第2 景観特性と課題
1 自然 と景観
( 1) 多摩川と崖線が府中の 景観の土台をつくって いる
北から国分寺崖線、府中崖線、多摩川が東西に走り、府中の地形の骨格を
形成しています。このような地形を土台として、特に府中崖線から北側の武
蔵野台地上では、畑と屋敷林、雑木林が一体となった農村風景がみられ、府
中 崖 線 南側 か ら多 摩 川に か けて の 低 地部 で は農 業 用水 と 水田 が 一体 と な っ
た豊かな農村風景が形成されてきました。
このように崖線や多摩川は、府中らしさや地域らしさを形づくる上で大切
な景観資源です。しかしながら、市街化の進展の中で崖線付近などでも宅地
化が進み、地形の変化や自然が見えにくくなってきています。
( 2) 豊かな表情を持つ水辺 がある
多摩川は、府中の発展の基礎となると同時に、人々の生活と交流の場でし
た。また、その河川敷の自然や対岸の多摩の横山と一体となった雄大な景観
は、市民の大切な財産として認識されています。さらに、府中崖線と多摩川
の間に広がる低地部では、古くから多摩川の水や崖線の湧水を生かした農業
用水路が張り巡らされ、水田と一体となった稲田の風景が形成されてきまし
た。
こ の よ う に府 中 市 には 人 々 の暮 ら しと 一 体 とな っ た 多様 な 水 辺空 間 が 存
在しており、今日その役割や形態は変化しつつありますが、都市の中に潤い
を感じさせる重要な景観資源となっています。
( 3) 豊かな緑地、雑木林、 農地の景観
崖線から北側の武蔵野台地部では、近年まで樹林地や畑地などの武蔵野の
風景が広がっていましたが、都市化に伴い、現在では住宅地にわずかに残る
雑木林や大木、農地にその面影を見ることができます。しかし、武蔵野公園、
浅間山公園、武蔵台公園などの公園や人見街道などの街道沿いに、まとまっ
た樹林が残っています。特に、浅間山公園には、クヌギ、コナラ、エゴノキ
等の武蔵野の植生を持つ広葉樹林が広がっています。
また、府中崖線では、斜面の一部にシラカシ、ケヤキ等の広葉樹林が残り、
寺社地や民地に連続した緑が残されています。国分寺崖線でも、武蔵台公園
つては大部分が水田であり、四谷や南町、押立などでまとまりを持った農地
が残っており、夏期には用水の流れとともに豊かな農の風景を形成していま
す。
( 4) 自然からみた景観形成 の課題
ア 多摩川の自然の保全・ 回復と活用
多摩川は、近年、流域の都市的土地利用の増加により水量や水質の低下
などにより、その自然環境の悪化が著しい時期がありましたが、自然回復
への流域市町村による広域的な取組が徐々に成果をあげ、回復の兆しが現
れてきています。その一方で、流域の土地利用が旧来の農地からコンクリ
ート工場、さらに近年ではオフィスビルやマンションなどに変化してきた
ことによって、多摩川の自然環境の保全に対する取組を引き続き進めると
ともに、関連計画等を含め多摩川の自然環境や景観を守り、育てていく方
策を検討していく必要があります。
イ 農業用水や農地の保全 と活用
府中崖線と多摩川の間に広がっている用水路は、農地の宅地化の進行に
よる水量の減少に伴い、用水と人々の生活とのかかわりが薄れてきていま
す。しかしながら、こうした水路網の存在は、府中のかつての農村集落と
しての風景を残す遺産であるとともに、今日でも貴重な緑の資源を育む基
礎となるものです。そこで、用水や農地と現代生活とのかかわり方を考え
ていくなかで、用水や農地の保全と活用の仕方を模索していく必要があり
ます。
ウ 崖線の自然の保全と活 用
崖線に残る連担した緑は貴重な自然資源です。しかしながら、崖下や斜
面緑地の宅地化により崖線の連続した緑の眺望が失われ、さらに、台地上
