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パンフレット<広報活動<海洋研究開発機構

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Academic year: 2018

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(1)

JAMSTEC の成果と活動実績

2015 年 3 月発行

http://www.jamstec.go.jp/

(2)

海洋を中心とした地球環境の理解、温室効果ガスの増加による地球環境問題対応、

地震・津波等の自然災害による被害軽減、海洋・極限環境生物の生理・生態解明、

海洋資源開発の推進、海洋についての知識深化・拡大による社会経済活動の発展及

び国民生活向上への貢献等を目指して活動し、海洋研究開発の分野において、世界

的な中核機関としての地位を築いてきた。

 現在、JAMSTEC は第 3 期中期計画(2014 年 4 月 1 日~ 2019 年 3 月 31 日)

の2年目を迎えるにあたり、本年4月には、独立行政法人通則法の改正(2014年6

月13日)に伴い、

「我が国における科学技術の水準の向上を通じた国民経済の健全

な発展その他の公益に資するため研究開発の最大限の成果を確保することを目的

とする」と定められた「国立研究開発法人」への移行を控えている。

 また、国の重要政策である第4期科学技術基本計画(2011年度~ 2015年度)お

よび第2期海洋基本計画(2013年4月26日閣議決定)にも、我が国の目指すべき姿

や海洋立国の重要性、科学技術とイノベーション政策の一体的展開が明確に示され

ており、海洋というフィールドや科学技術・研究開発への期待は高まり続けている。

 以上のような背景を踏まえ、本小冊子には、科学的成果にとどまらず、社会への貢

献という観点からJAMSTECの第2期及び第3期中期計画期間の成果と活動実績を

取りまとめた。

 JAMSTECはこれからも、人々の生活を守る防災・減災に関する研究開発、大規

模な気候変動等および生物多様性保全に関する研究開発、資源やエネルギーの安定

供給に関する研究開発等を推進し、人類的課題の解決や「海洋立国日本」の将来にわ

たる持続的な成長と社会の発展を実現していく。

2015年3月

JAMSTEC

(3)

はじめに

 独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC: Japan Agency for Marine-Earth

Science and Technology)は、1971年の設立以来、我が国の海洋科学技術の向上、

海洋を中心とした地球環境の理解、温室効果ガスの増加による地球環境問題対応、

地震・津波等の自然災害による被害軽減、海洋・極限環境生物の生理・生態解明、

海洋資源開発の推進、海洋についての知識深化・拡大による社会経済活動の発展及

び国民生活向上への貢献等を目指して活動し、海洋研究開発の分野において、世界

的な中核機関としての地位を築いてきた。

 現在、JAMSTEC は第 3 期中期計画(2014 年 4 月 1 日~ 2019 年 3 月 31 日)

