第1編
基本構想
第1章
計画策定の考え方
第2章
計画改定の背景
第3章
計画の目標と施策の柱
第1章
計画策定の考え方
1.計画策定の趣旨
○ 本県では、昭和 63 年に第1次熊本県保健医療計画を策定して以来、社会情勢や保健医 療動向等の変化に応じて、5年ごとに計画を見直し、これまで子どもから高齢者まで全 ての世代が安全安心に暮らせるよう、健康づくりの推進と保健医療の提供に取り組んで きました。
○ 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025(平成 37)年を迎えるに当たって、急激な医療・ 介護ニーズの変化や増大に対応していく必要があります。県民一人ひとりが医療や介護 が必要になっても、住み慣れた地域で安心して暮らし、継続的かつ安定的にサービスを 受けられるよう、「熊本県地域医療構想」(平成 29 年3月策定)で示す、病床機能の分化 及び連携、在宅医療等の充実、医療・介護従事者の養成・確保等の方向性に沿って、地 域包括ケアシステムの構築を加速化していきます。
○ こうした流れを踏まえ、基本的な考え方として、「健康」と「地域」という2つの視点 から、働く世代の生活習慣病対策など健康づくりの課題、5疾病(がん・脳卒中・心筋 梗塞等の心血管疾患・糖尿病・精神疾患)などの予防や早期対応等の課題、5事業(救 急医療・災害医療・へき地の医療・周産期医療・小児医療)及び在宅医療など地域の医 療提供体制の課題、医師や看護師など地域の保健医療に関わる人材確保等の課題、輸入 感染症など健康危機に対応する体制の課題などに対応する「第7次熊本県保健医療計画」 を策定します。
2.計画の位置付け
○ 医療法第 30 条の4の規定に基づく「医療計画」として、本県における医療提供体制の 整備の方向性等を示すものであり、平成 29 年3月に策定した「熊本県地域医療構想」を 推進するものです。併せて、生活習慣病対策をはじめとする健康づくりに関する施策を 推進するものです。
○ 県政の基本方針である「熊本復旧・復興4カ年戦略」を推進する、本県の保健医療分 野の基本的な計画とします。なお、計画の推進に当たっては、行政機関、県民、保健医 療関係者、関係団体等が一体となって取り組むこととします。
3.計画の期間
○ 平成 30(2018)年度から平成 35(2023)年度までの6年間 ※
とします。なお、在宅医 療その他必要な事項については、3年ごとに調査、分析及び評価を行い、必要に応じて 見直しを行います。
4.他の計画との関係
○ 「健康増進計画」など他の法律の規定による保健医療に関する計画との調和が保たれ
るようにするとともに、公衆衛生、薬事、社会福祉その他医療と密接な関連を有する施
策との連携を図ります。
○ 病床機能の分化及び連携の推進による効率的で質の高い医療提供体制の整備と在宅医
療・介護の充実等の地域包括ケアシステムの構築が一体的に行われるよう、介護保険法
の規定による熊本県介護保険事業支援計画及び市町村介護保険事業計画との整合性を確
第2章
計画改定の背景
1.社会情勢の変化
○ 少子高齢化の進展と人口減少社会の到来
・ 本県の人口は、1998(平成 10)年から減少傾向にあり、2016(平成 28)年 10 月1 日現在で 177. 5 万人となっています。なお、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の 地域別将来推計人口」によると、本県の 2040(平成 42)年の人口は約 146. 7 万人と、 今後 30 万人以上減少することが見込まれています。
・ 2016 年の人口(177. 5 万人)を年齢3区分別でみると、年少人口(0∼14 歳)は 23. 9 万人(総人口に対する割合 13. 5%)、生産年齢人口(15∼64 歳)は 101. 2 万人(同 57. 0%)、 老年人口(65 歳以上)は 52. 3 万人(同 29. 5%)で、年少人口及び生産年齢人口の減 少と、老年人口の増加が続き、人口減少や少子化とともに超高齢社会を迎えています。
・ 本県の合計特殊出生率は、2005(平成 17)年の 1. 46( 全国:1. 26) を境に、2016 年は 1. 66( 同:1. 44) と上昇傾向にあり、全国6位と全国平均を上回っています。しかし、2016 年の本県の出生数は 14, 894 人と、2008(平成 20)年以降減少し続けています。