の市街化による崖下の湧水地や湧水量の減少、水質の低下により、崖線の
魅力やその価値が弱まり、市民意識のなかで自然の財産としての崖線の重
要性が薄れてきています。
そのため、崖線の持つ意味、崖線の日常生活とのかかわりなどを探りな
がら、崖線の緑や湧水の保全・再生方法、崖線の自然の活用方法を、行政
エ 樹林地の保全
自然の樹林地は、かつて武蔵野台地上に広大に連なっていたと考えられ
ますが、宅地化の進展とともに、今日、わずかに残るものとなっています。
また、土地利用の転換により、かつての屋敷林などの人々の生活のなかで
育てられてきた樹林・樹木も徐々に減少してきています。
そこで、既に指定されている保存樹林や樹木、さらには名木百選などに
加え、身近な緑を守り、育てるためのより一層の方策の検討が必要といえ
ます。
オ 浅間山の自然の保全
浅間山の自然は、浅間山自体が都立公園に指定されており、良好な状態
で保全されています。しかし、その周囲の宅地化などにより、浅間山の緑
の眺望が途切れ、孤立し、武蔵野の面影を感じさせる景観の喪失が進んで
います。
そのため、地域のシンボルとしての浅間山の位置付けを探り、周囲の農
地や緑地とのかかわりのなかで、浅間山の眺望の保全を図っていく必要が
2 歴史 と景観
( 1) 旧甲州街道や宿場町の 歴史が残っている
古代に武蔵国の国府が府中に置かれた時から、市内を通る街道がいくつも
形成され、現在の放射状の道路の基盤が形成されました。その後、鎌倉時代
に、軍用道路として古鎌倉街道、人見街道などが整備され、江戸時代になっ
てからは、甲州街道(現在の旧甲州街道)を中心とした東西方向の交通が形
成されました。
特に、甲州街道沿いは、宿場町として栄え、その宿場と背後の農村が集落
地として形成され、多摩川低地部は水田中心、武蔵野台地は連続的な樹林地
が残り街道後背には畑地が形成されました。
沿 道 の 建 物の 建 て 替え に よ り宿 場 町と し て の街 並 み の面 影 は 失わ れ て き
ましたが、古道の形状や宿場町としての基本構成は今でも引き継がれ、府中
らしさを作る大きな要因となっています。
( 2) 大規模施設の立地や宅地化により街並みが形成される
明治末期から昭和初期にかけての鉄道の敷設は、工業地や住宅地への土地
利用転換の引き金となりました。また、関東大震災による都心部の被害を契
機に、東京郊外への施設移転が始まり、多磨霊園や大規模な工場などが立地
し始めました。こうした大規模施設やその跡地の存在が、今日の特徴となっ
ています。
さらに、戦後の人口の急増期に入ると、京王線の北側を中心に公共住宅団
地が建設されたのを契機に、公共住宅地や大規模施設の間を埋めるような形
で宅地化が 進行しま した。宅 地化は、 樹林地 、畑、水 田という 順序で進 み、
市全体としては、武蔵野台地上から多摩川低地部へとその範囲を拡大してき
ました。このような都市化の経緯が、その後の市街地の特性を形成していま
す。
( 3) 遺跡や寺社、文化 財などの歴史的資源が豊かである
市内では、府中崖線及び国分寺崖線に縄文時代の遺跡が多数確認されてい
ます。また、武蔵府中熊野神社古墳、高倉塚、天王塚などの古墳も確認され
ています。
多摩川は鎌倉防衛の第一線として重要な位置を占め、高安寺などの崖線上
の寺社地は当時要さいの機能を果たしていたこともあり、寺社の多くは崖線
の境内林は貴重な自然資源でもあります。さらに、長い歴史を反映して馬場
大門のけやき並木をはじめとする多くの文化財が残されています。
これらの歴史的資源は、先人の生活や歴史を現代に伝えるものとして、ま
た、地域の景観に歴史的な奥行きを与え、さらに個性を与えるものとして重
