C 結果の解説
各項目の分析は次の要領に従って記述した。
・回答項目の簡略化… グラフ、表、文中では、長すぎる回答項目を大意がと れる程度に簡略化した。原文は添付の「F調査票様式」によられたい。 ・パーセントの基数… 分析は項目別の回答率(%)によった。この基数(分
母)は断りがないかぎり回答者総数848人としている。
・時系列分析… 以前の調査結果との比較。数表は添付の「D付表−時系列比 較−」に掲げた。
・対象者特性別分析… 例えば性年代による比較など。この分析のため対象者 特性別の表を文中に掲げた。この表はデータでなく特性カテゴリー間で回 答率を比較してその率の高い特性カテゴリーを列記した。データについて は「E統計表」を見られたい。
なお対象者特性の表では用語の一部を次のように簡略化している。 <特性カテゴリーについての略語>
○ 性年代… 若年(20∼30代)、中年(40∼50代)、高年(60代以上)
○ 家族… 子供(18歳以下の家族と同居)、高齢者(65歳以上の家族と同居)
○ 職業… 専門(専門職・自由業)、店員(店員・セールスマン)、パート
(パート・臨時・嘱託)、主婦(専業主婦)
○ 居住年… 昔から(∼昭34)、以前(昭35∼59)、近年(昭60∼平成6年)
最近(平7∼)
○ 住居 … 持家(持家一戸建)、分譲(分譲マンション)、公社宅(公営住宅、
Ⅰ
地
域
意
識
ここでの調査項目は、
・地域社会への関心として、武蔵野市全体と町内のできごとや動き ・近隣との交際の度合い
・定住意向、すなわち今後どの程度武蔵野市に住みたいか ・武蔵野市に対する好ましさと好きな理由、好きでない理由 ・生活環境の評価
・武蔵野市への誇り・愛着 ・武蔵野市の将来像
である。これらの項目を通じて市民のコミュニティ意識の状況をとらえると同時に、ほとんど は以前から調査項目として取り上げられているので、これまでの変化傾向を読み取ることにし た。
1
地域社会への関心
市民が自分たちの住んでいる地域社会のできごとや動きにどの程度関心を持つかを、武蔵野 市レベルと町内レベルとに分けて聞いてみた。
[問]あなたは、武蔵野市全体のできごとや動きにどの程度関心をお持ちですか。 このなかからお答え下さい。
1 非常に関心がある 2 ある程度関心がある
3 あまり関心がない 4 まったく関心がない
それでは、あなたの町内のできごとや動きについてはいかがですか。
1 非常に関心がある 2 ある程度関心がある
3 あまり関心がない 4 まったく関心がない
図1−1 地域社会への関心度
単位:%
20
18
66
57
12
22 2
3 非常に
関心がある
ある程度 関心がある
あまり 関心がない
全く 関心がない
ア ) 武蔵野市全体の
できごとや動き
イ) 町内のできごとや
(1)全体として
○ 市レベル… 「非常に関心がある」「ある程度関心がある」と合わせて市民の9割がそう答え た。ほとんどの人たちが、武蔵野市における日々のできごとや動きに、関心を示している。 ○ 町内レベル… 対象者の7割台が「非常に関心がある」「ある程度関心がある」と答えている。 この2つのレベルをくらべると「非常に関心がある」という人の割合はどちらも同じである が、「ある程度関心がある」という人は市レベルのほうが1割余り多い。市レベルのほうが関 心度が高いといっても「ある程度関心がある」という層の大きさの違いであることがわかる。
(2)傾向として
この地域への関心を、これまでのデータとくらべると次のようである。
○ 市レベル… 前回と今回とでは「ある程度関心がある」という人には変化がないが、その上下 の「非常に関心がある」「あまり関心がない」については、最近2回の調査で前者が増加し 後者は減少している。このデータの動きから近年関心度の深さが増していることが感じ取れ る。
○ 町内レベル… グラフの折れ線の高さは違うものの、市レベルと似た変化が見られ、関心度は 高まっている。以前から狭い町内レベルでの、コミュニティ意識の希薄化が心配されたが、 この何年かはむしろその反対の傾向にあることが示されている。
図1−2
地域社会への関心度
−時系列−0 10 20 30 40 50 60 70
84 87 91 95 99 03
%
0 10 20 30 40 50 60
84 87 91 95 99 03
%
非常に 関心がある ある程度 関心がある
関心がない
<武蔵野市全体のできごとや動き> <町内のできごとや動き>
注:付表1参照 (3)対象者特性別には
対象者の性年代などの特性別に比較してみると次のようである。 <市レベル>
○ 性年代別には、若年層では関心度がやや低くとくに男性が低い。しかし中年層高年層になる と男性女性ともに関心度が高まる。
図1−3
地域社会への関心度
−性年代別−57 26
13
71 7
21
61 5
32
70
15 12
73 7
19
59 9
30
男 性
女 性
20∼30代 40∼50代 60代∼
非常に 関心がある
ある程度 関心がある
関心がない
<武蔵野市全体のできごとや動き>
47 31
13
58 17
23
46 27
23
59 27
10
65 15
19
61 16
22
男 性
女 性
非常に 関心がある
ある程度 関心がある 関心がない
○ 住居形態では、持家一戸建て、分譲マンションに住んでいる人たちの関心度が高く、賃貸、 アパートに住んでいる人たちはそう高くない。
○ 居住地域では中部に住んでいる人たちの関心度が他地区よりも高いといえる。 <町内レベル>
○ 性年代別、職業別、居住年別、住居別には、市レベルの場合とほとんど差がない。 ○ 居住地域別ではあまり差がない。
以上の特性別傾向は、これまで長く住んでいるか短いかあるいは一時的かといった違い、ま た市内から離れることの多い職業少ない職業の違いなどによって説明できよう。後者の違いは 主婦と学生に如実に代表される。
表1−1 地域社会への関心度
−対象者特性−注:「ある程度関心がある」を除く <市レベル>
性年代 家族 職業 居住年 住居 地区
関心が高い
中年高年、 女高年
子供あり
自営、事務 主婦、無職
昔から 持家、分譲 中部
関心が低い 男若年 ** 学生 最近
賃貸、アパー
ト
**
<町内レベル>
性年代 家族 職業 居住年 住居 地区
関心が高い
男中年、 女中高年
高齢者
自営、主婦、 無職
昔から 持家 **
関心が低い 男若年 ** 事務 最近
賃貸、アパー
ト
**
2
近隣との交際
ここでは近所隣の人たちとの交際という点から、地域との関わりの状況をみよう。交際の深 さ浅さの度合いは、これまでの調査にならって、深さ浅さの具体例「あえばいさつ」「立ち話」 などを示して5段階に分けることにした。
質問・回答項目は次のようである。
[問] あなたは、日頃近所の方とどの程度のおつきあいをされていますか。
1 会えばあいさつする程度
2 会えば立ち話する程度
3 互いにおすそ分けしたり、物の貸し借りをする
4 互いの家にあがりこんで、話や飲食をする
その結果をグラフで示すと次のようである。ただし上記の回答順を変えて、交際の度合いの 深いほうを左端に、浅いほうを右端にした。
