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ichimiya toyolab syuuron

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Academic year: 2018

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(1)

修 士 論 文

キャッシュバック戦略と携帯事業者各社の

シェア争い

2016 2 2

早稲田大学 基幹理工学研究科 数学応用数理専攻

学籍番号  5114A004-8

一宮 佳右

(2)

概要

現在の日本における携帯電話市場は大手三社による寡占状態であり、市場の競争が活発ではない状 態が続いている。携帯市場には家族や知り合いと同じ事業者の携帯を使い続けることから得られる利 得があるのでユーザーが契約会社を変えにくい状態であり、この問題を解決するため各社はキャッ シュバックと呼ばれる契約を移動した瞬間に利得が生じるタイプのキャンペーンを行っている。しか しキャッシュバックの費用はユーザーの通信料収入などから得られたものでキャッシュバック費用が 多くかかればそれだけユーザーは過大な負担(通信料)を負っていることになる。

本研究ではキャッシュバックとして非常に小さい利得を他社から自社に移ってくるユーザーに与え ることによって競合が起こることがわかった。このことからキャッシュバックには少額で競争を生み 出す利点がある。

1 はじめに

近年の携帯電話利用者数はスマートフォンの流行により急速に増え、契約者数は2015年9月の時点 で1億5000万件[1]を超えている。そこで多くの顧客を抱えている事業者は他社から既存の顧客を奪わ れないように様々なキャンペーンを展開しているのだが、それらのキャンペーンによって顧客は他社へ 移れなくなり流動性がなくなってしまう。このことから携帯電話市場で顧客が契約会社を変えやすい状 況を起こすためには他社から移ってくるとプラスで利得の発生するキャッシュバックキャンペーンが必 要になる。キャッシュバックは正常な競争を歪める原因と思われているが、キャッシュバックとして非 常に小さい利得を他社から自社に移ってくるユーザーに与えることによって顧客の流動性を高め市場が 活発になり、携帯事業者3社が競合競争をする結果となった。またキャッシュバック利得kは値が大き くなるにつれてシェアが均等になる時間が早くなり、契約会社を変えるユーザーの数は増加するという 結果が得られた。

本論文では2章でこれまでの閾値モデルの研究との違いを述べ、3章でモデル化や理論値の導出、4∼ 6章で考察を行った。

2 研究背景

今回考慮するキャンペーンは 1)2年縛り

2)同キャリア通話無料

3)キャッシュバックキャンペーン

の三種類である。1)2)は他社にシェアを奪われないようにするキャンペーンであり、3)は逆に他社から シェアを奪うキャンペーンである(表1)。

(3)

1 考慮するキャンペーン

変更させない 変更させる

1) 2年縛り     2)同キャリア通話無料  3) キャッシュバック キャンペーン内容  2年間は同じ事業者の携帯

を使わなければならない

同じ事業者の携帯を使い通 話をすると通話料が無料に なる

契約を他の事業者から移動 するとキャッシュバックが もらえる

効果 ユーザーは2年周期で契約 変更を検討する

周りに同じ事業者の携帯を 使う人が増えるたびにユー ザーの利得は増える

契約を移動した瞬間に利得 が生じる

ここで、2年縛りと呼ばれるキャンペーンは2年単位の期間拘束契約を交わす代わりに端末代などを 大幅に値引きするが、2年以内に契約会社を変更すると違約金が発生するというものである。これは自社 から他社へユーザーが移る機会を減らすことで事業者がユーザーを確保するためのキャンペーンである。

また同キャリア間通話無料のキャンペーンではネットワーク効果と呼ばれるユーザー数が増えれば増 えるほど、一人当たりの利得が増加するという現象が起こる。つまりユーザーが増えることによって、 ますますユーザーが増えるという好循環が発生し、ユーザーは一つのキャリアに留まり続けるだけで自 身の利得が増加していくことが起こり得る。田中(2002年)は携帯産業でのネットワーク効果の存在を 計量分析で検証しさらにその働きはとても大きなものだと述べている[2]。

これらの例から見て取れるように現在の携帯電話市場では顧客が契約会社を変更しづらい要因がいく つか存在しており、事業者がユーザーを奪うためには他社から移ってくるとプラスで利得が発生する キャンペーンが必要になる。その一つがキャッシュバックキャンペーンだが、キャッシュバックの金額 設定によっても問題が発生する場合がある。総務省が2015年内にまとめる携帯電話料金の引き下げ策 [3]に、端末販売時のキャッシュバックの縮小が盛り込まれた。通信料金が高いのは、端末の異常な値引 きによる減収を埋めるためだとしこのような策の案が出た。しかし事業者からするとキャッシュバック を無くすとネットワーク効果で市場を独占する他事業者が出てくるので迂闊に無くせないため実現が難 しい。そこで今回はキャッシュバックの効果がどの程度市場の競争に影響するのか考察する。