要です。
( 4) 歴史からみた景観形成の課題
ア 古道の歴史の活用
道は本来、人や物、文化・交流の軸、まちの発展の軸であり、生活の舞
台空間ですが、モータリゼーションの発達により、道の自動車交通機能が
強化され、文化の交流空間、人の生活空間としての機能が弱められていま
す。また、旧街道を中心とする数多くの古道は、今日においてもかつての
生活文化が無形・有形に残り、特徴的な街並みや雰囲気をもつ部分も見ら
れます。
また、都市計画道路網等の新たな道路整備が進められるなかで、旧街道
など古道が歴史的に果たしてきた役割を認識しながら、沿道地域と一体と
なった個性的な文化の交流空間、生活空間としての道の再生を図っていく
必要があります。特に、甲州街道から北側には南北に多数の古道が走って
おり、景観要素としての活用が求められています。
イ 集落の歴史の活用
旧甲州街道沿道などでは、短冊地割という沿道の敷地割が現在も受け継
がれており、かつての敷地利用形態とその連続した街並みが残る沿道も見
受けられます。しかし、現代的な土地利用への転換により、屋敷林や街並
みが失 われつ つあり 、短 冊地割 の現代 的な 活用・ 再編 のあり 方を模 索し、
新たな街並み形成の方向性を明らかにする必要があります。
また、人見街道沿道、多摩川低地の旧農村集落地の発祥の経緯を把握し、
現在の生活との関係を考えながら、個性ある地区の生活拠点づくりを図っ
ていく必要があります。
ウ 大規模施設のシンボル 的な活用
市内には、多磨霊園をはじめとする大規模な公共公益施設、大規模工場
が島状に立地しています。これらの大規模施設は、府中市のシンボリック
の拠点としての役割を強化し、それらをイメージ的につなげることにより
緑の骨格のイメージの形成を図っていく必要があります。また、大規模工
場については、工場敷地周辺の修景などにより、周辺地域との調和やつな
がりをつくっていく必要があります。
さらに、将来的な大規模工場の土地利用転換に際しては、市街地に大き
な変化をもたらすことから、景観形成の視点から の 誘 導 が 求 め ら れ ま す 。
エ 文化財等の歴史的資源 の発見と活用
市内には、国指定文化財、文部科学省認定重要美術品、都指定文化財を
はじめ、遺跡などの埋蔵文化財や寺社など、無形、有形の歴史的資源があ
ります。こうした歴史的資源を発見・活用し、歴史の流れを感じることの
できる場づくりを進めていく必要があります。また、古くは多摩川には橋
がなく、渡しで往来してきましたが、こうしたかつての人々の営みの再現
3 都市 構造と景観
( 1) 住宅地、商業地、工業 ・業務地など特徴的な まちがある
土地の利用形態により、大きく、住宅地、駅周辺や幹線道路沿いの商業地、
大規模工場周辺や多摩川沿いに広がる工業・業務地、多磨霊園などの大規模
公園・緑地、大規模施設の跡地などに分かれており、それぞれの土地の利用
形態に応じた特徴的な街区が形成されています。
市域の約 4割を占 める住 宅地は 、幹線道 路沿い の中高 層化が進 む住宅 地、
住宅団地や土地区画整理事業区域などゆとりのある計画的住宅地、農地との
混在が見ら れる住宅 地などそ れぞれの 形成過 程に応じ た特徴を 持ってお り、
それぞれのまちの特徴を踏まえた景観づくりが必要です。
( 2) 幹線道路や生活道路が まちの表情をつくる
道路の骨格は、古来の放射状の骨格に、都市計画道路網の新たな骨格が組
み合わさって、おおむね網目状に構成されています。このような骨格に沿っ
て、高い容積率が設定されているため、道路に沿って中高層化が進み、その
内側に低層住宅地が広がるという景観が形成されつつあります。特に、東西
