第 8 期 プ ロ , ナ l ・ ヵ − ラ ・ フ ァ ン ド 助 成 成 果 報 告 沓 ( 1999)
伊豆大島の国立公園特別地域内の開発問題への緊急対応
みどりの地球大好き会(三ッ磯プロジェクト)
村上博基・成瀬裕昭・本間肇・中田保・佐々木睦彦・
藤井恵子・成瀬善子・佐藤猛敏・小川信正・
白木米男・大島幸雄・前田孝正
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伊 豆 大 島 は 1955年 に 国 立 公 園 法 に 基 づ い て 伊 豆 七 島 国 定 公 園 に 指 定 さ れ 、 そ の 後 1964年 に は 富 士 箱 根 伊 豆 印 立 公 園 に 昇 格 編 入 さ れ た 。 一 部 地 域 の 市 街 化 な ど に 伴 い 、 公 園 区 域 は 見 直 さ れ て 減 少 し て は い る も の の 、 現 在 で も 島 の 約 97% が 国 立 公 園 と い う 恵 ま れ た 環 境 に あ る 。 箱 棋 に あ る 環 境 庁 自 然 保 護 局 南 関 束 地 区 国 立 公 園 ・ 野 生 生 物 事 務 所
( 富 士 箱 根 伊 豆 国 立 公 園 箱 根 管 理 官 事 ・ 務 所 ) の 所 管 で あ る が 、 実 際 直 接 的 に は 東 京 祁 大 島 支 庁 土 水 課 管 理 係 が 実 務 を 担 当 し て い る 。
長 野 冬 季 五 輪 で は 、 男 子 滑 降 ス タ ー ト 地 点 の 問 題 で 国 立 公 園 の 第 1 種 特 別 地 域 の 保 護 と 利 用 の あ り 方 に つ い て 、 大 き な 議 論 と な っ た こ と は 記 憶 に 新 し い が 、 大 島 で は 行 政 が 不 当 ・ 違 法 に 特 別 地 域 内 の 開 発 を 進 め て い る 実 態 が 調 査 で 明 ら か に な っ て き た た め 、 開 発 場 所 の 白 然 が 破 壊 さ れ る だ け で な く 、 観 光 資 源 と し て も 大 切 な 周 辺 の 歴 史 的 景 観 に 与 え る 環 境 破 壊 と い う 観 点 か ら も 重 要 な 問 題 と 考 え 、 緊 急 的 に 対 応 を 行 な っ た 。
発 端 と な っ た 「 波 浮 の 港 」 は 、 島 の 南 束 に 位 置 し 、 同 名 の 歌 謡 曲 で も 全 国 に 知 ら れ た 有 名 な 場 所
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で あ り 、 三 原 火 山 の 水 蒸 気 爆 発 に よ っ て で き た 天 然 の 断 崖 に 囲 ま れ た 景 勝 地 で あ る 。 こ の 港 □周 辺 の 海 岸 線 は 、 そ の 独 特 な 景 賎 か ら 、 現 在 の 景 顛 を 極 力 保 護 す る 必 要 が あ る 場 所 と し て 、 国 立 公 園 の 第 1 種 特 別 地 域 に 指 定 さ れ て い る 。
こ の 特 別 地 域 の は ず れ に 通 称 「 三 ツ 磯 の 池 」 と 呼 ぶ 50mプ ー ル 程 の 潮 溜 り が あ り 、 そ こ は 岩 礁 が 波 を 防 い で 安 仝 な 上 に 水 質 も 透 明 で 、 長 い 間 地 域 の 人 達 、 特 に 子 ど も た ち に 愛 さ れ 、 町 の 指 定 遊 泳 場 に も な っ て い た 。 チ ョ ウ チ ョ ウ ウ オ や イ カ な ど の 、 他 の 道 泳 場 で は 簡 単 に 見 ら れ な い 数 多 く の 魚 介 類 が 、 小 さ な 子 ど も に も 水 中 め が ね ひ と つ で 観 察 で き る 白 然 の 体 験 学 習 に 最 適 な 場 所 で あ っ た 。 と こ ろ が 96年 秋 に な り 、 こ の 磯 を 埋 め 立 て て 小 型 船 溜 り ( マ リ ー ナ ) を 建 設 す る 計 画 が 判 明 し 、 周 辺 の 一 般 住 民 が 大 高 町 の 担 当 者 か ら 正 確 な 話 を 聞 い た と き に は 、 町 議 会 で す で に 公 有 水 面 埋 立 て が 同 意 さ れ 、 事 業 者 で あ る 束 京 都 の 埋 立 免 許 の 出 願 に 伴 う 関 係 資 料 の 縦 覧 期 間 も 終 了 し 、 住 民 の 意 見 提 出 期 日 を も 過 ぎ て い た 。
そ の 後 、 住 民 有 志 で 「 三 ツ 磯 の 池 」 と 港 湾 施 設
