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放射能対策pdf 最近の更新履歴 和光学園アーカイブス

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Academic year: 2018

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放射能問題についての見解

2011.6.2 和光小学校 1.はじめに

3月11日東日本一帯を襲った大地震では、宮城県・岩手県を中心に、地震と津波 による想像を絶する被害がもたらされました。また、地震国でありながら、元々安全 性が十分でない原子力発電所が、国の原子力政策の下で次々と造られていた中、3・11 大地震は福島原子力発電所にも影響を及ぼしました。その結果平常時をはるかに超え る放射能を撒き散らしてしまい、今なお関係者が汚染を抑える努力を重ねているもの の、国民が安心できる状態にはなっていません。

この事態は、広島・長崎で原爆投下された日本とは言え、放射能に対する恐ろしさ がこれだけ多くの国民のものとなって来ていた中においては、初めて対処しなくては ならない事態です。ですから、この事態にどう対処していくかは、自分達で判断する しかありません。

文科省は、現段階を「事故収束後の復旧期」としての安全基準として「20mSV(ミ リシーベルト)/年」を設定しました。しかし、これについては「甘すぎる」との批 判が強くあります。その批判もあって、さらに混乱が大きくなっています。

そうした中、「和光小学校の放射能値は高いという情報を流している人がいる」「そ れがチェーンメールとなって流されている」との情報が、学校に寄せられています。 大震災後、学校としては真剣に安全対策に取り組み、家庭にもその取り組みをお伝え し、少しでも安心して通って「和光の教育」を味わっていただこうと懸命に取り組ん で来ています。この放射能問題でも、学園内で連携して、その対策を考えて練ってき ています。わが子の安全と健康を思う親の気持ちはよく分かります。しかしながら、 不安を煽る噂を流すことについては遺憾の意を示さざるを得ません。

そこで、和光小学校として、この放射能問題についてどういう見解をもって対策を とっていくのかを打ち出す必要があります。「文科省の基準は甘すぎる」という不安と 批判が強い中、そこに基準をおくことがあってもならないと考えます。そこで、文科 省の判断とは別に、「命の教育」を大事にする学校としての見解をもっていく立場に立 って、検討を進めてきました。ここにその「見解」を示します。

2.「放射能」について

(1)「SV(シーベルト)」

①放射線の強さや期間は物質により異なります。放射線を出す力(1秒間にいくつの 核が壊れるか)のことを「放射能」といい、放射線をどれだけ出したか(受けたか)

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を「放射線量」と言います。

②放射性物質から物が放射線をうけるエネルギーを「グレイ(Gy)」、人が放射線を うけるエネルギーを「シーベルト(SV)」という単位で表わします。「1Gy」は

「1SV」にほぼ読みかえることができるそうです(Gy>SV)

③「SV」を扱う時の単位には、さらにその 1/ 1000 の単位として「1mSV(ミリシ ーベルト)」があり、さらにその 1/ 1000 の単位として「1μ SV(マイクロシーベル ト)」があります。

1S V = 1 0 0 0 mS V = 1 .0 0 0 .0 0 0 μ S V

(2)国際的な安全基準と文科省の現時点での「安全基準」

①専門家の立場から放射線防護に関する勧告を行う国際学術組織として、「国際放射能 防護委員会(I CRP)」があります。この組織が、2007 年の勧告として、放射線の管理 基準として、以下の目安を定めました。

● 平常時:1mSV/年以下に抑える。

● 緊急事態時:20∼100mSV/年を超えないようにする。 ● 事故収束後の復旧期:1∼20mSV/年を超えないようにする。

②ただし、放射線の総量は5年で平均化されると言われ、「年間で1mSV/年を超え ても、5年間で5mSV/年以下なら問題ない」とする学者が多いそうです。

③こうした中で、福島原発事故が明らかになる中、国は「事故収束後の復旧期」の基 準として最も甘い「20mSV/年までは安全」と宣言しました。そこで、子ども を預かる文科省が、免疫力の弱い子どもたちの安全基準を、最も甘いところに置く のはおかしいのではないか、という批判が起きているのです。