方向の幹線道路沿いでは、北側に比べ南側の建物が高く、バランスの取れな
い沿道景観が形成されています。
また、土地区画整理事業区域や計画的な住宅地を除いて、現在の生活道路
網は、旧来の農道や水路敷を基礎にして小規模な住宅地開発により形成され
てきたことから、幹線道路の内側では、狭あい道路や行き止まり道路が多い
住宅地が形成されてきています。
( 3) 大規模な公園 ・緑地
大規模公園・緑地として、多磨霊園、府中の森公園、多摩川沿いの緑地等
が集積しています。また、児童公園やスポットパークなど身近な公園の整備
も進み、一人当たりの公園面積は東京都の平均を大きく上回っています。
さらに、学校施設や文化センター、福祉施設などの公共施設が数多く立地
しており、地域の交流の場となっているとともに、オープンスペースや緑の
多い貴重な空間を構成しています。また、幹線道路沿いの街路樹の整備や用
水路の活用による緑道が整備され、新たに連続された緑が形成されつつあり
ます。
これらの大規模公園・緑地と文化センターなどの公共施設の緑を、緑道や
見える形で「緑豊かな府中」のイメージが形成されつつあります。
( 4) 都市構造からみた景観形成の課題
ア 個性と魅力ある住宅地 景観の形成
住宅地の多くは、古くからの農道等を基盤として、小規模な住宅地開発
が進んだスプロール住宅地です。そのため、農地のなかに住宅地が虫食い
状に食い込んだ住宅地形態となっており、新たな空間要素としての住宅地
と農地とのつながりが不連続です。
そこで、こうした住宅地の地域特性を生かしながら、生活道路基盤の整
備や農地と住宅地との調和を図り、個性と魅力のある住宅地景観の形成を
図る必要があります。
住宅団地や土地区画整理事業などの計画的住宅地については、比較的ゆ
とりのある住宅地となっているものの、均質的空間となっている場合が多
く、こ れらに 個性的 なめ りはり を与え てい くこと が求 められ ます。 また、
小規模な公共住宅団地が武蔵野台地上を中心に立地していますが、こうし
た小規模団地の建替えを有効に活用し、周辺地域の景観形成を進めていく
ことが求められます。
イ 駅周辺のにぎわいと個 性ある商業景観の形成
商業施設は、駅周辺を中心に形成されています。特に府中駅周辺におい
ては面的な集積が見られますが、他の駅周辺においては、線的な立地形態
が主となっています。こうした商業施設の立地特性は、各駅周辺のイメー
ジに大きな影響を与えています。また、各鉄道は歴史的にその性格が異な
り、そ うした 性格な どが 反映さ れ駅や 駅周 辺の趣 に特 徴を与 えてい ます。
そこで、こうした商業施設立地の特性や各鉄道の歴史などを踏まえて、に
ぎわいと魅力ある駅周辺の商業景観を形成していく必要があります。
ウ 幹線道路の特徴を踏ま えた沿道の街並み形成
幹線道路は、旧街道と新たに整備された都市計画道路網により構成れて
いますが、こうしたそれぞれの道路の歴史や沿道の土地利用特性を踏まえ
て、個 性と魅 力ある 沿道 の街並 みを形 成し ていく 必要 があり ます。 近年、
郊外型 商業施 設の立 地、 建物の 高度化 とい った動 向が 顕著と なって おり、
こ う し た 動 向 を 景観 上 の 視 点を 加 え て 適正 に 誘 導 し てい く 必 要 があ り ま
エ 地域の公共施設の魅力 づくり
市内には各種の公共施設が各地域に分布していますが、施設の機能を含
めて、周辺とのつながりを改めて評価し、見直していく必要があるものと
考えられます。また、公園や広場の整備が進んでいますが、今後は、それ
ぞれの公園の機能や役割に個性を持たせていくとともに、自然のふれあい
