計量経済学 #25 ・復習問題解答
担当:鹿野(大阪府立大学)
2013 年度後期
解答
1. 異なる地域・異なる時点での酒税率や、飲酒規制の違い。(一例です。)
(a) 補足:喫煙や所得は確かに飲酒と強い相関を持つが、同時に誤差項(誤差項中の観 測できない個人属性)とも相関を持つ可能性が高い。ゆえにこれらは、飲酒の操作 変数としては不適切。一般に個人の意思決定や能力で決まる変数は、操作変数の条 件を満たしづらい。
(b) 補足:地域間の制度の違いを操作変数に使う妥当性も、近年疑問視されている。地域 間移動が自由なら、お酒が好きな個人は酒税の低い地域に移住するはずである。す ると、個人の直面する酒税も内生変数となり、操作変数の条件を満たさなくなる。
2. バスケやバレーを行ったから身長が伸びたのではなく、元々背の高い人が、それを活かす ためにバスケ・バレーを行っているだけである。従って任意の高校生がバスケやバレーを 始めても、身長が伸びるわけではない。これは、同時方程式によるバイアスの例である。
(a) このケースは、同時方程式バイアスに基づく批評がしやすい。
(b) 類似の問題:次の分析を、因果関係の観点から批評せよ。また、除外変数バイアス、 同時方程式バイアスのどちらの構図を用いたか述べよ。
i. 「本がたくさんある家庭の子供は、学力テストのスコアが高い。よって子ども のいる家庭に本を配れば、子どものテストスコアが伸びる。」
ii. 「政府の提供する職業訓練を受けた失業者は、受けなかった失業者よりも就職 する確率が高い。よって職業訓練は、失業者の生産性を高める効果がある。」 iii. 「計量経済学の講義では、出席率の高い学生ほど期末試験の成績が良い。従っ
てより多く講義に出席すると、期末試験の成績が上がる。」
iv. 「診療所の中にいる人は、それ以外の場所にいる人と比べて風邪をひいている 割合が高い。従って診療所に行くと風邪をひきやすくなる。」
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