・ 本県の平均寿命は、2015(平成 27)年に男性 81. 22 歳(全国第7位)、女性 87. 49 歳 (全国第6位)と、全国平均(男性 80. 75 歳、女性 86. 99 歳)を上回っています。一方、 健康寿命
①
は、2013(平成 25)年に男性 71. 75 歳(全国第8位)、女性 74. 40 歳(全国 第 25 位)と、全国平均(男性 71. 19 歳、女性 74. 21 歳)を上回っているものの、平均 寿命と健康寿命には男性が約9年、女性が約 13 年の差がある状況です。
○ 受療動向・疾病等の状況
・ 「平成 26 年患者調査」(厚生労働省)によると、本県の受療率(推計患者数を人口 10 万対で表した数)は、入院の受療率が 1, 782(全国 1, 038)で全国4位、外来の受 療率 6, 550(全国 5, 696)で全国3位となっており、入院・外来ともに全国平均より高 い状況です。
・ 「平成 28 年人口動態統計」(厚生労働省)によると、本県の死亡数に占める死因は、 悪性新生物が 25. 9%で1位、心疾患が 15. 5%で2位、肺炎が 9. 0%で3位、脳血管疾 患が 8. 2%で4位となっています。
○ 保健医療関係の人材確保の問題
・ 人口 10 万人当たりの医療施設に従事する保健医療従事者数( 平成 26 年) について、医 師(275. 3 人)は全国平均(医師 233. 6 人)を上回っているものの、歯科医師(74. 5 人)と薬剤師(163. 9 人)は全国平均(歯科医師 79. 4 人、薬剤師 170. 0 人)を下回っ ている状況です。
・ 就業看護職員数は増加していますが、病院病床 100 床当たりの看護職員数(平成 28 年)は、58. 1 人で全国平均 63. 2 人を下回っている状況です。
・ 医療施設に従事する医師の約6割、看護師の約5割が熊本市に集中するなど、多くの
①
健康寿命は、厚生労働科学研究「健康日本 21(第二次)の推進に関する研究(平成 25∼27 年度)」で公表されている「日
保健医療関係の人材が熊本市に集中しており、熊本市以外の他の地域では人材の確保が
難しいといった地域偏在の問題を抱えています。特に、医師については平成 30 年度か
ら新たな専門医制度が始まることから、医師の都市部への偏在を助長することなく、地
域医療に従事する医師も含めて専門医の質を高める体制の構築が求められています。
・ 保健医療従事者の確保に当たっては、女性医師の就労支援、医師の勤務環境の改善、
潜在看護職員の再就業支援、その他各専門職の資質の向上などが求められています。
○ 保健医療に関する情報化の進展等
・ 保健・医療・介護分野へのICT(情報通信技術)の積極的な活用が進んでいます。
本県では、県内の医療機関、薬局、訪問看護ステーション、介護サービス施設・事業所
など関係機関をつなぐ「くまもとメディカルネットワーク 」の運用を平成 27 年 12 月
から開始しました。今後、このネットワークへの加入機関や参加者を増加させ、関係機
関で患者や利用者の情報を共有するなど、その活用を推進し、患者を中心としたより質
の高い医療と介護サービスを提供していくことが期待されています。
・ 全国的に医療レセプト情報や特定健診等の情報をデータベース化したナショナルデ
ータベース(NDB)や介護情報も取り扱う国保データベース(KDB)、介護保険の
総合データベースである地域包括ケア「見える化」システムなどの運用が開始され、保
健・医療・介護の分野でのビッグデータの活用が進んでいます。今後、「全国がん登録」
のデータベースの活用や、健康・医療・介護に関する個人での分析が可能となる保健医
療データプラットフォームの構築なども進んでいく見込みです。
・ このほか、国において、ネットワークやテレビ電話等を活用した遠隔相談や遠隔画像
診断などの遠隔医療の普及促進、がんのゲノム情報や臨床情報等を集約・活用するがん
ゲノム医療の実現、保健医療分野における人工知能(AI)やロボット技術の活用など、
最先端の技術の活用に向けた取組みが進められています。
○ 県民意識の実態
・ 平成 29 年3月に実施した「保健医療に関する県民意識調査」によると、お住まいの
地域で十分に診療を受けることができるかとの質問に、「十分できる」・「ある程度でき
る」と答えた人が約8割となりました。
・ 自分の長期の療養生活を送る場所については、希望する割合が大きい順に「自宅」
(25. 0%)、「介護保険関係施設」(23. 1%)、「高齢者向け住まい」(19. 5%)となり、
