数 下段:(% )

表 14. 地区内の景観に関する満足度 満足 やや

満足 ふつう やや

不満 不満 未回答 地区内

継続

52 84 120 14 2 25 297 (17) (33) (37) (5) (1) (7) (100) 地区外

17 43 97 16 3 13 189 (9) (23) (51) (8) (2) (7) (100)

上段:実数 下段:(% )

表 15. 自然環境と利便性との選択 まず

自然 ( ※ 1)

おもに 自然 ( ※2)

おもに 都会 ( ※3)

まず 都会 ( ※4)

未回答 地区内

継続

11 132 112 2 40 297 (3) (44) (38) (1) (14) (100) 地区外

6 61 97 6 19 189

(3) (32) (52) (3) (10) (100) 上段:実数 下段:(% )

※1.まず自然がたくさんあることが重要で、不便でもかまわない

※2.おもに自然があることが重要で、多少なら不便でもかまわない

※3.おもに都会の便利さが重要で、多少なら自然が少なくてもかまわない

※4.まず都会の便利さが重要で、自然はなくてもかまわない

表 16. 地区内の交流の程度 ( 複数回答 ) 地区内継続 ( 母数 297)

地区外可 ( 母数 189) 実数 (% ) 実数 (% ) 顔を知っている 195 (66) 135 (71) あいさつをする 263 (89) 171 (91) よく立ち話をする 116 (39) 71 (38)

ものを貸し借りする 16 (5) 6 (3)

家に上がってお茶をする 31 (10) 11 (6) 一緒に買物や病院へいく 13 (4) 3 (2) 一緒に泊まりがけで遠出する 9 (3) 3 (2)

そのほか 7 (2) 4 (2)

未回答 6 (2) 3 (2)

表 17. 地区内の近所つきあいの評価

つよい どちら

かと 言えば つよい

どちら でも ない

どちら かと 言えば よわい

よわい 未回答

地区内 継続

11 63 118 31 59 15 297 (4) (21) (40) (20) (10) (5) (100) 地区外

5 19 89 17 52 7 189 (3) (10) (47) (28) (9) (3) (100)

上段:実数 下段:(% )

- 7 -

(11)

続が 25%であるのに対し、地区外可は 13%となっ た。割合で約2倍の開きを示し、現状の交流の程度 を肯定的に捉えているのは、地区内継続に多いこと が明らかになった。「 永く住んでいるので交流の形 も変わりつつある。子供が小さいときと現在では付 き合い方も違う 」「 高齢者が気軽に対話できる施設 が必要だ 」 等、、高齢化に応じて地域の交流にも変 化が生じていることを指摘する記入もみられた。

7.これからの暮らしの在り方

 5章と6章では、地区の住環境に関することの評 価を整理してきた。ここからは、これからの暮らし 方に着目し、住まいに関係すること、暮らしに関係 することの視点から整理する。

1)これからの住まいに必要なこと

 今の建物に住み続けたいと考える居住者 ( 以下 現建物継続 ) と、今の建物にこだわらないと考える 居住者 ( 以下 現建物以外可 ) に分け、現在の建物 と将来の住まいになんらかの対処が必要と考える内 訳について整理する ( 表 18)。

(1) 現建物継続の考えるこれからの住まい

 現在の建物に関して、半数以上の 55%が生活や 体調に合わせた修繕を必要と考えている。建替の想 定は 13%と低く、修繕による住み続けを第一に考 えていることが確かめられた。「 自立した生活を送 るため心身の健康維持に努めたいと思う 」、「 今住 んでいる住宅のこと予算が心配 」 との記述がみられ る。自立した生活の継続を望む意識があり、それに 向けて出来る範囲での準備もみられるが、住み続け るために必要となる出費を懸念する様子もある。

(2) 現建物以外可の考えるこれからの住まい

 現建物以外可は、39%が転居を必要と考えており、 次いで修繕が 32%、建替が 24%となった。「 夫婦 二人には広すぎるので売却したい 」、「 中心部への 転居を考えている 」 との記述もみられた。

