粒子検出器
荷電粒子検出器
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電離作用にもとづくもの
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霧箱・泡箱
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比例計数管・スパークチェンバー・多芯比例計数管・ドリフト
チェンバー・タイムプロジェクションチェンバー
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シンチレーション検出器
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電磁場の放射に基づくもの
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チェレンコフ検出器
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Transition Radiation Detector
霧箱・泡箱
電離作用でつくったイオン対で 液体と気体の加飽和状態をこわす
荷電粒子にそって 気体 ⇒ 液体 霧箱
荷電粒子のそって 液体 ⇒ 気体 泡箱
霧箱の例
荷電粒子の測定: ガス増幅の利用
電離作用でイオン対ができるが。。。。
1 e = 1.6 × 10-19 C
電流には不十分。 ⇒ 増幅したい
高電圧をかけて 電子を「増幅」させる 霧箱・泡箱 は写真撮影で 記録。 電気信号で読みだせないか?
+ V
ガス中の電子を電離し、
その電子が電場中で加速 ⇔ 再び他の電子を電離。
読出し回路で電気信号測定
Principles of operation of
multiwire proportional and drift chambers, F. Sauli, CERN 77-09 (1977)
Principles of operation of
multiwire proportional and drift chambers, F. Sauli, CERN 77-09 (1977)
電子なだれ
ガス増幅率と印加電圧
III 比例領域
信号の大きさは
最初にできたイオン対の数に比例
→ 放射線のエネルギー損失に比例
IV 信号の大きさが一定
電子雪崩で生成されたイオン対により 電場がスクリーニング
電子なだれがワイヤー全体で起きる
→ エネルギー損失によらず一定の信号
ガス検出器いろいろ
多芯比例計数管による荷電粒子の位置測定
その他に
ストリームチューブ
ドリフトチェンバー 電場中での電子の移動速度を利用 タイムプロジェクションチェンバー
ドリフトチェンバー
印加電圧が十分高いと 電離作用によってできたイオンによって 放電 が起きる
福井・宮本 スパークチェンバー
スパークチェンバーの例
スパークチェンバーの例:KEK
荷電粒子の運動量測定
B
v
p=e r B
素電荷の粒子が磁場中を運動する場合
p [ MeV / c]=300 r [ m ]⋅B [ T]=3 r B[ cm T]
p [ GeV /c ]=0.3 r B[ m T ]=3 r B [ cm T]
霧箱での例
約300 mTの表面磁束密度をもつネオジウム磁石によって曲げられたベーター線。 視認性をよくするために、磁石の上には黒画用紙が載せられている。
粒子識別: 荷電粒子
1) 物質でのエネルギー損失の違いを利用
dE/dx は 速度に依存する。
運動量が同じでも、速度は違う dE/dx から粒子識別
2) 速度を測定
時間差測定
Start ΔT Stop
チェレンコフ放射の利用: 光の衝撃波 時間差測定
θ
屈折率nの物質中を速度βで移動する荷電粒子
cos = 1
n
L
=L/ T
Time of Flight (TOF)
飛行時間測定: Time Of Flight (TOF)
時間差測定
Start ΔT Stop L
=L/ T
通常実験では、磁場を利用し 粒子の運動量を測定する。
例) p = 1 GeV/c の運動量をもつ荷電粒子
粒子によって、いろいろ質量が異なる → 速度が異なる → 異なるTOF 運動量が1 GeV/c の場合
M β 10m TOF (ns) 電子 0.511 MeV ~1.0 33.3
ミュー粒子 106 MeV ~0.994 33.5 パイ中間子 140 MeV ~0.990 33.7 K中間子 494 MeV ~0.869 38.3 陽子 938 MeV ~0.347 96.2
p m
比較的容易に識別可能 時間決定精度の高い 検出器が必要 ~ 100ps
リングイメージングチェレンコフ検出器
リングイメージングチェレンコフ検出器(例) 測定されるリングイメージの例
リング半径測定
→チェレンコフ角測定
→粒子識別
荷電粒子
光位置検出器
集光反射鏡
発光体:屈折率 ~ 1.001
ガンマ線検出器
基本的にはガンマ線(光子)と物質の 相互作用で散乱された 電子 を測定
光子と物質との相互作用
・ 光電効果
・ コンプトン散乱
・ 電子対生成
シンチレーター
シンチレーター中の電子を散乱して、 電子が物質を励起
⇒ シンチレーション光
⇒ 光電子増倍管で測定
エネルギー測定
荷電粒子は 運動量と粒子の種類が分かれば
E
2= p
2m
2ガンマ線(光子) 物質中に停止させ、その際に生成される電子によって 物質に与えられるエネルギーを測定
⇒ カロリメータ 鉛ガラス検出器
陽電子
電子
陽電子
電子
高エネルギー光子は電子・陽電子対生成を起こす。
陽電子 ⇒ 対消滅 光子対を生成
電子 ⇒ 制動放射(光子を再放射する)
⇒ 電子・陽電子対生成
生成された電子のエネルギーを測定
⇒ 入射光子のエネルギーを測る 鉛ガラス検出器の場合は 電子によるチェレンコフ放射を 光電子増倍管で測る
典型 的な素粒子実験: 静止標的
磁場をかける エネルギー測定
標的 加速された
粒子
荷電粒子
(電子・μ粒子・中間子)
中性粒子
(光子)