3人に2人が在宅等 ②
での療養を希望していることがわかりました。
また、自分の家族の長期の療養場所についても質問したところ、「介護保険関係施設」
(30. 1%)、「高齢者向けの住まい」(17. 4%)、「自宅」(15. 5%)の順となり、自分と
その家族の場合では、希望が異なることがわかりました。
・ 人生の最期まで療養生活を送る場所については、自分、自分の家族のいずれも「自宅」
を希望する人が4割を超えて、最も多くなっています。
一方、こうした希望に対して、自宅で最期を迎えることができるかとの質問について
は、「できる」と答えた人が、自分の場合は 6. 2%、家族の場合は 7. 2%と非常に少なく、
②
本計画における在宅等とは、「居宅、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、その他療養生活を営む
「わからない」と答えた人が、それぞれ 59. 0%と 49. 2%となっています。
・ このほか、救急医療の体制については、32. 3%の人が「十分でない」と回答しており、
小児医療・小児救急医療に関する質問では、36. 9%の人が「小児医療機関の選択肢が少
ない」ことに不安を感じ、29. 4%の人が「夜間や休日に子どもが病気になったとき、ど
こに受診したらよいかわからない」と回答しています。
2.保健医療施策の動向
○ 地域における医療及び介護の総合的な確保の推進
・ 「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律」(いわゆる
「社会保障改革プログラム法」)に基づく措置として、平成 26 年6月 25 日に「地域に
おける医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」
(いわゆる「医療介護総合確保推進法」)が公布されました。この法律によって、効率
的かつ質の高い医療提供体制の構築と地域包括ケアシステムの構築に向けて、次の(1)
から(3)までの関係法令の改正などが行われました。
( 1) 新たな基金の創設
・ 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年に向けて、「効率的かつ質の高い医療提供体制
の構築」と「地域包括ケアシステムの構築」を推進するため、消費税増収分を活用し、
平成 26 年度に新たに「地域医療介護総合確保基金」(医療分)が創設され、本県も同基
金を設置しました。翌 27 年度には、介護分も創設され、医療と介護の連携強化や人材
育成など提供体制の充実等に活用しています。
( 2) 医療法の改正
・ 平成 26 年 10 月に施行された医療法の一部改正により、都道府県は 2025 年に向けて、
病床機能の分化・連携を進めるため、医療機能ごとに 2025 年における地域の医療需要
と必要な病床数を推計して定める「地域医療構想」を策定することとされました。併せ
て、医療機関の有する病床が担う病床機能の現状と今後の方向について都道府県に報告
する「病床機能報告制度」も創設されました。これらを受けて、平成 26 年度から開始
された病床機能報告の結果等も踏まえて平成 29 年3月に本計画の一部として「熊本県
地域医療構想」を策定しました(熊本県地域医療構想の概要は、この編第4章参照)。
( 3) 介護保険法の改正
・ 在宅医療・介護連携の推進などの地域支援事業の充実と併せて、介護保険の予防給
付(訪問介護・通所介護)が市町村の地域支援事業に移行(平成 27 年度から平成 29
年度末まで)されることとなり、市町村は切れ目のない在宅医療と在宅介護の提供体
制の構築など8つの事業項目に取り組むこととなりました。
○ 国民健康保険法等の改正
・ 平成 27 年5月の国民健康保険法の一部改正により、これまで市町村が保険者として
運営してきた国民健康保険(以下「国保」という。)について、平成 30 年度から都道
府県が財政運営の責任主体となり、安定的な財政運営や効率的な事業の確保など、国
○ 地域包括ケアシステムの強化
・ 平成 29 年5月に地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正す
る法律が成立し、地域包括ケアシステムの深化・推進が図られることとなりました。こ
のうち、医療・介護の連携等を推進するため、今後増加が見込まれる慢性期の医療・介
