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新興国マンスリー(2017年11月) 新興国マンスリー(2017年11月) | リサーチ | 大和総研グループ | 児玉 卓|齋藤 尚登|山崎 加津子|増川 智咲|永井 寛之

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(1)

株 式会社大 和総研丸の 内オフ ィス 〒100-6756 東京都 千代田区 丸の内 一丁目9番1号 グ ラント ウキョウノース タワー

このレ ポートは投資勧 誘を意図して 提供するもので はありません。 このレポートの 掲載情報は信 頼できると考え られる情報源 から作成してお りますが、その 正確性、完全性 を保証する もので はありません。 また、記載さ れた意見や予測 等は作成時点の ものであり今後 予告なく変更 されることがあ ります。㈱大 和総研の親会社 である㈱大和総 研ホールディン グスと大和 証券㈱は、㈱大和証券グループ本社を親会社とする大和証券グループの会社です。内容に関する一切の権利は㈱大和総研にあります。無断での複製・転載・転送等はご遠慮ください。

2017

11

6

32

新興国マンスリー(

2017

11

月)

経済調査部

経済調査部長

児玉

主席研究員

齋藤

尚登

主席研究員

山崎

加津子

エコノミスト

増川

智咲

研究員

永井

寛之

[

目次

]

低インフレと過度の緩和、どちらが問題か・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2

ブラジル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

4

ロシア・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

6

インド・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

8

中国・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

10

インドネシア・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

12

フィリピン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

14

タイ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

16

ベトナム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

18

2017

10

月新興国動向

(政治・経済)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

20

政治・経済日程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

22

統計資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

23

エマージング関連レポート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

32

(2)

低インフレと過度の緩和、どちらが問題か

~中長期的には米英欧の金融政策転換は好材料か~

経済調査部長

児玉

[

要約

]

世界経済はすそ野の広い拡大過程にある。

IMF

はなお残るリスクとして先進国のインフ

レ率の低さを挙げ、

緩和的な金融政策の継続が必要と論じている。

しかし賃金上昇率の

低さを伴う低インフレに金融政策のみで対応することは、

金融緩和が過度に及ぶリスク

を高めよう。

それは先進国のみならず、

新興国にバブルの種を植え付けることにもつな

がる。

共産党大会を終えた中国では、

安定的で比較的高い成長が継続すると予想される。

それ

は同大会が習近平氏の権力基盤が必ずしも盤石ではないことを示したからである。

権力

闘争は今後も継続し、

そうした中で習近平政権は、

敵失を狙う勢力を前に、

大胆な改革

を先送りする姿勢を継続しよう。

景気失速を回避するためのインフラ投資という、

コス

トが漸増しつつある政策も手放せない。

金融緩和継続は望ましい?

10

月の世界経済見通しの改定で、

IMF

は世界全体の成長率を

2017

3.6

%、

2018

3.7

%と

し、前回

7

月からそれぞれ

0.1

pt

上方修正した。米国・ユーロ圏・日本の先進三極が揃って

上方修正され、

新興国では資源依存度の高いロシア、

ブラジルの上方修正幅の大きさが目立つ。

基本的に、資源依存国の景気は他律的な性格が強い。つまり、ロシア等の景気回復、見通しの

改善は、先進国主導で始まった景気回復の波及効果が広く行きわたってきていることを示唆す

る。

IMF

2018

年にかけて、こうしたすそ野の広い景気拡大を想定している。

一方、世界経済が抱えるリスクとして、

IMF

は先進国におけるインフレ率の低さを挙げ、それ

が目標値に達する確度が高まるまで金融政策は緩和的であり続ける必要があると論じている。

低インフレの恒常化は、中期的なインフレ期待を低下させ、低インフレをさらに長期化させる

可能性がある。低いインフレ率と名目金利は、景気が悪化に転じた場合の政策余力を低める点

で望ましくないというロジックである。

確かに低インフレの粘着性が高まっているように見えることは警戒すべきであろう。しかし、

インフレ率が目標値に達するまで緩和すべしというのは、いささか危険ではないか。そもそも

インフレ目標値自体が、中央銀行等が設定する恣意的な性格を持っており、また

IMF

も指摘し

(3)

バブルの危険性を高めるだけではなく、新興国への資本移動を促し、新興国のドル買い・自国

通貨売り介入を誘発するなど、新興国においてもバブルを膨らませる要因である。

「すそ野の広い」世界経済の拡大もどこかで終わらざるを得ないわけだが、労働需給のひっ迫

が顕著となる国・地域を先導役として、インフレ率が安定している中でも金融緩和の度合いを

後退させていく方が、まだしもましな「終わり方」をもたらす可能性が高いのではないか。そ

の意味で、

これまでの米国の政策転換、

11

月に行われた英国の

10

年ぶりの利上げも正当化され

ようし、その「恩恵」は新興国にも及ぶはずである。

中国は激変回避を継続

なお、

IMF

は中国についても

2017

年、

2018

年の成長見通しを

0.1

pt

引き上げ、

それぞれ

6.8

%、

6.5

%としている。無論、足元までの比較的好調な成長パフォーマンスに合わせたということで

あろうが、一方、共産党大会という政治イベントを終えた中国については、今後、政治サイク

ルから景気が減速するという見方も少なからずあるようだ。確かに、インフラ投資のスピード

ダウン、住宅関連投資の調整局面入りなど、成長率の多少の鈍化は十分にあり得よう。

しかし、やはり「政治的要因」から、中国が成長率の大幅鈍化に見舞われる可能性も非常に

低いと思われる。端的にはチャイナ・セブンともよばれる共産党中央政治局常務委員が習近平

派一色にならなかったこと、王岐山氏が退任し、

68

歳の引退年齢を越えて党指導部に残るとい

う前例を作れなかったこと、党主席制度の復活に失敗したことなどに注目すべきと考える。

つまり、中国共産党には依然として健全な(?)抵抗勢力が残存し、上記事例は習近平氏の

権力基盤は盤石とはなっていないことを意味している。

それはすなわち、

5

年後の次期共産党大

(4)

ブラジル

児玉

利下げ継続も幅は縮小

10

25

日の金融政策委員会で、

ブラジル中央銀行は政策金利を

8.25

%から

7.5

%に引き下げ

た。今年

4

月から

9

月にかけては、

4

回にわたって

1

pt

ずつ引き下げられてきたが、幅が圧縮

された。

9

月の消費者物価指数の上昇率が前年比

2.5

%と、極めて低いながらも前月から横ばい

となり、インフレ率の減速過程も終わりつつある。自然、利下げ余地も縮小してきている。ブ

ラジル中銀はインフレターゲット制を採用しており、現在のターゲットは

4.5

±1.5

%である

ため、足元の実績はこのレンジから下振れしている。更に、中銀は現在の実質金利水準を自然

利子率よりも低いと判断している模様である。つまり、現在の金融政策スタンスは十分に緩和

的だということになる。景気が改善しつつある今、緩和の度合いを一段と強める必然性が薄れ

ていることは確かであろう。

一方、ブラジル中銀は、現在の低インフレが良好なグローバル経済という外部環境の賜物で

あることを認識している。つまり、世界経済が好調で、リスク許容度の高い状況が続いている

ことが、ブラジルを含む新興国への資本流入を後押しし、通貨の増価を通じてインフレ率の低

減をもたらしているという筋書きである。しかし、当然だが、こうした状況の継続が約束され

ているわけではない。例えば米国の税制改正が同国の財政赤字を拡大させ、長期金利の上昇と

ドル高が引き起こされるなどすれば、ブラジルの金融政策も一転、資本流出への備えを念頭に

置いた運営を迫られる。そうした局面に備えるという観点からは、景気過熱などの懸念が極め

て小さい現在、下げられるだけ政策金利を下げておきたい(より多くの引き上げ余地を確保し

ておきたい)という判断もあり得よう。幅を縮小させながら、

1

2

回の追加利下げが行われる

と予想される。

なお、汚職疑惑にさらされ続けるテメル大統領だが、

10

25

日下院本会議で採決が行われ、

同氏の汚職捜査妨害にかかわる裁判の最高裁送りが見送られることとなった。金融市場はテメ

ル大統領による緊縮財政路線の継続を望んでおり、同氏の失職の可能性が低下したことは、さ

しあたり好材料である。ブラジル独自の理由から、レアルが売られるといったリスクは低下し

ている。

景気回復の基盤固め

景気は引き続き、

回復の基盤を固めつつある。

8

月の鉱工業生産は

5

カ月ぶりに前月比マイナ

ス(▲0.8%)となったが、回復が遅れていた資本財の持ち直しは続いており、設備投資の復調

が示唆される。雇用の拡大ペースが加速しつつあり、家計消費の底打ちから始まった景気回復

が企業部門に波及し、

再度、

その恩恵が家計に及ぶという好循環が始動していると考えられる。

(5)