の2年目を迎えるにあたり、本年4月には、独立行政法人通則法の改正(2014年6

月13日)に伴い、

「我が国における科学技術の水準の向上を通じた国民経済の健全

な発展その他の公益に資するため研究開発の最大限の成果を確保することを目的

とする」と定められた「国立研究開発法人」への移行を控えている。

 また、国の重要政策である第4期科学技術基本計画(2011年度~ 2015年度)お

よび第2期海洋基本計画(2013年4月26日閣議決定)にも、我が国の目指すべき姿

や海洋立国の重要性、科学技術とイノベーション政策の一体的展開が明確に示され

ており、海洋というフィールドや科学技術・研究開発への期待は高まり続けている。

 以上のような背景を踏まえ、本小冊子には、科学的成果にとどまらず、社会への貢

献という観点からJAMSTECの第2期及び第3期中期計画期間の成果と活動実績を

取りまとめた。

 JAMSTECはこれからも、人々の生活を守る防災・減災に関する研究開発、大規

模な気候変動等および生物多様性保全に関する研究開発、資源やエネルギーの安定

供給に関する研究開発等を推進し、人類的課題の解決や「海洋立国日本」の将来にわ

たる持続的な成長と社会の発展を実現していく。

2015年3月

JAMSTEC

2014年9月、初めて母港の大槌港に着岸した東北海洋生態系調査研究船「新青丸」

JAMSTEC の成果と活動実績

海底資源の利活用に貢献

...3

―世界が注目、今後競争が激化する分野、「深海」は日本がリード―

変動する地球の未来を描く

...4

―顕在化する気候変動問題への対応―

自然災害に強い日本のために

...5

―巨大地震と津波の脅威、その実態把握と今後への備え―

人類共通の財産である海洋環境

...6

―海洋の開発・利用と生態系の保全―

我が国そして世界の海洋研究を支える

...7

―世界に誇る高性能の船舶と高品質データ―

海洋科学・技術を通した社会貢献

...9

―超高速計算や深海探査技術が豊かにする未来―

世界に向けた成果発信や国際展開

...10

夢や感動を伝える!

...10

(4)

海底資源の利活用に貢献

 世界的な資源・エネルギー需要の拡大や東日本大震災を踏 まえたエネルギー戦略の見直しにより、陸域のエネルギー・鉱 物資源に乏しい我が国において、近年、海洋エネルギー・鉱物 資源開発への期待が高まっている。

 JAMSTECは、これまでの深海調査による知見や技術を活用 し、我が国の排他的経済水域や大陸棚において、メタンハイド レートや海底熱水鉱床、レアアースを含む海底堆積物などの成 因解明や探査技術の開発を実施してきた。

 国土面積の 12 倍を超える我が国の広大な管轄海域には、海洋 鉱物資源の高いポテンシャルが期待されている。今年度からス タートした SIP(戦略的イノベーション創造プログラム:府省の 枠を超え、基礎研究から実用化・事業化までを見据えた研究開 発を推進)において、JAMSTEC は課題「次世代海洋資源調査技 術(海のジパング計画)」の中心を担うことが決定した。今年 8 月 には、沖縄トラフ伊平屋北海丘において「ちきゅう」による科学 掘削調査を実施。沖縄海域における最大の熱水域の把握、海底下 の熱水流路の高精度の測定、海底下で形成途上の鉱石試料の採 取に成功する等、今後の課題達成に期待を抱かせる順調な成果 を挙げた。

 上記のSIP掘削に先立つこと3年前、「ちきゅう」の沖縄トラフ掘削により構築した 人工熱水噴出孔を2011年に調査・観測した結果、短期間のうちに大規模なチムニー が成長することを発見した。このチムニーを採取・分析したところ、鉛、亜鉛、銅、金、 銀など鉱物資源が多く含まれていた。これらの結果は、人工熱水噴出孔を創り出すこ とによって海底面で鉱物資源養殖を行うといった、持続的な海底鉱物資源の生産・ 回収に向けて大きな期待を抱かせる成果となった。

海底における鉱物資源養殖の可能性

 深海熱水域を調査するこれまでの手法は、多くの時間がかかることや精度の低さ 等の問題があり、日本列島周辺でも有数の熱水噴出域である沖縄トラフ海域におい ても約30年に亘る調査で8 ヶ所しか深海熱水域が報告されていなかった。  JAMSTECは、調査船に搭載されたマルチビーム音響測深機を用いて熱水域から 噴き出る熱水のかたまりを広域に捉え、無人探査機で詳細な場所を絞り込んでいく 効率的な調査手法を開発し、中部沖縄トラフ伊平屋北海丘において、計4.5日間とい う極めて短期間に新しい熱水域を2ヶ所(伊平屋北ナツサイト・伊平屋北アキサイト) 発見することに成功した。

熱水噴出域を短期間で発見

SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)

―次世代海洋資源調査技術「海のジパング計画」―

―深海の人工熱水鉱床による持続的な鉱物資源獲得を目指す―

─効率的調査手法、有効性を確認─

―世界が注目、今後競争が激化する分野、

「深海」は日本がリード―

成長したチムニー

無人探査機で検知した熱水のかたまり 上:伊平屋北ナツサイト

下:伊平屋北:アキサイト ※マルチビーム音響測深機……指向性を持つ音響ビームを船底から発振し、海底面に反射させて

      受信することで水深値を面的に求める調査機器。

「沖縄トラフ熱水性堆積物掘削」掘削地点(2014年8月実施)