2.1 研究方法

上で述べたキャンペーンを考慮しモデル化を行う。いままでの研究では個人個人がそれぞれの閾値を 持っており利得がそれ以上になった時に戦略を変更する閾値モデル[4]というものがある。これは協調 ゲームを自分と友人全員で行うものでこの閾値モデルではネットワークの密なコミュニティごとにシェ アが固まり流動性がなくなってしまう。 本研究では閾値を確率にすることでただ一番利得の高い事業

(4)

者に契約変更するのではなくその事業者に移る確率が高くなるようにし、低い確率で利得の少ない方へ 契約変更をするノードを加えてより現実の顧客の動きに忠実にした。また今回のモデルでは契約先の変 更が何度も起こるようになっておりユーザーの流動性がなくならない。

今回は2年縛りを全員が守っていると仮定し、離散時刻tmで全てのユーザーnが周期T = tm+n− tm

で契約変更を検討する様子をモデル化する(図1)。ここで、契約を変更するノードはこの周期を守るた め、毎周期順番が変わらずi= (tmmod n) + 1と表すことができる。

これらを人間関係を表すネットワーク上でモデル化しシミュレーションを行う。今回用いるネットワー クはスケールフリーネットワーク[5]で次数の多いノードは少数で、ほとんどのノードは次数が少ないと いう性質を持つ。人間関係やウェブでのサイトどうしの関係性はスケールフリー性を持っていることが 明らかとなっている。

tm

0 t1 tn tn+1

周期T 周期T

1 ユーザーが契約変更を検討する周期T

3 シミュレーションのための準備

3.1 携帯ユーザーの行動モデル

ネットワークE(N,G)を隣接行列Gで表しネットワーク上の全ノードの集合をNとし、ノードiの 隣人関係はNi = {j : Gij = 1, i ̸= j, j ∈ N }と定義する。また|Ni|はiの隣人の数である。ノー ドは顧客を表しており、隣接行列とは2ノード間の家族または友人関係をあらわす。各ノードの携 帯の契約先はA社,B社,C社から選ぶものとし、ここでノードのとりうる状態で契約先をあらわし s∈ S = {A, B, C}とする。AはA社、BはB社、CはC社と契約することを表す。ある時刻tmでの 戦略をx(tm) = {x1(tm), x2(tm), · · · , xn(tm)}, 1 ≤ i ≤ nとし、時刻tmで戦略を変更するノードi をi= (tmmod n) + 1とおく。ノードiが前の状態xi(tm)からxi(tm+1)に変更するときA,B,Cを選 ぶ確率は以下のようになる。

xi(tm+1) =





A V Vi(A)

i(A)+Vi(B)+Vi(C)

B V Vi(B)

i(A)+Vi(B)+Vi(C)

C V Vi(C)

i(A)+Vi(B)+Vi(C)

(5)

ここで

Vi(s)=

j∈Ni

1xj(tm)(s)

|Ni| + k · (1 − 1xi(tm)(s)) , k > 0 , 1xj(tm)(s) =

{1 xj(tm) = s 0 xj(tm) ̸= s はそれぞれA,B,C社と契約した時の利得になっておりiにとって利得が大きい会社ほど契約する確率 が大きくなる。また利得j∈Ni 1xj (tm)|Ni|(s)は自分の周りの友人が契約している会社の割合によって決ま り、キャッシュバック利得kは第一項の利得との比を表す。

3.2 平均場モデル

上記のモデルを用いて近似計算を行う[6]。

平均次数を|N |、時刻tでA,B,C社と契約する確率をAt, Bt, Ctとし全ノードの利得の平均をV(At)=

1 n

n

i=1Vi(At), V(Bt)=n1ni=1Vi(Bt), V(Ct)=n1ni=1Vi(Ct)とする。 V(At)について解くと

V(At) =





At·|N |

|N | = At 時刻tAにいる確率 At At·|N |

|N | + k = At+ k 時刻tBにいる確率 Bt At·|N |

|N | + k = At+ k 時刻tCにいる確率 Ct

より

V(At) = At· At+ (At+ k)(Bt+ Ct) = k + (1 − k)At (1) また

At+1 = V(At)

V(At)+ V(Bt)+ V(Ct) = V(At)

2k + 1 (2)

となる。 (1), (2)より

V(At)= 1 − k

2k + 1V(At−1)+ k (3)

が得られ、(3)より

V(At+1)− V(At)= 1 − k

2k + 1(V(At)− V(At−1)) , 初期状態をA0= 1, B0= 0, C0= 0とし漸化式を解くと

V(At)= (2k + 1)

t+ 2(1 − k)t

3(2k + 1)t−1 が得られる。同様に

V(Bt)= (2k + 1)

t− (1 − k)t

3(2k + 1)t−1 , V(Ct)=

(2k + 1)t− (1 − k)t 3(2k + 1)t−1 .

