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理工学部〈生命科学科〉 2015年度(平成27年度)推薦入試 (一般公募)|過去問題|近畿大学入試情報サイト

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(1)

I

(1)

k

を定数とし,xについての方程式

|x

2

4

| −

3

x

+

k

= 0

の実数解を考える。

(i) 解の個数が

1

であるのは

k

=

ア のときである。

(ii) 解の個数が

4

のとき,kのとりうる値の範囲は

イウエ

< k <

カキ

である。

(2)

a

b

を定数とし,xについての連立不等式 ⎧

⎪ ⎨ ⎪ ⎩

3

x

4

a

+ 2

>

5

x

4

7

x

3

>

= 4

x

2

b

· · · ·

1

が解をもつ場合を考える。このとき,

1

の解は

b <

=

x <

a

である。

この範囲にある整数の個数が

13

であり,aと

b

がともに整数であるとすると,

b

=

a

+

セソ

である。さらに

1

を満たす最小の整数が

2

であるとき,

a

=

タチ

,

b

=

ツテ

である。 12月6日実施

(2)

II

座標平面上に

3

A(3

,

5)

B(4

,

3)

C(2

,

2)

がある。点

P(

x, y

)

に対して

S

= PA

2

+ PB

2

+ PC

2とおく。△

ABC

の重心を

G

とする。 (1)

G

の座標は

(

,

)

である。

(2)

S

=

PG

2

+

エオ が成り立つ。

(3)

P

は,点

(

1

,

1)

を中心とする半径

1

の円の周上を動くとする。

S

が最大となるとき,直線

PG

の傾きは カ

キ であり,

P

の座標は

⎛ ⎝

クケ コ

,

サシ ス

⎠となる。Sの最大値は セソタ である。Sが最小と

なるときの

P

の座標は

⎛ ⎝

チツ テ

,

トナ ニ

(3)

III

直方体

ABCD-EFGH

があり,

AB = 4

BC = 3

AE = 2

であるとする。

(1)

AC =

ア ,

AF =

ウ ,

CF =

エオ であり,

cos

ACF =

キ クケ

である。また,△

ACF

の面積は

コサ

である。

(2) 四面体

ABCF

の体積は シ である。

(3)

B

から

ACF

に垂線

BK

を下ろすと,

BK =

スセ ソタ

である。

(4)

B

から

3

D, E, G

を含む平面に垂線

BL

を下ろす。ベクトル

−→

EL

をベクト

−→

ED

−→

EG

を用いて表すと,

−→

EL =

チツ テト

−→

ED +

ナニ

ヌネ

−→

EG

(4)

以下のから 28 にあてはまる最も適切な答えを各解答群から1つ選

び,解答用紙(マークシート)にマークせよ。ただし,同じ番号をくり返し選んでもよ

い。数値を選ぶ場合は最も近い値を選ぶものとする。

!

図1のように,長さl の極めて細い棒の先に,質量mの小球Bのついた振り子を,

なめらかで水平な床から高さl のところでつるしてある。この床上で,質量M の小球

Aを速度V で小球Bに左から衝突させる。すべての運動は同一鉛直平面内でおこり,

振り子はこの面内で自由に回転できるものとする。図1の小球AからBの向きを正と

し,小球の大きさおよび棒の質量は無視できるものとする。小球AとBの間の反発係

数(はねかえり係数)をe,重力加速度の大きさをgとする。

図1

M

A B

m l

V

! 小 球AとBが 衝 突 し た 直 後 の 小 球Aの 速 度 は 1 ×V,Bの 速 度 は

2 ×V となる。弾性衝突(e=1)の場合,衝突後の小球AとBの力学的エネ

ルギーの和は 3 である。一方,非弾性衝突(0<e<1)では衝突直後の力学

的エネルギーの和は衝突前の力学的エネルギーの和の 4 倍になる。

また,小球Bがついた振り子が一回転するためには,小球Aの衝突直前の速度の

大きさがVc= 5 よりも大きくなければならない。

"

(5)

1 , 2 の解答群

! (1+em

Mm "

(1+eM

Mm #

(1−em

Mm $

(1−eM Mm

% Mem

Mm &

Mem

Mm '

eMm

Mm (

eMm Mm

の解答群

! 0 " 1mV2 # 1MV

$ 1mMV2 % 1MV2+mgl & 1

MV2+2mgl

の解答群

! m

Mm " M

Mm #

eMm Mm

$ MMemm % e

Mm

Mm &

Mem Mm

の解答群

! !gl

1+e

) +1+Mm

*

, " !1+2gel

) +1+Mm

*

, # 21+!gel

) +1+Mm

* ,

$ !gl

1+e "1+ m

M % !

gl

1+e "1+ m

M &

!gl

(6)

" 図2のように,!と同じ振り子を,一直線上に等間隔a(>2l)ずつ離してN 個つ

るした。以下でおこる衝突はすべて弾性衝突(e=1)とする。

図2

・・・

l l

A V

l

a a

B

# MmかつVVcならば小球Aは振り子に衝突した後に静止し,1回転し た振り子によって追突されることがわかる。この追突直後の小球AおよびBの速度

はそれぞれ 6 となる。この過程を繰り返して,N 番目の振り子に衝突する

直前の小球Aの速度は 7 ×V である。最初の振り子が小球Aに衝突された

直後から1回転して元の位置にもどるまでの時間をT とすると,小球Aが最初の衝

突をした直後からN 番目の振り子に衝突する直前までに要する時間は 8 で

ある。

$ M=βm(β>1)のとき,小球Aは次々に振り子と衝突しながら進んでいく。

ここでN 番目の振り子に衝突する直前の小球Aの速度は 9 ×V となり,小

球Aが最初の衝突をした直後からN 番目の振り子に衝突する直前までに要する時間

は 10 である。必要ならば,初項a0,公比r,項数N の等比数列の和SN

与える公式

SNar N−1

r−1

(7)

の解答群

! 0,0 " 0,V # V,0 $ V

2,

V

% 0,−V & −V,0 ' V,−V ( −VV

の解答群

! 0 "# −1 $ N

% −N & 1

N ' −

N

の解答群

! (N−1))+Ta V

*

, " N)+TVa

*

, # (N+1))+TVa

* ,

$ (N−1)TN a

V % NT+(N−1) a

V & (N+1)TN a V

の解答群

! )+ββ+1−1*,N−1 " )+ββ+1−1*,N # )+ββ+1−1*,N+1

$ )+ββ−1+1*,N−1 % )+ββ−1+1*,N & )+ββ−1+1*,N+1

10 の解答群

! aβ+1)

