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5th 20100906 Ito Kenji

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Academic year: 2018

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受 け 身 の ヒ ロ イ ン に 共 感

ゲゲゲの女房 の一場面 貧しい暮らし を支え合った水木しげること村井茂役の向 井理さん 妻の布美枝役を演じる 松下奈緒さん

 漫画家水木しげるさん夫婦をモデ

ルにしたNHK連続テレビ小説ゲ

ゲゲの女房が好評だ。平均視聴率

が1けたの連続ドラマも少なくない

中、最近は%前後で推移している。

このドラマ、何が受けているのだろ

う。視聴率はビデオリサーチ調

べ、関東地区

▽ 早 く 終 わ っ て

 ドラマは、水木さんの妻、武良布

枝さんの自伝が原案。無名漫画家と

結婚したヒロインが極貧暮らしを乗

り越え、夫と一緒に夢をつかんでい

く姿が、昭和の空気と重ね合わせて

描かれている。

 今春、主な視聴者である女性の生

活時間が早まっているとして、これ

までより分早い午前8時開始とな

った朝ドラ。ゲゲゲの女房は

初回視聴率こそ・8%と、統計の

ある1964年以降で最低だった

が、その後はじわじわと上昇。大手 出版社から仕事が舞い込み、貧乏脱

出のチャンスが到来した7月日に

は最高視聴率・8%を記録した。

その勢いに早く終わってほしい

と漏らす民放幹部も。

 ノスタルジーを呼び起こす昭和の

風景や水木さんのユニークな人柄、

ゲゲゲの鬼太郎といった人気漫

画の制作秘話、キャストの好演など

。見どころもさまざま。

 日常のやりとりを丁寧に描いて

いて、家族のきずなや温かさが伝わ

ってくると語るのは日大芸術学部

の中町綾子教授テレビドラマ表現

研究。最近のテレビドラマは、主

人公一人が夢を追う自己実現型

は減り、周りと一緒に幸せを目指す

作品が増えているといい、今回は

まさにそのタイプ。時代に合ってい

ると話す。

▽ 若 い 世 代 も 支 持

 一方、若者のトレンドに詳しいマ

ーケティングライターの牛窪恵さん

は、ヒロインが専業主婦であること

に注目する。雇用環境の悪化など

から、若い女性は専業主婦志向が高

く、家庭に重きを置きたい人が増え

ている。夫を支えるヒロインはあこ

がれの対象で、寄り添って生きる夫

婦に理想を見ているよう。華美なも

のを嫌う反バブル的な風潮もあ

り、つつましく、でも着実に成功し

ていく展開にも癒やされているので

 NHKによると、朝ドラの主人公

は年代半ば以降、何かに挑戦する

働く女性がほとんど。今回のよ

うに、控えめで受け身のヒロインは

異例という。若い世代にもよ

く見られていると谷口卓敬チーフ

プロデューサー。脚本の山本むつみ

さんはどんな時代も大半の人は日

常に希望や喜びを見つけて生きてい

る。その人生の輝きを描いたヒロイ

ン像に共感できたんだと思う。

日 米 安 保 年        

 きつかわ・としただ 194

5年北京市生まれ。東京大学法

学部卒。年、神奈川大学法学

部助教授就任。現・同学部教授。

専門は日本政治思想史。現代 の理論編集委員長。著書に近

代批判の思想年、論創社、

終わりなき戦後を問う2

010年、明石書店など多数。  戦後日本が独立を回復するに当たって、アメリカ合州国

から日米安全保障条約の締結

を講和の前提条件として提示

され、それと引き換えに比較

的ゆるい条件での講和を手に

入れたことは今では周知の事

実に属する。  戦後日本の繁栄を可能にし

たものが、これもアメリカに

よって押し付けられた憲

法9条と日米安保のセットで

あったという見方もあながち

的外れとばかりはいえないこ

とも事実であろう。

 しかし、締結後年を経て

なお日米安保の枠組みの変更

がまともに議論されることが

少ないという現状は、いかに

日米関係の重要性を主張しよ

うとも、やはり問題であろう。

 いうまでもなく日米安保条

約は、冷戦という厳しい国際

的対立を背景として締結され た。しかし、その後、経済を

中心とした国際的相互依存関

係はそれまでとは比較になら

ないくらい深化した。ソ連・

東欧の社会主義政権は相次い

で崩壊し、冷戦の象徴という

べきベルリンの壁も打ち壊さ

れ、冷戦終焉がいわれてから

年以上が経過した。締結当

初の国際環境は劇的に変わっ

ているのである。  もちろん現在の安保条約

は、無期限の一方的義務を負

わされていた状況からは、多

少とも双務的な内容に改めら

れ、期限も年になり、年

が過ぎてからは、1年前の通

告によって何時でも破棄でき

るようになった。

 そして1960年、年と

安保条約は国民の厳しい批判

にさらされてきた。その批判