 将来の住まいには、59%が高齢者向けの設計を必 要とした。「( 夫婦の ) どちらかが一人になったと きは生活を案じる 」、「 動けなくなったときが不安 」、

「 歩行が困難になれば介護施設に入らざるを得ない

」 等の記述がみられる。今の建物での住み続けも視 野に入れながら、将来考えられる独居や身体機能の 衰えへの対処を懸念し、状況の変化に応じて、転居

・ 修繕 ・ 建替を幅広く想定している。 (3) これからの暮らしに関する懸念事項

 現建物継続の 50%、現建物以外可の 53%が緊急 対応の仕組みを必要とした。しかし、「 サービス付 住宅は年金では無理だと思う 」、「 高齢になったと きのサポート体制に不安 」 との記述がみられ、日常 的なサービスを受けるために必要な金銭面の懸念が ある。また、食堂や談話室等の共用空間は、現建物 継続と現建物以外可の順に 10%、7%、友達と一緒 に暮らせることは、同 1%、3%となった。人と繋 がる仕掛けに関してはどちらも少なく、建物内での 交流関係は重視されていないことがわかる。 2)これからの暮らしのために必要なこと (1) サービスの利用状況と将来想定

 現在なんらかのサービスを利用しているのは、全 体の 31%、利用していないのは 56%である。  将来的に、なんらかのサービスを利用したいと考 えているのは全体の 64%で、現在利用している割 合の約2倍となった。一方、利用しないは、現在利 用していないの半分以下となる 20%で、多くがサー ビスの利用を避けられないと考えている ( 表 19)。 (2) 現在利用しているサービスの内容

 現在利用しているサービスでは、日常的な暮らし と雪処理に関するものが比較的多く、主なものは、 表 18. 住まいに必要なこと( 複数回答 )

現建物継続 現建物以外可 実数 (% ) 実数 (% )

( 母数147) ( 母数168) 生活や体調に合わせ修繕 81 (55) 54 (32) 生活や体調に合わせ建替 19 (13) 41 (24) 修繕や建替ではなく転居 8 (5) 66 (39)

( 母数177) ( 母数174) 緊急対応の仕組み 88 (50) 92 (53) 24 時間ケア 42 (24) 31 (18) 食事提供サービス 30 (17) 31 (18) 食堂や談話室等共用空間 17 (10) 12 (7) 友達と一緒に暮らせる 2 (1) 6 (3) 1 階に商店や洗濯店 5 (3) 10 (6) 高齢者向けの設計 70 (40) 103 (59)

そのほか 27 (15) 16 (9)

各母数は未回答と特に何も必要ないとする回答を除いた数

表 19. サービス利用の現状と今後( 複数回答 )

現在

利用している 利用してない 未回答

実数 (% ) 実数 (% ) 実数 (% ) 実数 (% ) 177 (31) 313 (56) 72 (13) 562 (100)

今後

利用したい 利用しない 未回答

実数 (% ) 実数 (% ) 実数 (% ) 実数 (% ) 357 (64) 112 (20) 93 (17) 562 (100)

(12)

日用品宅配 21%、造園 ・ 庭の手入れ 27%、民間業 者の排雪 32%、市の排雪支援 25%である。これらは、 日々の暮らしにうまれる手間や不便さを解消するた めの内容と考えられる ( 表 20 中列 )。

(3) 将来利用したいサービスの内容

 将来利用したいサービスに関しては、「 自立出来 る間は考えられない 」、「 まだ分からない 」、「 実感 としてまだわからないが都度サービスを利用すると 思う 」 との記述が多くみられ、随所に高齢化への懸 念を表しながらも、具体的なサービス内容の想定は 難しいとの判断が実態である。

