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(1)

Mal’cev 条件の特徴付け

東北大学理学研究科数学専攻 井澤 昇平

2010年7月30日 東北大学ロジックセミナー

(2)

目次

1

一般代数系の基礎

2

Mal’cev 条件とは

(3)

一般代数系とは

集合A と A 上の演算(の集合)S の対に関する一般的な性質を 研究する分野。「関係記号のない言語を固定して、その構造の全 体像を探る」という研究が主流の模様。

用語

以下では関数記号(と定数記号)のみからなる言語Lを固 定し、Lを作用域と呼ぶ。

L構造のことを代数系と呼ぶ。

(4)

一般代数系とは

集合A と A 上の演算(の集合)S の対に関する一般的な性質を 研究する分野。「関係記号のない言語を固定して、その構造の全 体像を探る」という研究が主流の模様。

用語

以下では関数記号(と定数記号)のみからなる言語Lを固 定し、Lを作用域と呼ぶ。

L構造のことを代数系と呼ぶ。

(5)

新しい代数系を作る操作1

定義

部分構造を部分(代数)系と呼ぶ。

{Ak}k∈Kを代数系の族としたとき直積集合に成分毎の演算を 入れた代数系を{Ak}の直積(代数系)という。

s((ak)k)i := (s(ai))k

(6)

新しい代数系を作る操作2

定義(合同関係・剰余系) A を代数系、θ ⊂ A2とする。

θ が合同関係であるとは

(ai,bi) ∈ θ ⇒ (s(ai), s(bi)) ∈ θ

が任意のs ∈ L, ai,bi ∈ A に対して成り立つことをいう。 A の合同関係全体を Con(A) と書く。

θ がA の合同関係のとき、次のように構造を入れた A/θ を Aθ による剰余系と呼ぶ:

s(ai) := s(ai)/θ

(7)

定義(準同型と核)

A, B:代数系。写像 f : A → B が準同型であるとは f (sA(ai)) = sB( f (ai))

が任意のs ∈ L と ai ∈ A に対して成り立つことをいう。 準同型 f : A → B に対し以下を f の核という。

Ker( f ) := {(a1,a2) ∈ A2| f (a1) = f (a2)}

命題(準同型定理)

f : A → B を準同型とするとき Ker( f ) は A の合同関係であり、 A/Ker( f ) ≃ Im( f )

が成り立つ。

(8)

等式クラスの定義

定義

1 ∀ ¯x(t( ¯x) = t( ¯x)) の形の論理式からなる公理系を等式公理と 呼ぶ。

2 等式公理Σ により V = {A|A |= Σ} と書けるクラス V を等式 クラスと呼ぶ。

一般代数系の研究は等式クラスに関連するものがかなりの割合 を占めているように思われる。

理由は・・・何故か心惹かれるという身も蓋もないものが一番大 きい(??)

また後述のcloneという代数系と等式クラスが一対一に対応する という事実があり研究を行ないやすく、一般の代数系のクラスを 考えるときにもそれを含む最小の等式クラスを経由して考える 方が扱いやすいという理由も大きいかも知れない。

(9)

等式クラスの定義

定義

1 ∀ ¯x(t( ¯x) = t( ¯x)) の形の論理式からなる公理系を等式公理と 呼ぶ。

2 等式公理Σ により V = {A|A |= Σ} と書けるクラス V を等式 クラスと呼ぶ。

一般代数系の研究は等式クラスに関連するものがかなりの割合 を占めているように思われる。

理由は・・・何故か心惹かれるという身も蓋もないものが一番大 きい(??)

また後述のcloneという代数系と等式クラスが一対一に対応する という事実があり研究を行ないやすく、一般の代数系のクラスを 考えるときにもそれを含む最小の等式クラスを経由して考える 方が扱いやすいという理由も大きいかも知れない。

(10)

抽象化して初めて考えられる問題

以上は群、環、束など、特殊な代数系の場合に考えられる基本的 な概念のいくつかが、より広い場合においても考えることがで きるということだった。しかし

一般代数系が真に取り組むべき問題は「演算構造が入った集合」 というもの全てを見るという視点に立ったときに初めて意味を 持つ現象を発見することにあると思われる。

例:

V1, V2を代数系のクラスとする。V1とV2が圏として同型 となる条件を求めよ。

そこに属する有限生成の代数系は集合として有限であるよ うな等式クラスVに対して、ランクn の自由代数系の元の

数をFV(n) とおく。FVが多項式オーダーとなるVの特徴付

けを与えよ。

(11)