図1−4 近隣との交際の度合い
単位:%
4 9 24 52 12
家で話や 飲食
おすそわけ 物の貸し借り
会えば 立ち話
会えば あいさつ
つきあいなし、 不明
(1)全体として
グラフの左端から見ていくと「互いの家で話や飲食をする」「おすそ分け、物の貸し借りを する」といった親密なつきあいの人はおよそ10人に1人といったところである。
やや深いつきあいになると「立ち話をする」が4人に1人の割合、その次の「会えばあいさ つする程度」のつきあいがいちばん多く、これはほぼ半数である。
これらに対して「ほとんどつきあいはない」という人たち、つまりもっとも浅い交際度合い の回答者は全体の1割余りを占めている。10人に1人は、あえていえば顔を合わせても言葉一 つ交わすわけでもなく、会釈一つするわけでもなくすれちがう、といった都会的クールさなの である。
(2)傾向として
図1−5にみると、前回までは「つきあいはない」「会えばあいさつ」という人がずっと増え てきたが、今回は前回とほとんど差がない。またそれより深い交際の「立ち話する」「おすそ わけや物の貸し借り」という人たちは、これまで減少気味だったのが今回は横ばいとなった。 年々交際の度合いは浅くなりつつあったのにようやくストップがかかった感じである。
図1−5 近隣との交際度合い
−時系列−0 10 20 30 40 50 60
1984 87 91 95 99 03 %
会えばあいさつ
会えば立ち話をする
つきあいはない
おすそわけ、物の貸し借り
互いの家で話や飲食
(3)対象者特性別には
以上の状況を対象者特性ごとに見てみよう。
○ 性年代別にみると、まず男性女性ではっきり差がある。
男性では若年層に「つきあいがない」「あいさつ程度」といった人が多く、中年層以上でもあ いさつ程度が多い。女性では「あいさつ程度」が多いものの「立ち話する程度」以上になる と中年層以上でくっきりと差がつくほど多くなる。男性でも立ち話というのは高年層に多く 見られる。
○ 家族に子供がいると「会えばあいさつ」という人が多くなり、その先、子どもが縁でしだい につきあいが深まっていくことになるものと想像される。
○ 職業別では、「つきあいがない」「あいさつ程度」が店員、現業、学生に多く、「立ち話」以 上が自営業や主婦、無職に多く見られる。
○ 居住年では、古い人たちほど親しいつきあいをしているように思われるが、「立ち話」「お すそわけ」などデータで見るとさほどでない。深いつきあいになると、居住年とほとんど関 係ないようで、やはり相手しだいといったことであろうか
表1−2 近隣との交際の度合い
−対象者特性−性年代 家族 職業 居住年 住居 地区
飲食、おすそわけ、 物の貸し借り
女中高年、 男高年
**
自営、主婦、 無職
昔から 持家 北部
立ち話する程度
女中高年、 男高年
高齢者 主婦、無職 昔から 持家
東部、 西部 あいさつ程度まで
男若中年 女若年
子供
管理、店員 学生
近年、 最近
賃貸、 アパート
中部
つきあいはない 男若年 ** 店員、学生 最近 アパート **
○ 住居形態では、持ち家一戸建てや分譲マンション、公社宅の人たちに「立ち話」レベルのつ きあいをする人が多い。借家やアパートは、仮の宿という気持ちも手伝ってか、「あいさつ 程度」か「つきあいなし」ですます人たちが多い。
図1−6 近隣との交際の度合い
−性年代別−単位:%
62 24
8 6
19 7
68 6
28 11
44
17
17
14
59 9
33 5
45
18
44 4
29
23
男 性
女 性
20∼30代 40∼50代 60代∼
おすそわけ、 物の貸し借り、 互いの家で 話や飲食
会えば立ち話 会えば
あいさつ
つきあいは ない
3
定住意向
今後も武蔵野市に住みたいかどうかを聞いてみることにした。同じ市内でももっと買い物に 便利なところすか緑の多いところに移りたいという希望もあるであろう。ここでは市内での移 動は別として市レベルに話を限ることにした。
[問]あなたは武蔵野市にどの程度住んでいたいとお思いですか。この中から 一つだけお答えください。
1 私の家は昔からこのへんにあるから、この土地を離れるつもりはない 2 ここが好きだから、できるだけ長くここで生活したい
3 もっと住みよいところがあれば移ってもよい。しかし結局はここにいると思う 4 そんなに長くここで生活するつもりはない。いずれはよそに移ると思う 5 学校や仕事の関係でここにいるだけだ。ここがいいわるいは別である
図1−7 定住意向の強さ
単位:%
26 42 19 7 6
地元型: ここを 離れない
愛着型: ここが好き、 長くいたい
消極型: ここにいる だろう
移動型: いずれ 移るだろう
無関心型: 関心なし、 不明
(1)全体として
左端から順に定住意向のタイプに似合った名前をつけた。
・地元型… … 「この土地を離れるつもりはない」という人たち。武蔵野市にずっと住んでいる 人たちであろう。全体の3割近くとなっている。
・愛着型… … 「ここが好き、長くここで生活したい」という人たちで、武蔵野市がとても気に 入っている。全体の4割を占めておりもっとも多い。
・消極型… … 「強いてここにいたいわけではないが」とことわっているが、他に移る気もない 人たちで、全体の2割近い。
・移動型… … 「いずれよそに移るだろう」という人たちで1割弱。
・無関心型… 「たまたまここで生活しているだけ」であって、ここがいいとか悪いとかには関 心がないという人たち、不明回答を入れて1割に近い。
最初の2つが強い定住意向を持っているものとみると約7割に近い。それに消極型も入れる とまず9割が今後も住みたいと思っていることになる。
(2)傾向として
これまでの傾向をグラフで見ると、一時的な起伏はあるものの、地元型と愛着型とどちらも 確実に増えている。数字で示すと最初の調査つまり20年前には合わせて6割に満たなかった のが今回はほぼ7割である。
図1−8 定住意向の強さ
−時系列−0 10 20 30 40 50
1984 87 91 95 99 03
%
愛着型
消極型 移動型 無関心型
地元型
その他のタイプでは、消極型がやはり増加し、移動型、無関心型はその間減少を続けている。 消極型といってもやがて愛着型に変わる可能性を秘めている。
綜合して武蔵野市に対する定住意識は年々強まっているものとみてよい。
(3)対象者特性別には
○ 性年代別にみると、地元型は男性女性ともに高年層が多くなっている。とくに女性高年層で は半数をこえる。愛着型はすべての年代を通じてほぼ4割から5割を保っている。消極型、 移動型、無関心型はいずれも若年層ほど多く高年層に少ない。要するに年代が下がるにつれ て定住意向も下がるのであるが、愛着型だけはまったく現実的な好き嫌いの問題で、年代や 居住年に左右されないようである。
○ 職業は、地元型が自営業と無職それに主婦に多いのは理解できよう。自営業は定住意向が商 売をするうえで必要だし、無職はずっとここに住んでいる高年層に多い。また中高年の主婦 はの多くは住んでいる土地に落ち着いて動きたくない。