 将来なんらかのサービスを利用したいとの回答に 着目し、その内訳 ( 表 20 右列 ) をみると、日常的 な暮らしに関わるものとして、食事の宅配が 19%、 家事 ・ 掃除が 18%となった。医療や介護に関わる ものは、在宅支援ヘルパーが 22%となったほか、 現在のサービス利用は数%にとどまる訪問医療が 14%、緊急通報が 12%で、若干の増加がみられる。 なかでも雪処理に関しては、除雪ボランティアの 増加が著しく 35%となったことに加え、市の排雪 支援も 41%と高い割合を示している。一方、民間 業者の排雪は、32%から 29%に若干の減少がみら れる。除雪負担を軽減するサービスは、他に比べて 実体験から体力の衰えによる想定が容易で選びや すい。しかし、金銭的な負担への懸念が伺える。

3)これからの暮らしを支える環境に必要なこと  これからの暮らしにおいて、雪処理の負担が少 ないことを必要と考えるのは、地区内継続の 74%、 地区外可の 72%となった。住み続け意識の違いに よらず、雪処理の負担に対する懸念は、共通である ことが確認できる。

 交通の利便性、買物の利便性、通院の利便性につ いては、それぞれが地区外可で地区内継続よりも、 約5ポイントずつ必要とする割合が高くなった。地 区外可とする背景には、地区内継続よりも利便性を 求める意識があると推察できる。

 一方、交流環境については、地区内継続が地区外 可よりも必要とする割合が高い。特に、隣近所との つきあいは、地区内継続の 53%が必要としている のに対し、地区外可では 33%となっており特徴的 である。地区に住み続けることを考えると、交流へ の意識がつよまることが明かとなった。また、身の 回りの豊かさや楽しみに関することは、地区内継続 と地区外可で大きな差がみられず、雪処理負担に対 する懸念同様、全体に共通の認識であることがわ かった ( 表 21)。

9.まとめ

 本研究は、居住者の高齢化と交通利便の類似性に 注目し、もみじ台、真駒内、屯田の3地区を対象に した。居住者の住み続け / 住み替え意識を軸として、 適宜、質問の主旨に合わせ、地区内継続と地区外可、 現建物継続と現建物以外可とに集計を分け、住環境 の認識・評価等の整理 ・ 分析を試みた。まとめとし て、居住者の意識を踏まえた都市のコンパクト化方 策を見いだすための基礎的要点を整理する。

表 21. 暮らしを支える環境に必要なこと( 複数回答 ) 地区内継続

( 母数202)

地区外可 ( 母数156) 実数 (% ) 実数 (% ) 雪処理負担が少ないこと 150 (74) 113 (72)

利便性

交通の便のよさ 89 (44) 77 (49) 買い物の便利さ 76 (38) 67 (43) 通院の便利さ 49 (24) 44 (28) 交流

環境

隣近所とのおつきあい 108 (53) 52 (33) 親友 ・ 友人宅との近さ 22 (11) 12 (8)

親類宅との近さ 6 (3) 4 (3)

楽しみ樹木や草花と親しむ庭 44 (22) 33 (21) 趣味等の活動の場 42 (21) 30 (19) 母数は未回答と今のままでよいとする回答を除いた数 表 20. サービス内容の現状と今後( 複数回答 )

利用している ( 母数177)

利用したい ( 母数357) 実数 (% ) 実数 (% ) 日常的な暮らし 食事の宅配 4 (2) 69 (19)

日用品の宅配 38 (21) 48 (13)

買い物支援 2 (1) 43 (12)

家事 ・ 掃除 12 (7) 64 (18) 造園 ・ 庭の手入れ 48 (27) 115 (32)

在宅支援ヘルパー 10 (6) 77 (22)

入浴 3 (2) 24 (7)

介護タクシー 5 (3) 39 (11)

施設等の送迎 8 (5) 32 (9)

訪問医療 6 (3) 49 (14)

緊急通報 1 (1) 43 (12)

防犯 防犯セキュリティ 18 (10) 56 (16)

除雪ボランティア 11 (6) 125 (35) 民間業者の排雪 57 (32) 103 (29) 市の排雪支援 45 (25) 146 (41)

リフォームの相談 2 (1) 18 (5)

住替えの相談 0 (0) 24 (7)