ブラジル

経済・金融データ

出 所:Haver Analyticsより大 和総研 作成

経済日程

注 :<> 内は指 標の対 象期間 。日程 は変更 される ことが ありま す 出 所:Bloombergより大 和総研 作成

-60 -40 -20 0 20 40 60 80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80

2015 2016 2017

(%)

(億ドル) ブラジル 貿易収支

貿易収支(実額、左軸) 輸出(前年比、右軸) 輸入(前年比、右軸)

-15 -12 -9 -6 -3 0 3 6

2015 2016 2017

(%)

ブラジル 鉱工業生産(前年比)

0 2 4 6 8 10 12 14 16

2015 2016 2017

(%)

ブラジル 消費者物価、政策金利

消費者物価(前年比) 政策金利(Selicレート)

0.018 0.022 0.026 0.030 0.034 0.038 0.042 1.8 2.2 2.6 3.0 3.4 3.8 4.2

15/1 15/7 16/1 16/7 17/1 17/7

ブラジルレアル 為替相場

対ドル(左軸) 対円(右軸)

レアル安

2017

1 1 月 6 日 自 動 車 販 売 ・ 生 産 ・ 輸 出 ( A n f a v e a )< 1 0 月 > 1 2 月 1 日 GDP < 7 - 9 月 >

1 0 日 イ ン フ レ 率 < 1 0 月 > 1 - 2 日 貿 易 収 支 < 1 1 月 >

1 3 日 税 収 < 1 0 月 > 4 日 C N I 生 産 設 備 稼 働 率 < 1 0 月 >

1 4 日 小 売 売 上 高 指 数 < 9 月 > 5 日 鉱 工 業 生 産 < 1 0 月 >

2 3 日 イ ン フ レ 率 ( I P C A - 1 5 ) < 1 1 月 > 6 - 8 日 自 動 車 販 売 ・ 生 産 ・ 輸 出 ( A n f a v e a )< 1 1 月 >

経 常 収 支 < 1 0 月 > 8 日 イ ン フ レ 率 < 1 1 月 >

対 内 直 接 投 資 < 1 0 月 > 1 1 - 1 6 日 税 収 < 1 1 月 >

2 4 日 F G V 建 設 コ ス ト < 1 1 月 > 1 3 日 小 売 売 上 高 指 数 < 1 0 月 >

ロ ー ン 残 高 < 1 0 月 > 2 0 日 経 常 収 支 < 1 1 月 >

融 資 残 高 < 1 0 月 > 対 内 直 接 投 資 < 1 1 月 >

2 8 日 中 央 政 府 財 政 収 支 < 1 0 月 > 2 1 日 イ ン フ レ 率 ( I P C A - 1 5 ) < 1 2 月 >

2 9 日 基 礎 的 財 政 収 支 < 1 0 月 > 2 2 日 ロ ー ン 残 高 < 1 1 月 >

3 0 日 失 業 率 < 1 0 月 > 融 資 残 高 < 1 1 月 >

2 6 日 F G V 建 設 コ ス ト < 1 2 月 >

2 6 - 2 7 日 中 央 政 府 財 政 収 支 < 1 1 月 >

2 7 日 基 礎 的 財 政 収 支 < 1 1 月 >

(6)

ロシア

山崎

加津子

0.25

%ポイントの追加利下げ

ロシア中銀は

10

27

日の金融政策理事会で、政策金利である

1

週間物入札レポレートを

0.25

%ポイント引き下げ、

8.25

%とすることを決めた。

2017

年に入って

5

度目の利下げである。

9

15

日に続き

2

会合連続の利下げとなったのは、消費者物価上昇率がロシア中銀の目標であ

る前年比+

4.0

%を

7

月に下回ったあとも低下傾向にあるためで、

9

月は同+

3.0

%に低下した。

ただし、ロシア中銀は最近のインフレ率の低下は豊作により農作物価格が下落したことなど

一時的な要因の影響が大きいとみており、その効果が薄れたあとは前年比+

4

%前後に上昇する

と予想している。また、景気は個人消費を牽引役として回復基調にあるため、中期的にはイン

フレ率が下振れする可能性より、上振れする可能性が高いと判断している。ロシア経済は

2

連続のマイナス成長のあと、

2017

4

6

月期は前年比+

2.5

%と

3

年半ぶりの高い成長率とな

ったが、続く

7

9

月期も月次

GDP

統計によれば同+

2.3

%となった。

7

9

月平均の新車販売台

数は同+

17.7

%、小売売上高は同+

2.1

%でどちらも

4

6

月平均の伸び率と比較して加速して

おり、個人消費が主導する景気回復が続いている。

以上を踏まえた結果、

10

月の利下げ幅は

9

月の

0.5

%ポイントより小幅にとどまり、また次

の利下げの可能性に対するロシア中銀のコメントでは前回より慎重な姿勢が示唆されたと考え

られる。ロシア中銀は「やや引き締め的な」金融政策を「中立」に戻す過程にあるが、今後の

利下げはより慎重に進められることになろう。

ロシア中銀の

2018

2020

年のマクロ経済予想

ロシア中銀は今後

3

年の金融政策の前提となる

2018

2020

年のマクロ経済予想を

9

27

付で公表した。ロシア経済が抱える構造的な問題の解決は今後

3

年で大きくは進展しないと想

定し、

各年とも+

1.5

%~+

2.0

%と低成長を予想している。

なお、

インフレ目標は前年比+

4.0

で据え置かれる。

ロシア経済の構造問題とは、鉱物エネルギー資源の輸出に大きく依存し、それゆえ外需とコ

モディティ価格の変動の影響を受けやすいことである。ここ

1

年余りの原油価格は

OPEC

とロシ

アなど非

OPEC

産油国の協調減産で安定的に推移し、減産合意は

2018

3

月末までという期限

を半年程度延長する可能性が高い。

ただし、

協調減産で価格安定が図られているということは、

世界需要の伸びがさほど高くないことを示している。鉱物資源への依存度低下には産業構造の

変革が必要で、

研究開発投資やインフラ投資の拡大などの政策対応が不可欠である。

とはいえ、

(7)

ロシア

経済・金融データ

出 所:Haver Analyticsより大 和総研 作成

経済日程

注 :<> 内は指 標の対 象期間 。日程 は変更 される ことが ありま す 出 所:Bloombergより大 和総研 作成

-50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 -250 -200 -150 -100 -50 0 50 100 150 200 250

2015 2016 2017

(%)

(億ドル) ロシア 貿易収支

貿易収支(実額、左軸) 輸出(前年比、右軸) 輸入(前年比、右軸)

-5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6

2015 2016 2017

(%) ロシア 鉱工業生産(前年比)

2 4 6 8 10 12 14 16 18

2015 2016 2017

(%) ロシア 消費者物価、政策金利 消費者物価(前年比)

政策金利(1週間物入札レポレート)

0.35 0.45 0.55 0.65 0.75 0.85 35 45 55 65 75 85

15/1 15/7 16/1 16/7 17/1 17/7

ロシアルーブル 為替相場

対ドル(左軸) 対円(右軸)