(6)

よって、(2)より

At= (2k + 1)

t−1+ 2(1 − k)t−1

3(2k + 1)t−1 , Bt=

(2k + 1)t−1− (1 − k)t−1

3(2k + 1)t−1 , Ct=

(2k + 1)t−1− (1 − k)t−1 3(2k + 1)t−1 が得られる。

ここで時刻tにおけるA社のユーザー数の期待値は、ユーザー数の確率変数Y(A)を用いてE[Y(At)] = nAt,同様にB社、C社はE[Y(Bt)] = nBt, E[Y(Ct)] = nCtと表すことができる。

t→ ∞にすると i) k= 0のとき

t→∞lim E[Y(At)] = limt→∞

(2k + 1)t−1+ 2(1 − k)t−1 3(2k + 1)t−1 n= n

t→∞lim E[Y(Bt)] = limt→∞

(2k + 1)t−1− (1 − k)t−1 3(2k + 1)t−1 n= 0

t→∞lim E[Y(Ct)] = limt→∞

(2k + 1)t−1− (1 − k)t−1 3(2k + 1)t−1 n= 0. ii) 0 < k ≤ 1のとき

t→∞lim E[Y(At)] = 1

3n , t→∞lim E[Y(Bt)] = 1

3n , t→∞lim E[Y(Ct)] = 1 3n. iii) k >1のとき

t→∞lim E[Y(At)] = 1

3n , t→∞lim E[Y(Bt)] = 1

3n , t→∞lim E[Y(Ct)] = 1 3n. よってk >0のとき市場が偏った状態からでも3社のシェアが均等になる。

また別の行動モデルでも近似計算を行う。 Vi(s)=

j∈Ni

1xj(tm)(s) + k · (1 − 1xi(tm)(s)) , k >0

ここで、第1項は自分の周りの友人が自分と同じ会社と契約しているときその人数分の利得が得られる ことを表す。上と同様に計算すると

At= 1 3+

2 3·

(|N | − k

|N | + 2k )t−1

, Bt= 1 3

1 3 ·

( |N | − k

|N | + 2k )t−1

, Ct=1 3

1 3·

(|N | − k

|N | + 2k )t−1

(7)

となり、このときもk >0のときt→ ∞で

t→∞lim E[Y(At)] = 1

3n , t→∞lim E[Y(Bt)] = 1

3n , t→∞lim E[Y(Ct)] = 1 3n. となり三社のシェアが均等になる。

3.3 安定の判別

理論値の導出によってkの値でシェアが均等になることがわかったが、シミュレーションではある程 度の時間を取ってもユーザー数に多少のぶれが生じる。よって安定の判別をシミュレーションで行う。 図2(a)はユーザーが均等に分かれている状態でシミュレーションを行いその結果の中で最大のユーザー 数を表しており、その値の1.3倍以下に収まっていれば安定しているという指標とする(図2(b))。

Time

0 50 100 150 200 250 300

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

(a)

Time

0 50 100 150 200 250 300

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

(b) 図2 安定の範囲

(8)

3.4 シミュレーション

matlab上でシミュレーションを行う。今回のネットワークはn=1000のスケールフリーネットワー

ク(図3)を用い、周期Tを300回試行した。

ここで扱うスケールフリーネットワークはコンフィグモデル[7]と呼ばれるものでノードの数は変化せ ず、どれくらい枝を得やすいかという値があらかじめ各頂点に与えられている。あらかじめ決める次数 分布{p(0),p(1),p(2),. . . }はべき則に従い、次数がxとなる確率をp(x)としてxを決める。ここで次数 の最大値はxmax≤ n − 1である。

3 スケールフリーネットワーク

(9)

4 シミュレーション結果

Time

0 50 100 150 200 250 300

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

4 キャッシュバック利得k=0のとき

図4のようにキャッシュバック利得k=0の状態ではシェアが偏ってしまい市場で競争が起こりにくく なる。また、キャッシュバックキャンペーンがない状態で一度ユーザー数が0になるとその会社に戻っ てくるユーザーはいなくなってしまう。

