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第9回(配布用)pdf 最近の更新履歴 Keisuke Kawata's HP

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Academic year: 2018

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(1)

労働経済学1(第 9 回)

広島大学社会科学研究科 特任助教

川田恵介

労働経済学1 1

(2)

産業、地域別労働市場

労働経済学1 2

• 現実の労働市場は、産業、地域別に細分化されてい ると考えられる。

• 市場間の労働移動も活発に観察される。

• また市場間の格差(地方と都会、成長産業と衰退産 業)が社会問題化することもままある。

⇒地域間、産業間格差の現状と、その解決策について、 考察する。

(3)

産業別賃金、就業者数 (2012)

労働経済学1 3

鉱業,採石業等

建設業

製造業 電気・ガス業

情報通信業

運輸業,郵便業

卸売業,小売業 金融業,保険業

不動産・物品賃貸業 学術研究等

飲食サービス業等 生活関連サービス等

教育,学習支援業

医療,福祉 複合サービス事業

150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 400,000 450,000 500,000 550,000 600,000

0 200 400 600 800 1000 1200

金給

就業者数(万人)

(4)

給与額と就業者数(2010)

労働経済学1 4

所定内与額

就業率

北海道

青森県

岩手県 宮城県

秋田県

山形県 福島県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県 千葉県

東京都

神奈川県

新潟県

富山県

福井県石川県 山梨県

長野県 岐阜県

静岡県 愛知県

三重県 京都府 滋賀県

大阪府

兵庫県 奈良県

和歌山県

鳥取県 島根県 岡山県

広島県

山口県

徳島県 香川県

愛媛県 高知県

福岡県

佐賀県 長崎県

熊本県 大分県

宮崎県 鹿児島県

沖縄県 220.0

240.0 260.0 280.0 300.0 320.0 340.0 360.0 380.0 400.0

0.500 0.520 0.540 0.560 0.580 0.600 0.620

(5)

地域間労働移動

労働経済学1 5

• 産業、地域によって労働市場の状態が異なるならば、 労働者はより状態の良い労働市場に移動する誘因を 持つ。

• どのような地域、産業に労働者は移動しているのだろ うか?

• どのような地域、産業で労働者の流出が発生している のだろうか?

(6)

市場間労働移動(移動費用 C

労働経済学1 6

賃金w

雇用量L 雇用量L

市場A

市場B

単純化のために、労働者の留保賃金は

(7)

労働者の移動の意思決定

労働経済学1 7

市場� = (�, �)における賃金をと記すと

• 労働者が市場Bから市場Aに移動する条件は、

• 労働市場が競争的ならば、賃金=限界収入、よって生 産性の高い地域、産業に向かって移動しやすい。

• 移動費用が安い地域ほど、移動しやすい。

• 移動費用には、文化の違い等の精神的なものも含む。

(8)

就業者に占める各産業のシェア

労働経済学1 8

0.000 0.100 0.200 0.300 0.400 0.500 0.600 0.700

1953 1958 1963 1968 1973 1978 1983 1988 1993 1998 2003 2008

第1次産業 第2次産業 第3次産業

産業のシェア=

(9)

広島県への人口流入出 (2 0 1 0 )

広島県への流入は49757人、流出は52964

東北大学(2012) 9 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 北海道

青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県

新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県

鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県

流入元

流出先

住民基本台帳よ

(10)

「金の卵」

労働経済学1 10

経済の発展段階において、都市部への大きな人口移動が発生 する。

岩手日報より

(11)

3大都市圏

労働経済学1 11

東京都市圏=東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県 名古屋都市圏=愛知県、岐阜県、三重県

大阪都市圏=大阪府、京都府、兵庫県、奈良県

(12)

東京都市圏への人口集中

労働経済学112 住民基本台帳よ 0.07 0.12 0.17 0.22 0.27 1898

1908 1918 1921 1923 1925 1927 1929 1931 1933 1935 1937 1939 1941 1943 1945 1947 1949 1951 1953 1955 1957 1959 1961 1963 1965 1967 1969 1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009

東京都市圏

大阪都市圏

愛知都市圏

(13)

地方中心都市への集中

労働経済学1 13

住民基本台帳より

0.150 0.200 0.250 0.300 0.350 0.400 0.450 0.500 0.550

1898 1913 1921 1924 1927 1930 1933 1936 1939 1942 1945 1948 1951 1954 1957 1960 1963 1966 1969 1972 1975 1978 1981 1984 1987 1990 1993 1996 1999 2002 2005 2008

東北地方における宮城の割合 中国地方のける広島の割合 九州地方における福岡の割合

(14)

神戸大学(2011) 14

若年層(20-24)の人口流出(縦)と一人当たり県民GDP(横)

2010 住民基本台帳より

北海道 青森県 岩手県

宮城県 秋田県

山形県

福島県

茨城県 栃木県

群馬県

埼玉県 千葉県

東京都 神奈川県

新潟県 石川県 富山県

福井県 山梨県

長野県

岐阜県

静岡県

愛知県 三重県

滋賀県 京都府

大阪府 兵庫県

奈良県 和歌山県 鳥取県

島根県

岡山県

広島県 山口県

徳島県 香川県

愛媛県 高知県

福岡県 佐賀県

長崎県

熊本県

大分県 宮崎県

鹿児島県

沖縄県

0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09 0.1 0.11 0.12

3.3 3.35 3.4 3.45 3.5 3.55 3.6

流出率=流出人口/ 人口

(15)