ルーブル安

2017

1 1 月 7 - 8 日 消 費 者 物 価 指 数 < 1 0 月 > 1 2 月 6 - 7 日 消 費 者 物 価 指 数 < 1 1 月 > 8 日 外 貨 準 備 高 < 1 0 月 > 7 日 外 貨 準 備 高 < 1 1 月 > 1 0 日 貿 易 収 支 < 9 月 > 1 2 日 貿 易 収 支 < 1 0 月 > 1 3 日 G D P ( 速 報 値 ) < 7 - 9 月 > 1 2 - 1 3 日 G D P ( 改 定 値 ) < 7 - 9 月 > 1 3 - 1 7 日 財 政 収 支 < 1 0 月 > 1 3 - 1 6 日 財 政 収 支 < 1 1 月 > 1 6 - 1 7 日 鉱 工 業 生 産 < 1 0 月 > 1 5 日 政 策 金 利

2 0 日 可 処 分 所 得 < 1 0 月 > 1 5 - 1 8 日 鉱 工 業 生 産 < 1 1 月 > 失 業 率 < 1 0 月 > 1 8 - 1 9 日 生 産 者 物 価 指 数 < 1 1 月 > 小 売 売 上 高 < 1 0 月 > 1 9 日 可 処 分 所 得 < 1 1 月 > 生 産 者 物 価 指 数 < 1 0 月 > 失 業 率 < 1 1 月 > 実 質 賃 金 < 1 0 月 > 小 売 売 上 高 < 1 1 月 > 実 質 賃 金 < 1 1 月 > 2 9 日 G D P ( 確 報 値 ) < 7 - 9 月 >

(8)

インド

児玉

消費者心理が悪化

インドの消費者心理が悪化している。

10

4

日に準備銀行が発表したサーベイ結果によれば、

9

月の消費者信頼感指数は「現状指数」

「期待指数」ともに

6

月から低下し、

「現状指数」は楽

観・悲観の分かれ目である

100

を下回った(

6

96.8→9

95.5

。同指数は、

「全般的な経済

状況」

「所得」

「支出」

「雇用」

「物価」の

5

項目を合成して作成されているが、

9

月の「現状

指数」の悪化に最も大きく寄与したのは「雇用」であった。インドは

4-6

月期の実質成長率が

前年比

5.7

%に減速するなど不調が続いているが、

主な悪役は固定資本形成であり、

家計消費は

相対的には安定的な増加を示してきた。仮に消費者心理の悪化が今後の消費の不振をもたらす

とすれば、当面、内需が支えを失い、成長率の減速が深刻化する可能性が無視できなくなる。

一方、こうしたシナリオに反して、明るさを見せているのが自動車販売である。

9

月の乗用車

販売台数は前年比

11.3

%と前月の同

13.8

%に続いて二桁の増加を維持した。これを見る限り、

消費は堅調という判断もあり得よう。ただし、乗用車販売は

2013

年に前年比▲7.5%と落ち込

んだ後、

2014

0.8

%、

2015

7.7

%、

2016

7.0

%と推移してきており、実質

GDP

成長率は

もとより、家計消費支出とも異なった動きを示している。インドでは二輪車や乗用車の長期的

な普及期が継続中である。従ってこれらの需要全体に占める(買い替えではない)一次取得者

による需要のシェアが高いと考えられよう。結果として、需要の変動が循環的な景気のアップ

ダウン以上に、

(もちろん両者は無関係ではないが)これらの財に手が届くだけの所得を得た家

計の増加ペースに依存している可能性がある。従って、自動車販売の好調がインド経済にとっ

て好材料であることに疑いはないが、にもかかわらず、景気の鈍化傾向は長引く、場合によっ

てはより深刻化することもあり得ると考えておくべきだろう。当面のインド経済の良し悪しを

判断する上では、乗用車販売の好調よりも、消費者心理悪化をより重視すべきだと思われる。

景気対策の是非

4-6

月期の

GDP

統計発表以降、

IMF

や世銀、そして準備銀行が今年度(~

2018

3

月)の成長

見通しを引き下げる中、インドでは景気刺激策の是非をめぐる議論が活発化している。道路建

設などのインフラ投資の拡大が一つの柱と位置付けられている模様だが、同国におけるインフ

ラ拡充の必要性が叫ばれ始めたのは最近のことでは全くない。にもかかわらずインフラ整備の

遅れが指摘され続けているのは、計画ではなく執行にボトルネックがあるためと考えられ、こ

こにメスを入れない限り、どのような景気刺激パッケージを作っても効果は限定的であろう。

ただし国有銀行等への資本注入と不良債権処理の加速は、費用対効果の高い政策となる可能性

がある。インドの弱点として、資金へのアクセスの悪さが指摘されることが増えており、その

背景に銀行の膨大な不良債権と消極的な貸出姿勢が存在している可能性があるためである。と

(9)

インド

経済・金融データ

出 所:Haver Analyticsより大 和総研 作成

経済日程

注 :<> 内は指 標の対 象期間 。日程 は変更 される ことが ありま す 出 所:Bloombergより大 和総研 作成

-40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 -200 -150 -100 -50 0 50 100 150 200 250

2015 2016 2017

(%) (億ドル)

インド 貿易収支 貿易収支(実額、左軸) 輸出(前年比、右軸) 輸入(前年比、右軸)

-2 0 2 4 6 8 10

2015 2016 2017

(%) インド 鉱工業生産(前年比)

1 2 3 4 5 6 7 8 9

2015 2016 2017

(%)

インド 消費者物価、政策金利

消費者物価(前年比) 政策金利(レポレート) 政策金利(リバースレポレート)

0.50 0.55 0.60 0.65 0.70 0.75 50 55 60 65 70 75

15/1 15/7 16/1 16/7 17/1 17/7

インドルピー為替相場 対ドル(左軸)

対円(右軸)

ルピー安

2017

1 1 月 1 0 日 貿 易 収 支 < 1 0 月 > 1 2 月 1 日 製 造 業 P M I   < 1 1 月 > 鉱 工 業 生 産 < 9 月 > 6 日 政 策 金 利

1 3 日 消 費 者 物 価 指 数 < 1 0 月 > 8 - 1 5 日 貿 易 収 支 < 1 1 月 > 1 4 日 卸 売 物 価 指 数 ( W P I ) < 1 0 月 > 1 1 - 2 9 日 経 常 収 支 < 7 - 9 月 > 3 0 日 財 政 収 支 < 1 0 月 > 1 2 日 消 費 者 物 価 指 数 < 1 1 月 >

(10)

中国

齋藤

尚登

7

月~

9

月の実質

GDP

成長率は前年同期比

6.8

%へ僅かに減速

国家統計局によると、

2017

7

月~

9

月の実質

GDP

成長率は前年同期比

6.8

(以下、変化率

は断りのない限り、前年比、前年同期比、前年同月比)と、

1

月~

3

月、

4

月~

6

月のそれぞれ

6.9

%成長からは僅かに減速した。

1

月~

9

月の

6.9

%成長の需要項目別寄与度は、

最終消費支出

4.5

%ポイント、総資本形成は

2.3

%ポイント、純輸出は

0.2

%ポイントであった。

堅調な消費は所得の改善に支えられている。国民一人当たり可処分所得増加率は

2012

年を直

近のピークに低下が続いたが、企業業績の回復もあり、

2017

年に入ると加速に転じた。小売売

上は

1

月~

3

月の

10.0

%増から

1

月~

6

月、

1

月~

9

月はともに

10.4

%増となった。

排気量

1.6L

以下の乗用車にかかる車両購入税の半減措置が

2016

年末に終了したことを受け、

1

月~

9

月の

乗用車販売は

2.4

%増(

2016

年は

14.9

%増)と振るわないが、スポーツ・娯楽用品や化粧品、

建築・内装用品の販売が好調である。

ネット販売は好調を維持しており、

モノのネット販売は、

1

月~

9

月は

29.1

%増だった。

それ以上に好調なのが小売統計に含まれないサービスのネット販

売であり、

1

月~

9

月は

52.8

%増を記録した。旅行、教育、文化、娯楽(ゲームなど)といった

サービス消費の好調が示唆されよう。

固定資産投資は

1

月~

3

月の

9.2

%増を直近のピークに減速が続いており、

1

月~

9

月は

7.5

増となった。

1

月~

9

月のインフラ投資(電気・水道・ガスを含む)は

15.8

%増と、引き続き下

支え役を果たし、

不動産開発投資は

8.1

%増とやや上向いた一方で、

製造業は減速傾向が続いて

いる。今後は、不動産開発投資が減速していく可能性が高い。

2016

3

月以降の都市別の住宅

価格抑制策は、その都市に戸籍を持たない家計の住宅購入を制限するという需要を抑制する政

策が中心であり、

既に住宅販売金額には大きな影響が出ている。

9

月単月の住宅販売金額は

2015

3

月以来の前年割れとなった。需要減退によって、不動産開発投資は下押しされよう。

中国通関統計によると、

1

月~

9

月の輸出

(米ドル建て)