愛着型は職業と関係なくここが好きだからという理由だけで十分なようである。消極型以下 はやはり職業との関係で定住までゆくかどうかが決まる。
○ 居住年をみると、地元型は昔からの人たちにもっとも多く、反対に移動型・無関心型はここ 数年の新しい移住者に多いというように、ほとんどストレートに定住意向の強さと結びつい ている。
○ 住居形態も定住意向と大いに関係がある。地元型は持家一戸建に多く、愛着型は分譲マンシ ョンに多い。消極型以下は転勤を予想しての賃貸マンションやアパートに多くなっているの はやむをえない。
○ 居住地域別には、東部地区に地元型が多く、北部・西部地区には消極型が多いなど。愛着型 は西部地区を除いて各地区に多く見受けられる。
表1−3 定住意向の強さ
−対象者特性別−性年代 家族 職業 居住年 住居 地区
地元型 男女高年 高齢者
自営、主婦、 無職
昔から 以前
持家 東部
愛着型 やや女若年 ** ** 近年 分譲 **
消極型 男若年 ** 技術、管理
近年、 最近
賃貸、アパー
ト
西部
移動型 男若年 ** 店員、パート 最近
賃貸、アパー
ト
**
無関心型 男若年 **
自由、店員、 学生
最近
公社宅、アパ
ート
中部
図1−9 定住意向の強さ
−性年代別−単位:%
11
16
25
38 10
45 8 5
20
21
39
40 15
3 2
8 11
49 22
10
40 5 4
19
32
37
53 7
3
20∼30代 40∼50代 60代∼
地元型
愛着型 消極型
移動型
無関心型
男 性
女 性
0
4
武蔵野市に対する好ましさ
ここでは武蔵野市に対する好ましさとその理由を質問し、結果の記述も次のように分けて行 った。
・武蔵野市に対する好ましさ ・武蔵野市が好きな理由 ・武蔵野市が好きでない理由
4−1 武蔵野市に対する好ましさ
[問] あなたは、武蔵野市をどの程度お好きですか。
1 好きだ 2 まあ好きだ 3 あまり好きでない 4 好きでない
図1−
10
武蔵野市に対する好ましさ
単位:%
57 40 2 1
好きだ まあ好きだ
好きでない わからない
(1)全体として
回答は「好き」と「まあ好き」とに2分された。否定的に答えた人は非常に少なかった。た だ、好きと好きでないとの間に中立回答の「好きでもきらいでもない」という回答カテゴリー がないために「まあ好き」が実態より多少ふくらんだかもしれない。ともあれこの質問に対す る回答によって、武蔵野市に非好意的な住人はあまりいないことが明らかとなった。
(2)傾向として
この質問は前々回からはじまったばかりなので時系列グラフは省略する。しかし前々回は 「好き」と「まあ好き」の大きさが半々であったから、好意度は大いに高まったと言える。
(3)対象者特性別には
ここでは「好き」と「まあ好き」の割合を比較することによって、武蔵野市への好意度の高 低をみることにする。
○ 性年代別では、女性高年層の好意度がもっとも高く、「好き」という人が「まあ好き」を圧 倒して7割対3割の差となっている。女性高年層にくらべて好意度が相対的に低いのは男性 中年層で、両カテゴリーはなんと4割対6割と逆転している。
○ 居住年でみると、昔からの人ほど好意度が高く、近年の移住者はそれほど高くない。 ○ 住居形態では、分譲の住人の好意度が高い。社宅、アパート住まいはあまり高くない。 ○ 地区別では、全地区のなかで西部地区が相対的に低い。
表1−4 武蔵野市の好ましさ−対象者特性別−
性年代 家族 職業 居住年 住居 地区
好き 女高年 ** 主婦 昔から 分譲 **
4−2 武蔵野市が好きな理由
次いで武蔵野市が好きと答えた人に次の質問をしてみた。
[問]武蔵野市が好きな理由をこの中からいくつでもお答えください。
1 公園などが整備され緑が比較的多い 9 健康・医療施設が整っている
2 道路などの都市施設が整っている 10 外国の芸術や文化に触れる機会が多い
3 文化・スポーツ施設が整っている 11 市政に参加する機会が多い
4 交通の便がよい 12 治安がよい
5 買い物が便利 13 防災・防火対策がすすんでいる
6 隣人などとの人間関係がよい 14 騒音などの公害が少ない
7 子育てや教育環境が整っている 15 産業や事業に便利
8 高齢者や障害者の施設が充実している
この回答結果を大きさの順に掲げれば次ページグラフのようである。
(1)全体として
とくに多い理由が「交通の便がよい」「買い物が便利」「公園などが整備され緑が比較的多い」 の3つで、それぞれ7割前後の回答割合となっている。この数字から計算して、平均してすべ ての人がこの中の2つをあげたことになる。
図1−
11
武蔵野市が好きな理由
武蔵野市が好きな人=100%(821人)
76%
69
68
35
30
26
22
20
19
19
17
7
6
6
4 4 交通の便がよい
5 買い物が便利
1 公園などが整備され緑が比較的多い
3 文化・スポーツ施設が整っている
12 治安がよい
8 高齢者や障害者の施設が充実している
14 騒音などの公害が少ない
9 健康・医療施設が整っている
2 道路などの都市施設が整っている
7 子育てや教育環境が整っている
6 隣人などとの人間関係がよい
13 防災・防火対策がすすんでいる
10 外国の芸術や文化に触れる機会が多い
15 産業や事業に便利
11 市政に参加する機会が多い
(2)対象者特性別には
○ 性年代別でみると「公園の整備」は女性若年層に、「買い物の便」は女性の各年代に多く見 られる。「交通の便」はいずれの層も多くあげている。
その他の項目では「文化・スポーツ施設」が男性高年をはじめ各層に多い。「高齢・障害者の 施設」が女性の高年層にとりわけ多いが、女性中年層にも多いのは介護の負担などを考えて のこととみてよい。「健康医療施設」も病気の心配な高年層に多い。「治安」「騒音」をあげ た人も比較的高年層に多い。
○ 職業別では主婦が積極的に「買い物の便」「文化・スポーツ施設」をあげており、また下表に はないが「子育ての環境」「隣人関係」をあげている。
○ 居住年による違いは「高齢・障害者の施設」「健康医療施設」「隣人関係」など古くからの住人 が多くあげている。その他では下表にないが「市政参加」「防災対策」などもそうである。 ○ 地区別による違いを見ると、東部は「交通の便」「買い物の便」が多く上げられ、「文化スポ
表1−5 武蔵野市が好きな理由
−対象者特性別−注:回答者の多い順、少ない項目は省略
性年代 家族 職業 居住年 住居 地区
交通の便 ** ** ** ** ** 東部
買い物が便利 女各年 ** 主婦 ** ** 東部
公園などが整備 女若年 子供 ** ** 公社宅 北部
文化スポーツ施設
男 高 年 、 女 各年
** 主婦、学生 ** 公社宅 中北部
治安がよい
男高年、 女中高年
高齢者 無職 ** ** 中北部
高齢者・障害者 施設
男高年、 女中高年
高齢者
パート、主婦、 無職
昔から 以前
持家 北部
騒音など少ない 女高年 ** ** **
持 家 、 公 社 宅