護ニーズに対応し、日常的な医学管理が必要な重介護者の受入れや看取り等の機能を備
える新たな介護保険施設として、介護医療院が平成 30 年4月から創設されることとな
ります。
3.第6次熊本県保健医療計画の評価
・ 第6次計画(計画期間:平成 25 年度から平成 29 年度まで)では、各項目に掲げた施
策の方向性について、おおむね予定どおりに推進できました。その主な実績として、患
者情報等を共有し医療と介護の連携を図る「くまもとメディカルネットワーク」の運用
開始(平成 27 年 12 月)をはじめ、新たに認知症疾患医療センターを2圏域に整備し、
県内全域で3層構造の認知症医療連携体制を整備したことや、在宅医療の提供に関して
県内全域で訪問看護サービスを提供できる体制を整備したことなどがあります。
・ このほか第7次計画に向けた動きとして、小児訪問看護ステーション相談支援センタ
ーや小児在宅医療支援センターが開設されたことから、今後は、同センターが中心とな
り、小児在宅医療体制の強化に取り組む必要があります。同様に、地域医療支援センタ
ーを設置したことから、今後は、同センターによる地域の医療機関への医師の派遣・配
置調整や地域に勤務する医師のキャリア形成支援の充実などに取り組む必要があります。
4.県政の基本
⽅
針「熊本復旧・復興4カ年戦略」の策定
・ 平成 28 年熊本地震からの創造的復興と平成 27 年 10 月に策定した「熊本県まち・ひと・
しごと創生総合戦略」の取組みを盛り込んだ「熊本復旧・復興4カ年戦略」(計画期間:
平成 28 年度から平成 31 年度まで)を平成 28 年 12 月に策定しました。
・ この4カ年戦略において、保健医療分野に関しては、「安心で希望に満ちた暮らしの創
造」として、医療提供体制の回復・充実や在宅医療と介護の連携推進、熊本型認知症医
療・介護体制の強化や健康危機の未然防止などに取り組むこととしています。また、「次
代を担う力強い地域産業の創造」として、医療・福祉分野の人材確保の推進に取り組む
こととしています。
・ この4カ年戦略における保健医療分野の取組みについては、第7次熊本県保健医療計
第3章
計画の目標と施策の柱
1.基本目標と施策の柱
○ 2025(平成 37)年に向けた地域包括ケアシステムの構築や地域医療構想の推進、さら には健康寿命の延伸など、保健医療施策の大きな方向性に沿って、「熊本県復旧・復興4 カ年戦略」に掲げる「安全安心な暮らし」の実現に向け、第7次熊本県保健医療計画の 基本目標を下記のとおり定めます。
○ 基本目標の意味は、①健康で自分らしく輝きながら社会参加できる生涯現役を実現す る、②地域の医療や介護等の資源を活用しながら、住み慣れた地域で安心して暮らし続 けられるようにする、というものです。
○ この基本目標の達成に向けて、第7次熊本県保健医療計画の様々な分野の取組みを、 大きく4つの施策の柱として取りまとめ、推進することとしています。
○ 各施策の柱には、平成 28 年熊本地震からの保健医療提供体制等の創造的な復興に関す る内容も盛り込んでおり、併せて推進することとしています。
【基本目標】
安全安心な暮らしに向けた、
2.計画の構成等
○ この編の第1章(計画策定の考え方)、第2章(計画改定の背景)及び第3章の1(基 本目標と施策の柱)の記載を踏まえ、第7次熊本県保健医療計画の構成等について、次 のとおり整理します。
3.分野別の目指す姿
第4章
地域医療構想の推進
1.構想の趣旨
○ 本県では、病院間の役割分担や病院と診療所の連携など、他県をリードする切れ目の ない医療サービスが提供されてきました。この誇るべき「宝」である本県の医療提供体 制を医療関係者、行政、県民が将来へ引き継いでいくことが求められています。
○ 平成 28 年熊本地震により、県内の半数を超える医療施設が被害を受けました。被災し た医療施設の復旧・復興や、2025(平成 37)年に団塊の世代が 75 歳以上となる高齢社会 を迎え、急激な医療・介護ニーズの変化・増大に対応するため、将来の目指すべき医療 提供体制の姿とその実現に向けた施策の方向性を示した熊本県地域医療構想(以下「地 域医療構想」という。)を平成 29 年3月に策定しました。
2.目指す姿
○ 高齢化が進展し、医療需要が増加する一方で、人材や施設などの医療資源が限られた 中であっても、県民が安心して暮らしていくため、安定的かつ継続的にサービスを受け られるよう、患者の状態に応じた質の高い医療を地域の関係者が連携することによって 効率的に提供することを目指します。