優良リフォーム業者紹介 - (-) 22 (6) 優良不動産業者紹介 - (-) 16 (4)

そのほか 5 (3) 21 (6)

- 9 -

(13)

1)住み続け / 住み替え意識を取り巻く基礎的要件 (1) 居住状況

 地区内高齢化率の高さから、単身 ・ 夫婦のみ世帯 の割合が高く、今後も増加が予想される。また、郊 外居住者の自動車依存が確かめられた。居住年数が 長く半数近くが住宅に手を入れて住んできている。 (2) 住み続け意識

 市内の住み続け意識が高い。地区、敷地、建物と 範囲が狭まるに従いこだわらない傾向がつよまる。 地区内の住み続け意識は約半数、1/ 3はこだわら ない。親と暮らす夫婦はこだわらない傾向がつよい。 (3) 地区内の暮らし

 地区外可は、地区内継続より地区の環境を低く評 価する傾向があり、ふつうであるとの認識がつよい。 また、緑の豊かさを評価しつつも都市の利便性を指 向している。交流の程度は両者ともあいさつ程度だ が、地区内継続は地区の年齢層変化に応じた環境づ くりや交流環境の必要性を認めている。

(4) これからの住まい

 現建物継続と現建物以外可とも自立生活を前提と する。身体的な衰えに建物の改修で対処したい前者 と、改修も視野に幅広く想定する後者と整理できる。 現建物以外可は、子供の独立等で建物と家族の規模 の不整合を懸念する。また、両者とも独居の不安、 年金生活の金銭的不安、雪処理負担の懸念がある。 2)総括と今後の課題

 コンパクトシティ実現のため居住者意識に配慮す る8つの要点が整理できる。住み替えをひとつの選 択肢として認識を促すため①高齢者生活を支える各 種サービスの情報提供の充実、②高齢生活間近な年 齢層の意識啓発、③住み替え実例の収集と要点の公 開。適正な住み替えを支える社会に向けて④家族構 成の変化や身体的な衰えに応じ選択できる住まい方 や、⑤住み替え前の住宅を元手に生活資金を確保す る等の仕組み ( 例 , リバースモーゲージ ) の浸透。 また、住み続け意識にも配慮し⑥地区内交流の場の 創出や歩行環境の整備、⑦建物規模を適正化し雪処 理負担軽減につながる集合住宅等への住み替え。大 きな視点として⑧住み替えを通じ中長期的に都市の 広がりを適正化する段階設定や法規的担保。  各要点の具体化方策や詳細の検討を行い、条件の 整った地区内、利便性の高い都市部等、居住者の状

況に応じた住み替え先の段階性 ・ 選択性の整理が 今後の課題である。住み替えの利点 ・ 難点を要点に 従い一般に理解しやすく整理し、住み替え / 住み続 け意識の実体化につなげることが求められる。

注釈

注1. 参考文献1および2参照 注2. 参考文献3および4参照

注3. 市営もみじ台団地、道営大麻団地 注4. 参考文献5参照

注5. バスは積雪等の交通障害の影響を受けやすく、通年の 利便性が確保されていると考えにくく、考慮しない。 注6. 個人の感覚に頼るため徒歩圏の明確な定義はみられな

い。文献6によると日常生活の徒歩移動は 400 m以内 が9割弱、400 m~ 800 mが5割との報告がある。 注7. 一般に、高齢化率 7 ~ 14%を指して高齢化社会、同

14 ~ 21%を高齢社会、同 21%~を超高齢社会とする。 注8. 他の項目に比べて未回答率が高い理由として、調査実

施の際の対応状況や 「 悪質な住宅改修業者が地域に出 入りしている 」 との記述があり、住宅改修に関しては 学術的な調査でも回答を避けたためと考えられる。 注 9. ゼ ン リ ン い つ も ガ イ ド (http://www.its-mo.com/) を