西部
健康医療施設 男女高年 高齢者
自営、主婦、
無職
昔から 持家 北部
4−3 武蔵野市が好きでない理由
この質問は武蔵野市が好きでないという回答者に行った。回答カテゴリーは前問の否定文と なっている。ただ、好きでないという回答者は全部合わせて19人にすぎないので、次表を掲 げるにとどめ、説明は省略する。回答数が少ないことに留意して読み取られたい。
表1−6 武蔵野市が好きでない理由
公園が少ない 3人 子育て環境が整っていない 2人
道路などが整っていない 3 高齢者などの施設が不十分 1
文化・スポーツ施設が整っていない 3 健康医療施設が整っていない 3
交通が不便 2 外国の芸術文化に触れられない 1
買い物が不便 3 市政参加の機会がない 3
隣人との関係が悪い 2 治安がよくない 3
騒音公害に悩まされる 3 商業に不向き 1
5
生活環境の評価
この項目は第3回調査から実施されている。
[問]お住まいの周りの環境についておうかがいします。この中のそれぞれの項目に ついて、あなたはどう思われますか。
ア)交通の安全性は エ)建物のこみ具合は キ)道路整備の状況は
イ)自動車の騒音・振動は オ)災害時の安全性は
ウ)公園や緑の多さは カ)ゴミの出し方は
回答は「よい」から「わるい」までの4段階尺度とした。その結果は概観すると図のようで ある。
図1−
12
生活環境の評価
単位:%
24
24
51
15
15
26
18
54
42
40
58
60
51
59
18
24
7
23
19
18
17 3
9
3
3
4
5 1
1
1 2 1
1 3
1 ア)交通の安全性は
イ)自動車の騒音・振動
ウ)公園の緑の多さ
エ)建物のこみ具合
オ)災害時の安全性
カ)ゴミの出し方
キ)道路整備の状況
よい まあよい
あまり
よくない わるい 無回答
(1)全体として
「公園や緑の多さ」の評価がもっとも高く「よい」と答えた人が5割に達した。反対に「わ るい」と極言する人はどの項目でもそう多くないが、とりたてていえば「自動車の騒音・振動」 の1割がやや目に付く。各項目ともこの両端にはさまれて「まあよい」「あまりよくない」の 2段階がある。
「あまりよくない」という回答は、上述の「公園の緑の多さ」の1割を除いても2∼3割であ まり多くはない。さらに「わるい」と言い切っている人はどの項目も1割に満たない。 以下では「よい」「まあよい」を合わせて肯定評価とみなし、「あまりよくない」「わるい」 を合わせて否定評価とみなすことにする。どちらを環境のよしあしの物差しとして用いてもよ いわけだが、否定評価のほうがそのまま改善努力につながりそうである。そこで「あまりよく ない」「わるい」を合わせた否定評価の割合で各項目をならべかえると次のようである。
△ 33%… 自動車の騒音・振動 △ 26%… 建物のこみ具合
△ 21−22%… ゴミの出し方、災害時の安全性、道路整備の状況、交通の安全性 △ 8%… … 公園や緑の多さ
最初のワースト2項目から、多くの市民が悩まされているのは「自動車の騒音・振動」であ り、気にしているのは「建物のこみ具合」ということになる。
それ以外の項目について見ていくと次のようである。
・「ゴミの出し方」これは環境問題というよりたぶんにマナーの問題であろう。
・「災害時の安全性」これは現実にさしせまった問題でないとする人も多いが、まったく不安 を消すこともできないようである。
・「道路整備の状況」これは幹線道路ではなく住居の近くの道路あるいは買い物や通勤の通り 道にたいする不満である。
・「交通の安全性」これも毎日の通り道のこと、子供がいる人にとっては通学の安全性がとり わけ気になるところであろう。
(2)傾向として
前回調査と比較して否定評価はいずれの項目でも減少している。とくにいちじるしいのは ・自動車の騒音・振動 38→33%(−5)
・建物のこみ具合 33→26%(−7) ・災害時の安全性 27→22%(−5) ・道路整備の状況 26→22%(−4)
である。軒並み減少しているが、自動車の騒音・振動などは今年は限界に達したのか、さほど 気にならなくなったのかであろう。ただ、災害時の安全性について忘れられつつある感じがす るが、当時(91年)この数字は34%に達していたことは忘れるべきでない(付表5)。
(3)対象者特性別には
生活環境に対する否定評価が、対象者の性年代などによってどのように異なるかを、項目ご とにみた(ただし「公園の緑」は否定評価が少ないので除いた)。
<交通の安全性>
○ 性年代では男性若中年と女性中年層では評価がよくない。
○ 家族に子どものいる家庭が多いのは、子どもの交通事故を強く心配しているためであろう。 <自動車の騒音・振動>
○ 地区別では、東部地区に否定評価がいくぶん多くみられる。 <建物のこみ具合>
女性各年層にやや否定評価が多い。 <災害時の安全性>
○ 女性中年に否定評価がやや多い。 ○ 地区別では東部に否定評価が多い。 <ゴミの出し方>
○ 性年代では男性若年層に否定評価がやや多い。 <道路整備の状況>
○ 性年代別では男女中年層にやや否定評価が多い。
表1−7 生活環境評価(否定)
−対象者特性別−注:「あまりよくない」「わるい」の割合
性年代 家族 職業 居住年 住居 地区
交通の安全性
男 若 中 年 、 女中年
子供 管理 近年 東部
自動車の騒音 ** ** ** ** 分譲 東部
建物のこみ具合 女性各年 ** ** ** ** **
災害時の安全性 女中年 ** ** ** ** 東部
ゴミの出し方 男若年 ** ** ** ** **
道路の整備状況 男女中年 ** ** ** ** **
6
武蔵野市への誇り・愛着
質問の順序として、地域社会への関心、好ましさ、生活環境とこまごま聞いてきたので、こ こではその結論として武蔵野市に対する誇りあるいは愛着はどうかをたずねてみた。これは、 自分がその地域の一員であるという意識、つまり「帰属意識」ともいうべきものである。
[問]あなたは、いま住んでいる武蔵野市に誇りとか愛着のようなものをお感じに なりますか。
1 感じる 2 感じない 3 どちらともいえない
図1−13 武蔵野市に対する誇り・愛着
単位:%
73 22 5
感じる
どちらともい えない
感じない
(1)全体として
武蔵野市に対して誇り・愛着を感じるという人は全体の7割をこえて多い。市民の3人に2 人以上は、自分の住んでいるこの都市に帰属意識を持つことが示される。その他の人々は「ど ちらともいえない」または「感じない」と答えている。「感じない」とはっきり否定した人は 5%すなわち20人に1人で、きわめて少ない。
(2)傾向として
下図に見るように、誇り、愛着を感じる人はこの10年くらい下降または停滞気味であった が、今回は再び上昇に転じた。そして「どちらともいえない」「感じない」という人はどちら も減少している。
図1−14 武蔵野市に対する誇り・愛着
−時系列−0 20 40 60 80
1984 87 91 95 99 03
%
感じる
どちらともいえない
感じない
注:付表6参照 (3)対象者特性別には