抽象化して初めて考えられる問題

以上は群、環、束など、特殊な代数系の場合に考えられる基本的 な概念のいくつかが、より広い場合においても考えることがで きるということだった。しかし

一般代数系が真に取り組むべき問題は「演算構造が入った集合」 というもの全てを見るという視点に立ったときに初めて意味を 持つ現象を発見することにあると思われる。

例:

V1, V2を代数系のクラスとする。V1とV2が圏として同型 となる条件を求めよ。

そこに属する有限生成の代数系は集合として有限であるよ うな等式クラスVに対して、ランクn の自由代数系の元の

数をFV(n) とおく。FVが多項式オーダーとなるVの特徴付

けを与えよ。

(12)

抽象化して初めて考えられる問題

以上は群、環、束など、特殊な代数系の場合に考えられる基本的 な概念のいくつかが、より広い場合においても考えることがで きるということだった。しかし

一般代数系が真に取り組むべき問題は「演算構造が入った集合」 というもの全てを見るという視点に立ったときに初めて意味を 持つ現象を発見することにあると思われる。

例:

V1, V2を代数系のクラスとする。V1とV2が圏として同型 となる条件を求めよ。

そこに属する有限生成の代数系は集合として有限であるよ うな等式クラスVに対して、ランクn の自由代数系の元の 数をFV(n) とおく。FVが多項式オーダーとなるVの特徴付 けを与えよ。

(13)

抽象化して初めて考えられる問題(続き)

ある性質を持つ代数系/等式クラスの分類を与えよ。  等式クラスの性質の例:

  非自明な部分等式クラスがない   圏の構造がアーベル圏

 代数系の性質の例:   直積分解できない

  非自明な合同関係がない   部分系の集合が全順序

全く別種の複数の代数系(のクラス)から新しい代数系

(のクラス)を作る操作を考え、その性質を調べる。(例:直 積、Interpretation

“ 方程式 ” の解の性質、数の評価

(14)

代数論理について:

推論規則の集合K と論理式の集合 T が与えられたとき、論理式 の集合を

ϕ ∼ ψ:⇔ T ⊢K (ϕ ↔ ψ)

という同値関係で割ったもの(に論理結合子を作用させるとい う演算を入れたもの)をリンデンバーム代数という。K のみ固定 し、言語とT を動かしたときに得られるリンデンバーム代数の 全体は

∀ ¯x







i

(ti( ¯x) = si( ¯x)) → t( ¯x) = t( ¯x)







の形の公理によって特徴付けられる。このような=, →, ∧ のみを 用いて書ける論理式はquasi-equationとかHorn-formulaと呼ば れ、代数論理との関連において注目されている。

(有名な推論規則に対応するリンデンバーム代数のクラスは等 式公理で特徴付けられることが多く、等式クラスのみの考察でも いろいろわかる部分も多いようである。)

(15)

定義

K を代数系のクラスとする。F ∈ K が X ⊂ F を自由生成元とす るK の自由(代数)系であるとは、

任意のA ∈ K と写像 f : X → A に対し、g|X = f となる準同型 g : F → A がただ一つ存在することをいう。

X の濃度を F のランクという。

命題

等式クラスは任意ランクの自由系を持つ。

証明:termの全体を公理からt = s が導けるものを同一視する同 値関係で割ったものに自然に演算を入れたものが自由系になる。



(16)

定義

K を代数系のクラスとする。F ∈ K が X ⊂ F を自由生成元とす るK の自由(代数)系であるとは、

任意のA ∈ K と写像 f : X → A に対し、g|X = f となる準同型 g : F → A がただ一つ存在することをいう。

X の濃度を F のランクという。

命題

等式クラスは任意ランクの自由系を持つ。

証明:termの全体を公理からt = s が導けるものを同一視する同 値関係で割ったものに自然に演算を入れたものが自由系になる。



(17)

定理(Birkhoff)

L代数系のクラスKが等式クラスである必要十分条件は同型、 部分系、剰余系、直積に閉じていることである。

証明の方針:(⇒)は容易である。

(⇐)Kに属する全ての代数系がみたす等式公理をΣ,Σ が定め る等式クラスをVとおく。V ⊂ K,すなわちA |= Σ ⇒ A ∈ K を 示せばよいが、K が剰余系に閉じているので任意ランクのVの 自由系がKに入ることを示せばよい。