3.構想の実現と本計画の関係
○ 将来の目指すべき医療提供体制の実現に向けて、高度急性期、急性期から、回復期、 慢性期、在宅医療、介護に至るまで切れ目なく、また過不足なく医療が提供される体制 を確保していく必要があります。そのため、地域医療構想では、2025 年における病床機 能ごとの医療需要や病床数の推計値を示すとともに、次の施策を進めていくこととして います。
○ 本計画では、地域医療構想で定めた施策に沿って、計画期間中(6年間)に進める医 療提供体制の整備に係る目標や施策の方向性等を具体的に記載しています。
主に、「①病床の機能の分化及び連携の推進」は、本計画の第2編第3章第1節の「医 ① 病床の機能の分化及び連携の推進
地域における病床の機能の分化及び連携を推進し、病床の機能区分に応じて必要 な医療資源を適切に投入し、患者の早期の居宅等への復帰を進めること。
② 在宅医療等の充実
退院後の生活を支える在宅医療及び介護サービスの充実を図ること。
③ 医療従事者・介護従事者の養成・確保
療機能の適切な分化と連携」や「医療情報の提供・ネットワーク化」に反映しています。 なお、同章第2節の「疾病に応じた保健医療施策の推進」における「がん」、「脳卒中」、 「心筋梗塞等の心血管疾患」や、同章第3節の「特定の課題に応じた保健医療施策の推進」 における「救急医療」、「災害医療」、「周産期医療」、「小児医療」に係る医療提供体制の整 備について、基本的な考え方を反映しています。
また、「②在宅医療等の充実」は同章第3節の「在宅医療」をはじめ各項目における在 宅医療との連携に、「③医療従事者・介護従事者の養成・確保」は第2編第4章の「地域 の保健医療を支える人材の確保・育成」に反映しています。
4.構想区域
○ 構想区域とは、人口構造の変化の見通し等を考慮し、一体の区域として地域における 病床の機能の分化及び連携を推進することが相当であると認められる区域のことです。 ○ 本県では、2025 年の推計人口や患者受療動向の見込み等を踏まえた上で、地域医療構 想の策定に係る検討会議で協議した結果、下図のとおり 10 の構想区域を設定しました。 ○ 国の「医療計画作成指針」では、この「構想区域に二次保健医療圏を合わせることが
適当」と示されています。
5.2 0 2 5 年の病床数・在宅医療等の必要量の推計値
○ 構想区域単位で、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の機能区分ごとに厚生労働省 令に基づく算定式で一定の条件のもとに 2025 年の病床数の必要量を推計した結果、県計 で 21, 024 床となりました。なお、この病床数の必要量は、地域における将来の医療提供 体制等を検討するための材料であり、病床の削減目標を示したものではありません。
・宇城、有明、鹿本、菊池、阿蘇、八代、芦
北、球磨、天草の9地域は、第6次熊本県
保健医療計画の二次保健医療圏と同じ。
○ 本県では、地域の実情に即した将来必要となる病床数等を検討するため、平成 27 年度
に県内の一般病床及び療養病床を有する全医療機関(505 施設)を対象とした「地域医療
の実情把握のための聞き取り調査」(以下「聞き取り調査」という。)を実施しました。
この調査結果等を活用し、県独自の方法による3通りの病床数の推計を行った結果、次
のとおりとなりました。
○ 厚生労働省令に基づく算定式で一定の条件のもとに居宅等における医療(在宅医療等)
の必要量を推計した結果、県計で 24, 968 人/ 日となりました。
【表1】各構想区域における 2025 年の病床数・在宅医療等の必要量の推計値
推計Ⅰ 推計Ⅱ 推計Ⅲ
高度急性期 2,526 1,875 1,609 2,695
急性期 10,210 6,007 6,789 10,470
回復期 5,143 7,050 8,990 5,953
慢性期 11,340 6,092 7,024 10,719
計 29,219 21,024 24,412 28,358 29,837
在宅医療等の必要量(人/ 日) 24,968
高度急性期 2,426 1,376 1,177 2,478
急性期 4,508 3,565 3,978 4,901
回復期 2,919 4,232 5,316 3,249
慢性期 4,343 2,646 2,892 3,944
計 14,196 11,819 13,363 14,324 14,572
在宅医療等の必要量(人/ 日) 11,447