V

-/)+ββ+1−1*, N−1

−1.0 " aβ+1)

V

-/)+ββ+1−1*, N

−1.0

# aβ+1)

V

-/)+β

+1 β−1*,

N+1

−1.0 $ aβ+1)

V

-/)+β

−1 β+1*,

N−1 −1.0

(8)

)

点電荷にはたらく静電気力および点電荷の作る電場,電位について考えよう。ただし, クーロンの法則の比例定数をk〔N・m2/C2〕とする。また,電気量q〔C〕およびQ〔C〕

は正であり,電位の基準を無限遠点とする。

図1

+ − D O A B C x y qq

* 図1のように,xy平面の点A(a,0)に電気量q〔C〕の点電荷,点B(−a,0)に

電気量−q〔C〕の点電荷が固定されている。点C(2a,0)の電位は 11 〔V〕,

点D(0,2a)の電位は 12 〔V〕になるので,電気量Q〔C〕の点電荷を点Dか

ら点Cまでゆっくり動かすのに必要な仕事は 13 〔J〕である。

11 の解答群

! 0 " k q

a # k

q

a $ k

q a

% kq

a & k q

a2 ' k

q

a2 ( k q

a

12 の解答群

! 0 " k q

!5a # k

q

!5a $ k

q

!5a

% kq

!5a & k q

a2 ' k

q

a2 ( k

q

(9)

13 の解答群

! kqQ

a " k

qQ

a # k

qQ

a $ k

qQ

a

% k qQ

!5a & k

qQ

!5a ' k

qQ

!5a ( k

qQ

!5a

) 図2のように,電気量q〔C〕の点電荷が(aa),(−a,−a)に,電気量−q〔C〕

の点電荷が(a,−a),(−aa)に固定されているときを考える。点E(−2a,0)

につくる電場の強さは 14 〔N/C〕であり,点Eにおいて電気量Q〔C〕の点電

荷を静かに放した直後,点電荷は図2中の 15 の向きに運動する。同様に,点

F(2a,2a)において電気量Q〔C〕の点電荷を静かに放した直後,点電荷は図2中の

16 の向きに運動する。

図2

+ − −q q + − F O E x y qq 4 8 6 2 1 3 7 5

14 の解答群

! kq5!5+1

!a2 " kq

!5−1

!a2 # kq

!5+1

!10a2 $ kq

!5−1 5!10a

% kq5!10+1

!a2 & kq

!10−1

!a2 ' kq

!10+1

!10a2 ( kq

(10)

15 , 16 の解答群

! 1 " 2 # 3 $ 4 % 5 & 6 ' 7 ( 8

! 図3のように,x 軸上の点G(a,0)に電気量q〔C〕の点電荷,点H(−a,0)に

電気量q〔C〕の点電荷を固定し,さらに質量m〔kg〕,電気量Q〔C〕の小物体を点

x,0)に置いた。ただし,xaに比べて非常に小さいとし,小物体はx 軸上の運

動のみ許されるとする。この小物体には点Gの電荷により 17 〔N〕の大きさ

の力,点Hの電荷により 18 〔N〕の大きさの力が働く。このとき,この小物

体に働く合力は,F≒− 19 ×x〔N〕と表せる。ただし,必要であれば!r!が

1に比べて十分に小さく,nが整数のときに成り立つ近似式(1+

rn ≒1−nrを用

いてもよい。したがって,この小物体は単振動することがわかり,この単振動の周期

は 20 〔s〕となる。

G H

図3

Q O q q x + +

17 , 18 の解答群

! kqQ

ax " kqQ

ax #

kqQ

ax)2 $

kqQ

ax)2

% kqQ

a2+x2 &

kqQ

a2−x2 ' kqQ

a2 + kqQ

x2 (

kqQ a2 −

kqQ x

19 の解答群

! kqQ

a2 "

kqQ

a2 #

kqQ

a2 $

kqQ a

% kqQa3 & 2kqQ

a3 '

kqQ

a3 (

(11)

20 の解答群

! πa

!

ma

kqQ " πa! ma

kqQ # πa! ma

kqQ

$ 2πa

!

ma

kqQ % 2πa!

ma

kqQ & 2πa! ma

kqQ

' 4πa

!

ma

kqQ ( 4πa!

ma

kqQ ) 4πa! ma

kqQ

(12)

!

波の屈折は,媒質によって波の速さが異なるために起こる。図1のように,媒質1の 中を進んできた波は境界面に達すると,屈折して媒質2の中を進んでいく。媒質1,2

の中における波の速さをv1,v2とすると,媒質1に対する媒質2の 相 対 屈 折 率 は

n12=v

v2 と定義される。

A

A′

B

B′

θ

θ

図1

" 図1に示すように,入射波の進行方向と境界面がなす角をθ1,屈折波の進行方向 と境界面がなす角をθ2とする。入射波の波面がABに達した瞬間から時間tの後に,

波面の一端Bが境界面上の点B′に達するとすると,BB′= 21 である。この

間にAから入った波はAから 22 だけ離れた点A′まで進んでいる。このとき

図1より,BB′= 23 ,AA′= 24 と表すこともできる。したがって,

θ1,θ2,v1,v2の間には 25 の関係がある。また,波の振動数は屈折によって

変化しないので,媒質1,2の中での波長をλ1,λ2とすれば,n12= 26 であ

(13)

21 , 22 の解答群

! 1v1−v2)t " (v1−v2)t # 2(v1−v2)t $ 1vt % vt

& 2vt ' 1

vt ( vt ) 2vt

23 の解答群

! AB cosθ1 " AB sinθ1 # AB tanθ1 $ AB′cosθ1 % AB′sinθ1 & AB′tanθ1 ' A′B′cosθ1 ( A′B′sinθ1 ) A′B′tanθ1

24 の解答群

! AB cosθ2 " AB sinθ2 # AB tanθ2 $ AB′cosθ2 % AB′sinθ2 & AB′tanθ2 ' A′B′cosθ2 ( A′B′sinθ2 ) A′B′tanθ2

25 の解答群

! sinθ1

sinθ2=

v

v2 "

sinθ2

sinθ1=

v

v2 #

cosθ1

cosθ2=

v

v

$ cosθ2

cosθ1=

v

v2 %

tanθ1

tanθ2=

v

v2 &

tanθ2

tanθ1=

v

v

26 の解答群

! λ1λ2 " !λ1λ2 # !λ2λ1 $ λ1λ2

(14)