④では、最も厳しい「年間1mSV」ではどのようになるのでしょうか。

● 「年間1mSV」を守るには「1日当たり 2.74μ SV以下」になります。 1mSV = 1000μ SV

1000μ SV ÷ 365 日 = 2.74μ SV/日

● 1時間当たりなら「0.11μ SV/時」ということになります。 1000μ SV ÷ 365 日 ÷ 24 時間 =0.114μ SV/時

⑤しかし大気中で考えますと、0.114μ SV/時の屋外に 24 時間・365 日いることは、 屋外で生活し続ける以外考えられません。放射線量が軽減

できる室内にいる時間の方が実際には長いことを考えれば、0.114μ SV/時を超える 大気にさらされている時間があったとしても、その値が大きく超えるようでなけれ ば心配はいらないと言えます。

⑥一方で、水や食事からも一定の自然放射線は受けていることにもなります。 2

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⑦日常の生活においても、一時的に多量の放射線量を浴びる場合があります。身近な 例で言いますと、飛行機の搭乗です。資源エネルギー庁のデータを元にすると、東 京∼・ニューヨーク間の往復で「200μ SV」の放射線量を浴びていることになるそ うです。

⑧こうした放射線量は、排泄や、洗顔・手洗い・うがい、靴の砂泥を落とす・衣服を 払うなどによっても軽減することがでます。

(3)放射能をめぐる様々な考え

①放射能をめぐる見解には諸説あります。

②専門家の立場でアクセスが多いのが、日本保健物理学会の「専門家が答えるQ&A」 です。身近な質問に専門家の立場から教えてもらえるので、出されている質問も極 めて身近で、その答えにも納得させられるものがあります。

3.学校としての対策

(1)学校としての対策

1.学校として測定器を保持し測定します。

● 東京都内の大気や水道に異常があると放置されたとき、校内敷地の放射線量を測 定します。

● それぞれの校外活動場所の放射線量も調べて、安全であることを確認します。

2.必要に応じて測定し、その値をお知らせします。

● 異常が見られた場合には必ずお知らせします。

● 異常がない場合は通知しませんが、求められればお知らせします。

(2)和光小学校の安全基準と今後の活動について 1.最も厳しい安全基準に近い範囲で判断します。

● 文科省は現時点で安全基準としては一番甘い「20mSV/年」を採用しています。 ● 和光小学校は、免疫力の弱い子どもを大事にしたい親の思いを受け止めて、「1m

SV/年」に近い「2mSV/年」に基準をおいていきます。

・福島原発から決して遠いとは言えない東京都世田谷の地理を考えると、「1mSV

/年」のハードルには大変厳しいものがあります。

・また、和光小ならではの教育方針に「体験を通しての本物の学び」があります。 机上の学習にとどまらず、校外に出て、自然やこだわりの人との出会いの中で

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学ぶことを大事にしてきました。それを楽しみに、それを大事にした教育の中 で育てたい、そうした思いで和光小学校を選択して下さった多くの方々の期待 もあります。

・そこで、放射能に関心の高い学園校医に相談した上で、「2mSV/年」に近づ く「0.2μ SV/時を超えた場合を異常とする基準にする」ことを考えました。

0 .2 μ S V × 24時間 × 365日 = 約 1 .7 mS V/年

2.現在の測定値に基づいての見解

● 5月 27 日(金)に、校庭敷地内の大気、土・砂・芝・プール水の表面、ならびに 学校周囲の公道を測定しました。校庭敷地内は「0.1∼0.11μ SV/時」でした。公 道では「0.08」や「0.14」を指すこともありましたが、ほとんど「0.1∼0.11μ SV

/時」でした。ちなみに、和光小に近い鴎友学園が測定値を公開していますが、 やはり「0.11μ SV/時」です。

● 現在福島原発では汚染が広がらない努力を懸命に続けています。その中で、東京 都の大気や水道水の放射能測定値も安定しています。東京都「都内の放射能測定 結果(最新データ)」をご参照下さい。

● 今後、状況が変化したときは、改めてその対応をみなさんにお示しします。

● 「プール清掃は子どもにさせないで」との要望が寄せられました。5 月 27 日段階 の測定結果は特別な対策が必要な値ではありませんが、今年については大人だけ で行うことにしました。教職員で行いますが、お手伝いをいただける方は、6 月 6 日(月)3時より行いますので、濡れてもよい恰好でご参加お願いします。

3.校外活動について

● 公的な観測データに大きな変化が見られませんので、「本物の体験を通して学ぶ」 和光の学びのスタイルを今後も尊重して、現時点では予定している活動はそのま ま行う予定で進めます。

● 念のため活動場所の実踏の際に、放射線量を測定し、安全を確認します。

参照

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