7.5

%増、

輸入

(同)

17.3

%増、

貿易収支は

21.8

%減の

2,961

億米ドルであった。輸出は

7

月、

8

月と

2

ヵ月連続で伸び率が低

下したが、

9

月は米国、欧州、ASEAN

向けを中心に

8.1

%増に上向いた。今後も米国をはじめと

する世界経済の拡大が輸出増加をサポートしよう。輸入は原油価格の落ち着きにより

3

月以降

伸び率が低下傾向にあったが、

9

月は

18.6

%増へ加速した。品目別には原油、鉄鉱石など資源

や機械設備などの輸入が大きく増加している。前者は資源の先高観を背景とした輸入前倒し、

後者は通信機器・コンピューター関連など一部製造業の固定資産投資の増加が背景にあろう。

中国では大気汚染が深刻化する冬場に、汚染物質排出量の多い工場が一時的に生産停止とな

り、工事などがストップすることが常態化しているが、今年は

5

年に

1

度の党大会開催年であ

(11)

中国

経済・金融データ

出 所:Haver Analyticsより大 和総研 作成

経済日程

注 :<> 内は指 標の対 象期間 。日程 は変更 される ことが ありま す 出 所:Bloombergより大 和総研 作成

-30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 -300 -200 -100 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900

2015 2016 2017

(%) (億ドル)

中国 貿易収支

貿易収支(実額、左軸) 輸出(前年比、右軸) 輸入(前年比、右軸)

5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0

2015 2016 2017

(%) 中国 鉱工業生産(前年比)

0 1 2 3 4 5 6 7 8

2015 2016 2017

(%) 中国 消費者物価、政策金利

消費者物価(前年比) 政策金利

4.8 5.2 5.6 6.0 6.4 6.8 6.0 6.2 6.4 6.6 6.8 7.0

15/1 15/7 16/1 16/7 17/1 17/7

中国人民元 為替相場 対ドル(左軸)

対円(右軸)

人民元安

(元/100円)

2017

1 1 月 7 日 外 貨 準 備 < 1 0 月 > 1 2 月 7 日 外 貨 準 備 < 1 1 月 > 8 日 貿 易 収 支 < 1 0 月 > 8 日 貿 易 収 支 < 1 1 月 > 8 - 1 8 日 海 外 直 接 投 資 < 1 0 月 > 8 - 1 8 日 海 外 直 接 投 資 < 1 1 月 > 9 日 消 費 者 物 価 指 数 < 1 0 月 > 9 日 消 費 者 物 価 指 数 < 1 1 月 > 生 産 者 物 価 指 数 < 1 0 月 > 生 産 者 物 価 指 数 < 1 1 月 > 1 0 - 1 5 日 マ ネ ー サ プ ラ イ < 1 0 月 > 1 0 - 1 5 日 マ ネ ー サ プ ラ イ < 1 1 月 > 1 4 日 小 売 売 上 高 < 1 0 月 > 1 4 日 小 売 売 上 高 < 1 1 月 > 固 定 資 産 投 資 < 1 0 月 > 固 定 資 産 投 資 < 1 1 月 > 鉱 工 業 生 産 < 1 0 月 > 鉱 工 業 生 産 < 1 1 月 > 1 8 日 住 宅 価 格 指 数 < 1 0 月 > 1 8 日 住 宅 価 格 指 数 < 1 1 月 > 3 0 日 製 造 業 P M I < 1 1 月 >

(12)

インドネシア

増川

智咲

政策金利の据え置きを発表

中央銀行は、

10

18

19

日に開催された金融政策決定会合で政策金利の据え置きを発表した。

背景には、ルピア安に対する懸念が高まった点が挙げられる。

2017

年に入ってから、ルピアは

対ドルで上昇圧力が高まり、中銀はルピア売り介入を実施した。そこから一転して、ルピア安

圧力が高まるきっかけとなったのは、

8

月に続き中銀が実施した

9

月の利下げである。

2

度目の

金融緩和のタイミングの悪さが、インドネシア経済の弱さを過度に印象付けることとなったの

である。中銀が介入を行っていた期間、ルピアは対ドル相場で

13,300

13,400

ルピア/ドルを

推移していたが、

9

月下旬から下落圧力が高まり、

10

月に入ってから

13,500

ルピア付近を推移

していた。中銀総裁は、

13,500

ルピア/ドルが輸出競争力を保てる水準と発言している。

10

に入ってからの為替相場は、物価をコントロールしながら輸出を促進できるという点で、当局

にとってむしろ心地よい水準であるようだ。

追加利下げの可能性は当面低い

当面、

政策金利据え置きの可能性が高まっている。

2

度に亘る利下げの目的は民間需要の喚起

であったが、中銀のプレスリリースによると、消費の回復が見られたことで、

2017

年第

3

四半

期の実質

GDP

成長率は前期を上回った可能性が高いとしている。また、利下げが銀行貸出金利

に反映されるなど、金融緩和の効果が波及しつつある点を評価している。

さらに、同プレスリリースの中で、中銀は外部環境の不確実性に言及している。特に米国の

税制改革の動向に注目している。トランプ大統領が進める、大型減税を盛り込んだ

2018

年度の

予算決議案が

10

月に上下院で可決されたことをきっかけに、

ルピアは対ドルで弱含むこととな

った。もっとも、税制改革が成立するまでには時間がかかり、これをきっかけにルピアの大幅

下落が生じるといったリスクは短期的に想定しにくい。しかし、国内経済の改善に、このよう

な外部環境の不確実性も相まって、中銀が追加利下げを実施する理由はほぼ消滅している。

経常赤字は第

3

四半期に縮小か

1

9

月期の貿易収支は

108

億ドルの黒字となり、前年同期(

64

億ドル)を上回る黒字幅とな

った。

特に、

中国、

ASEAN、

日本、

韓国を中心としたアジア向け輸出が好調である。

商品別では、

石炭、パームオイルなどの一次産品のほか、工業製品も伸びている。商品価格の回復や堅調な

アジア経済の成長が輸出の追い風となっている。好調な一次産品の輸出は、農家の所得を増加

させ、消費の刺激となる可能性が高い。

2017

年に入って以降、インドネシアでは、消費者信頼

感指数が上昇する中でも、小売売上高は冴えない状況が続いており、それが中銀による金融緩

和のきっかけとなっていたのだが、

ようやく消費も回復の方向へ向かう可能性が出てきた。

3

(13)

インドネシア

経済・金融データ

※政策金 利は2016年7月 までBIレ ート、 同年8月以降 は7日 物リバ ースレ ポレー ト 出 所:Haver Analyticsより大 和総研 作成

経済日程

注 :<> 内は指 標の対 象期間 。日程 は変更 される ことが ありま す 出 所:Bloombergより大 和総研 作成

-30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 60 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 25 30

2015 2016 2017

(%) (億ドル)

インドネシア 貿易収支 貿易収支(実額、左軸) 輸出(前年比、右軸) 輸入(前年比、右軸)

-2 0 2 4 6 8 10

2015 2016 2017

(%) インドネシア 鉱工業生産(前年比)

2 3 4 5 6 7 8 9

2015 2016 2017

(%)

インドネシア 消費者物価、政策金利

消費者物価(前年比) 政策金利※

90 100 110 120 130 140 150 9,000 10,000 11,000 12,000 13,000 14,000 15,000

15/1 15/7 16/1 16/7 17/1 17/7

インドネシアルピア為替相場

対ドル(左軸) 対円(右軸)