の場、住民の交流の場としての公園の役割を考えた場合、整備の内容には
より一層の工夫が必要と考えられます。
オ 緑の拠点とネットワー ク化の推進
緑 の 基 本 計画 を は じめ と する 各 種 の歩 行 者 空間 の ネッ ト ワ ーク 構 想 に
ついては、それぞれの目的に応じた計画となっているために、相互の整合
性が十分に図られておらず、個別の部分での整備にとどまっています。こ
うした歩行者空間のネットワークに関する諸計画の整合を図り、道路整備
やスポットパークの整備等を関係づけ、一体的に整備を図っていくことが
4 生活 空間と景観
( 1) 緑や自然、静けさのあ る住宅地が広がってい る
住宅地は、東京都郊外住宅地として発達し、生け垣や大木などの緑が多く、
多 摩 川 や雑 木 林な ど の比 較 的身 近 に 自然 と 触れ 合 える 機 会が 多 いこ と が 特
徴です。しかし、近年、敷地の細分化が進み、住宅地の緑は確実に減少して
います。
今後とも、ゆとりがあり、緑にあふれた、静かな住宅地の環境を守り、育
てていく必要があります。
( 2) 各種の電線や電柱、広 告・看板類等が景観を 損ねている
身近な生活空間を見ると、各種の電線や電柱、乱雑な広告看板類、自動販
売機などが、景観を乱しています。また、ごみやタバコのポイ捨て、放置自
転車など人々の無責任な行動が、美観を損ねている例も多くみられます。ま
ちかどのごみボックスも置き方や色彩に工夫が必要です。さらに、駐車場や
資材置場などが景観を阻害することもあります。
まちの景観を損ねる要因を一つづつ改善し、美しい景観をつくりだしてい
くことが必要です。
( 3) 高齢化社会に対応した 生活空間の整備が求め られている
高齢化社会の進行につれて、地域の中で高齢者が生き生きとした生活を送
れるようなまちづくりが求められています。そこで福祉のまちづくり条例に
基づき、歩 道の段差 の解消や 手すりの 設置な ど、高齢 者が気軽 に外出で き、
地域の人々と交流できる環境づくりが進められています。
点字ブロックや手すりの設置などは、ともすれば景観形成とは対立すると
とらえられがちです。しかし、誰もが使いやすく、わかりやすい構造に配慮
する「共に生きる」というノーマライゼーションの視点で考えることが大切
です。
( 4) 生活空間からみた景観 形成の課題
ア 生活空間に緑や自然、 季節感を取組む工夫
住宅やマン ション の建替え や新築 に際して 、緑を 多く取込 むとと もに、
景 観 形 成 に つ な がる 緑 化 の あり 方 に つ いて 現 地 で 相 談で き る 体 制を 整 え
ることが必要です。また、樹木の維持・管理について助成、技術的支援を
住宅やマンションの緑化だけではなく、小学校や公共施設などの緑化の
あり方、外周部の景観のあり方なども点検し、検討を加える必要がありま
す。
また、小中学生のころから緑化の実践・教育を推進するとともに、まち
の ウ ォ ッ チ ン グ など を 通 じ て人 々 の 身 近な 緑 へ の 認 識を 高 め て いく な ど
の施策も必要です。
イ まちの美観づくりの推 進
電線類については、住宅地での地下埋設が困難な状況であるため、電柱
の共同利用、省略化を検討する必要があります。また、住宅を新築する際
には、建て主に街並みに配慮した電線の引込み方法を工夫してもらうなど、
電線がくもの巣状態になる現状を改善することが必要です。
自動販売機、広告・看板類については、統一的な基準に基づく規制は難
しい面はありますが、建築指導の際の項目に含めるなど協議する体制を整
えることが望ましいといえます。また、建築協定や地区計画の制度などを