推定される地下の 巨大な熱水溜まり 掘削同時検層とコア試料採取双方を行った地点

(5)

3 4

      J A M S T E C の 成 果 と 活 動 実 績

変動する地球の未来を描く

 6年ぶりの発表となった気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による第5次評価報告書(政策決定者向け 要約版、2013年9月発表)では、温暖化については疑う余地がないとされ、将来的には気

温上昇に伴う極端な高温や降水の頻度増加が予測されている。さらに海洋へのさら なる炭素蓄積の結果、海洋酸性化が進行するとされている。

 JAMSTECでは、海洋地球研究船「みらい」や観測ブイ、陸上レーダーなどを 用いて、大気・海洋・陸域におけるさまざまな観測を実施している。これによ り得られた観測データをもとに、地球環境の変動や極端現象、異常気象をもた らすエルニーニョ等のメカニズムを理解する観測研究と、スーパーコン ピューター「地球シミュレータ」を用いた予測研究を行うことで、深刻化する 地球温暖化の影響評価とその適応策の検討に不可欠となる知見及び情報を提 供してきた。また、地球温暖化がほぼ確定的となる中、気候変動によって引き 起こされる社会的影響の研究も関連機関と共同で行っている。

 2013 年 9 月に公表された IPCC 第 5 次評価報告書において、機 構 の 研 究 者 が 主 著 者 と な る 100 編 を 越 え る 論 文 が 引 用 さ れ、 JAMSTEC の気候変動に関する研究は世界的に高い評価を受けた。 たとえば、海洋では、太平洋を中心に高精度海洋観測を実施し、そ のほぼ全域で深層の水温が大規模に上昇していることを発見、北 極研究では高精度の国際観測・解析によって、北極海の広い海域 での貯淡水量の増加を示した。また、陸域においても、近年問題と なっている永久凍土観測をモンゴル地域で行い、ほとんどの地域 で気温や地温が上昇していることを見出した。

 死者30名を数えた2012年7月九州北部豪雨など、西日本では7 月ごろに集中豪雨がしばしば発生することが知られている。 JAMSTECは東京大学や長崎大学などと共同で、九州に起こる集中 豪雨の発生メカニズムについてのシミュレーション研究を行い、こ れまでは考慮されていなかった東シナ海の水温上昇がその発生時期 の重要な決定要因であることを明らかにした。

 また、エルニーニョ/ラニーニャ現象と世界の主要穀物の生産変 動との関連を明らかにするなど、JAMSTECでは地球温暖化そのも のの研究と並行して、それによって引き起こされる社会的リスクに 関する研究も実施している。

 JAMSTECでは、2001年12月から高解像度海洋大循環モデルに 衛星データと現場の水温・塩分データを組み込んだ海洋変動予測を 行い、2か月先までの日本沿海の海洋予測情報〈海の「天気」予報 (JCOPE)〉の公開を実施してきた。これらの情報は、気象予報や水 産、海洋調査会社の情報として常用されている。また、本システムは 東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故により海洋へ流入 した放射性物質の拡散予測にも活用され、震災直後から予測計算に 取り組み、その結果は文部科学省より随時公開された。

温暖化による我が国へのインパクト

海の「天気」予報を公開

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)への貢献

―第 5 次評価報告書に多くの成果が引用―

─シミュレーションを用いた社会的リスクの研究─

―JCOPE システムによる日本沿海の海洋予測―

2011年3月の福島第一原発事故による放射能の拡散予測 超高解像度海洋シミュレーションで再現された海流

(6)

 東日本大震災直後からJAMSTECが実施した主な研究調査は 次のようなものである(時系列)。

・2011年3月 深海調査研究船「かいれい」による海底地形調査で、震源域 の海底地形が東南東方向に約50m動き、約7m隆起してい たことを解明。

・同年3月~11月 学術研究船「白鳳丸」をはじめとする5隻の船舶による福島 第一原子力発電所沖合での海域モニタリングを実施。 ・同年4月~5月 福島第一原子力発電所事故により海洋に流入した放射性物