* 図1において,n12が1より大きいとき,媒質2から1へ進行する波を考える。こ の場合の入射波が境界面となす角θ2を小さくして 27 の関係を満たすように

なると,波がすべて反射する全反射が起こる。

27 の解答群

! sinθ2=1 " sinθ2=n12 # sinθ2= 1

n12

$ cosθ2=1 % cosθ2=n12 & cosθ2= 1

n12

' tanθ2=1 ( tanθ2=n12 ) tanθ2=1

n12

+ 図2のように,厚さd,絶対屈折率n(>1)の両面平行なガラスの上面に,不透

明で厚さの無視できる半径rの円板を置き,円板の中心の真下のガラスの下面に点

光源Sを置く。ガラスの両側は空気であり,空気の絶対屈折率は1とする。上方へ

光がもれないようにするための円板の半径の最小値はr1= 28 である。

28 の解答群

! dn " dn2−1) # dn2+1)

$ d!n2−1 % d"n2+1 & d

!n2−1

' d

!n2+1 ( d

n2−1 )

d n2+1

S

空気

空気 ガラス

円板

r

d

(15)

!

銅および銅の化合物に関する次の文章を読み,空欄 1 ∼ 12 にあては まる最も適切なものを,それぞれの解答群から一つ選び,解答欄にマークせよ。ただし,

同じものを繰り返し選んでもよい。

〔1〕 銅Cuの結晶構造は 1 で,単位格子中に銅原子は 2 個存在する。

Cu原 子 は 球 で 互 い に 接 し て お り,Cuの 結 晶 の 単 位 格 子 の 一 辺 の 長 さ を

3.61×10−10

m,Cu原子1個の質量を1.06×10−22gとすると,Cuの結晶の密度は

3 g/cm3と求まる。ただし,3.612=13.0,3.613=47.0とする。計算は3桁

で行い,四捨五入して有効数字2桁で答えよ。

に対する解答群

" 面心立方格子 # 体心立方格子 $ 六方最密構造

に対する解答群

" 1 #$% 4 & 5 ' 6 ( 7 ) 8 * 9 ! 10 + 11 , 12 - 13 . 14 / 15 0 16

に対する解答群

" 0.45 # 0.68 $ 0.81 % 0.90 & 1.1 ' 2.0 ( 2.3 ) 3.3 * 4.5 ! 5.6 + 6.8 , 8.1 - 9.0 . 16 / 23 0 33 1 45 2 68 3 90

4

(16)

〔2〕 黄銅鉱(主成分: 4 )を製錬すると粗銅を得る。粗銅板を陽極,純銅板を

陰極として,硫酸酸性の硫酸銅(Ⅱ)CuSO4水溶液に入れて電気分解すると純銅板上

に純銅が析出する。ここで,電解液温度を50.0℃,0.500Vの低電圧,i〔A〕の一

定の電流でt〔s〕間電気分解すると,純銅板上に純銅が 5 〔g〕析出する。

なお,ファラデー定数をF〔C/mol〕,Cuの原子量を63.6とし,電気分解により流

れた電子は陰極側ですべて銅(Ⅱ)イオンCu2+をCuに還元するのに消費される。

に対する解答群

" CuS # CuSO4 $ CuO

% Cu2O & Cu(OH)2 ' CuCO3・Cu(OH)2 ( CuSO4・3Cu(OH)2 ) CuSO4・5H2O * CuFeS2

! FeS + FeSO4 , FeO - Fe2O3 . Fe(OH)2 / Fe(OH)3

に対する解答群

" 127F

it #

F

63.6it $ F

31.8it % F

15.9it

& 15.itF ' 31.itF ( 63.itF ) 127itF

* 127it

F !

it

63.6F + it

31.8F , it

15.9F

- 15.9it

F .

31.8it

F /

63.6it

F 0

127it F

(17)

〔3〕 銅Cuを空気中で1000℃以上で加熱すると赤色の 6 を生じる。また,Cu

を長く風雨にさらすと 7 を生じる。Cuを主元素とする合金である青銅は

Cuと 8 とからなる。合金は2種類以上の純金属を高温で 9 してつ

くられる。Cuを希硝酸水溶液に加えると,無色の気体の 10 が発生する。Cu

6.36gを希硝酸と完全に反応させると, 10 は標準状態で 11 L発生す

る。なお,Cuの原子量を63.6とし,標準状態における気体1molの体積を22.4L

とする。計算は4桁で行い,四捨五入して有効数字3桁で答えよ。

6 , 10 に対する解答群

" O2 # HNO2 $ NO2 % NO & N2 ' N2O4 ( H2 ) Cu(OH)2 * CuO ! Cu2O + CuS

に対する解答群

" 銑 鉄 # 赤さび $ 黒さび % 緑 青 & 紺 青 ' 白 銅 ( 黄 銅 ) セッコウ * アルマイト ! ジュラルミン

に対する解答群

" Cr # Mn $ Fe % Co & Ni ' Zn ( Sn

に対する解答群

" 潮 解 # 風 解 $ 融 解 % 酸 化 & 還 元 ' 縮 合 ( 加水分解

11 に対する解答群

(18)

〔4〕 硫 酸 銅(Ⅱ)CuSO4水 溶 液 か ら 結 晶 を 析 出 さ せ る と 硫 酸 銅(Ⅱ)五 水 和 物

CuSO4・5H2Oが得られる。CuSO4の水に対する溶解度(飽和溶液中の溶媒100gあ たりに溶けている溶質の質量〔g〕)は60℃で40,10℃で15である。60℃のCuSO4

の飽和水溶液210gを10℃に冷却すると,CuSO4・5H2Oは 12 g析出する。

なお,CuSO4・5H2OとCuSO4の式量は,それぞれ250と160とする。計算は3桁で

行い,四捨五入して有効数字2桁で答えよ。

12 に対する解答群

(19)

!