基数κ に対し、κ 個の変数 {xi}i∈κからなるtermの対で

ε ≡”t = s” < Σ となるものに対し Aε ∈ Kt( ¯aε) , s( ¯aε) となる

¯

aε = (ai,ε)i∈κをとる。

ε

Aiにおいて((ai,ε)ε)i∈κΣ に属さない全

ての関係式を成り立たせない。したがって{(ai,ε)ε}i∈κが生成する 部分系がランクκ の V の自由系となる。 

(18)

定理(Birkhoff)

L代数系のクラスKが等式クラスである必要十分条件は同型、 部分系、剰余系、直積に閉じていることである。

証明の方針:(⇒)は容易である。

(⇐)Kに属する全ての代数系がみたす等式公理をΣ,Σ が定め る等式クラスをVとおく。V ⊂ K,すなわちA |= Σ ⇒ A ∈ K を 示せばよいが、K が剰余系に閉じているので任意ランクのVの 自由系がKに入ることを示せばよい。

基数κ に対し、κ 個の変数 {xi}i∈κからなるtermの対で

ε ≡”t = s” < Σ となるものに対し Aε ∈ Kt( ¯aε) , s( ¯aε) となる

¯

aε = (ai,ε)i∈κをとる。

ε

Aiにおいて((ai,ε)ε)i∈κΣ に属さない全

ての関係式を成り立たせない。したがって{(ai,ε)ε}i∈κが生成する 部分系がランクκ の V の自由系となる。 

(19)

定理(Birkhoff)

L代数系のクラスKが等式クラスである必要十分条件は同型、 部分系、剰余系、直積に閉じていることである。

証明の方針:(⇒)は容易である。

(⇐)Kに属する全ての代数系がみたす等式公理をΣ,Σ が定め る等式クラスをVとおく。V ⊂ K,すなわちA |= Σ ⇒ A ∈ K を 示せばよいが、K が剰余系に閉じているので任意ランクのVの 自由系がKに入ることを示せばよい。

基数κ に対し、κ 個の変数 {xi}i∈κからなるtermの対で

ε ≡”t = s” < Σ となるものに対し Aε ∈ Kt( ¯aε) , s( ¯aε) となる

¯

aε = (ai,ε)i∈κをとる。

ε

Aiにおいて((ai,ε)ε)i∈κΣ に属さない全 ての関係式を成り立たせない。したがって{(ai,ε)ε}i∈κが生成する 部分系がランクκ の V の自由系となる。 

(20)

定義

1 代数系の族{Ai}に対し以下の条件をみたす∏ Aiの部分系B{Ai}のsub-direct productとよぶ:

全てのi に対して射影∏ Ai→ AiB への制限は全射。

2 代数系B はどんな B が {Ai}のsub-direct product となるどん な{Ai}をとっても、必ずB ≃ Aiとなるi があるとき

sub-directly irreducibleであるという。

sub-direct productをとる操作は 関係式を消去 ” すること に他ならない。

代数系のクラスKを固定したとき、K でのsub-direct prodctへの分解の仕方を系統的に調べ、さらにsub-directly

irreducibleな代数系の分類を与えることでKの構造を調べ

るという道筋が考えられる。

(21)

定義

1 代数系の族{Ai}に対し以下の条件をみたす∏ Aiの部分系B{Ai}のsub-direct productとよぶ:

全てのi に対して射影∏ Ai→ AiB への制限は全射。

2 代数系B はどんな B が {Ai}のsub-direct product となるどん な{Ai}をとっても、必ずB ≃ Aiとなるi があるとき

sub-directly irreducibleであるという。

sub-direct productをとる操作は 関係式を消去 ” すること に他ならない。

代数系のクラスKを固定したとき、K でのsub-direct prodctへの分解の仕方を系統的に調べ、さらにsub-directly

irreducibleな代数系の分類を与えることでKの構造を調べ

るという道筋が考えられる。

(22)

Mal’cev条件とは

2. Mal’cev 条件とは

1 一般代数系の基礎

2 Mal’cev条件とは

(23)

Mal’cev条件とは

定理(Mal’cev 1954)

Vを等式クラスとするとき、次は同値。

1 任意のA ∈ V, α, β ∈ Con(A) に対し α ∨ β = α ◦ β.(V congruence permuratable.)