ルピア安

2017

1 1 月 7 日 外 貨 準 備 高 < 1 0 月 > 1 2 月 4 日 消 費 者 信 頼 感 指 数 < 1 1 月 > 1 0 日 経 常 収 支 < 7 - 9 月 > 消 費 者 物 価 指 数 < 1 1 月 > 1 0 - 2 0 日 国 内 自 動 車 販 売 < 1 0 月 > 8 日 外 貨 準 備 高 < 1 1 月 > 1 5 日 貿 易 収 支 < 1 0 月 > 1 0 - 2 0 日 国 内 自 動 車 販 売 < 1 1 月 > 1 6 日 政 策 金 利 発 表 1 4 日 政 策 金 利 発 表

(14)

フィリピン

増川

智咲

ペソ安が進むが、利上げの可能性は低い

10

月のペソの対ドル相場は、

2006

年以来の安値となった。背景には、米国で大型減税を盛り

込んだ

2018

年度予算決議案が上下院で可決され、拡張的な財政政策が財政の悪化と長期金利の

上昇をもたらすとの観測が台頭したことがある。また国内要因として、貿易赤字の拡大の影響

が挙げられるだろう。

ペソ安の進行を受け、利上げの可能性を指摘する声もあるが、当面利上げの可能性は低いと

考えられる。

1

つめの理由は、物価が今後目標(

3

%±

1

%)を大きく上回る形で上昇するシナリ

オが考えにくい点が挙げられる。

9

月の

CPI

上昇率は前年比+

3.4

%と市場予想

(同+

3.2

%)を

上回るとともに、前月(同+

3.0

%)から加速した。加速の一因にペソ安が挙げられるが、最大

の理由は燃料価格引き上げによるものであった。

9

月の

CPI

の内訳を見ると、

「電力・ガス・そ

の他燃料」

「輸送」の上昇率が最も高く、この

2

項目で約

0.7

pt

全体を押し上げた。ただし、

こうした要因を除くと、物価は比較的落ち着いている。中央銀行が

10

月に出したインフレレポ

ートの中でも、

2017

18

年のインフレ率見通しは目標に収まるという見方が大勢で、少なくと

も短期的には、物価動向を理由に金融政策の変更が行われる可能性は低いだろう。もっとも、

エネルギー価格の上昇に端を発して、より多くの項目に物価上昇が広がる場合は、利上げの可

能性も否定できないが、それにはまだ時間がかかると考えられる。

2

つめに、中銀総裁は、ペソ

安による輸出促進の効果について言及している。足元で、実質実効レートの下落が輸出の追い

風となっている。

特に電子機器輸出は好調で、

国内の生産設備の稼働率も足元で上昇している。

大統領の政策に対しては国内で高評価

7

9

月期に実施された大統領に対する支持率調査の結果が発表された。大手国内民間調査会

社「ソーシャル・ウェザー・ステーション」の調査では

2016

6

月の就任以来最低の支持率と

なったのに対し、

「パルス・アジア」の調査では、

80

%の高支持率を得たという対照的な結果と

なった。調査会社によってぶれはあるようだが、ドゥテルテ政権の業績に対する評価は高いと

の見方は多い。特に、麻薬取締りを含む犯罪対策、治安の改善に関しては、現政権下で大きく

改善したと言われている。また、過激派組織「イスラム国」

(IS)と政府軍の戦いにおいても、

大統領は断固とした姿勢を保ち、

10

月半ばには戦場となっていたミンダナオ島マラウィの解放

宣言を行った。

他方、

「パルス・アジア」が実施したアンケートによると、今後期待する項目として道路の改

(15)

フィリピン

経済・金融データ

出 所:Haver Analyticsより大 和総研 作成

経済日程

注 :<> 内は指 標の対 象期間 。日程 は変更 される ことが ありま す 出 所:Bloombergより大 和総研 作成

-30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50

2015 2016 2017

(%)

(億ドル)

フィリピン 貿易収支

貿易収支(実額、左軸) 輸出(前年比、右軸) 輸入(前年比、右軸)

-10 -5 0 5 10 15 20 25

2015 2016 2017

(%) フィリピン 製造業生産(前年比)

製造業生産(価格)

製造業生産(数量)

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0

2015 2016 2017

(%) フィリピン 消費者物価、政策金利

消費者物価(前年比) 政策金利

0.35 0.37 0.39 0.41 0.43 0.45 0.47 0.49 0.51 0.53 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52

15/1 15/7 16/1 16/7 17/1 17/7

フィリピンペソ為替相場

対ドル(左軸) 対円(右軸)

ペソ安

2017

(16)

タイ

永井

寛之

好調な消費と輸出が経済全体を牽引

2017

9

月のタイ経済は好調な消費と輸出によって牽引された。

9

月の個人消費指数は前年

同月比+

2.8

%と

8

月の同+

1.9

%から伸び率が上昇した。

9

月の消費者物価指数は同+

0.9

%、

平均賃金が同+

1.6

%とプラスとなり、実質賃金は上昇した。さらに、旺盛な自動車購入需要に

応えるべく、金融機関の個人向けローンが堅調であった。

9

月の自動車販売は同+

21.9

%(

8

は同+

6.8

%)と好調で耐久財消費の伸び率が加速した。

9

月の財輸出は前年同月比+

13.4

%と

2

ヶ月連続で

2

桁成長だった。

エレクトロニクスの輸出

が引き続き好調であり、

自動車輸出は

2

ヶ月ぶりにプラスとなった。

国別には、

日本、

インド、

中東向けが好調であった。

サービス輸出は、外国人旅行者数の増加に支えられている。

9

月の外

国人旅行者数は同+

5.7

%と

7

ヶ月連続でプラスとなった。中国からの旅行者数の増加が全体を

牽引しており、ゼロドルツアー

1

の摘発による影響の一巡や、韓国への渡航の制限で旅行客がタ

イに向かったことなどがその背景にある。

また、

9

月の設備投資指数は前年同月比+

0.9

%と

3

ヶ月連続でプラスとなった。国内販売、

輸出ともに好調な自動車や、世界的な半導体需要の増加で輸出が好調な電子製品などで稼働率

が上昇していることが主な要因だと考えられる。

当面の経済は成長加速、ただしバーツ高には注意

当面のタイ経済は成長加速が見込まれる。

10

25

日~

29

日に昨年

10

月に崩御したプミポン

前国王の国葬が執り行われ、約一年間の服喪期間が終了した。服喪期間の終了により、経済活

動が正常化し、これまで控えられてきたイベントが多く開催されることで、特に、サービス消

費が加速することが期待される。これに加えて、昨年の

10

12

月期は崩御による自粛ムードの

影響で自動車などの耐久財消費が落ち込んだため、その反動により消費全体が押し上げられる

ことも予想される。

一方で、

リスク要因としてはバーツ高の影響がある。

昨年末の

1

ドル=

35

8

バーツに対して、

10

月末には

1

ドル=

33

2

バーツへとバーツ高が進行している。

6

月にはバーツ高抑制のために

中央銀行は海外送金の手続き簡素化など外為規制を緩和したものの、目立った効果は表れなか

った。足元のバーツ高加速に対して、産業界からは輸出への悪影響を懸念する声が出ている。

また、財務省も中央銀行に対し、バーツ高抑制を目的のひとつとした利下げを要求している。

そのような中、

11

月と

12

月に行われる金融政策決定会合で

2015

4

月以来の利下げが決定さ

れるか否かが注目されるだろう。

1

(17)

タイ

経済・金融データ

出 所:Haver Analyticsより大 和総研 作成

経済日程

注 :<> 内は指 標の対 象期間 。日程 は変更 される ことが ありま す 出 所:Bloombergより大 和総研 作成

-30 -15 0 15 30 45

-40 -20 0 20 40 60

2015 2016 2017

(%) (億ドル)

タイ 貿易収支

貿易収支(実額、左軸) 輸出(前年比、右軸) 輸入(前年比、右軸)

-4 -2 0 2 4 6

2015 2016 2017

(%) タイ 鉱工業生産(前年比)