酸化還元反応に関する次の文章を読み,空欄 13 ∼ 27 にあてはまる最 も適切なものを,それぞれの解答群から一つ選び,解答欄にマークせよ。ただし,同じ

ものを繰り返し選んでもよい。なお,計算は3桁で行い,四捨五入して有効数字2桁で

答えよ。例えば,1.0×10−2と解答し,0.1×10−1としてはいけない。

過酸化水素H2O2水の濃度を調べるのに,次の〔1〕および〔2〕の操作を行った。

〔1〕 硫酸酸性の濃度a〔mol/L〕のH2O2水10.0mLの入った三角フラスコに,ビュ

レットに入れた0.0200mol/L過マンガン酸カリウムKMnO4水溶液を,少しずつ滴

下していった。このとき,三角フラスコ内の水溶液中におけるH2O2の働き方を,電

子を含むイオン反応式で表すと,

13 "# 14

となる。初めのうちは,滴下したKMnO4水溶液の 15 色はすぐに消えたが,

滴定の終点近くでは色が消えにくくなった。滴下量が10.0mLのとき,H2O2とKMnO4

が過不足なく反応した。したがって,aは 16 . 17 ×10 18 mol/L

と求まる。

〔2〕 硫酸酸性の濃度b〔mol/L〕のH2O2水20.0mLの入った三角フラスコに,過剰の

ヨウ化カリウムKI水溶液を加えた。このとき,三角フラスコ内の水溶液中における

H2O2の働き方を,電子を含むイオン反応式で表すと,

19 "# 20

となる。一方,KIは還元剤として働いて,ヨウ素I2が遊離する。続いて,デンプンを

指示薬として,この三角フラスコ内の水溶液に,ビュレットに入れた0.100mol/Lチ

オ硫酸ナトリウムNa2S2O3水溶液を滴下すると,三角フラスコ内の水溶液中で

(20)

I2+ 2Na2S2O3012NaI + Na2S4O6

この三角フラスコ内の水溶液中にNa2S2O3水溶液を10.0mL滴下したところで,Na2S2O3

とI2は過不足なく反応し,三角フラスコ内の指示薬の色( 21 色)が消えた。

したがって,遊離したI2の物質量は, 22 . 23 ×10 24 molと求まる。

また,この遊離したI2の物質量より,bは 25 . 26 ×10 27 mol/L

と求まる。

13 , 14 , 19 , 20 に対する解答群

" H2O2+e− # H2O2+2e− $ H2O2+4e− % H2O2+H++e− & H2O2+2H++2e− ' H2O2+4H++4e− ( H++O2+e− ) 2H++O2+2e− * 4H++O2+4e− ! H2O + 2H2O , OH−

- 2OH− . H2O2 / 2H2O2

15 に対する解答群

" 赤 紫 # 深 青 $ 橙 黄 % 暗 緑

16 , 17 , 22 , 23 , 25 , 26

に対する解答群

" 1 #$%& 5 ' 6 ( 7 ) 8 * 9 ! 0

18 , 24 , 27 に対する解答群

" −5 # −4 $ −3 % −2 & −1 ' 0 ( 1 ) 2 * 3 ! 4 + 5

21 に対する解答群

(21)

'

有機化合物に関する次の文章を読み,空欄 28 ∼ 50 にあてはまる最も 適切なものを,それぞれの解答群から一つ選び,解答欄にマークせよ。ただし,同じも

のを繰り返し選んでもよい。また,原子量は,H=1.0,C=12,O=16,Na=23とす

る。計算は四捨五入して小数点第一位まで答えよ。

〔1〕 分子式C3H6Oのアセトンは,分子内に 28 をもつ有機化合物であり,芳香

のある 29 色の液体で,水や他の有機溶媒とよく溶け合う。実験室では,この

アセトンは, 30 の酸化や, 31 を空気を遮断して加熱分解すること

(乾留)により,合成することができる。

!アセトンの水溶液に,ヨウ素I2と水酸化ナ

トリウム水溶液を加えて温めると, 32 色のヨードホルムの結晶が生じる。こ

の結晶は,特有のにおいを有している。

工業的には,アセトンは, 33 によりフェノールを合成するときの副生成物

として得られる。

!1 下線部!の反応において,0.58gのアセトンが完全に反応してヨードホルム

が生じるためには,少なくとも, 34 . 35 gの水酸化ナトリウム

が必要である。

!2 ヨードホルム反応を(((((((は 36 と 37 である。

28 に対する解答群

! アルデヒド基 " カルボキシル(カルボキシ)基 # ケトン基

$ エステル結合 % アミド結合 & エーテル結合

29 , 32 に対する解答群

(22)

30 に対する解答群

" メタノール # エタノール $ 1 プロパノール % 2 プロパノール & 1 ブタノール ' 2 ブタノール

31 に対する解答群

" ナトリウムエトキシド # 安息香酸ナトリウム $ 炭酸カルシウム % 炭化カルシウム & 酢酸カルシウム

33 に対する解答群

" アンモニアソーダ法 # ハーバー・ボッシュ法 $ クメン法 % オストワルト法 & テルミット反応

34 , 35 に対する解答群

" 1 # 2 $ 3 % 4 & 5 ' 6 ( 7 ) 8 * 9 ! 0

36 に対する解答群

" エタノール # 2 プロパノール $ 酢 酸 % 乳 酸

37 に対する解答群

(23)

〔2〕 分子式C7H8Oのベンゼン環を有する芳香族化合物には, 38 種類の異性体

が存在する。 38 種類の異性体のうち,塩化鉄(Ⅲ)FeCl3水溶液と反応し,青

や紫などの特有の色を呈する化合物は 39 種類ある。 38 種類の異性体

のうち,単体のナトリウムNaと反応し,水素H2を発生する化合物は 40 種

類ある。

38 ∼ 40 に対する解答群

" 1 # 2 $ 3 % 4 & 5 ' 6 ()*! 10

〔3〕 C,H,Oからなるベンゼン環を有する芳香族化合物の一つに,防腐作用がある

合物Aがある。化合物Aは,ベンゼンスルホン酸ナトリウムから次のように合成する

ことができる。ベンゼンスルホン酸ナトリウムを固体の水酸化ナトリウムと混合して

融解させると,化合物B(構造式: 41 )が生成する。化合物Bを,高温・高

圧下で二酸化炭素と作用させると,化合物C(構造式: 42 )が生成する。

合物Cは,化合物D(構造式: 43 )の水溶液に二酸化炭素を通しても得るこ

とができる。化合物Cに希硫酸を作用させると化合物A(構造式: 44 )が得

られる。化合 物Aに メ タ ノ ー ル と 濃 硫 酸 を 作 用 さ せ る と,化 合 物E(構 造 式:

45 )が生成する。また,化合物Aを多量の水酸化ナトリウム水溶液に溶かす

と 46 が生成し,化合物Aを多量の炭酸水素ナトリウム水溶液に溶かすと

(24)

41 ∼ 45 に対する解答群

" # $ %

ONa OCOCH

COOH

OH

COONa

ONa

COONa

' ( )

COOH CH OH

COOH &

OH

COOCH

*

C

!