2 次の条件をみたすVの3項term p が存在する。 V |= ∀x, y[p(x, x, y) = y ∧ p(x, y, y) = x]. 定理(J´onson 1967)

等式クラスVに対し次は同値。

1 任意のA ∈ V に対し Con(A) は分配束。

2 次をみたすn ∈ N と3項 term d0, ···,dnが存在する: d0(x, y, z) = x, dn(x, y, z) = z

di(x, y, x) = x (i = 0, ···, n)

di(x, x, y) = di+1(x, x, y) (i : even) di(x, y, y) = di+1(x, y, y) (i : odd)

(24)

Mal’cev条件とは

定理(Mal’cev 1954)

Vを等式クラスとするとき、次は同値。

1 任意のA ∈ V, α, β ∈ Con(A) に対し α ∨ β = α ◦ β.(V congruence permuratable.)

2 次の条件をみたすVの3項term p が存在する。 V |= ∀x, y[p(x, x, y) = y ∧ p(x, y, y) = x]. 定理(J´onson 1967)

等式クラスVに対し次は同値。

1 任意のA ∈ V に対し Con(A) は分配束。

2 次をみたすn ∈ N と3項 term d0, ···,dnが存在する: d0(x, y, z) = x, dn(x, y, z) = z

di(x, y, x) = x (i = 0, ···, n)

di(x, x, y) = di+1(x, x, y) (i : even) di(x, y, y) = di+1(x, y, y) (i : odd)

(25)

Mal’cev条件とは

定理(Day 1969)

等式クラスVに対し次は同値。

1 任意のA ∈ V に対し Con(A) はモジュラー束。

2 次をみたすn ∈ N と4項 term m0, ···,mnが存在する: m0(x, y, z, u) = x, mn(x, y, z, u) = u

mi(x, y, y, x) = x (i = 0, ···, n)

mi(x, x, y, y) = mi+1(x, x, y, y) (i : even) mi(x, y, y, z) = mi+1(x, y, y, z) (i : odd)

このような“ ある条件をみたすtermが存在する ” という形の等 式クラスに対する条件をMal’cev条件と呼ぶ。

(26)

Mal’cev条件とは

定義

Vを等式クラス、TnをVのn 項 term の全体とし(V で常に同 一の演算を定めるものを同一視する)xn,i ∈ Tnを変数記号、 cn,m : Tnm× Tm→ Tn

cn,m((t1, ···,tm), s) := s(t1, ···,tn) と定める。

({Tn}n∈N, {cn,m}n,m∈N, {xn,i}n∈N,1≤i≤n) を V の clone といい C(V) と かく。

cloneはもとの等式クラスの本質的情報(termを一義的なものと

考え、何が演算記号であるかを気にしない立場から見たときの 構造:definitionally equivalence)を完全に表現している。また、 等式クラスのcloneとなりうる構造の特徴付けも容易に与えるこ とができる。

(27)

Mal’cev条件とは

定義

以下の条件をみたす対({Cn}n∈N, {cn,m}n,m∈N, {pn,i}n∈N,1≤i≤n) を clone という:

Cnは集合。 cn,m : Cmn × Cm→ Cn.

pn,i ∈ Cn

cn,l((cn,m((xi)mi=1,yj))lj=1,z) = cn,m((xi)mi=1,cm,l((yj)lj=1,z)). cn,m((xi)mi=1,pj) = xj.

cn,n((pi)ni=1,y) = y. 定理

等式クラスのclone は clone である。また、任意の clone C に対し C(V) = C となる等式クラス V が存在し、V は定数記号の有無と definitionally equivalent を除いて一意に定まる。

(28)

Mal’cev条件とは

定義(Mal’cev条件の現代的な定義) Cをclone のクラスとする。

1 Cが狭義Mal’cev クラスであるとは有限表示 clone C0によっ て以下の形に書けることをいう:

C = {C| 準同型 C0 → C が存在する }.

2 CMal’cev クラスであるとは狭義 Mal’cev 条件の可算増加 列C0 ⊂ C1⊂ ···の和集合C =

i∈N

Ciとなることをいう。

等式クラスVがcongruence permutable である条件は

CP := ⟨x|c3,3(p3,1,p3,1,p3,2,x) = p3,2,c3,3(p3,1,p3,2,p3,2,x) = p3,1

からC(V) への準同型が存在することである。

(29)

Mal’cev条件とは

定義(Mal’cev条件の現代的な定義) Cをclone のクラスとする。

1 Cが狭義Mal’cev クラスであるとは有限表示 clone C0によっ て以下の形に書けることをいう:

C = {C| 準同型 C0 → C が存在する }.