誇り・愛着を感じるかどうかは、次のように対象者特性によって、かなり違いがみとめられ る。
○ 性年代でみると、男性高年にそれを感じる人がもっとも多く、女性では中高年にとくに多く 見られる。どちらともいえないまたは感じないのは男性若年にやや多い。
○ 住居地区別では、感じる人が東部、中部に比較的多く、西部地区はやや少ない。
表1−8 武蔵野市に対する誇り・愛着
−対象者特性別−性年代 家族 職業 居住年 住居 地区
誇り・愛着を感じる
男高年 女中高年
高齢者 自営、主婦
無職
昔から 以前
持家 分譲
東中部 ど ち ら と も い え な
い、感じない
男若年 ** 技術、学生 最近
公社宅 賃貸
西部
図1−15 武蔵野市に対する誇り・愛着
−性年代別−単位:%
9
29
61
26 8
67
15
81 4
27 5
68
22 3
76
8
86 5
20∼30代 40∼50代 60代∼
感じない
感じる どちらとも
いえない
男 性
女 性
7
武蔵野市の将来像
これまでにみた武蔵野市に対する評価と帰属意識を持った市民が、市の将来にどのような姿 を期待しているであろうか。
[問]武蔵野市は全体として、これからどのような都市になることが望ましい と思いますか。この中からふさわしいものを1つだけお答えください。 1 知的な雰囲気のあふれる文化都市
2 静かで緑に恵まれた住宅都市
3 高齢者や障害者が住みやすい福祉都市 4 学生や市民の学習環境がととのった教育都市 5 買物や地域交流などに便利な生活核都市 6 商工業がさかんな産業都市
7 国や都の機関が集まった行政都市
8 その他(具体的: )
結果をグラフに表せば次のようである。
図1−16 武蔵野市の将来像
単位:%
38 21 20 13 4 2 0 3
静かで緑に 囲まれた 住宅都市
知的な 雰囲気の 文化都市
高齢者などが 住みやすい 福祉都市
買い物や 地域交流に 便利な 生活核都市
学生や 市民の 教育都市
産業都市
行政都市
その他・不明
(1)全体として
「静かで緑に恵まれた住宅都市」という答がもっとも多く、4割近くを占めた。次いで「知的 な雰囲気の文化都市」「高齢者や障害者の住みやすい福祉都市」がいずれも対象者の2割ずっと なっている。
その他では「買物や地域交流の生活核都市」がやや多くあげられている。「学校や市民の教 育都市」もある程度あげられたが、産業都市や行政都市というイメージは、ほとんどの人がも っていない。
(2)傾向として
これまでの調査結果とくらべると、「福祉都市」への期待が回を追って高まって来ていたの が、今回は突然減少に転じた。その分が「住宅都市」「文化都市」への期待の増加として表れ た形となった。
図1−17 武蔵野市の将来像
−時系列−0 10 20 30 40 50
1987 91 95 99 03
%
住宅都市
福祉都市
教育都市 産業都市
文化都市 生活核都市
行政都市
注:付表7参照
そして人口の高齢化とともにますます福祉都市への期待が強まるのは当然なのに、今回それ が突然減少に転じたのはいかなるマイナス要因によるものであろうか。
以上のについての究明をあとで行うことにする。
(3)対象者特性別には
回答の多い都市タイプの順にみてゆくと次のようである。 <住宅都市>
○ 性年代では、男性若年層をはじめとして住宅都市をあげる人が多い。ただし女性高年層だけ は少ない(この層は福祉都市をあげる人が多い、後述)。
○ 職業では技術、事務、店員が多い。
○ 居住年は近年が多く、現在の住居は公社宅、賃貸、アパートが多い。 <福祉都市>
○ 性年代ではとくに女性高年層が多くあげている。男性高年層はさほど多くなく、女性中年層 と同じくらいの割合である。
○ 職業は主婦、無職が多い。 ○ 居住年は以前からが多い。 <文化都市>
○ 性年代は男性中高年が多い。
○ 職業では自営、管理職クラスに比較的多い。 ○ 住居は分譲、持家でゆとりがある。
<生活核都市>
○ 男女ともに若年層が多い。
表1−9 武蔵野市の将来像
−対象者特性−性年代 家族 職業 居住年 住居 地区
住宅都市 ** 子供
管理、事務、 店員
近年 賃貸など **
福祉都市 女高年 高齢者
自営、主婦、 無職
以前から ** **
文化都市 男中高年 ** 自営、管理 ** 分譲 **
生活核都市 男女若年 ** 店員、学生 近年 アパート 東部
このなかの性年代別については各都市イメージの具体的な傾向をグラフ化して、次ページに 掲げた。
図1−18 武蔵野市の将来像−性年代別−
単位:%
10 20 3 6 42 19 41 4 12 2 15 27 37 2 26 24 4 8 7 19 8 41 10 17 39 11 5 27 17 25 5 22 43
20∼30代 40∼50代 60代∼
文化都市
住宅都市 福祉都市
教育都市 生活核都市 男 性
女 性
2
1
3
産業・行政都市/ その他・不明
(4)前回今回の都市像変化について
今回、福祉都市の回答が減少して、文化都市、住宅都市などの回答が増えたが、対象者の性 年代別に見ると次のことが明らかになってくる。
○ 福祉都市は、もともと回答の少ない男若年を除くと、すべての性年代で回答率が軒並み減少 している(下表左端)。
タ)。
・男性中年では文化都市と住宅都市へ ・男性高年では文化都市へ
・女性若年では住宅都市へ
・女性中年では住宅都市と生活核都市へ ・女性高年では文化都市へ
年金制度がどうなるかその不安感が、増大する高齢社会の到来を迎えてやがて容赦のない現 実問題になる。そう知らされて未来の福祉都市イメージはもう安易な夢を描くテーマではなく なってきている。
しかし一方においてそれはもっと先の話として、少なくとも現在の高年層には一応の生活水 準に満ち足りて、日々の暮らしにゆとりある文化の匂いをもとめる人が増えている。男性では 高年層のみならず中年層にもその傾向がみられるようになって、多くの人々が「知的な雰囲気 の文化都市」の言葉にあこがれる。
まだ自分の住宅を持たない男性中年、女性若中年層は、街中で最近目に付く新築中の住宅や ビルの華やかさに、高齢化の心配よりも今後の我が家の計画が先決だとの思いにかられ、「静 かで緑に恵まれた住宅都市」を夢見るのである。
表1−10 性年代別の前回今回比較
<福祉都市> <文化都市> <住宅都市> <生活核都市>
今回 前回 増減 今回 前回 増減 今回 前回 増減 今回 前回 増減
男若年 6 8 - 1 19 19 1 41 44 - 3 21 19 1
男中年 16 29 - 14* 26 18 8* 42 37 5* 12 10 2
男高年 23 42 - 19* 26 9 17* 37 36 1 8 6 2
女若年 10 19 - 10* 17 15 2 40 33 7* 19 17 2
女中年 28 40 - 12* 17 16 1 39 30 9* 11 6 5*
女高年 44 55 - 11* 22 14 7* 25 22 3 3 2 1
8
地域意識のまとめ