COOH

C COOH

O O

O

46 , 47 に対する解答群

" 化合物B # 化合物C $ 化合物D % 化合物E & 安息香酸ナトリウム

〔4〕 分子式C8H10Oのベンゼン環を有する芳香族化合物の構造異性体を考える。ベンゼ

ン環の水素原子1個が他の基に置換されている構造異性体は,全部で 48 種類

が存在すると考えられる。また,ベンゼン環の水素原子2個が他の基に置換されてい

る構造異性体は,全部で 49 種類が存在すると考えられる。さらに,ベンゼン

環の水素原子3個が他の基に置換されている構造異性体は,全部で 50 種類が

存在すると考えられる。

48 ∼ 50 に対する解答群

(25)

!

動物の行動に関する以下の各問いに答えよ。答えは各問いの下の解答群から最も適当 なものを選び,解答欄にマークせよ。

問1 動物の行動には大きく分けると生得的行動と学習行動があり,走性は生得的行動

の1つとされる。以下のa∼eの行動は何とよばれる走性か,それぞれ1つ選べ。

ただし,同じものを繰り返し選んでもよい。

a.蚊が動物の血を吸おうとするとき,CO2濃度の高いところへ向かって飛んで

いく。 1

b.夜中に飛ぶガの一種は,コウモリが飛んでくると方向転換してコウモリから遠

ざかる。 2

かくはん

c.ゾウリムシを含む培養液を試験管に入れ空気が入らないように密栓して撹拌す

る。次に試験管を垂直に立て背景に黒い紙を置いて横から光を当てて観察してい

ると,ゾウリムシは試験管の上部に集まってくる。 3

d.夜,街灯の周りにたくさんの虫が集まってくる。 4

e.ガなど多くの昆虫では,雌が分泌する匂いを雄が触角で感じ,匂いの強いほう

に移動することによって雌にたどりつく。 5

〔解答群〕

" 正の光走性 # 負の光走性 $ 正の化学走性 % 負の化学走性 & 正の重力走性 ' 負の重力走性

( 正の音波走性 ) 負の音波走性 * 正の流れ走性

! 負の流れ走性

+

(26)

問2 学習行動はさらに,慣れ,古典的条件付け,オペラント条件付け(試行錯誤学

習),刷込み,知能行動などに区別される。以下のa∼dの行動はこれらのうちど

れか,それぞれ1つ選べ。ただし,同じものを繰り返し選んでもよい。

a.サケは水の匂いを頼りに生まれた川に戻り,そこで産卵する。 6

b.レバーを押すとえさが出る装置がついた箱に鳥を入れると,鳥は初めのうち偶

然にレバーを押すことによってえさを得る。その後レバーを押すとえさが出るこ

とを学習し,レバーを押す頻度が上がる。 7

c.成長したスズメは,生後しばらくの間に聞いたさえずりと似た音声でさえずる。

d.魚の一種イトヨの雄は繁殖期になると腹部が赤くなってなわばりをもち,腹部

が赤い同種の雄を攻撃する。このとき形は雄に似ていないが腹部の赤い模型を見

せると,最初この模型に対しても攻撃するが,何回も繰り返していると次第に攻

撃行動が減少していく。 9

〔解答群〕

! 慣 れ " 古典的条件付け # オペラント条件付け(試行錯誤学習) $ 刷込み

(27)

問3 ミツバチの働きバチは,蜜のたくさん取れるえさ場(花)を見つけると巣箱に飛

んで帰り,鉛直に並んだ巣板の上でダンスを踊り,仲間にえさ場に関する情報を伝

達する。

a.太陽が南東方向の位置にあるとき,えさ場から戻ってきた働きバチが巣板の上

で図1,および図2のようなダンスを踊っていた。ダンスに追随して情報を受け

とった働きバチたちは,巣から飛び立つときどの方向に向かって飛んでいくか。

それぞれ1つ選べ。図1 10 ,図2 11

鉛直上向き

図1 図2

〔解答群〕

! 北 " 北 東 #$ 南 東 % 南 & 南 西 ' 西 ( 北 西 ) 様々な方向

b.図1のダンスを踊っていた働きバチが,同じえさ場の情報を4時間後に巣の仲

間に伝えるとき,ダンスは時計回りに何度傾くか。ただし,時計回りを+,反時

計回りを−とする。また,地平面に投影した太陽が1時間当たりに動く角度は1

日中一定とする。 12 度

〔解答群〕

(28)

c.働きバチが図1のようなダンスを踊るときは,えさ場までの距離に応じてダン

スを踊る速さが変化する。また,えさ場までの距離とダンスの速さとの関係は地

域によって異なり,この違いは生得的なものである。いま,地域Aと地域Bの

ミツバチが踊るダンスの速さが図3のように異なっていたとする。

0 2 4 6 8 10

0 1 2 3 4 5

えさ場までの距離(km) 地域A 地域B

の 字 ダ ン ス の 速 さ (回/15秒)

図3 えさ場までの距離と8の字ダンスの速さとの関係

地域Aの働きバチが1分間に10回の速さで8の字ダンスを踊っていたとき,えさ

場までの距離はおよそいくらか。1つ選べ。 13 km

〔解答群〕

! 0.2 " 0.3 # 1.2 $ 2.4 % 3.2 & 5.0

さなぎ

d.図3の地域Aに生息するミツバチの巣の中の蛹を取り出し,地域Bに生息す

るミツバチの巣の中で羽化させた。この個体が地域Bの巣の中で生活し続け,

巣から3.0km離れたえさ場から戻って来て8の字ダンスを踊った。このとき地

域Bの巣にもともといた個体はダンスの情報を受け取った後,巣からどれだけ

離れた位置にえさを探しに飛んでいくか。1つ選べ。 14 km

〔解答群〕

(29)

*

光合成と窒素同化に関する次の文章を読み,以下の各問いに答えよ。答えは各問いの 下の解答群から最も適当なものを選び,解答欄にマークせよ。

植物は,さまざまな元素を外界から取り込んで自らの成長に使っている。大気中の二

酸化炭素は,主に葉の 15 から取り込まれ,光合成の働きによって葉緑体で同化

される。植物の光合成反応経路は,(1)

(A)光合成色素による光エネルギーの吸収,

(2)

(B)H2Oの分解によるO2の発生反応,(3)NADPH(還元型補酵素)の生成反応,

(4)ATPの生成反応,(5)