使って、地域の中での取決めとしていくことも考えられます。いずれにし
ても、地域の中で環境について意見交換できる場を設けていくことが重要
です。
また、工事現場の仮囲い、資材置場、駐車場などについても一時的なも
のとしてとらえるのではなく、景観の一部を構成するものとして周囲の景
観との調和を図る必要があります。
さらに、公園の使い方のマナーの向上や、道路へのごみやタバコのポイ
捨てを防ぐ方法を検討していく必要もあります。
ウ ごみ収集のあり方やご みボックスのデザイン の検討
ごみ収集のあり方を検討するとともに、ごみボックスがまちの景観や歩
行を阻害している現状を改善するために、ごみボックスのデザインや置き
方に工夫をする必要があります。また、将来的には、ごみボックスの周辺
をスポットパーク化して、地域の人々の触れ合いの場として整備していく
ことも考えられます。
エ やさしいまちづくりの 推進
十分な歩行 空間を 確保する ために 、ごみボ ックス 、電柱、 看板、 街灯、
です。また、点字ブロックの上への駐輪などを防止していくとともに、歩
道の段差の解消、歩きやすさの確保などをさらに進めていく必要がありま
す。
公共施設や銀行、スーパーなど多くの人に利用されている施設、住宅や
集合住宅の外部空間や共用空間のバリアフリー化(段差の解消など障壁の
5 市民 生活と景観
( 1) 伝統行事が市民生活に 根付いている
大國魂神社や農村集落での行事を中心に種々な祭りが行われ、府中の風物
詩として市民に広く親しまれています。特に大國魂神社の例大祭(くらやみ
祭り)は関東を代表する祭りであり、この祭りには、けやき並木参道での「競
馬式」(駒 くらべ) や品川沖 での儀式 や滝神 社での儀 式などが あり、大 國魂
神社と周辺地域等の歴史的な生活・文化上のつながりを知ることができます。
また、桜祭りや各文化センターを中心とした地域祭り、さらに、けやき並木
を 中 心 に行 わ れる け やき フ ェス タ な どの 新 しい イ ベン ト も市 民 の間 に 定 着
してきています。
( 2) 身近な環境づくりの活 動が行われている
住宅地では、手入れの行き届いた生け垣や庭先に花を飾るなど身近な環境
づくりの工夫があちこちで見られます。また、町内会や自治会を中心にまち
の美化や緑化への積極的な取組があります。
( 3) 市民生活からみた景観 形成の課題
ア 市民のまちへの思い入 れを大切にした景観形 成
景観賞、府中30景や府中の名木百選など市民のまちへの愛着や思い入
れを大切にして景観形成に取り組んでいく必要があります。
また、市民のまちへの愛着や思い入れの形成は、自らの住むまちを知り、
考えることが基本になります。そうしたまちを知り、考える機会を様々な
かたちでつくっていく必要があります。さらに、市民のまちへの愛着や思
い入れ の形成 には、 まち づくり の過程 にお いて、 いか に住む 人が参 加し、
かかわりを持ったかが重要になります。まちづくりのプロセスを重視して、
住む人のまちへの愛着や思い入れを育てていくことが大切です。
イ 市民の身近な工夫や想 いの表現を大切にした 景観形成
路地に面して置かれた盆栽や生け垣、窓際に緑や花を飾るなど、私有空
間 か ら 公 共 空 間 に向 け た 住 む人 の 工 夫 や地 域 へ の 思 い入 れ の 表 現の 積 み
重ねが、景観の重要な要素となります。
したがって、市民の景観形成への身近な取組を喚起し、生かしていく仕
ウ 祭りやイベント空間の 演出
大國魂神社の祭典を中心に、市内では様々な祭りやイベントが行われま
すが、こうした非日常的な空間の活用やにぎわいを演出する様々な工夫を