は、体制をも揺るがしかねな

い激しさを伴っていた。その

こと故か、条約は、1年前の

通告によって破棄されうると

いう不安定さを含みながら自

動延長を重ねるというかたち

で継続してきたのである。

 自動延長による継続は、安 保を政治問題として浮上させ

ないための狡知によるもので

あったかどうかはともかくと

して、年以来、安保は確か

に大きな政治問題になること

はなかった。その適用範囲が、

実態的にはマラッカ海峡を越

えてインド洋からアラビア半

島にまで拡大され続けてきて

いるにもかかわらず、である。

そして、その拡大の仕方は、

かつての生存圏や生命

線という言葉を思い起こさ

せる。

 今、国際環境の変化に対応

して、日米安保の何を変えな

ければならないのだろうか。

第一に、軍事力のみによって

国民と国家の安全が保障され るという発想の転換が求めら

れる。軍事力で解決できる問

題の範囲は、どんどん小さく

なっているし、軍事にかかわ

らない危険の領域は、逆に大

きくなっている。

 また、軍事力は、国家は守

っても、国民を守るとは限ら

ないからである。第二に、2

国間軍事同盟に頼る安全保障

の危険性を認識すべきだとい

うことである。仮にそれが必

要だとしても、それはあくま

で両国の国土の防衛のみを目

的にすべきであろう。

 国土に限定されない国益

は、かつての権益と似た

意味を帯びる。それを安全保

障の対象に含めることは、か えって国際的緊張を高め、安

全を損なう結果となる。そう

いう観点から、安保条約の目

的を限定し、その限定された

目的にしたがって、基地の配

置や負担のあり方を見直す時

がきているのである。

 締結から年、改定からで

も年、ある事実が当然ある

べきものとして存在し続け、

人々の思考を縛る惰性と

して定着するには十分すぎる

ほどの時間である。普天間基

地問題が突きつけているの

は、そういう惰性からの

脱却であり、それこそが変わ

らなければならない最大の課

題であるかもしれない。

日本の高等教育は不足国立大の交付金減少を懸念

総 合 研 究 大 学 院 大 学 生 命 共 生 体 進 化 学 専 攻 准 教 授 伊 藤 憲 二

 いとう・けんじ  2002年ハーバード大学 でP

hD取得。東大助手、講師を経て、年に総合研

究大学院大学助教授翌年准教授。日本における現

代物理学の歴史を専門とし、科学技術社会論のうち、

研究所研究や、研究者養成の問題を対象として研究を

行っている。

 日本の高等教育は岐路

に立っている。中期財

政フレームによれば、

国立大学の運営費交付金

が年8%減少し、大学運

営に大きな影響を与える

と予想されるからだ。

 大学に対する国民の目

は厳しい。大学の役割の

うち、特に教育に対する

不満は大きいようだ。し

かも少子高齢化が進んで

若年層人口が減少し、全

入・定員割れの学科が続

出、同時に、高学歴ワー

キングプアという言葉に

象徴されるように、博士

号などの資格を取得した

高度な専門家が就職難に

苦しんでいる。

 そこで疑問が生じる。

社会の必要を越えて高等

教育が行われ、大学の数

も、大学生や大学院生の 数も過剰なのではない

か、大学はそれほど必要

でなく、特に現在の深刻

な財政難の折には、予算

削減、規模縮小もやむを

得ないのではないか、と

いう疑問である。

 しかし、日本は本当に

高等教育過剰だろうか。

私はむしろ不足だ、と考

えている。

 例えば、次のことを考

えてみよう。日本が民主

国家として機能するため

には、ある程度の政治的

スキルを備えた市民が必 要である。

 政治的スキルとは、さ

まざまな媒体から情報を

分析して、真実を見つけ

出し、経済学や自然科学

の基礎知識を用いて、経

済政策を比較したり、医

療政策や環境政策につい

て、自らの判断を下し、そ

れを発信したり、お互い

に討論する能力である。

 とりわけ、政治的に弱

い立場になりがちな若い

世代が年長の世代と渡り

あえるような政治的な能

力を持つことが望まし

い。

 しかし、現状では、日

本国民はそのために必要

な教育・訓練を受けてい

るとは言い難い。これで

教育過剰と言えるだろう

か。

 だが、政治的スキルを

含め、社会に必要な教育

・訓練を提供しなかった

のは大学の責任である。

日本の大学教育は理工系

などを除くと、生ぬるい

教育しか提供せず、まる

で受験生を試験で選別す

るのが大学の主要な役割

で、あとの時間は就職活

動までのモラトリアムに

すぎないかのようだ。こ

れは変わらねばならな

い。

 大学側にも事情はあ る。日本では高等教育機

関への公的支出のGNP

比がOECD諸国で最も

低く、その平均の半分に

すぎない。学生1人当た

りのコストは米国の半

分、英仏と同程度だが、

世界のトップ大学と比較