(C)二酸化炭素の固定反応,という5つの反応に分けること

ができる。

光合成で作られた有機物は,一時的に同化デンプンとして葉緑体中に蓄えられること

が多い。同化デンプンは,分解されて葉緑体外に出ると,多くはスクロースとなり,師

管を通って各器官に運ばれる。これを 16 という。 16 されてきたスク

ロースは他の物質の合成に使われたり,

(D)呼吸基質に利用される。

炭素以外の多くの元素は,土壌から根を通って吸収される。中でも,窒素はタンパク

質や核酸などの化合物に多く含まれており,植物にとって重要な元素の1つである。植

物が窒素同化に利用する無機窒素化合物はNH4+やNO3−であり,NO3−は植物体内で

NH4+に還元される。NH4+は,葉や根の組織で 17 と結合して 18 が合

成 さ れ る。続 い て, 19 な ど の 窒 素 を 含 ま な い 有 機 物 にNH4+が 結 合 し,

17 などのアミノ酸が合成される。

問1 上の文中の に当てはまるものをそれぞれ1つ選べ。ただし,同じ番号

は同じものを示す。

〔解答群〕

15 に対する解答群

(30)

16 に対する解答群

" 調 節 # 屈 性 $ 伸 長 % 凝 集 & 吸 収 ' 転 流 ( 転 写 ) 翻 訳 * 結 実 ! 蒸 散

17 ∼ 19 に対する解答群

" クエン酸 # ピルビン酸 $ オキサロ酢酸 % リンゴ酸 & コハク酸 ' ケトグルタル酸

( グルタミン ) グルタミン酸 * アスパラギン

! グリシン + アラニン , アスパラギン酸

問2 下線部(A)の光合成色素に関する次の文章を読み,以下の問いに答えよ。

光合成色素には,クロロフィルとカロテノイドがある。緑色植物のクロロフィル

には,クロロフィルaとクロロフィルbの2種類がある。カロテノイドには,カ

ロテンとさまざまなキサントフィル類がある。これらの色素をペーパークロマトグ

ラフィーで分離したところ,図1のような結果が得られた。また,これらの光合成

色素にいろいろな波長の光を当て,吸収スペクトルを調べたところ,図2のように

なった。

溶媒前線

キサントフィル

原点

図1 ペーパークロマトグラフィーによる    光合成色素の分離

光 の 吸 収 の 度 合 い ︵ 相 対 値

︶ 400 500光の波長(nm600 700

図2 光合成色素の吸収スペクトル 21

21

22

20

(31)

上の図の 20 ∼ 22 に当てはまる光合成色素は何か。それぞれ1つ選

べ。

〔解答群〕

" クロロフィルa # クロロフィルb $ カロテン

問3 下線部(B)に関連する次の記述のうち,正しいものをすべて含む組みあわせは

どれか。1つ選べ。 23

ア.緑藻の一種であるアオミドロと好気性細菌を一緒に入れ,プリズムで分光した

光を照射すると,好気性細菌は緑色と赤色の光が当たった部分に多く集まる。

イ.葉緑体の内部にみられる袋状の膜構造はストロマとよび,膜構造以外の部分を

チラコイドとよぶ。酸素の発生はストロマの部分で起こる。

ウ.イギリスのヒルは,二酸化炭素のない状態で,葉緑体片を含む液にシュウ酸鉄

(Ⅲ)のような還元剤を加えて光を当てると,酸素が発生することを発見した。

エ.アメリカのルーベンらは,光合成で発生する酸素は水分子に由来し,二酸化炭

素分子には由来しないことを,酸素の同位体を用いた実験により明らかにした。

〔解答群〕

" アのみ # イのみ $ ウのみ % エのみ & アとイ ' アとウ ( アとエ ) イとウ

* イとエ ! ウとエ + アとイとウ , アとイとエ

(32)

問4 下線部(C)に関連する次の記述のうち,正しいものをすべて含む組みあわせは

どれか。1つ選べ。 24

ア.アメリカのカルビンとベンソンは,炭素の放射性同位体である14

Cからなる二

酸化炭素(14

CO2)を用いて実験を行い,14CはまずC5化合物と結合し,それが 2つに分解されて,C3化合物となり,再びC5化合物に戻るという回路状の反応

を明らかにした。

イ.C4植物であるトウモロコシでは,二酸化炭素は最初にC3化合物に取り込まれ

て,C4化合物のオキサロ酢酸が合成される。

ウ.C4植物において,二酸化炭素が取り込まれて合成されたC4化合物は,リンゴ

酸などに変換された後,葉肉細胞で分解されて二酸化炭素を放出する。

エ.ベンケイソウやサボテンはCAM植物とよばれ,比較的湿度が高い夜間に取り

込んだ二酸化炭素を,いったんオキサロ酢酸として液胞などに蓄える。

〔解答群〕

" アのみ # イのみ $ ウのみ % エのみ & アとイ ' アとウ ( アとエ ) イとウ

* イとエ ! ウとエ + アとイとウ , アとイとエ

(33)

問5 下線部(D)の呼吸に関する次の文章を読み以下の各問いに答えよ。

多くの生物は主要なエネルギー源としてグルコースを用いる。好気呼吸は,酸素

を用いてグルコースを二酸化炭素と水にまで分解し,効率良く多量のATPを生成

するしくみである。好気呼吸は,解糖系・クエン酸回路・電子伝達系の3段階に分

けられる。このうち,解糖系は 25 で,クエン酸回路と電子伝達系はミトコ

ンドリアで行われている。

解糖系は, 25 に存在する 26 種類の酵素によって進められ,グル

コースがピルビン酸に分解される。1分子のグルコースを分解する際に2分子の

ATPが消費され,4分子のATPが生成される。その結果,差 し 引 き2分 子 の

ATPが生成されることになる。アルコール発酵や乳酸発酵では,ピルビン酸は水

や二酸化炭素までは分解されず,エタノールや乳酸が生成される。エタノールや乳

酸には,利用可能な大部分のエネルギーが残っている。したがって,ATPの生成

数は,グルコース1分子当たり,好気呼吸全体で最大 27 分子に対して,嫌

気呼吸であるアルコール発酵や乳酸発酵では 28 分子と少ない。

a.上の文中の に当てはまるものをそれぞれ1つ選べ。ただし,同じ番

号は同じものを示す。

〔解答群〕

25 に対する解答群

" 細胞膜 # 核小体 $ 細胞質基質 % ゴルジ体 & 細胞壁 ' リボソーム ( 小胞体 ) 中心体 * 核 ! 液 胞

26 ∼ 28 に対する解答群

(34)

b.下線部に関連する次の記述のうち,正しいものをすべて含む組みあわせはどれ

か。1つ選べ。 29

ア.解糖系で生成されたピルビン酸が,ミトコンドリアのマトリックスでケトグ

ルタル酸と結合してクエン酸となる。

イ.ク エ ン 酸 回 路 で は,グ ル コ ー ス1分 子 当 た りATPは2分 子,NADHや

FADH2(還元型補酵素)は合計15分子生成される。

ウ.解糖系とクエン酸回路で生じたNADHやFADH2(還元型補酵素)によっ

て運ばれた電子は,ミトコンドリア内膜にある電子伝達系に渡される。

エ.ミトコンドリア内で,NADHやFADH2(還元型補酵素)が酸化される過程

でATPが作られる反応を光リン酸化という。

〔解答群〕

" アのみ # イのみ $ ウのみ % エのみ & アとイ ' アとウ ( アとエ ) イとウ

* イとエ ! ウとエ + アとイとウ , アとイとエ

(35)