高度急性期 0 25 21 0
急性期 465 214 228 456
回復期 251 356 343 263
慢性期 718 402 450 749
計 1,434 997 1,042 1,311 1,468
在宅医療等の必要量(人/ 日) 1,613
高度急性期 18 83 71 33
急性期 747 359 427 686
回復期 448 399 472 479
慢性期 798 455 481 817
計 2,011 1,296 1,451 1,844 2,015
在宅医療等の必要量(人/ 日) 2,246
高度急性期 6 33 29 6
急性期 389 147 161 379
回復期 155 207 355 154
慢性期 258 99 165 251
計 808 486 710 846 790
在宅医療等の必要量(人/ 日) 677
鹿本
846
宇城
1,311
有明
1,844
熊本県
28,358
熊本・上益城
14,324
構想区域 機 能
2025年の病床数・在宅医療等の必要量の推計値
厚生労働省令の 算定式に基づく 病床数の必要量
(床)
県独自病床数推計(床) 2016年度
病床機能報告 集計結果
(床)
・推計Ⅰ:病床数の必要量の算定式をベースに、各市町村の人口ビジョンにおける
将来推計人口を反映した医療需要を聞き取り調査で把握した地域ごとの
病床稼働率で除して算定した病床数 ⇒ 県計 24, 412 床
・推計Ⅱ:過去の病床数の減少が 2025 年まで続くとした場合の病床数
⇒ 県計 28, 358 床
推計Ⅰ 推計Ⅱ 推計Ⅲ
高度急性期 0 64 56 0
急性期 889 453 542 947
回復期 422 578 734 441
慢性期 1,448 589 905 1,618
計 2,759 1,684 2,237 2,189 3,006
在宅医療等の必要量(人/ 日) 1,678
高度急性期 0 20 18 0
急性期 338 119 167 241
回復期 95 110 187 185
慢性期 378 198 205 377
計 811 447 577 752 803
在宅医療等の必要量(人/ 日) 1,094
高度急性期 60 113 97 60
急性期 973 440 485 1,066
回復期 271 419 479 379
慢性期 667 382 471 476
計 1,971 1,354 1,532 2,046 1,981
在宅医療等の必要量(人/ 日) 1,916
高度急性期 0 35 31 58
急性期 454 160 183 351
回復期 191 199 284 215
慢性期 698 352 363 702
計 1,343 746 861 1,276 1,326
在宅医療等の必要量(人/ 日) 978
高度急性期 8 67 58 52
急性期 600 240 283 631
回復期 178 234 264 203
慢性期 595 292 342 437
計 1,381 833 947 1,320 1,323
在宅医療等の必要量(人/ 日) 1,052
高度急性期 8 59 51 8
急性期 847 310 335 812
回復期 213 316 556 385
慢性期 1,437 677 750 1,348
計 2,505 1,362 1,692 2,450 2,553
在宅医療等の必要量(人/ 日) 2,267
2,450 2,046
芦北
1,276
球磨
1,320
八代
天草 菊池
2,189
阿蘇
752
2025年の病床数・在宅医療等の必要量の推計値
厚生労働省令の 算定式に基づく 病床数の必要量
(床)
県独自病床数推計(床) 構想区域 機 能
2016年度 病床機能報告
集計結果 (床)
○ 構想区域内における地域包括ケアシステムの構築や、へき地の医療、小児医療、周産
期医療、救急医療提供体制の整備に当たっては、「特例診療所制度」の周知、活用促進な
どにより、必要な病床の確保を図ります。
6.地域医療構想の推進体制
○ 地域医療構想の推進には、各医療機関の自主的な取組みに資するよう、策定主体の県
はもとより、市町村、医療機関・医療関係団体、介護事業者・介護関係団体、医療保険
者及び県民が今後の方向性を共有し、それぞれの役割を果たしていくことが重要です。
○ 平成 29 年度に、構想推進の中核となる地域医療構想調整会議を構想区域単位及び全県
単位で設置し、各医療機関の役割の明確化や地域医療介護総合確保基金の活用などに関