の 共 存 を 求 め て 、 計 團 の 見 直 し を 関 係 行 政 機 関 に 働 き 掛 け 、 併 せ て 報 道 機 関 に も 情 報 を 提 供 し た 。 都 議 会 へ の 陳 情 書 に は 7 千 名 を 越 え る 署 名 を 添 え 、 環 境 庁 長 官 ・ 運 輸 大 臣 に は 、 国 会 議 員 の 紹 介 を 得 て 請 願 し た 。 箱 横 の 公 園 管 理 事 務 所 や 東 京 都 に は 、 交 渉 ( 質 問 状 や 要 請 ) を 行 い 、 都 の 情 報 公 詞 条 例 を 利 用 し て 、 計 画 の 全 体 像 と 問 題 点 を 探 っ て き た 。 こ の 過 程 で 、 ① こ の 計 画 は 当 初 √ マ リ ン レ ジ ャ ー ボ ー ト の た め の マ リ ー ナ 計 面 で あ っ た が 、 バ ブ ル 経 済 の 崩 壊 と 社 会 意 識 の 変 化 に 対 応 し て 、 設 計 は 変 更 せ ず に 漁 船 も 共 用 す る 小 型 船 係 留 ・ 保 管 ・ 荷 捌 き 場 と し て 使 用 目 的 が 変 更 さ れ た こ と 、
② 東 京 都 は 「 三 ツ 磯 の 池 」 は 公 園 区 域 外 で あ る と し た が 、 境 界 線 に は 法 的 根 拠 が な く 、 公 園 の 管 理 が 全 く ズ サ ン で あ っ た こ と 、 ③ 公 有 水 面 埋 立 法 上 の 問 題 点 な ど が 判 明 し た 。 こ れ ら の 違 法 ・ 不 当 な 開 発 へ の 公 金 の 支 出 差 し 止 め を 求 め て 、 97年 10月 9 日 に 東 京 都 監 査 委 員 に 対 し 住 民 77名 で 監 査 請 求
し た 。 結 果 は 請 求 却 下 で 、 12月 24日 住 民 訴 訟 を 提 起 し た 。 裁 判 は 7 月 24日 に 第 4回 公 判 が 開 か れ 、 こ れ ま で に 知 事 の 当 事 者 適 格 な ど に つ い て の 窓 口 論 争 も ほ ぽ 目 途 が つ き 、 昨 年 度 分 の 工 事 の 終 了 に 伴 う 代 金 支 払 に 対 し て 新 た な 損 害 賠 償 請 求 訴 訟 を 提 趙 し た 。 今 後 、 国 立 公 園 の 境 界 線 と い う 争 点 の 核 心 へ と 裁 判 は 展 開 す る は ず で あ る 。
都 は 12月 1 日 の 監 査 結 果 を 受 け て 、 2 年 度 目 の 工 事 を 開 始 し 、 春 ま で に 「 池 」 を 厘 め 立 て た 。 上 記 の 「 三 ツ 磯 事 件 」 を 契 機 に 、 島 内 の 他 の 事
で、この事業も監査請求をした。結果は請求が不 適法とされ却下。環境庁は遺憾としながらも開発 許可を出し、海岸保全区域は2月3日の都公報で拡 大され、工事はこれを持って再開された。 また、大島町の事業でもある滝川地区の農業用 貯水池建設計圓も第3種特別地域内であったが、 開発許可取得前に工事に着手していた。私共の指 摘で工串を一時中止したが、2ヶ月程で環境庁は許 可し、大島支庁は3ヶ月後に許可書を交付。工事が 再開した。
この緊急的な活動を通して、行絞が国民の共通 の財産であるはずの国立公園の特別地域をいとも 簡単に開発していることを知り、その管理姿勢と 共に驚かされた。また、公園区域外の市街地と公 園特別地域が隣接しているという、公園区域指定 のあり方にも問題を感じた。情報公開の推進や開 発計面の縦覧・告示など住民への周知方法の問題 点、マスコミ報道の注意点など今後の課題が確認
された。
業についても疑問が生じた。元町の地曳浜(湯の 写真1、97年夏の三ツ磯遊泳場、潮溜りは絶好の 浜)は第3種特別地域に指定され、アカウミガメ 遊び場
が産卵に上陸する海岸であるが、砂浜を延長180m コンクリートブロックの緩傾斜護岸で覆う事業が 計画された。当会は数年前から都大島支庁土木課 に最小限の護岸施設をと要望してきた。大島支庁 の担当者は、護岸施設は国立公園区域外であると 説明したが、環境庁・箱根事務所に確認を求めた ところ、公園区域内の無許可開発と判明した。情 報公開資料によると施工区域の内1630m2が公園
内、3600m2が公回外であった。また、海岸法で定 写真2. 98年初夏、マリーナ建設のため埋立てら めた海岸保全区域からも逸脱した計圓であったの れた遊泳場
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写真3.
写 真 4.
97年夏の地曳浜海岸、自然の砂浜が広 がっていた
98年 春 、 護 岸
完成したコンクリートの緩傾斜
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写 真 5. 97年秋、開発許可前に始められた貯水池
建設工事