+

生殖と遺伝に関する次の文章を読み,以下の各問いに答えよ。答えは各問いの下の解 答群から最も適当なものを選び,解答欄にマークせよ。

生物の増え方には無性生殖と有性生殖がある。無性生殖では,受精や接合を経ること

なく増殖するのに対し,有性生殖では,2種類の配偶子が合体することにより新しい個

体が生まれる。減数分裂を経て配偶子がつくられるとき,配偶子のもつ染色体の組みあ

わせは多様なものとなる。例えば,染色体数が2n=6の母細胞が減数分裂を行いn=3

の娘細胞を生じるとき,娘細胞における染色体の組みあわせは 通りの可能性

が考えられる。減数分裂時に染色体の乗換えがおこると,より多様な遺伝形質をもつ配

偶子が形成される。

問1 次の生物の主な生殖法として正しいものをそれぞれ1つ選べ。ただし,同じもの

を繰り返し選んでもよい。

アオサ 30 ミドリムシ 31

ヒドラ 32 ジャガイモ 33

ネズミ 34

〔解答群〕

" 分 裂 # 出 芽 $ 栄養生殖

% 胞 子 & 同型配偶子の接合 ' 異形配偶子の接合

問2 次の2つの条件を考慮した場合,上の文中の にあてはまる数字はどれ

か。それぞれ1つ選べ。

条件1:染色体の乗換えが全く起こらないとき 35

条件2:全ての染色体で1回ずつ染色体の乗換えが起こるとき 36

〔解答群〕

(36)

問3 2つ以上の遺伝子が同一の染色体上にあって連鎖しているかどうかは,検定交雑

により得られた子の表現型を調べることで知ることができる。ショウジョウバエの

体色,翅の形および眼の色の遺伝について調べるために,正常型(正常体色・正常

翅・正常眼の純系)と変異型A(黒体色・痕跡翅・セピア色眼の純系)および変異

型B(黒体色・痕跡翅・紫色眼の純系)の3系統を用いて,以下の交雑を行い,得

られた子の表現型を調査した。

交雑1:正常型♀と変異型A♂の交雑

交雑2:交雑1により得られた雑種第一代(F1)♀と変異型A♂の交雑

交雑3:正常型♀と変異型B♂の交雑

交雑4:交雑3により得られたF1♀と変異型B♂の交雑

交雑1および交雑3により得られたF1は全て正常型と同じ表現型になった。

交雑2および交雑4の結果をそれぞれ表1,表2に示す。

なお,表1と表2での表現型の表記は,黒体色をb,痕跡翅をvg,セピア色眼

をse,紫色眼をprと表し,正常型は全て+と表すこととする。

例:正常体色・正常翅・正常眼 → [+・+・+]

正常体色・痕跡翅・紫色眼 → [+・vg・pr]

表1 交雑2により得られた子の表現型の分離

19 20

105 104

個体数

[b・+・se]

[b・+・+]

[b・vg・se]

[b・vg・+]

表現型

20 21

106 105

個体数

[+・vg・se]

[+・vg・+]

[+・+・se]

(37)

表2 交雑4により得られた子の表現型の分離

48 16

336 0

個体数

[b・+・pr]

[b・+・+]

[b・vg・pr]

[b・vg・+]

表現型

16 48

0 336

個体数

[+・vg・pr]

[+・vg・+]

[+・+・pr]

[+・+・+] 表現型

上の交雑実験について考察した次の文章を読み,以下の各問いに答えよ。

交雑2において,ショウジョウバエの体色,翅の形および眼の色を決定する遺伝

子がそれぞれ独立して遺伝すると仮定したときの子の表現型の分離比の期待値は,

実験結果と大きく異なる。そこで,遺伝子が連鎖している可能性を考える。体色と

翅の形を決定する遺伝子が連鎖していると仮定すると,交雑2において組換えに

よって生じた個体は 38 個体で あ り,こ れ ら の 遺 伝 子 間 の 組 換 え 価 は

39 %と計算される。一方,翅の形と眼の色を決定する遺伝子が連鎖してい

ると仮定すると,組換えによって生じた個体は 40 個体であり,これらの遺

伝子間の組換え価は 41 %と計算される。この組換え価 41 %は独立

遺伝とみなせるので,翅の形と眼の色を決定する遺伝子は連鎖していないと考えら

れる。

交雑4においても同様に,体色,翅の形および眼の色を決定する遺伝子は,それ

ぞれ独立遺伝していないことが明らかである。体色と翅の形を決定する遺伝子が連

鎖していると仮定すると,交雑4において組換えによって生じた個体は 42

個体であり,これらの遺伝子間の組換え価は 39 %と計算され,交雑2の結

果から求めた組換え価と同じになる。さらに,翅の形と眼の色を決定する遺伝子が

連鎖していると仮定すると,組換えによって生じた個体は 43 個体であり,

これらの遺伝子間の組換え価は 44 %と計算される。また,体色と眼の色を

決定する遺伝子が連鎖していると仮定すると,組換えによって生じた個体は

(38)

a.下線部の各遺伝子が独立遺伝すると仮定した場合の子の表現型の分離比の期待

値はどれか。1つ選べ。

[+・+・+]:[+・+・se]:[+・vg・+]:[+・vg・se]:[b・vg・+]:

[b・vg・se]:[b・+・+]:[b・+・se]= 37

〔解答群〕

" 1:0:0:0:0:1:0:0 # 3:0:0:0:0:1:0:0 $ 3:1:1:1:1:3:1:1 % 1:1:1:1:1:1:1:1 & 2:1:1:1:1:1:1:1 ' 3:1:3:1:3:1:3:1 ( 2:1:2:1:2:1:2:1 ) 9:3:3:3:3:1:3:3 * 2:2:2:2:1:1:1:1

b.文中の 38 ∼ 46 にあてはまる数値はどれか。それぞれ1つ選べ。

ただし,同じ番号は同じものを示す。

〔解答群〕

(39)