用いた。地図に連動して周辺施設の場所と概要を検索 できるインターネットサービスである。

注 10. 3地区それぞれの特性を踏まえた集計とその分析につ いては、参考文献7および8にまとめている。 参考文献

1)原田陽子 戦後日本の初期ニュータウンにおける住環境評 価と住み替え意向に関する比較研究 : 千種台団地 , 香里 団地 , 千里ニュータウン , 高蔵寺ニュータウンの特性把 握を通して 日本建築学会計画計論文集 2007.09 pp9-16 2)原田陽子 高蔵寺ニュータウンにおける住宅ストック , 居 住世帯と住み替えとの関係性 : 郊外大規模団地の再生に 関する研究 日本建築学会計画計論文集 2007.08 pp9-16 3)橿淵晃徳、小林英嗣、瀬戸口剛 世帯の住替えからみた 公営住宅団地と周辺地域のつながり : 地域のストック を核とした市街地整備に関する研究 (2) 日本建築学会 大会学術講演梗概集 1994.07 pp111-112

4)瀬戸口剛、小林英嗣 公営住宅団地と周辺住宅地の住み 替えに関する研究 日本都市計画学会学術研究論文集  1994.11 pp427-432

5)猪股悠、小林英嗣、小篠隆生 公的住宅団地における居 住者の意識構造から見た住環境再生への課題 ( 道営大麻 団地・札幌市営もみじ台団地 ) ー成熟社会に対応した住 環境の維持・管理・改善計画の視点と内容 その6ー  日本建築学会大会学術講演梗概集 2006.09 pp947-948 6)名古屋都市センター 日常生活圏域の基礎的研究 平成

18 年度都市センター研究報告 2006 

7)岡本浩一 , 佐藤勇気 積雪地札幌における戸建住宅地の 住環境評価と今後の住まい方 - もみじ台、真駒内、屯田 を事例に - 日本建築学会北海道支部研究報告集 2008.06 pp429-432

8)岡本浩一 , 佐藤勇気 札幌の戸建住宅に暮らす居住者の 意識にみる今後の暮らし - コンパクトシティ時代におけ るニュータウンの在り方を探る基礎的研究 - 第 46 回 北海道都市地域学会研究発表会梗概集 2007 年次奨励 研究 2008.08 pp12-13

本研究は、アンケート作成に北海道大学大学院瀬戸口准教授ならび に北海道立北方建築総合研究所松村科長からアドバイスを頂戴し、 調査実施に NPO 法人さっぽろ住まいのプラットフォームのご支援 ・ ご協力、ならびに札幌市住宅管理公社のご協力をいただいた。当時 卒論生である佐藤勇気氏の尽力によるところも大きい。また、都市 地域学会 2007 年次奨励研究ならびに北海学園学術研究助成を受け進 めることができた。ここに記して謝意を表する。

- 10 -

(14)

積雪寒冷地における規模と周辺環境 異 る街区公園 周辺 民 利用実態と意識について

Differences of the visit and the attitudes of residents and children among three different block parks in Sapporo

谷 彩音* 愛甲 哲也** 大友 子*** Ayane TANI*, Tetsuya AKOH**, Masako OTOMO***

. じめに

冬季 戸外活動 子 を 積雪寒冷地に

暮 す人 健康に暮 すた に 要 あ 冬季

子 外遊び 体力 や肥満防止 ケ

防止 多 効果 得 北海道 子 体

力 全国 均 劣 い こ 背景に 外遊 び 減少 影響し い こ 考え 秋田谷

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験 体力 け 子 たち 健全 人

間形成に 寄与し い 。原,「006)

し し 冬季 子 外遊びを 環境 必

し 良い 言え い 幌市に い 冬季 外遊びに対す 意識を 1990 年 「00「 年 比較した 曾 。「004) 子 外遊び 頻度 1「 年間 減 少し 外遊び 意欲 し い こ 遊び場

し 道路 や 空 地 比率 し 公園

や 家周辺 へ 集中 高ま い こ 明 にした 都市 進展した今日 子 外遊

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冬季 公園を遊び場 し 積極的に利用

う 幌市 キー山や歩 キーコー 屋内

施設 設置 冬季 利用を意識した公園整備に 取 組 た た し こ う 取 組 比 較的面積 広い公園 中心 子 日常的 遊 び場 あ 街区公園 う 規模 小さ 公園 冬季 現状につい 改善すべ 点 多い