質の拡散シミュレーションを実施。

・同年7月~8月 有人潜水調査船「しんかい6500」による震源海域の潜航調査。 水深約3,200~5,350mの海底において亀裂や段差を確認。 ・2012年4月~5月 地球深部探査船「ちきゅう」の震源域掘削調査(J-FAST)を実 施。海底下約820m付近での地震断層面のコア試料採取、地震 で生じた摩擦熱計測のための温度計設置に成功。

・2013年4月 深海調査研究船「かいれい」・無人探査機「かいこう7000-II」 が、水深6,897mの掘削孔に設置された温度計の回収に成功。

 「ちきゅう」によるJ-FASTの科学成果は、2013年12月に米国科 学雑誌「SCIENCE」に3編の論文として同時に掲載されるなど大き な注目を集めている。これらの成果は、震災の影響を把握するた め、さらには将来の大震災に備えるために役立っている。

 南海トラフでは今後30年以内にマグニチュード8以上の地震が発 生する確率が60 ~ 70%といわれる。JAMSTECは、東南海地震の想 定震源域である紀伊半島沖熊野灘において、2005年より稠密な地震・ 津波観測監視システム(DONET)の構築を進め、2011年に運用を開始 した(南海地震の想定震源域である四国沖では2015年完成を目途に DONET2を構築中)。

 DONETとDONET2は、2014年7月、国土交通省がまとめた「南海 トラフ巨大地震対策計画」の重点対策にも位置づけられ、想定される 震源により近い海底において地震・津波を検知することにより、たと えば津波観測情報を現在より最大で10分程度、緊急地震速報も数秒 早く提供できるようになる。2014年9月には、地方自治体や民間と情 報の適切な活用についての実証実験が開始され、早期避難誘導や早期 安全対策等へのリアルタイム情報の活用が進められている。

―より早く、正確な避難情報を―

「しんかい6500」による調査地点 「ちきゅう」による掘削地点 

3.11震源

  地震・津波観測監視システム(DONET)   2011年3月11日に発生した東日本大震災に際し、JAMSTECは震災直後

の3月14日から、震源海域においてさまざまな調査・研究を実施してきた。  また、2011年に完成、運用を開始した地震・津波観測監視システム (DONET)により、近い将来に海溝型超巨大地震発生が予測される南海ト ラフにおいて、世界でも類を見ない稠密な観測網を構築し、高精度リアル タイムモニタリングを実施している。

 JAMSTECは、これまでの調査研究の成果とリアルタイム観測データを もとに、国や大きな被害が予想されている自治体・企業との連携を深め、 次の巨大地震・津波に備えていく。

東日本大震災への対応

―迅速かつ広範な調査による実態・影響の解明―

―巨大地震と津波の脅威、その実態把握と今後への備え―

自然災害に強い日本のために

次の海溝型超巨大地震・津波への対応

「しんかい6500」が撮影した 震源域海底の亀裂(水深5,351m)

「ちきゅう」が採取に成功した地震断層面のコア試料 掘削同時検層により得られた 孔内イメージ

温度計の回収(水深6,897m)

DONET2

DONET

海陽町 まぜのおか陸上局

室戸市 室戸陸上局

(7)

 東日本大震災直後からJAMSTECが実施した主な研究調査は 次のようなものである(時系列)。

・2011年3月 深海調査研究船「かいれい」による海底地形調査で、震源域 の海底地形が東南東方向に約50m動き、約7m隆起してい たことを解明。

・同年3月~11月 学術研究船「白鳳丸」をはじめとする5隻の船舶による福島 第一原子力発電所沖合での海域モニタリングを実施。 ・同年4月~5月 福島第一原子力発電所事故により海洋に流入した放射性物

