2007年 6 月 29 日 京都大学 尾池和夫総長
耐震性能検査に関する公開要望書
京都大学農学研究科生物資源経済学専攻院会
私たち、京都大学農学研究科生物資源経済学専攻院会(以下院会と略)は、農学研究科生物資源経済学 専攻に在籍する大学院生全員が会員として所属する組織です。現在、生物資源経済学専攻の教員及び院生 は、先月 5 月 14 日付けの「工学部 7 号館改修工事に対する公開要望書」で記しましたとおり、京都大学が 進めている「キャンパス再配置計画」に伴う改修工事計画により、工学部7 号館から文学部東館への「再 仮移転」を迫られています。
わたしたち院会では、2007 年 3 月に突然伝えられたこの再仮移転計画に、院生の総意として反対し、尾 池和夫総長には、前述の要望書( 5 月 14 日付け) において、「工学部 7 号館の改修工事の延期を求めるとと もに、工学部7 号館の改修工事に伴い発生した問題について、京都大学執行部の責任において、改修工事 計画の責任機関、農学研究科、生物資源経済学専攻との間の話し合いの場を設定し、話し合いの中で解決 策を決定する枠組みを設置していただくこと」、「要望書に対する回答を、5 月 25 日までに農学研究科長に お伝えいただくこと」をお願いしました。しかし、一ヶ月を過ぎた今になっても、何の回答もいただけて いません。
一方で、農学研究科と話し合いを新たに2 回行い、さらに改修工事計画の実行機関である施設環境部へ の聞き取りを行った結果、以下のことが明らかになりました。
1.生物資源経済学専攻の教員及びわたしたち院生の再仮移転先として挙げられている文学部東館の耐震 性能は、「工学部 7 号館と同等、もしくはそれよりも劣る」と推測されていること。
2.京都大学は、「京都大学耐震化推進方針(2006 年 5 月)」に沿い、大学内施設の耐震性能診断を行って いる。その結果を元に、耐震化「緊急度ランク」の判定を行っているが、ランクに関しては一切公開 しないことを、昨年 5 月の役員会議、部局長会議で決定したこと
3.「キャンパス再配置計画」に関し大きな役割を担っている北徹理事(病院・施設担当)、実行機関であ る施設環境部は、上記2の決定を理由に、当事者である生物資源経済学専攻院会に対し、文学部東館、 および工学部 7 号館の耐震性能診断の結果を公開することを拒否したこと。
先の要望書でも述べたとおり、私たち院生は、「押せば動く荷物」ではありません。当事者の研究状況に 対する調査を一度も行わず、突然再仮移転計画を「通達」し、さらには再仮移転先の安全性に関わる情報 すら教えられない、という態度を貫かれては、私たちは納得できません。今回の耐震化計画が、第一に、
「学生・教職員の生命身体の安全を守ること」を目的に行われるものであるならば、京都大学執行部には、 なによりもまず、その計画推進過程において、上記目的に反しない適切な対応と情報の開示とを行う責任 があるのではないでしょうか。
以上の理由により、私たち院会は下記 2 点を要望し、これらの要望に対する回答を、遅くとも 7 月 13 日 までに農学研究科長にお伝えくださるよう、よろしくお願い申し上げます。
【要望】
1.工学部7 号館と文学部東館の耐震性能検査の結果を、当事者である生物資源経済学専攻院会に開示し ていただけるよう要望します。
2. 2006年 5月の役員会議、部局長会議において、「耐震性能検査の結果を一切公開しない」と決定した 理由について、両会議の議長である総長に、説明していただけるよう要望します。なお、自らの身の 安全に不安を抱き問題化している当事者に対しても情報を開示しない、とされるのであれば、その理 由についても説明していただけるよう要望します。