若年層の人口流入(縦)と一人当たり県民所得(横)

神戸大学(2011) 15

2010 住民基本台帳より

北海道

青森県 岩手県

宮城県

秋田県 山形県

福島県 茨城県

栃木県 群馬県

埼玉県 千葉県

東京都

神奈川県

新潟県

富山県 石川県

福井県 山梨県

長野県 岐阜県

静岡県 愛知県

三重県 滋賀県

京都府 大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県 鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県 愛媛県 香川県

高知県

福岡県

佐賀県 長崎県

熊本県 宮崎県 大分県

鹿児島県 沖縄県

3 3.2 3.4 3.6 3.8 4 4.2 4.4 4.6 4.8 5

3.3 3.35 3.4 3.45 3.5 3.55 3.6

(16)

投資としての労働移動

労働経済学1 16

• 移動費用は一種の投資と考えられる。

• 一度投資すれば、賃金の高い地域、産業で働ける。

⇒一般に(年齢を理由とした)退職するまでの期間が長い 労働者のほうが、長い期間“投資”のリターンを受 けられる。

⇒ 労働者のほうが、移動しやすい

を若年労働者のほうが行いやすいことと、 同じメカニズム。

(17)

年齢別移動率(2010年)

労働経済学1 17

(厚生労働者 毎月勤労統計調査)

0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07

15~19 20~24 25~29 30~34 35~39 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64

男性 女性

(18)

人口移動の効率性

労働経済学1 18

• 労働市場が完全競争的であれば、(人口移動を考えな い)市場均衡は余剰を最大化した。

• 同じ命題は人口移動の効率性についても、成立する か?

• 労働市場が完全競争的ではなく、機能不全に陥ってい る場合、効率的な人口移動は達成されるのか?

(19)

社会余剰の変化

労働経済学1 19

賃金

雇用量 雇用量

市場A

市場B

C

市場Aが生み出す社会余剰は 、Bが生み出す余剰は する。

(20)

労働移動の効率性

労働経済学1 20

• ある労働者が市場Bから市場ABに移動する条件は、

− � > �

市場における限界収入をであらわすと、労働移動に よる総社会余剰の変化分は、

市場Aにおける企業利潤の増加+労働者余剰の変化ー 市場Bにおける企業利潤の減少

=

(21)

労働移動の効率性と公平性

労働経済学1 21

− � − � > 0ならば、労働者の移動により総社会余 剰は増大する。

• 完全競争市場のおいては、 = 、よって労働移動は

• 完全競争市場の仮定が満たされるならば、政策的に労 働移動を阻害/促進することは、社会余剰の低下を招く。

• 労働移動により地域間の賃金平準化が促進される。

(22)

スラム

労働経済学1 22

都市部への急激な人口移動の結果として、都市部おいて失業率が 極めて高い地域が形成される。

ウィキペディアより インドネシア ジャカルタ

(23)

ハリス・トダロモデル

労働経済学1 23

• 賃金の下方硬直性が存在するモデルを考える。

市場Aにおいて賃金の下方硬直性が存在する。

市場Bのほうが賃金が低く、労働移動が生じる。 例)最低賃金による説明

都市部においては、賃金労働者が主体であり、最低賃金 の影響を受ける。地方では、自営農家が主体であり、最 低賃金の影響を受けない。

(24)

ハリス・トダロモデル(硬直的賃金)

労働経済学1 24

賃金w

雇用量L 雇用量L

市場A 市場B

労働需要

労働需要 硬直的賃金水準

(25)

ハリス・トダロモデル

労働経済学1 25

伸縮的な賃金: 硬直的な賃金:

労働移動は、市場Aにおいて失業を増大させる。

⇒市場Bにおける社会余剰を減少させる一方で、市場Aに おける社会余剰を

(26)

政策的含意:効率性

労働経済学1 26

• 労働移動は過剰であり、社会余剰は減少してしまう。

⇒労働供給の増大が労働需要を増加させない

( )

⇒もともと市場Aに参加した労働者と新規に流入してきた 労働者間で、職を奪い合うだけで、社会余剰増大につな がらない。

⇒人口移動を抑制する政策について、一定の正当化を与 える(例、免許制、中国における戸籍制度)。

(27)

政策的含意:公平性

労働経済学1 27

市場Bの人々は、失業する危険が高いかったとしても、 市場Aに流入している市場Bの低い賃金によりは、ま だましと考えるから

• 地域間移動を禁止、スラム地区の強制撤去、等の政 策はスラムに居住する人々の生活をより貧しくする可 能性がある。(賃金の低い地方に留まることを強制さ れる。)

(28)

まとめ

労働経済学1 28

• 労働市場が完全競争的ならば、労働移動は効率的な 水準になる。

• 労働市場において賃金の硬直性の問題がある場合、 労働移動は過大になる。

• この場合、(適度に)労働移動を規制する政策は、効 率性を高める政策は効率性を改善する一方で、公平 性の観点からは問題を生じさせる可能性がある。

参照

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