質の拡散シミュレーションを実施。

・同年7月~8月 有人潜水調査船「しんかい6500」による震源海域の潜航調査。 水深約3,200~5,350mの海底において亀裂や段差を確認。 ・2012年4月~5月 地球深部探査船「ちきゅう」の震源域掘削調査(J-FAST)を実 施。海底下約820m付近での地震断層面のコア試料採取、地震 で生じた摩擦熱計測のための温度計設置に成功。

・2013年4月 深海調査研究船「かいれい」・無人探査機「かいこう7000-II」 が、水深6,897mの掘削孔に設置された温度計の回収に成功。

 「ちきゅう」によるJ-FASTの科学成果は、2013年12月に米国科 学雑誌「SCIENCE」に3編の論文として同時に掲載されるなど大き な注目を集めている。これらの成果は、震災の影響を把握するた め、さらには将来の大震災に備えるために役立っている。

 南海トラフでは今後30年以内にマグニチュード8以上の地震が発 生する確率が60 ~ 70%といわれる。JAMSTECは、東南海地震の想 定震源域である紀伊半島沖熊野灘において、2005年より稠密な地震・ 津波観測監視システム(DONET)の構築を進め、2011年に運用を開始 した(南海地震の想定震源域である四国沖では2015年完成を目途に DONET2を構築中)。

 DONETとDONET2は、2014年7月、国土交通省がまとめた「南海 トラフ巨大地震対策計画」の重点対策にも位置づけられ、想定される 震源により近い海底において地震・津波を検知することにより、たと えば津波観測情報を現在より最大で10分程度、緊急地震速報も数秒 早く提供できるようになる。2014年9月には、地方自治体や民間と情 報の適切な活用についての実証実験が開始され、早期避難誘導や早期 安全対策等へのリアルタイム情報の活用が進められている。

―より早く、正確な避難情報を―

「しんかい6500」による調査地点 「ちきゅう」による掘削地点 

3.11震源

  地震・津波観測監視システム(DONET)   2011年3月11日に発生した東日本大震災に際し、JAMSTECは震災直後

の3月14日から、震源海域においてさまざまな調査・研究を実施してきた。  また、2011年に完成、運用を開始した地震・津波観測監視システム (DONET)により、近い将来に海溝型超巨大地震発生が予測される南海ト ラフにおいて、世界でも類を見ない稠密な観測網を構築し、高精度リアル タイムモニタリングを実施している。

 JAMSTECは、これまでの調査研究の成果とリアルタイム観測データを もとに、国や大きな被害が予想されている自治体・企業との連携を深め、 次の巨大地震・津波に備えていく。

東日本大震災への対応

―迅速かつ広範な調査による実態・影響の解明―

―巨大地震と津波の脅威、その実態把握と今後への備え―

自然災害に強い日本のために

次の海溝型超巨大地震・津波への対応

「しんかい6500」が撮影した 震源域海底の亀裂(水深5,351m)

「ちきゅう」が採取に成功した地震断層面のコア試料 掘削同時検層により得られた 孔内イメージ

温度計の回収(水深6,897m)

海陽町 まぜのおか陸上局

室戸市 室戸陸上局

尾鷲市 尾鷲陸上局

6

      J A M S T E C の 成 果 と 活 動 実 績

人類共通の財産である海洋環境

 国土を海に囲まれた我が国にとって、海洋は水産業や海運 業に欠かせない重要な社会経済基盤である一方、それは人類 共通の財産でもある。したがって海洋の利活用にあたっては 海洋環境・生態系との調和を図る必要がある。

 他方で、極限環境に生きる深海生物・微生物は、陸上の生 物にはない特異な機能を獲得しており、医療、食品、エネル ギーといった様々な分野への応用展開に世界の注目が集 まっている。

 東日本大震災の津波・地震の影響で東北沖の海洋環境は激変 した。この地域の漁場復興に科学的知見を有効活用するために 構築された「東北マリンサイエンス拠点形成事業」において、 JAMSTECは東北大学、東京大学と共に、海洋生態系の調査研 究を推進している。