以上で、市全体や町内への関心、近隣との交際の度合い、定住意向、あるいは武蔵野市が好 きか、誇り愛着を感じるかなどの項目について、対象者を性年代、職業などで分類して一通り 見てきた。
ここでの分析結果もこれまでと同様に、目で見て簡単にわかるように一括ビジュアル化する ことにした。ただデータ項目が多いために、そのままでは多次元的な表現が要求されて、やや こしい話になるので、ここではそういうときに便利な「主成分分析法」いう解析手法によるこ とにした。*
この手法によると、地域意識に関するデータは次の2つにまとめられることが分かった。 ・主成分1:主として市全体および町内への関心による総合値→関心度
・主成分2:主として市に対する好ましさおよび誇り愛着による総合値→好意度
この2つの主成分を座標のヨコ軸およびタテ軸にして、性年代別および職業別のデータを位 置づけすると、図1−19のグラフを描くことができる。
左側のグラフは性年代別の主成分データによる。ヨコ軸方向に市や町への関心度の強さを見 ていくと、若年層が弱く、中年層、高年層としだいに強くなることが示される。これは男性女 性ともに変わりない。次にタテ軸方向に市に対する好意度を見ると、各年代ともに女性が高く 男性が低い。とくに男性中年層が低い。高年層はどちらも高いが女性のほうがより高い。
図1−19 地域意識の対象者分布
−主成分分析による−<性年代別> <職業別>
好意度 女高 好意度
無職 男高 主婦 自営 女若 パート
女中 学生 事務
関心度 関心度 店員
男若 専門 技術
男中 管理 現業
右側のグラフは職業別データによるもので、総体として性年代別とほぼ同じような範囲に分 布している。そして2つのグラフを重ねて見るものと仮定すると、例えば学生は男女若年の近 くに位置し、主婦は女性中高年の中間辺りに、自営は男性高年に接近して位置することを容易 に推察できる。さらにグラフの中央から下方に広がるパート、事務、店員、その他の職業と個々 に対応するのが、男性女性の若中年層それぞれのミックスであることも納得がいくであろう。 このようにして地域意識空間(平面)に対象者特性によるプロフィールを描くことに成功した わけである。
注:*主成分分析
しての性年代および職業区分を「サンプル」、地域意識項目を「変数」と称する。
サンプル個数は17(性年代6,職業11)である。採用された地域意識項目は「市のできごと や動きへの関心」から「市に誇り愛着を感ずる」までの6項目がある。そして各サンプルはそれぞ れ6個の変数を持つことになる。
もし1サンプル当たり2個の変数に縮小することができれば、その新しいデータを座標値として
用いて、2次元平面上にサンプルを位置づけすることができる。この新しく変換されたデータを、
この分析手法では「主成分」と呼んでいる。主成分データはサンプル別に2個ずつ計算によって得ら
れる。計算は、もとの6個のデータに主成分係数(別にアウトプットされる、下表)をウエイトと
してかけ算すればよい。この主成分係数は平均=ゼロに標準化されているので、グラフのヨコタテ
の座標軸は関心度・好意度それぞれの平均値を表している。
主成分の解釈は、主成分1が関心度を表し主成分2が好意度を表すことを述べたが、これは主成
分係数の大きさで示される。すなわち、主成分1については主成分係数の大きい順に、町内への関
心0.600、市全体への関心0.484となっている。主成分2については、市に対する好ましさ0.816、誇
り愛着0.439である。その他の項目、すなわち近隣との交際および定住意向もやや度合いは低いが
それぞれの主成分に含まれている。
なお、次元の縮小という操作によって、もとの情報100%そのままを保証することは困難とな
り、ある程度の目減りはやむをえなくなる。どれだけの情報量が保たれるかは「寄与率」として計算
できる(同表)。本例では6変数を2主成分に変換した場合の寄与率を90%と見込んでいる。も し寄与率が低いときは、表の主成分を3個にしてみるといい。もっと増やしてもいい。ただしビジ ュアル化は主成分2個のときのようにすっきりとはゆかない。
主成分係数および寄与率
市に関心 町に関心 近隣交際 定住意向 好ましさ 誇り愛着 (寄与率)
主成分1 0.484 0.600 0.336 0.441 -0.213 0.231 55.0%
主成分2 0.079 -0.190 0.293 0.113 0.816 0.439 34.9%
Ⅱ
ボ ラ ン テ ィ ア 活 動
この設問は前々回から阪神・淡路大震災でクローズアップされたことを契機として調査項目 に加えられた。今後とも市民参加の一形態として重要性は増してきており、その動向把握は大 切であろう。
1
参加したいボランティア活動
質問は2つに分かれていて、初めの質問はボランティア活動の種類内容をくわしく呈示して、 仮に参加するとしたらどれにするかと聞いている。やや誘導質問のきらいもあるが、この質問 の目的は、対象者にボランティア活動の選択肢を呈示することによって、事前にその範囲を規 定することも暗に意図している。
[問]ここにいろいろなボランティア活動をあげました。もし仮にあなたが参加する としたらどれをお選びになりますか。いくつでもお答えください。
1 PTA活動への参加や協力 9 バザーや募金活動に参加協力 2 子ども会や野外活動などの手助け 10 まちの緑化への参加、公園の
3 コミュニティセンター活動への参加 管理
や協力 11 リサイクルやまちの清掃美化
4 趣味、スポーツなどのグループ活動 などの活動
の手助け 12 防災消防の市民組織への参加
5 高齢者の話相手や身のまわりの世話 や協力
6 障害児・障害者の手助けや介助 13 防犯交通安全への参加や協力
7 点訳、手話、朗読などの活動 14 外国人の相談相手、国際交流
8 福祉施設の手助けや援助 への参加協力
15 とくに参加したいものはない
(1)全体として
「趣味スポーツなどのグループ活動の手助け」が、仮に参加するとしたらという条件付きな がら3割をこえる人々にあげられた。次いで「リサイクルやまちの清掃美化」「まちの緑化や 公園の管理」「高齢者の話し相手や世話」をあげた人がそれぞれ2割前後、そのあとは「子ども 会や野外活動の手助け」「コミュニティセンター活動の手助け」「外国人の相談相手、国際交流 への参加協力」「福祉施設の手助け」などが続いている。
図2−1 参加しやすいボランティア活動
35% 20
19 18 17 17 17 15 14 13 10 9 9 8
19
4 趣味スポーツなどグループ活動の手助け
11 リサイクルやまちの清掃、美化などの活動 10 まちの緑化への参加、公園の管理 5 高齢者の話し相手や身の回りの世話
14 外国人の相談相手、国際交流への参加協力
2 子ども会や野外活動などの手助け 3 コミュニティーセンター活動への参加協力 8 福祉施設の手助けや援助
13 防犯、交通安全への参加や協力
9 バザーや募金活動に参加または協力
1 PTA活動への参加や協力 7 点訳、手話、朗読などの活動
12 防災、消防の市民組織の参加や協力 6 障害児・障害者の手助けや介助 15 特に参加したものはない