Time

0 50 100 150 200 250 300

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

5 キャッシュバック利得k=0.01のとき

図5のようにkの値をうまく設定することで市場が偏った状態からでも競争を促すことができる。ま

(10)

たユーザー数が3.3章で求めた安定値内にあるため再び市場が偏ることなく安定性を定めることができ る。

しかしkを大きく取りすぎると

Time

0 50 100 150 200 250 300

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

6 キャッシュバック利得k=2のとき

図6のように顧客は契約会社を変更し続ける。またkの値を大きく取ることは、企業にとって一つ のキャンペーンにかけるお金が大きくなり負担が増えるだけなので現実的な戦略ではない。現にキャッ シュバックの原資は継続して利用するユーザーの料金で賄われており公平性の観点から懸念されている のが実情であり、総務省はキャッシュバックのキャンペーンを縮小させるよう改善を求めている。さら に携帯事業大手3社は市場のシェアを独占するため(他社のユーザーを奪い取るため)に、キャッシュ バックキャンペーンを実施しているが、このモデルのように各社ともに同じようなキャンペーンを打ち 出している状況では思惑通りの効果を発揮しないことがわかる。

さらに図7に見られるようにどこか1社のユーザーがいなくなり寡占が起こったとしてもk >0であ れば確率的に、キャッシュバックを求め消えた1社にユーザーが移ってくることがある。さらにネット ワーク効果があることでユーザー数が少なくても第一項j∈Ni1xj (tm)|Ni|(s)からの利得が得られる。その ためk >0であればキャッシュバック利得kが非常に小さい値でも競争が起こり続ける。

(11)

Time

0 50 100 150 200 250 300

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

7 一度1社のユーザーが消える例

5 シミュレーション結果(理論値対応)

Time

0 50 100 150 200 250 300

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

(12)

Time

0 50 100 150 200 250 300

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

Time

0 50 100 150 200 250 300

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000

8 顧客が同時に変更するとき

理論値では

t→∞lim E[Y(At)] = limt→∞

(2k + 1)t−1+ 2(1 − k)t−1 3(2k + 1)t−1 n= n

t→∞lim E[Y(Bt)] = limt→∞

(2k + 1)t−1− (1 − k)t−1 3(2k + 1)t−1 n= 0

t→∞lim E[Y(Ct)] = limt→∞

(2k + 1)t−1− (1 − k)t−1 3(2k + 1)t−1 n= 0

となり、どこか1社だけが生き残るようになったのだがシミュレーションでは2社が生き残った。こ れは理論値計算のときネットワークを考慮しなかったからであり、シミュレーション(図8)では密に結 合されたコミュニティがネットワーク効果で得られた流行の連鎖を妨げたものとみられる。

6 考察

本研究では、キャッシュバック利得kが非常に小さい値でも市場の競争を促すという効果を持ってい ることがわかった。またシミュレーションからkの値が大きくなるにつれて安定するのにかかる時間が 早くなるという結果が得られた(図9)。このことから、総務省はキャッシュバックは正常な競争を歪め る原因と述べているが本研究では三社競合する良いトリガーとなった。さらに携帯事業者各社は小さい 値のキャッシュバックでも顧客を得ることができ、ユーザーも契約を変えるだけで利得を得られるとい う好循環が生まれる。ただしキャッシュバック利得の値が小さいとキャンペーンを行ってから三社が競 合する結果が得られるまでには時間がかかるため、初めに移り始めたユーザーは損をする。

今回は3社ともにネットワーク効果から得られる利得をj∈Ni 1xj (tm)|Ni|(s) としたが、会社ごとに得ら れる利得を変え優位な会社がある状況からキャッシュバックの効果を確認することが課題である。

(13)

0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 0.09 0.1 0.11 1

1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 5.5

9 キャッシュバック利得kと周期Tの関係性

参考文献

[1] TCA一般社団法人 電気通信事業社協会

http://www.tca.or.jp/database/index.html (2016/1/13 アクセス) [2]  携帯電話産業におけるネットワーク外部性の実証 田中 辰雄

[3] 総 務 省   携 帯 電 話 の 料 金 そ の 他 の 提 供 条 件 に 関 す る タ ス ク フ ォ ー ス http://www.soumu.go.jp/main sosiki/kenkyu/ict anshin/02kiban03 03000256.html(2016/ 1/12 アクセス)

[4]  Networks, Crowds, and Markets: Reasoning about a Highly Connected World ,David Easley and Jon Kleinberg, Cambridge University Press, 2010

[5]  複雑ネットワーク 基礎から応用まで増田 直紀  今野 紀雄(著) 近代科学社 [6]   計算統計I 確率計算の新しい手法 山口昭男 岩波出版

[7]  Complex Networks Package for Matlab

http://www.levmuchnik.net/Content/Networks/ComplexNetworksPackage.html(2016/1/12ア クセス)