-2 -1 0 1 2 3 4

2015 2016 2017

(%) タイ 消費者物価、政策金利 消費者物価(前年比) 政策金利(レポレート)

0.25 0.30 0.35 0.40

31 32 33 34 35 36 37

15/1 15/7 16/1 16/7 17/1 17/7

タイバーツ為替相場

対ドル(左軸) 対円(右軸)

バーツ安

2017

1 1 月 8 日 政 策 金 利 1 2 月 1 日 消 費 者 物 価 指 数 < 1 1 月 > 9 日 消 費 者 信 頼 感 < 1 0 月 > 製 造 業 P M I < 1 1 月 > 2 0 日 GDP < 7 - 9 月 > 7 日 消 費 者 信 頼 感 < 1 1 月 > 2 3 - 2 7 日 自 動 車 販 売 台 数 < 1 0 月 > 2 0 日 政 策 金 利

(18)

ベトナム

増川

智咲

好調な輸出と内需の拡大

ベトナム経済は、引き続き輸出の増加と、それにともなう内需の拡大で堅調な成長を遂げて

いる。

10

月の貿易統計によると、輸出は

20

%台の伸び率で増加している。商品別では、

「携帯

電話・部品」が引き続き輸出のけん引役となっている。また、外部環境の改善から、その他の

商品輸出も安定的に増加している。輸出先別に見ると、中国や

ASEAN

を中心としたアジア向け

が大きく伸びているほか、欧州、日本、米国をはじめとした先進国向けも好調である。他方、

輸出の増加ペースの割には、それに必要となる部品の輸入が抑えられている。この背景には、

サムスン電子がスマートフォン生産を拡大させる中、部品供給を行うグループ会社がベトナム

に続々と進出するなど、部品の輸入依存から現地調達への流れが一部で見られ始めていること

がある。輸出の増加と輸入の抑制により、

1

10

月期の貿易収支は約

12

億ドルの黒字を維持し

ている。

好調な輸出を受け、国内の生産も増加している。

10

月の鉱工業生産は前年比+

17.0

%と

3

月連続で加速している。前月から引き続き、製造業の生産増加が顕著である。また、

10

月の鉱

工業生産統計で目を引いたのは、

2016

年から不振が続いていた鉱業セクターの生産がプラスに

転じた点である。

中でも、天然ガスの生産回復が著しい。

1

年以上に亘って

GDP

成長率の下押し

要因となっていた鉱業セクターが本格的に回復していけば、第

4

四半期以降の成長の底上げが

期待できる。

11

月以降の統計に注目したい。また消費支出も好調である。

10

月の小売売上高は

4

ヶ月連続で二桁台の増加となった。

金融緩和の必要性は低下しているが、当局の動きには注意

外需・内需ともに堅調に推移していることから、金融緩和の必要性は低くなっている。ベト

ナム当局は、

2017

年上半期の成長率が冴えなかったことから、

7

10

日に

3

4

ヶ月ぶりの利

下げを実施した。下半期は、金融緩和と外需の改善で市場予想を大きく上回って成長が加速し

ており、政府の年間成長率目標とされる+

6.7

%も視野に入ってきている。

ただし、最近の当局の動きを見ると成長重視に傾倒しており、追加緩和も完全に否定できな

いのが実情である。物価はコントロールされており、その点において金融緩和は足元では可能

な環境にある。

10

月の消費者物価上昇率は、前年比+

2.98

%と

3

ヶ月ぶりに

3

%を下回った。

コア

CPI

も前年比+

1.3

%台と低位で推移している。しかし、さらなる金融緩和を進めた場合、

(19)

ベトナム

経済・金融データ

注 :消費 者物価 指数 は2016年1月より 新基準 。それ 以前は 旧基準 値を 記載。 出 所:Haver Analyticsより大 和総研 作成

経済日程

注 :<> 内は指 標の対 象期間 。日程 は変更 される ことが ありま す 出 所:Bloombergより大 和総研 作成

-50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 50 -30 -20 -10 0 10 20 30

2015 2016 2017

(%) (億ドル)

ベトナム 貿易収支

貿易収支(実額、左軸) 輸出(前年比、右軸) 輸入(前年比、右軸)

0 5 10 15 20

2015 2016 2017

(%)

ベトナム 鉱工業生産(前年比)

-2 0 2 4 6 8 10

2015 2016 2017

(%) ベトナム 消費者物価、政策金利 消費者物価(前年比) 政策金利(リファイナンスレート)

160 170 180 190 200 210 220 230 240 20,800 21,100 21,400 21,700 22,000 22,300 22,600 22,900 23,200

15/1 15/7 16/1 16/7 17/1 17/7

ベトナム ドン為替相場 対ドル(左軸)

対円(右軸)

ドン安

2017

1 1 月 6 - 1 3 日 国 内 自 動 車 販 売 < 1 0 月 > 1 2 月 1 日 製 造 業 P M I < 1 1 月 > 2 4 日 消 費 者 物 価 指 数 < 1 1 月 > 6 - 1 3 日 国 内 自 動 車 販 売 < 1 1 月 > 2 5 - 3 0 日 小 売 売 上 高 < 1 1 月 > 2 4 日 消 費 者 物 価 指 数 < 1 2 月 > 貿 易 収 支 < 1 1 月 > 2 5 - 3 1 日 GDP < 1 0 - 1 2 月 > 鉱 工 業 生 産 < 1 1 月 > 小 売 売 上 高 < 1 2 月 >

(20)

2017

10

新興国動向(政治・経済)

出所:各種報道より大和総研作成

1 日 中 国 ロ シ ア

中 国 商 務 省 は 、 ロ シ ア 、 ベ ラ ル ー シ 、 ア ル メ ニ ア 、 カ ザ フ ス タ ン 、 キ ル ギ ス か ら な る ユ ー ラ シ ア 経 済 連 合 ( E E U ) と の 経 済 貿 易 協 力 協 定 締 結 に 向 け た 交 渉 が 妥 結 し た と 発 表 し た 。 同 協 定 の 内 容 に は 、 税 関 手 続 き と 貿 易 の 利 便 化 、 知 的 財 産 権 、 政 府 部 門 間 協 力 、 政 府 調 達 、 電 子 商 取 引 ( E C ) な ど が 含 ま れ る 模 様 で あ る 。

2 日 イ ン ド

ア ジ ア 開 発 銀 行 と ア ジ ア イ ン フ ラ 投 資 銀 行 は 、 イ ン ド 南 部 の 送 電 イ ン フ ラ の 整 備 、 太 陽 光 や 風 力 に よ る 発 電 の 拡 大 の た め に 1 億 ド ル ( 約 1 1 2 億 円 ) を 協 調 融 資 す る 。

4 日 イ ン ド

イ ン ド 政 府 は 、 バ ン グ ラ デ シ ュ の イ ン フ ラ 部 門 に 対 し て 4 5 億 米 ド ル ( 約 5 , 0 7 4 億 円 ) の 融 資 を 決 定 し た 。 合 意 に は 調 達 条 件 が あ り 、 バ ン グ ラ デ シ ュ は 事 業 に 関 す る サ ー ビ ス や 原 料 、 労 働 な ど の 6 5 - 7 5 % を イ ン ド か ら 調 達 す る 必 要 が あ る 。 4 日 イ ン ド ネ シ ア イ ン ド ネ シ ア 財 務 相 は 、 電 子 商 取 引 ( E C ) に 付 加 価 値 税 ( V A T ) を 課 す こ と を 規 定 し た 財 務 相 令 を 公 布 す る と し た 。

6 日 ロ シ ア 等

欧 州 委 員 会 は 、 ロ シ ア 、 ウ ク ラ イ ナ 、 イ ラ ン 、 ブ ラ ジ ル 産 の 熱 延 鋼 板 に 対 し 反 ダ ン ピ ン グ 関 税 を 導 入 し た 。 1 ト ン 当 た り 1 7 . 6 - 9 6 . 5 ユ ー ロ の 固 定 関 税 を 設 定 し た が 、 こ れ は 通 常 の 従 価 税 を 適 用 す る よ り も 関 税 が 少 な い 。 よ っ て 、 苦 情 を 訴 え た 欧 州 鉄 鋼 協 会 は 不 満 を 表 明 し て い る 。