 2014年9月、この事業を進めるための象徴的な船舶である 東北海洋生態系調査研究船「新青丸」は、復旧工事を終えた船籍 港である岩手県大槌港に初めて着岸した。東北地方沖の海洋調 査の実施とともに復興のシンボルとして今後の活躍に期待を 担っている。

 JAMSTECは、国際プロジェクト「Census of Marine Life」 の一環として、京都大学、東京大学と共同で解析を行い、日本近 海は世界的に見ても生物多様性が極めて高いことを科学的に示 した。

 ま た、独 立 行 政 法 人 石 油 天 然 ガ ス・金 属 鉱 物 資 源 機 構 (JOGMEC)の実施する海底熱水鉱床開発における環境影響評 価調査を受託し、深海熱水域環境に生息する生物やそれらの遺 伝子情報を解析し、今後の持続的利用指針策定に貢献した。  海洋を持続的に利用し、その豊かな財産を子孫に引き継ぐた めの手法を示すのもJAMSTECの役割である。

東北の海洋生態系復興への貢献

我が国の周辺海域は生物多様性のホットスポット

―高性能の研究船「新青丸」研究への期待―

―海洋の持続的利用により未来に財産を―

―海洋の開発・利用と生態系の保全―

東北海洋生態系調査研究船「新青丸」

 マ リ ア ナ 海 溝 チ ャ レ ン ジ ャ ー 海 淵 の 世 界 最 深 部(深 度 10,900m)で採取したカイコウオオソコエビの体内から、セル ロースを分解する未知の酵素(新規セルラーゼ)が2012年に発 見された。この新規セルラーゼは高いグルコース生産性を持つ ことが確認されており、酵素遺伝子の獲得により大量生産に成 功すれば、木材・廃材や紙類からグルコースを生産し、それを バイオエタノールや食品に加工することで、エネルギーや食糧 の需給問題を解決する可能性が期待されている。

深海生物の特異な機能を利活用

―超深海性ヨコエビの体内から有用酵素を発見―

(8)

我が国そして世界の海洋研究を支える

 リモートセンシングやロボット技術が発展した現在でも、海をフィールドとする研究においては、研究者が 直接現場に行く意義は大きい。特に深海や極域などの厳しい環境では、最先端の技術を有する潜水調査船や観 測船がなければ調査そのものが成り立たない。JAMSTECはこれら船舶の運用管理を行い、困難な調査や高精 度の観測を実施することで最先端の研究成果を創出し、同時に研究者・技術者たちの育成にも貢献してきた。 また、これまでの調査研究や観測航海で得られたデータやサンプルは、“人類共有の財産”として品質管理をし た上で広く公開・提供を行っている。

 1989年の完成から25年、潜航回数1,400回を越えた「しんかい 6500」は、日本周辺だけでなく世界の深海で潜航調査を行い、のべ 1,000名を超える研究者たちを深海へ送り込むことで地球科学の進 展に計り知れない貢献を果たしてきた。現在でも、その潜航調査能力 だけでなく、運用ノウハウ、安全管理において「しんかい6500」は世 界トップクラスの実力を持つ。

 日本初の原子力船「むつ」を改造した海洋地球研究船「みらい」 (1996年建造)は広域かつ長期にわたる観測研究が可能であり、北極

海や太平洋、インド洋などでの海洋観測を実施してきた。また、大型 観測ブイの展開・メンテナンスも実施。地球規模での気候変動研究 に大きく貢献した。これまでの観測点は、CTD(水温・塩分・深度)観 測で6,900地点、採水は4,700地点を超える。

北極域から熱帯域まで高精度観測を実施した「みらい」

大深海への挑戦を支えてきた有人潜水調査船「しんかい 6500」

―我が国の深海調査研究の中核―

―世界から称賛される高品質観測データを創出―

「みらい」乗船研究者:のべ801名 (2009年4月~ 2015年2月末)

日本周辺における「しんかい6500」の潜航地点 JAMSTEC

220名 20%

508名 48%

372名 47%

371名 46% 58名

7%

338名 32%

国内機関(61機関) 海外機関(海外80機関)