2 CMal’cev クラスであるとは狭義 Mal’cev 条件の可算増加 列C0 ⊂ C1⊂ ···の和集合C =

i∈N

Ciとなることをいう。

等式クラスVがcongruence permutable である条件は

CP := ⟨x|c3,3(p3,1,p3,1,p3,2,x) = p3,2,c3,3(p3,1,p3,2,p3,2,x) = p3,1⟩ からC(V) への準同型が存在することである。

(30)

Mal’cev条件とは

定理(Taylor 1973)

clone のクラス C が(狭義) Mal’cev クラスである必要十分条件 は以下が成り立つことである。

1 C ∈ C であり準同型 C → Cが存在するならC ∈ C.

2 Cは有限直積(任意個数の直積)に閉じている。

3 C ∈ C なら有限表示 clone C0で、C0∈ Cかつ準同型C0 → C が存在するようなものが存在する。

証明の概略:必要性は容易である。

S = {C ∈ C|Cは有限表示} = {A1, ···} とおく。B1:= A1とし、以下

帰納的にBn+1AnBn のsubdirect productである有限表示 cloneとする。Cn = {C ∈ C| 準同型 Bn→ C が存在する } とおくと C =∪ Cnとなる。

Cが可算直積に閉じていて、狭義 Mal’cevクラスでないとすると Cn ∈ Cn+1\ CnをとるとC = ∏ Cn∈ Cmとなるm ∈ N がとれ、C

の剰余cloneであるCmがCmに入ることになり矛盾 

(31)

Mal’cev条件とは

定理(Taylor 1973)

clone のクラス C が(狭義) Mal’cev クラスである必要十分条件 は以下が成り立つことである。

1 C ∈ C であり準同型 C → Cが存在するならC ∈ C.

2 Cは有限直積(任意個数の直積)に閉じている。

3 C ∈ C なら有限表示 clone C0で、C0∈ Cかつ準同型C0 → C が存在するようなものが存在する。

証明の概略:必要性は容易である。

S = {C ∈ C|Cは有限表示} = {A1, ···} とおく。B1:= A1とし、以下

帰納的にBn+1AnBn のsubdirect productである有限表示 cloneとする。Cn = {C ∈ C| 準同型 Bn→ C が存在する } とおくと C =∪ Cnとなる。

Cが可算直積に閉じていて、狭義 Mal’cevクラスでないとすると Cn ∈ Cn+1\ CnをとるとC = ∏ Cn∈ Cmとなるm ∈ N がとれ、C

の剰余cloneであるCmがCmに入ることになり矛盾 

(32)

Mal’cev条件とは

定理(Taylor 1973)

clone のクラス C が(狭義) Mal’cev クラスである必要十分条件 は以下が成り立つことである。

1 C ∈ C であり準同型 C → Cが存在するならC ∈ C.

2 Cは有限直積(任意個数の直積)に閉じている。

3 C ∈ C なら有限表示 clone C0で、C0∈ Cかつ準同型C0 → C が存在するようなものが存在する。

証明の概略:必要性は容易である。

S = {C ∈ C|Cは有限表示} = {A1, ···} とおく。B1:= A1とし、以下

帰納的にBn+1AnBn のsubdirect productである有限表示 cloneとする。Cn = {C ∈ C| 準同型 Bn→ C が存在する } とおくと C =∪ Cnとなる。

Cが可算直積に閉じていて、狭義 Mal’cevクラスでないとすると Cn ∈ Cn+1\ CnをとるとC = ∏ Cn∈ Cmとなるm ∈ N がとれ、C

の剰余cloneであるCmがCmに入ることになり矛盾 

(33)

Mal’cev条件とは

参考文献

1 W. Taylor, Characterizing Mal’cev conditions, Algebra Universalis 3 (1973), 351-397

2 Stanley N. Burris and H.P. Sankappanavar, A Course in Universal Algebra The Millennium Edition, Springer-Verlag

3 Ralph Freese and Ralph McKenzie, Commutator Theory for Congruence Modular Varieties Second Edition,ウェブ上で 公開

4 David Hobby and Ralph McKenzie, The Structure of Finite Algebras, American Mathematical Society, 1988

5 George M.Bergman, An Invitation to General Algebra and Universal Constructions, 1998

参照

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