(2)対象者特性別には
対象者の特性とくに性年代によって、参加したいボランティア活動の仕事はいろいろである。 ○ 性年代別にみると、「趣味スポーツなどのグループ活動」は男性の若年層に、また「まちの
緑化、公園管理」「リサイクルやまちの清掃美化」は男性中年、「コミセン活動」は男性女性 高年に多く見られた。女性では「子供会や野外活動」「バザー募金活動」が若年に多く、「高 齢者の話し相手や世話」「福祉施設の手助け」は中年に、「障害者の手助け」は若年中年に多い。 「外国人の相談相手、国際交流」は男性女性ともに若年に多い。
表2−1 参加しやすいボランティア活動
−対象者特性−性年代 家族 職業 居住年 住居 地区
子供会野外活動 女若年 子供 ** ** 分譲 **
コミセン活動 男女高年 ** 自営 以前から ** **
趣味スポーツ活動 男若年 ** 管理、技術 ** ** 中部
高齢者の話相手 女中高年 ** パート、主婦 以前から 分譲 北部
障害者の手助け 女若中年 ** 専門、パート ** ** **
福祉施設手助け 女中高年 ** 事務 以前から 持家 **
バザー募金活動 女若年 ** ** ** ** **
まちの緑化 男中年 ** 管理、事務 ** ** 東部
リサイクル、街の清掃 男中年 ** ** ** ** **
外国人の相談者 男女若年 **
専門、管理、 学生
最近 ** **
2
ボランティア活動への参加状況
次に実際にどの程度に参加しており、また今後参加したい意向を持っているかを聞いた。 その設問は次のようである。
[問]あなたはいまあげたようなボランティア活動にどの程度参加していますか。
1 積極的に参加している 3 参加したことがある
2 一応参加している程度 4 一度も参加したことがない
[問]あなたは今後ボランティア活動にどの程度参加していきたいと思っていますか。
1 積極的、継続的に参加したい
2 休日や自由になる時間を利用して参加したい
3 将来、時間的に余裕ができたら参加してみたい
4 高齢または病弱などのため参加できない
5 今後参加するつもりはない
6 わからない
図2−2 ボランティア活動への参加度合い
単位:%
5 8 24 62 1
積極参加 一応参加
参加経験 あり
参加経験
なし 無回答
ア)現在の参加状況
4 14 53 6 9 14
積極的・継続的 に参加
休日などに
余裕が
できたら 高齢・病気 参加しない
イ)今後の参加意向
わからない
(1)全体として
現在、積極的に参加している人は全体の5%である。一応参加しているという人は全体の1 割で、過去に参加した経験があるという人も合わせると、参加経験者はほぼ4割である。前回、 前々回は3割台であったから、この割合は徐々に増えている。
参加意向のある人については、「積極的、継続的に参加したい」という人はう4%で上の積 極参加とほぼ同じパーセントである。上の積極参加者、継続参加意向者はかなり重複している と見込まれるので、この4−5%がボランティア活動のコアになる部分の大きさと思われる。
また「休日や自由になる時間に」あるいは「時間的に余裕ができたら」という条件付きの参 加意向者は7割に近いから、ボランティア活動に多少なりと理解関心を持つ人は多く、今後に 期待してよいであろう。
(2)対象者特性別には <参加状況>
現在積極的に参加している、または一応参加しているという回答を合わせると、その人たち の特性は、およそ次のようである。
○ 性年代別には、男性女性ともに高年層がとくに多く、若年層はあまり見られない。 ○ 職業別にみると、自営業および主婦に多い。
○ 居住年数では、やはり古くから住んでいる人で、地域に密着している人たちに多いといえる。
<参加意向>
次に参加意向のある人たちの特性についてみよう。
図2−3 ボランティア活動への参加度合い
−性年代別−単位:%
20 75 4 23 64 12 11 68 21 25 66 10 33 50 17 27 49 22
男 性
女 性
20∼30代 40∼50代 60代∼
参加 している
参加した ことがある 参加した
ことはない
<現在の参加状況>
<今後の参加意向>
57 0 12 21 11 0 18 59 11 1 5 5 16 31 13 10 17 13 68 1 5 9 17 1 12 8 3 16 57 4 17 21 11 11 34 5
男 性
女 性
20∼30代 40∼50代 60代∼
積極的・継 続的に参加 参加するつ
もりはない わからない
将来時間に 余裕ができ たら参加 高齢・病気
のため参加 できいない
休日や自 由な時間 を利用し て参加
○ 職業では、積極参加者および休日参加者は自営業に、また余裕ができたらは事務関係などに 広く見受けられる。
表2−2 ボランティア活動への参加
−対象者特性−<参加状況>
性年代 家族 職業 居住年 住居 地区
参加している
男高年 女中高年
子供 自営、主婦 昔から ** **
参加経験あり 女中年 ** ** 以前から ** **
<参加意向>
性年代 家族 職業 居住年 住居 地区
積極参加したい 男高年 ** 自営 昔から 持家 **
休日参加したい 中高年 子供 自営 ** ** **
余裕ができたら 若中年 **
管理、事務、 主婦
Ⅲ
市
民
生
活
の
安
全
ここでは市民生活の安全を守るという立場から、最近特に多発する暴力を伴いがちな凶悪な 犯罪に焦点を当てて、市民の不安感、その認識、対策について、簡単な調査項目を設定した。 このテーマは本調査では今回が第一回目であるため傾向分析はできないので、その現在の市民 意識に触れるにとどめる。
1
犯罪被害の不安感について
第一の質問は次のようである
[問] あなたは犯罪による被害に遭いそうな不安を感じることがありますか。 1よくある 2たまにある 3あまりない 4まったくない
図3−1 犯罪被害の不安感の程度
単位:%
6 43 39 12 0
よくある たまにある あまりない
まったく ない
(1)全体として
回答結果は一目瞭然で、不安を感じることが「よくある」という人が全体の1割まではゆか ず、「たまにある」という人が4割余りで、これらを合わせると犯罪被害に遭うことに不安感 を抱いている市民はちょうど半数だと言える。
その他の人については不安感が「あまりない」「まったくない」がそれぞれ4割および1割 となっている。
(2)対象者特性では
○ 性年代では、たまに不安に感ずる人が女性の若年層に多い。とくに一人歩き、一人住まいの 女性が感ずるものと推察される。
○ また子どもを持つ若い母親もいつ子どもが巻き込まれる犯罪被害に遭うかしれないので、不 安感は増大することであろう。
表3−1 犯罪被害への不安
−対象者特性別−性年代 家族 職業 居住年 住居 地区
よくある ** ** 専門 ** ** **
たまにある 女若年 子供 専門、主婦 近年 持家 **
2
最近の犯罪・事故の傾向
最近多発する犯罪や事故の傾向についてどのような認識を持っているか知りたかったので、 新聞、テレビまたは警察白書(平成14年度)などに現れたそれらの犯罪・事故の種類や傾向 のリストを作成した。そして対象者に提示した上で次の質問をしてみた。