1 0 日 タ イ

プ ラ ユ ッ ト 首 相 は 、 同 国 で 予 定 さ れ て い る 総 選 挙 に つ い て 「 来 年 6 月 に 日 程 を 発 表 し 、 1 1 月 に 選 挙 を 行 う 」 と 述 べ た 。 予 定 通 り に 総 選 挙 が 実 施 さ れ る と 、 2 0 1 4 年 5 月 の ク ー デ タ ー 以 降 続 い て い る 軍 事 政 権 が 終 わ る こ と に な る 。

1 0 日 中 国 韓 国

2 0 1 4 年 1 0 月 1 1 日 に 中 国 と 韓 国 が 合 意 し た 、 ウ ォ ン と 人 民 元 を 交 換 す る 通 貨 交 換 ( ス ワ ッ プ ) 協 定 が 満 期 を 迎 え た 。

1 1 日 ロ シ ア

シ ル ア ノ フ 財 務 相 に よ る と 、 ロ シ ア 政 府 は 仮 想 通 貨 の 発 行 や 取 引 を 規 制 す る 方 針 で 、 年 内 に 具 体 的 な 方 策 を ま と め た い と し て い る 。 プ ー チ ン 大 統 領 は 仮 想 通 貨 に 懐 疑 的 で 、 犯 罪 や マ ネ ー ロ ン ダ リ ン グ へ の 悪 用 、 シ ス テ ム 障 害 や 通 貨 バ ブ ル な ど の 問 題 に も 責 任 の 所 在 が つ か め な い と 懸 念 し て い る 。

1 1 日 ロ シ ア モ ロ ッ コ

モ ロ ッ コ の 首 都 ラ バ ト に て 、 オ ト マ ニ 首 相 と メ ド ベ ー ジ ェ フ 露 首 相 が 、 経 済 や 軍 事 分 野 で 合 わ せ て 1 1 件 の 二 国 間 協 定 に 調 印 し た 。 協 定 に は 、 関 税 や 農 業 、 軍 事 、 文 化 、 エ ネ ル ギ ー 効 率 化 、 原 子 力 発 電 な ど に お け る 二 国 間 協 力 が 含 ま れ て い る 。

1 2 日

マ レ ー シ ア 中 国 等

マ レ ー シ ア 政 府 は 、 中 国 、 韓 国 、 台 湾 、 タ イ か ら 輸 入 さ れ た 冷 延 鋼 板 に 対 し 、 7 . 2 7 - 1 1 1 . 6 1 % の 反 ダ ン ピ ン グ 関 税 を 課 す こ と を 明 ら か に し た 。 1 0 月 1 2 日 以 降 1 2 0 日 以 内 に 適 用 さ れ る 予 定 で あ る 。

1 3 日 A S E A N

シ ン ガ ポ ー ル で 開 催 さ れ た 第 2 3 回 東 南 ア ジ ア 諸 国 連 合 ( A S E A N ) 運 輸 相 会 合 に お い て 、 域 内 の 交 通 分 野 で の 協 力 強 化 を 目 的 と し た 5 つ の 協 定 が 調 印 さ れ 、 6 つ の イ ニ シ ア チ ブ が 採 択 さ れ た 。

1 5 日 ベ ネ ズ エ ラ

統 一 地 方 知 事 選 が 投 開 票 さ れ 、 2 3 州 の う ち 1 7 州 で 与 党 候 補 が 勝 利 し た と 発 表 し た 。 マ ド ゥ ロ 政 権 は 独 裁 体 制 を 確 立 し て お り 、 選 挙 管 理 委 員 会 は 与 党 の 影 響 下 に あ る 。 今 回 の 結 果 は 、 大 半 の 州 で 野 党 候 補 が 優 勢 だ と い う 事 前 の 世 論 調 査 と は 逆 と な っ た 。

1 6 日 イ ン ド

財 務 省 は 、 政 府 の 「 国 家 イ ン フ ラ 投 資 基 金 ( N I I F ) 」 に お い て 、 ア ラ ブ 首 長 国 連 邦 の ア ブ ダ ビ 投 資 庁 か ら の 出 資 が 決 定 し た と 発 表 し た 。 N I I F に と っ て 初 の 投 資 協 定 で 、 金 額 は 1 0 億 米 ド ル ( 約 1 , 1 0 0 億 円 ) と な っ た 。

1 6 日 北 朝 鮮 ミ ャ ン マ ー

欧 州 連 合 ( E U ) は 外 相 理 事 会 に て 、 北 朝 鮮 に 対 す る 独 自 制 裁 の 強 化 を 決 定 し 、 即 日 実 施 し た 。 内 容 は 、 E U 加 盟 国 か ら の 投 資 や 北 朝 鮮 人 へ の 労 働 許 可 更 新 の 禁 止 、 北 朝 鮮 へ の 個 人 送 金 額 の 上 限 の 引 き 下 げ 、 石 油 輸 出 の 禁 止 な ど で あ る 。 ミ ャ ン マ ー に 対 し て は 、 治 安 部 隊 に よ る ロ ヒ ン ギ ャ 迫 害 は 「 受 け 入 れ ら れ な い 」 と し 、 即 座 の 停 止 を 要 請 す る こ と で 合 意 し た 。

1 8 日 イ ン ド

プ ラ ダ ン 石 油 ・ 天 然 ガ ス 相 と 日 本 の 世 耕 経 済 産 業 相 は 、 「 流 動 性 の 高 い 柔 軟 な グ ロ ー バ ル L N G 市 場 確 立 に 関 す る 協 力 覚 書 」 に 署 名 し た 。 流 動 性 が 高 く 柔 軟 か つ 透 明 性 の 高 い グ ロ ー バ ル L N G ( 液 化 天 然 ガ ス ) 市 場 の 確 立 に 向 け た 共 同 活 動 を 実 施 す る こ と を 目 的 と す る 。

1 8 日 フ ィ リ ピ ン

フ ィ リ ピ ン 中 央 銀 行 の エ ス ペ ニ リ ヤ 総 裁 は 、 資 本 市 場 の 改 革 や 金 利 の 動 向 を 見 極 め な が ら 預 金 準 備 率 の 引 き 下 げ を 検 討 し て い く 方 針 を 示 し た 。 同 国 の 準 備 率 は 、 ア ジ ア で 最 高 の 水 準 で あ る 2 0 % と な っ て い る 。

1 9 日 イ ン ド ネ シ ア

ス リ ・ ム リ ヤ ニ 財 務 相 は 、 国 民 の 健 康 の た め に た ば こ の 消 費 量 を 抑 え る 必 要 が あ る と し て 、 来 年 1 月 1 日 か ら た ば こ 税 を 増 税 す る と 発 表 し た 。 増 税 幅 は 平 均 1 0 . 0 4 % と な る 。

2 4 日 A S E A N 中 国 等

フ ィ リ ピ ン 北 部 ク ラ ー ク 経 済 特 区 で 、 東 南 ア ジ ア 諸 国 連 合 ( A S E A N ) 拡 大 国 防 相 会 議 が 開 催 さ れ た 。 参 加 国 は A S E A N に 日 米 中 韓 ロ を 含 む 計 1 8 カ 国 で 、 核 ・ ミ サ イ ル 開 発 を 続 け る 北 朝 鮮 へ の 対 応 と 南 シ ナ 海 問 題 に つ い て 主 に 話 し 合 っ た 。

2 4 日 イ ン ド

イ ン ド 政 府 は 不 良 債 権 を 抱 え る 国 営 銀 行 の 資 本 増 強 の た め 、 資 本 注 入 を 行 う こ と を 発 表 し た 。 向 こ う 2 年 間 で 投 じ る 金 額 は 2 兆 1 , 1 0 0 億 ル ピ ー ( 約 3 兆 7 , 0 0 0 億 円 ) で 、 資 金 は 主 に 、 政 府 発 行 の 債 券 、 政 府 保 有 の 国 営 企 業 株 式 の 売 却 で 賄 う 予 定 で あ る 。