したとき、日本のトップ

大学の人員不足は明らか

で、教員1人当たりの学

生は、東大が7人ほどで

あるのに、ハーバードは

4・人、職員に関して

はさらに差が大きい。

 比較的少ない公的支出

でやってきた日本の高等

教育が成果を上げていな

いというのでさらに予算

を削減すれば、私費負担

を増やさないかぎり、教

育の質はますます下がる

だろう。

 高等教育の予算は、財

政論から一律に決めるこ

とでなく、日本の社会に

どの程度、高等教育を受

けた人材がいるべきか、

という問題なのだ。高等

教育と日本の社会につい

ての、望ましくかつ現実

的なビジョンを国民の多

くが見極めたうえで、そ

のコストを判断してほし

いと思う。その上で、大

学が、そのあるべき姿を

目指して、自己変革の努

力をすべきである。

 ホームページを見ていると表 示されるインターネット広告の

金額が テレビ広告に次ぐ2位

に躍り出た 広告大手の電通の

集計によると 年のネット

広告費 掲載費と制作費の合計

は 前年比 %増の 億 円

と 新聞 億円 を初めて

上回った まだ首位のテレビ 1

兆 億円 と開きはあるが

年の 億円から わずか4

年で倍増している

 検索連動型と呼ばれる広告の

成長が目立つ 何かを調べよう

と入力した言葉に関連する広告

を自動的に表示し 利用者に訴

える効果が高いのが特徴 年

は %増の 億円だった

 普通の人がネット検索で調べ

る時には ポータル 玄関 サ

イト国内最大手ヤフーや 米ネ

ット検索大手グーグルを利用す

ることが多い 両社合計の検索

サービスのシェアは9割超とさ

れ 企業が検索連動型広告を出

す先も集中 両社は7月に提携

を 発 表 し て い る た め 広 告 の

獲得競争が阻害される と懸念

する声も出ている

よーく見せて! 松沢 秀和

林香里東京大学大学院情報学環教授

 新聞の一面や二面に

は女性に関する記事が

少ない。女性関連とな

ると新聞では地域面と

か、生活面とか、奥へ

奥へと追いやられてい

るように感じる。そん

なわけなので8月日

の本紙社説が女性の

専業主婦志向を取り

上げているのが目にと

まった。それによると、

厚生労働省調査では、

若い既婚女性を中心に

夫は外で働き、妻は主

婦業に専念すべきだ

という伝統的価値観に

賛同する考え方が強ま

っているとのことだ。

 一読すると、私のよ

うに1980年代後

半、雇用機会均等法が 導入されて男性と互角に働くことをよしと信じてきた世代にとっては、この傾向に戸惑いを覚える。男女共同

参画は掛け声だけに

終わってしまったのか

しらと。

 しかし、元専業主

婦として思うのは、

専業主婦ほど多様

な生き方も少ない。主 婦とは、自分自身のこ

とは二の次で、家族の

事情に左右されながら

在宅で働く人を指す。

その実態は、決してテ

レビドラマに出てくる

ようなきれいな一戸建

てやマンションに住ん

で幸せを楽しむ姿ばか

りではない。若い人た

ちが思い浮かべる専

業主婦像とは、回

帰の対象というより

は、厳しい現実からの

避難ではないのか。

あるいは、会社勤め

をしない生き方とい

う消去法の結果として

の総称が、専業主婦

回帰として表現され

ているのではないか。

 この社説が掲載され

た翌日の8月日、本

紙で別の統計を読ん

だ。共同通信による主 要企業110社へのア

ンケート調査結果だ。

それによると、管理職

に占める女性の割合

は、課長級が平均5・

4%。部長級は2・5

%。役員級は1・7%

にとどまっている。

 2004年に社会学

者の山田昌弘氏は希

望を持てる/持てな

いという格差が社会

に広がっている現象を

希望格差社会と名

づけた。職業の世界で

は、女性は男性に比べ

て明らかに希望格差

社会に生きている。

数字が示すとおり、女

性は評価されず、昇進

する見込みは薄い。男

女共同参画が描くよう

な個性と能力を発揮

する生き方という観

点から見れば、会社 とは女性にはまったく

ふさわしくない場所で

ある。その上、家に帰

れば女性には家事や育

児も待っている。そう

いう状況を若い女性た

ちは十分すぎるほど知

っているのだ。果たし

てこれを専業主婦志

向と呼ぶか。

 社会調査の結果は数

字で示されるので、誰

にもわかりやすく、影

響は大きい。しかし、

新聞はそれをそのまま

ニュースとして報

道するのでなく、さま

ざまな資料とともによ

り深い分析と丁寧な解

説をしてニュースの深

層を究明してほしい。

はやし・かおり 専

門はジャーナリズム・

マスメディア研究。横

浜市青葉区在住

第3種郵便物認可 年 平成 年 月 日 月曜日

神奈川新聞 2010年9月6日

参照

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