[問] 最近の犯罪、事故の傾向として、次のようなものがありますが、この中で不安 に感じていることはなんでしょうか。いくつでもお選びください。
1 ピッキングなどによる空き巣 10 自動車の飲酒運転などによる事故
2 路上強盗やひったくり 11 少年非行の凶悪化、粗暴化
3 自動車、自転車等の乗り物盗 12 来日外国人による犯罪の増加
4 痴漢・ストーカー 13 通り魔的な犯罪
5 強引な訪問販売などの悪質商法 14 誘拐など子供が巻き込まれる犯罪
6 薬物乱用にともなう犯罪 15 高齢者が狙われる詐欺などの犯罪
7 携帯電話での迷惑電話などによる被害 16 検挙率が戦後最低となったこと
8 インターネットを利用した犯罪や情報 流出
17 刑法犯件が戦後最高となったこと 18 ひとつもない・わからない 9 自転車の暴走運転などによる事故
この結果、各項目の回答率は次ページグラフに掲げたが、おおよそを説明すれば次のようで ある。
(1)全体として
回答結果を回答率の順位に並べると次のようである。 ・7割以上… 「ピッキングなどによる空き巣」
・4−5割… 「通り魔的な犯罪」「路上強盗やひったくり」「少年非行の凶悪化粗暴化」
・3割台… 「強引な訪問販売などの悪質商法」「自転車の暴走運転などによる事故」「来日外国 人による犯罪の増加」「自動車、自転車等の乗物盗み」
毎日、新聞などのニュースの種になっているだけに、多種多様な犯罪の発生や手口を人々よ く知っていて、不安を感じている様子がうかがわれる。
図3−2 不安を感ずる犯罪・事故の傾向
72% 50
46 40 33 31 30 30 29 28 27 27 22 22 21 15 10 3
1 ピッキングなどによる空き巣 13 通り魔的な犯罪
2 路上強盗やひったくり 11 少年非行の凶悪化、粗暴化 5 強引な訪問販売などの悪質商法 9 自転車の暴走運転などによる事故 3 自動車、自転車等の乗り物盗 12 来日外国人による犯罪の増加
7 携帯電話での迷惑電話などによる被害 14 誘拐など子供が巻き込まれる犯罪 15 高齢者が狙われる詐欺などの犯罪
8 インターネットを利用した犯罪や情報流出 10 自動車の飲酒運転などによる事故
16 検挙率が戦後最低となったこと 4 痴漢・ストーカー
17 刑法犯件が戦後最高となったこと 6 薬物乱用にともなう犯罪
18 ひとつもない・わからない
(2)対象者特性
主な犯罪および事故について回答者の特性を表3−2にまとめた。
○ 一般に女性のほうがよく知っていて、それだけに不安を感じている。「通り魔的な犯罪」は 女性若年層が多くあげており、「路上強盗ひったくり」は、やはり無力な女性各年代層で多 くあげられた。「自転車などの暴走運転」は女性高年層が被害者になりそうで多く答えられ た。
○ 「少年非行の凶悪化」はその年頃の少年を持つ中年層が男性女性ともにあげており、「強引 な訪問販売」は男性女性ともに中高年層に多く、やはり高年層がねらわれやすく警戒してい るものと思われる。
表3−2 不安を感じる犯罪・事故の傾向
−対象者特性別−性年代 家族 職業 居住年 住居 地区
ピッキング ** ** 自営、主婦 ** ** **
通り魔的な犯罪 女若年 子供 事務、学生 近年、最近 ** **
路上強盗ひったくり 女性全体 子供 事務、主婦 ** ** **
少年非行の凶悪化
男 若 中 年 、 女中年
子供 ** 近年以前 ** 東部
強引な訪問販売 中高年 ** ** 昔から
持ち家、 分譲
自転車の暴走運転 女高年 高齢者 主婦 昔から 持ち家 **
3
市民生活を守るための対策
回答者の不安感および最近の傾向について聞いたあとで、市民生活を守るための対策案を示 して回答を求めた。
[問] このような犯罪や事故からし民生活を守るためには、警察だけに頼らない で、皆で対策をたてるべきだとの考えがあります。あなたは、この中のど れに賛成なさいますか。いくつでもお答えください。
1 市が率先して防犯対策を行って いく
4 市と警察、市民が協力して、防犯 に取り組む
2 市民一人ひとりが自衛する 5 ひとつもない・わからない
3 地域の人たちが協力して、地域の 安全を守っていく
図3−3 市民生活を守るための対策
73%
43
36
35
1 4 市と警察、市民が協力して防犯に取り組む
3 地域の人たちが協力して、地域の安全を 守っていく
2 市民一人ひとりが自衛する
1 市が率先して防犯対策を行っていく
(1)全体として
もっとも多い回答は「市と警察、住民が協力する」で7割余りがあげた。その他の項目すな わち「市が率先して防犯対策を」「市民一人ひとりが自衛する」「地域の人たちが協力して安 全をまもる」はいずれも3−4割があげた。
この質問は複数回答なので、7割の人たちが市・警察・住民の協力を前提として、さらに他 の項目を選んでいることになる。
(2)対象者特性
○ 「市と警察、住民が協力する」は対象者特性に関係なくほぼ等しくあげられたが、他の項目 は次表のようにそれぞれ回答者に特徴が認められた。一応目を通せば次のようである。 ○ 「市が率先して」は女性の各層から支持された。男性は高年層がとくに望んでいる。 ○ 「市民一人ひとりが自衛」は女性高年層にとくに多くあげられた。
○ 「地域の協力」も女性高年層に多くみられる。
どうも女性高年層は不安に駆られて、全項目をあげる人が多かったようである。
表3−3 市民生活を守るための対策
−対象者特性別−性年代 家族 職業 居住年 住居 地区
市と警察住民が協力 ** ** ** ** ** **
市が率先して
女性各層、 男高年
** ** ** ** 東部
市民一人ひとりが 女高年 ** ** ** ** **
Ⅳ
情
報
伝
達
ここでは市が常にオープンにしている情報について、市民側から見た意見・要望を次の複数 設問でとらえることにした。
1
市民が知りたい行政情報
まず市民がどんな情報を知りたいかであるが、設問の中で以下のような選択肢を設けて答え てもらった。
[問]市の行政などについてあなたが知りたいことを、次のなかからいくつでもお答えく ださい。
(2つ以上答えたら)そのなかでもっとも知りたいことはどれですか。
1 行政や制度についての解説 4 市民生活についての相談
2 公共サービスの受け方 5 市民の意見交換
3 催し物や行事の案内 6 その他
図4−1
市民が知りたい行政情報
9 1
65% 37
31 24
13
47 13
12 8 2 2 公共サービスの受け方
3 催し物や行事の案内 1 行政や制度についての解説 4 市民生活についての相談 5 市民の意見交換
6 その他 7 ひとつもない
知りたい 最も知りたい
(1)全体として
市民がいちばん知りたい情報は「公共サービスの受け方」についてである。7割近くがそう 答えている。
次に「催し物や行事の案内」「行政や制度についての解説」「市民生活についての相談」が それぞれ3割前後あげられた。その他には「市民の意見交換」などがある。