2 4 日 イ ン ド ア フ ガ ニ ス タ ン

イ ン ド の モ デ ィ 首 相 は 、 首 都 ニ ュ ー デ リ ー を 訪 問 し て い る ア フ ガ ニ ス タ ン の ガ ニ 大 統 領 と 会 談 を 行 っ た 。 協 議 内 容 は ア フ ガ ン 安 定 化 に 向 け た テ ロ 対 策 な ど で 、 両 氏 は テ ロ 撲 滅 を 目 指 す こ と で 一 致 し た 。

2 4 日 中 国

1 8 日 か ら 北 京 市 で 開 催 さ れ て い た 、 中 国 共 産 党 の 第 1 9 回 全 国 代 表 大 会 ( 党 大 会 ) が 閉 幕 し た 。 2 4 日 に は 、 「 習 近 平 新 時 代 中 国 特 色 社 会 主 義 思 想 」 を 盛 り 込 ん だ 党 規 約 改 正 案 を 承 認 し た 。 党 大 会 は 5 年 に 1 度 の 党 最 重 要 会 議 で あ る 。

2 4 日 パ キ ス タ ン

ア バ シ 首 相 は 、 首 都 イ ス ラ マ バ ー ド を 訪 問 し て い る テ ィ ラ ー ソ ン 米 国 務 長 官 と 会 談 を 行 っ た 。 ア バ シ 氏 は 同 国 が 対 テ ロ 戦 争 に 協 力 し て い る と し 、 両 国 は 戦 闘 が 続 く 隣 国 ア フ ガ ニ ス タ ン の 平 和 構 築 に 向 け て 協 力 す る 姿 勢 を 再 確 認 し た 。

2 4 日 ミ ャ ン マ ー

(21)

2017

10

新興国動向(政治・経済)

出所:各種報道より大和総研作成

2 5 日 イ ン ド

ス ワ ラ ジ 外 相 は 、 首 都 ニ ュ ー デ リ ー で テ ィ ラ ー ソ ン 米 国 務 長 官 と 会 談 を 行 っ た 。 イ ン ド 洋 な ど で 影 響 力 を 強 め る 中 国 を け ん 制 す る こ と が 狙 い で あ り 、 米 国 、 イ ン ド 、 ア フ ガ ン の 当 局 者 が 1 2 月 に ア フ ガ ン 和 平 で 会 合 を 開 く こ と で 一 致 し た 。

2 5 日 イ ン ド

選 挙 管 理 委 員 会 は 、 西 部 グ ジ ャ ラ ー ト 州 の 州 議 会 選 挙 の 投 票 を 1 2 月 9 、 1 4 日 の 2 回 に 分 け て 行 う こ と を 発 表 し た 。 開 票 作 業 は 1 8 日 に 実 施 さ れ る 。

2 5 日 ブ ラ ジ ル ブ ラ ジ ル 中 央 銀 行 は 、 政 策 金 利 を 0 . 7 5 % p t 引 き 下 げ 、 7 . 5 % と し た 。 利 下 げ は 9 回 連 続 と な る 。

2 6 日 中 国

中 国 財 政 省 は 、 総 額 2 0 億 米 ド ル ( 約 2 , 2 8 5 億 円 ) の 国 債 を 香 港 で 発 行 し た と 発 表 し た 。 内 訳 は 、 5 年 物 と 1 0 年 物 が そ れ ぞ れ 1 0 億 米 ド ル ず つ で あ る 。 同 国 の 外 貨 建 て ソ ブ リ ン 債 発 行 は 、 2 0 0 4 年 以 来 1 3 年 ぶ り と な る 。

2 7 日 タ イ 中 国

タ イ 、 中 国 両 政 府 は 、 ソ ム キ ッ ト 副 首 相 ( 経 済 担 当 ) と 張 高 麗 副 首 相 を 代 表 と し た 経 済 協 力 に 関 す る 会 議 を 開 催 し た 。 タ イ は 汎 珠 江 デ ル タ と の 経 済 協 力 を 強 化 す る 方 針 な ど を 提 案 し 、 中 国 が C L M V 諸 国 ( カ ン ボ ジ ア 、 ラ オ ス 、 ミ ャ ン マ ー 、 ベ ト ナ ム ) へ ア ク セ ス す る 際 の 窓 口 と し て 同 国 を 利 用 す る こ と を 働 き か け た 。 今 後 は 高 級 事 務 レ ベ ル の 会 議 で 協 議 す る 予 定 で あ る 。

2 7 日 中 国

中 国 人 民 銀 行 ( 中 央 銀 行 ) は 、 リ バ ー ス レ ポ に よ る 公 開 市 場 操 作 を 実 施 し た 。 金 利 2 . 9 0 % で 6 3 日 物 を 5 0 0 億 元 ( 約 8 , 6 0 0 億 円 ) 、 同 2 . 6 0 % で 1 4 日 物 を 3 0 0 億 元 、 同 2 . 4 5 % で 7 日 物 を 6 0 0 億 元 の リ バ ー ス レ ポ を 行 っ た 。 6 3 日 物 の リ バ ー ス レ ポ は 初 め て で あ る 。

2 7 日 フ ィ リ ピ ン

フ ィ リ ピ ン 中 央 銀 行 は 、 期 限 付 き 預 金 入 札 の 受 け 入 れ 枠 を 1 0 0 億 ペ ソ 減 額 し 、 1 , 3 0 0 億 ペ ソ に す る 。 金 融 市 場 の 流 動 性 が 低 下 し た た め の 対 策 で あ り 、 1 1 月 2 日 か ら 採 用 す る 。

2 7 日 フ ィ リ ピ ン

フ ィ リ ピ ン 中 央 銀 行 は 、 多 国 間 金 融 機 関 ( M F I ) が 保 証 す る 銀 行 の 子 会 社 や 関 連 会 社 向 け の 融 資 を 上 限 規 制 か ら 除 外 す る と し 、 M F I に よ っ て 保 証 さ れ た 融 資 に 対 す る さ ら な る 規 制 緩 和 が 行 わ れ た 。 大 規 模 な イ ン フ ラ 開 発 の 資 金 調 達 に 柔 軟 性 を 持 た せ る の が 目 的 で あ る 。

2 7 日 ロ シ ア ロ シ ア 中 央 銀 行 は 、 主 要 政 策 金 利 を 0 . 2 5 % p t 引 き 下 げ 、 8 . 2 5 % と し た 。 利 下 げ は 今 年 5 回 目 で 、 3 0 日 か ら 適 用 す る 。

2 8 日 イ ン ド ネ シ ア

イ ン ド ネ シ ア 中 央 銀 行 は 、 2 4 日 の イ ン ド ネ シ ア ル ピ ア の 対 米 ド ル 相 場 が 今 年 6 月 1 日 以 来 の ル ピ ア 安 を 記 録 し た こ と を 受 け 、 市 場 介 入 を 行 っ た 。

2 9 日 タ イ タ イ の プ ミ ポ ン 前 国 王 葬 儀 の す べ て の 儀 式 が 終 了 し 、 服 喪 期 間 が 終 了 し た 。

3 0 日 フ ィ リ ピ ン

参照

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報告日付: 2017年 11月 6日 事業ID:

大正13年 3月20日 大正 4年 3月20日 大正 4年 5月18日 大正10年10月10日 大正10年12月 7日 大正13年 1月 8日 大正13年 6月27日 大正13年 1月 8日 大正14年 7月17日 大正15年

第1回 平成27年6月11日 第2回 平成28年4月26日 第3回 平成28年6月24日 第4回 平成28年8月29日

(申込締切)②助成部門 2017 年9月 30 日(土) ②学生インターン部門 2017 年7月 31

お知らせ日 号 機 件 名

件名 電圧(kV) 亘長(km) 着工 運転開始. 新宿城南線引替 275 2番線:5.5 2017年11月 2020年6月

わずかでもお金を入れてくれる人を見て共感してくれる人がいることを知り嬉 しくなりました。皆様の善意の募金が少しずつ集まり 2017 年 11 月末までの 6

第1回目 2015年6月~9月 第2回目 2016年5月~9月 第3回目 2017年5月~9月.