(14)

7 付録

7.1 携帯ユーザーの行動モデルのシミュレーション(一人ずつ変化)

✓ ✏

T=10;%試行回数

%計算結果をここにいれる A=zeros(n*T,n); B=zeros(n*T,n); C=zeros(n*T,n); X=rand(1,n);

%初期設定、シェアが3社均等にわかれるように(ここではa,b,cそれぞれの0,1ベクトルができ る)

a=X>=2/3; b=X<2/3&X>1/3; c=X<=1/3; nn=1:n;

D=repmat(nn,1,T); %nnベクトルを水平方向にN個連結 for i=1:n*T

f=G(D(1,i),:);%契約先を変えるか決定するノードの友人関係

%それぞれa,b,c社を選んだ隣接ノードの数(1*1になったとこだけがのこる) sum(a.*f);

sum(b.*f); sum(c.*f); k=0;

%(1-a)ka=1のところはkが足されない Va=sum(a.*f)./sum(f)-a(D(1,i))*k+k; Vb=sum(b.*f)./sum(f)-b(D(1,i))*k+k; Vc=sum(c.*f)./sum(f)-c(D(1,i))*k+k;

✒ ✑

(15)

✓ ✏ for ii=1:1

u=(Va+Vb+Vc).*rand(1); kk=Va;

if kk>=u a(D(1,i))=1; b(D(1,i))=0; c(D(1,i))=0; break

end kk=Va+Vb; if kk>=u ;

a(D(1,i))=0; b(D(1,i))=1; c(D(1,i))=0; break

end

kk=Va+Vb+Vc; if kk>=u ;

a(D(1,i))=0; b(D(1,i))=0; c(D(1,i))=1; break

end end end A(i,:)=a; B(i,:)=b; C(i,:)=c;

✒end ✑

(16)

7.2 携帯ユーザーの行動モデルのシミュレーション(一度に全員が変化)

✓ ✏

%初期設定、シェアが3社均等にわかれるように(ここではa,b,cそれぞれの0,1ベクトルができ る)

a=X>=2/3; b=X<2/3&X>1/3; c=X<=1/3; syokia=a; syokib=b; syokic=c; A=zeros(T,n); B=zeros(T,n); C=zeros(T,n); a=repmat(0,1,n,T); b=repmat(0,1,n,T); c=repmat(0,1,n,T); a(:,:,1)=syokia; b(:,:,1)=syokib; c(:,:,1)=syokic; for j=1:T

for i=1:n

f=G(i,:);%契約先を変えるか決定するノードの友人関係

%それぞれa,b,c社を選んだ隣接ノードの数(1*1になったとこだけのこる) sum(a(:,:,j).*f);

sum(b(:,:,j).*f); sum(c(:,:,j).*f); k=0;

%(1-a)ka=1のところはkが足されない Va=sum(a(:,:,j).*f)./sum(f)-a(:,i,j)*k+k; Vb=sum(b(:,:,j).*f)./sum(f)-b(:,i,j)*k+k; Vc=sum(c(:,:,j).*f)./sum(f)-c(:,i,j)*k+k;

✒ ✑

(17)

✓ ✏ for ii=1:1,

u=(Va+Vb+Vc).*rand(1); kk=Va;

if kk>=u

a(:,i,j+1)=1; b(:,i,j+1)=0; c(:,i,j+1)=0; break

end kk=Va+Vb; if kk>=u;

a(:,i,j+1)=0; b(:,i,j+1)=1; c(:,i,j+1)=0; break

end

kk=Va+Vb+Vc; if kk>=u ;

a(:,i,j+1)=0; b(:,i,j+1)=0; c(:,i,j+1)=1; break

end end

A(j,:)=a(:,:,j+1); B(j,:)=b(:,:,j+1); C(j,:)=c(:,:,j+1); end

end end

✒ ✑

表 1 考慮するキャンペーン 変更させない 変更させる 1) 2 年縛り     2) 同キャリア通話無料  3) キャッシュバック キャンペーン内容  2 年間は同じ事業者の携帯 を使わなければならない 同じ事業者の携帯を使い通話をすると通話料が無料に なる 契約を他の事業者から移動するとキャッシュバックがもらえる 効果 ユーザーは 2 年周期で契約 変更を検討する 周りに同じ事業者の携帯を使う人が増えるたびにユー ザーの利得は増える 契約を移動した瞬間に利得が生じる ここで、 2 年縛りと呼ばれるキャン

参照

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