住民 身近に存在す 公園 雪に埋 使え

い 近隣住民 雪捨 場に 問題 指摘

さ た 鈴木。1994)に 1,000 ㎡以 公園 冬季 利用 夏季 1 割程度に減少し 規

模 小さい公園ほ 堆雪面積 割合 高い 近隣住

民に 雪捨 場を確保す こ 要 課題

あ ープン ペー し 公園 そ 対象

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「006年度に 市内 9「箇所 公園 実施さ た

。 幌市建設局雪対策室,「006) 中 豊 区 東大東公園 事例 遊び場 雪堆積場 両方 機 能に配慮した活用 事例 し 参考に そこ

道路に接す 公園 フェン を外し 公園内に 雪を入 やす す に 公園 縁にあ た遊 具を公園内に移設し 遊具 雪 埋 い う に工夫したこ 報告さ い 幌市豊 区土 木部・月寒第一 イ ッ 内会,「00】 し し こ う 取 組 ま 一部 始ま た

そ 効果や住民 反応に対す 十分 検証 さ い い

こ ま 冬季 公園に関す 研究 子 遊び場 し 公園 いう観点 議論 ほ

あ た 一方 公園 周辺住民 冬季 公

園 利用方法につい う 意見を持 い

明 にさ こ た

冬 季 身 近 公 園 を 地 域 中 効 に 活 用 す た に 子 遊び場 いう機能 け

雪堆積場 し 機能 視野に入 そ を う 調整し い 検討す 必要 あ そ 際に

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住民 う 公園 利用方法を望 い

進北海道大学大学院農学院。低ちぐ採つぐ下ご Scしool oさ AgちNcつl下つちご, HoPPぐN採o UそN不ごち上N下と) 進進北海道大学大学院農学研究院。Rご上ごぐちcし 切ぐcつl下と oさ AgちNcつl下つちご, HoPPぐN採o UそN不ごち上N下と)

進進進 幌市環境局 推進部。低ちごごそごちと 5ちomo下Noそ )ごたぐち下mごそ下 oさ *そ不Nちoそmごそ下ぐl Bつちごぐつ, Sぐたたoちo

(N下と 低o不ごちそmごそ下)

- 11 -

北海道都市地域学会研究論文集 都市学研究 第46号 2009 Journal of Urban Studies Vol.46 2009

表 3  観察調査 結果  公園 日付 利用者 遊具跡 歩行跡 そ 跡 犬跡 雪 る 等 雪捨て 入 口状況 備考 12 11日 ○ ○ ○ ○ 通過利用あ 積雪 じ 12 20日 ○ ○ ○ 通過利用あ 山 に多数 足跡 1 10日 ○ ○ 道あ く と雪 る 2 9日 困難 新雪 深く中に入 い 2 22日 ○ ○ ○ 山 周辺に多数 足跡 2 28日 ○ ○ 通過利用あ 雪 て た 3 9日 ○ ○ ○ 大 雪玉,歩 にくい 3 12日 ○ ○ ○ 通過利用あ 雪 歩 や い 3 19日 ○ 困難 新
図 9 ンフ ッ を読 イメー 因子分析 未経験者=」」「 4.台湾人観 客 誘客促進へ 課題 提言  さ 雪まつ に け 台湾人観 客 誘致促 進につい 因子分析調査結果を踏まえ 満足 度強 公式 ンフ ッ イメー 強 を視点に 台湾人観 客に対す 提言 課題を明 にし 改 善 提言を行 た 。1)満足度 向上  全参加者に け さ 雪まつ 満足度 因 子分析を行 た項目に対し ター分析を用い 因子分析 結果を合わせ 考察す 今後 来道者 満足度を強 す た に 図 」 因子図 第 1 因子 図 10 タ

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