問4 交雑3により得られたF1どうしを交雑した場合,得られた子の表現型の分離を

最も簡単な整数比で表すとどうなるか。1つ選べ。ただし,ショウジョウバエの雄

においては減数分裂時に染色体の乗換えは起こらないものとし,また,これらの遺

伝子間では二重乗換えは起こらないものとして計算せよ。

[+・+・+]:[+・+・pr]:[+・vg・+]:[+・vg・pr]:[b・vg・+]:

[b・vg・pr]:[b・+・+]:[b・+・pr]= 47

〔解答群〕

(40)

+

酵素に関する次の文章を読み,以下の各問いに答えよ。答えは各問いの下の解答群か ら最も適当なものを選び,解答欄にマークせよ。

生体内では,多様な化学反応が進行し,生命活動が継続されている。これら化学反応

を促進しているのが酵素である。生体内では特殊な環境を除けば,常温でほぼ中性とい

う温和な条件であるが,それにもかかわらず,化学反応は効率よく進行している。これ

は,酵素が 48 として働き,反応の 49 を低下させることで,反応速度を

高めているからである。

生命活動の中で,エネルギー生産は重要なものであり,解糖系はその一つである。解

糖系の制御において,ホスホフルクトキナーゼという酵素が重要な役割を果たしている。

この酵素は, 50 酵素であり,一連の反応の生成物であるATPにより制御され

ている。細胞内に十分量のATPが存在すると,酵素の反応速度が 51 。

酵素の阻害物質の中には,基質とよく似た構造を持つ物質があり,これが基質と同時

に存在すると,この物質と基質との間で酵素の活性部位を奪い合うことになる。この物

質は酵素と結合するだけで反応しないので,酵素反応の進行は妨げられる。このような

物質による酵素反応の阻害を 52 阻害という。この阻害効果は,阻害物質の濃度

が一定の時,基質濃度が上がると 53 。逆に,基質濃度が下がると,この阻害効

果は 54 。一方,酵素の活性部位以外の部分に阻害物質が結合することによる酵

素反応の阻害を 55 阻害という。

問1 上の文中の に当てはまるものをそれぞれ1つ選べ。

〔解答群〕

48 ∼ 51 に対する解答群

" 基 質 # 触 媒 $ 複合体 % 調節タンパク質 & 基質特異性 ' 高次構造 ( 活性化エネルギー

) 最適pH * 最適温度 ! アロステリック

(41)

52 ∼ 55 に対する解答群

! フィードバック " 競争的 # 非競争的

$ 基 質 % 酵素−基質複合体 & 補酵素

' 上がる ( 下がる

問2 酵素反応に関して以下の実験を行った。

以下の実験は,酵素の反応速度が温度によりどのような影響を受けるかを調べた

ものである。実験方法は(1)∼(6)のとおりである。

(1) 2%(重量%)のデンプン水溶液5mLに0.2%(重量%)のアミラーゼ水

溶液(ウシのだ液抽出物)5mLを加え,よく混ぜた後,4℃の恒温槽に静置

し反応を開始した。その後,5分間ごとに20分まで,この反応液から1mLず

つ反応液を採取し,これにヨウ素液を1滴ずつ添加し,よく混合した直後に,

その色を観察した。

(2) 恒温槽の温度を25℃に変えて,上記(1)の実験を行った。

(3) 恒温槽の温度を37℃に変えて,上記(1)の実験を行った。

(4) 恒温槽の温度を50℃に変えて,上記(1)の実験を行った。

(5) 恒温槽の温度を70℃に変えて,上記(1)の実験を行った。

(6) 恒温槽の温度を95℃に変えて,上記(1)の実験を行った。

(42)

表1 ヨウ素液添加後の反応液の色調

青紫色 青紫色

青紫色 青紫色

95℃

黄 色 褐 色

褐 色 褐 色

70℃ ' & % $ 50℃

黄 色 褐 色

褐 色 褐 色

37℃

黄 色 褐 色

褐 色 青紫色

25℃

青紫色 青紫色

青紫色 青紫色

4℃

20分 15分

10分 5分

反応温度

反応時間

注;デンプン水溶液にヨウ素溶液(黄色)を加えると,デンプン分子の

らせん構造の内部にヨウ素分子が入り込み,反応液は青紫色∼褐色

を呈する。反応液の色調は,らせん構造の長さによって変化する。

a.この実験に関して,以下の文中の に当てはまるものをそれぞれ1つ

選べ。ただし,同じものを繰り返し選んでもよい。

上記の対照実験として,蒸留水1mLおよび1%(重量%)のデンプン水溶液

1mLにそれぞれヨウ素液を1滴ずつ添加し,よく混合した直後に,その色を観察

したところ,前者は 56 ,後者は 57 を呈した。

上記のアミラーゼ反応の直後に,色調が変わらなかった4℃と95℃の2つの反応

液を選び,再度37℃の恒温槽に入れて20分静置した。この反応液から1mLずつ反

応液を採取し,これにヨウ素液を1滴ずつ添加し,よく混合した直後に,その色を

観察したところ,4℃の反応液の色調は, 58 であり,95℃の反応液の色調

は, 59 であった。

〔解答群〕

(43)

b.この実験のアミラーゼ反応の最適温度は50℃であった。表1の0∼3に当ては まると考えられる色調はどれか。表2の中で,当てはまると考えられる色調の組 みあわせをすべて選べ。 60

表2 表1の0∼3に当てはまると考えられる反応液の色調

黄 色 黄 色

黄 色 褐 色

黄 色 黄 色

褐 色 褐 色

黄 色 褐 色

黄 色 褐 色

褐 色 褐 色

褐 色 褐 色

3 2

1 0

〔解答群〕

" アのみ # イのみ $ ウのみ % エのみ & アとイ ' アとウ ( アとエ ) イとウ

* イとエ ! ウとエ + アとイとウ , アとイとエ

- アとウとエ . イとウとエ / アとイとウとエ

c.上の文中の下線部の説明として適当なものをすべて含む組みあわせはどれか。 1つ選べ。 61

ア.酵素はタンパク質であるので,高温になれば変性し失活する。 イ.反応時間を延長すると,酵素反応はそれに応じて進む。

ウ.温度条件により酵素タンパク質の一次構造が変化して,基質と結合できなく なる。

エ.酵素は反応しない条件に静置されても,適当な条件に戻すと必ず反応するよ うになる。

〔解答群〕

" アのみ # イのみ $ ウのみ % エのみ & アとイ ' アとウ ( アとエ ) イとウ

* イとエ ! ウとエ + アとイとウ , アとウとエ

参照

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