インド洋、南大西洋、カリブ海、南太平洋を 潜航調査した世界一周航海QUELLE2013

海洋観測航海中の 「みらい」

―世界に誇る高性能の船舶と高品質データ―

「しんかい6500」乗船研究者:のべ1,066名 (1991年6月・潜航No.1 ~

      2014年10月・潜航No.1411)

JAMSTEC 国内機関(49機関) 海外機関(海外31機関)

観測方法

採水

(9)

我が国そして世界の海洋研究を支える

 リモートセンシングやロボット技術が発展した現在でも、海をフィールドとする研究においては、研究者が 直接現場に行く意義は大きい。特に深海や極域などの厳しい環境では、最先端の技術を有する潜水調査船や観 測船がなければ調査そのものが成り立たない。JAMSTECはこれら船舶の運用管理を行い、困難な調査や高精 度の観測を実施することで最先端の研究成果を創出し、同時に研究者・技術者たちの育成にも貢献してきた。 また、これまでの調査研究や観測航海で得られたデータやサンプルは、“人類共有の財産”として品質管理をし た上で広く公開・提供を行っている。

 1989年の完成から25年、潜航回数1,400回を越えた「しんかい 6500」は、日本周辺だけでなく世界の深海で潜航調査を行い、のべ 1,000名を超える研究者たちを深海へ送り込むことで地球科学の進 展に計り知れない貢献を果たしてきた。現在でも、その潜航調査能力 だけでなく、運用ノウハウ、安全管理において「しんかい6500」は世 界トップクラスの実力を持つ。

 日本初の原子力船「むつ」を改造した海洋地球研究船「みらい」 (1996年建造)は広域かつ長期にわたる観測研究が可能であり、北極

海や太平洋、インド洋などでの海洋観測を実施してきた。また、大型 観測ブイの展開・メンテナンスも実施。地球規模での気候変動研究 に大きく貢献した。これまでの観測点は、CTD(水温・塩分・深度)観 測で6,900地点、採水は4,700地点を超える。

北極域から熱帯域まで高精度観測を実施した「みらい」

大深海への挑戦を支えてきた有人潜水調査船「しんかい 6500」

―我が国の深海調査研究の中核―

―世界から称賛される高品質観測データを創出―

「みらい」乗船研究者:のべ801名 (2009年4月~ 2015年2月末)

日本周辺における「しんかい6500」の潜航地点 JAMSTEC

220名 20%

508名 48%

372名 47%

371名 46% 58名

7%

338名 32%

国内機関(61機関) 海外機関(海外80機関)

インド洋、南大西洋、カリブ海、南太平洋を 潜航調査した世界一周航海QUELLE2013

海洋観測航海中の 「みらい」

―世界に誇る高性能の船舶と高品質データ―

「しんかい6500」乗船研究者:のべ1,066名 (1991年6月・潜航No.1 ~

      2014年10月・潜航No.1411)

JAMSTEC 国内機関(49機関) 海外機関(海外31機関)

観測方法

採水

CTD 6,958 4,787 公開データ数

8

      J A M S T E C の 成 果 と 活 動 実 績

貴重なデータ・試料の公開と管理

 船舶や潜水調査船で取られたデータや試料、映像や画像は、極め て学術的価値が高い。JAMSTECは、これらの貴重なデータ・試料 などを長期にわたり保管し、国内外の研究者に限らずより多くの方 が利用できるように、適切な管理・公開・提供を行っている。

・船舶による調査・観測データ:1,051 航海分

・潜水調査船などで撮影された映像・画像:4,757 潜航分  (動画 260,795 シーン・ 静止画 1,187,878 枚) ・岩石サンプル数:20,663 個

・生物サンプル数:33,505 個 ・掘削コア試料 :約 107km 分

(「ちきゅう」で取られたコア試料のみでなく、IODP のもと、 世界に三つあるコア試料保管拠点の一つとしてインド洋・ 西太平洋のコアを保管。世界中の研究者に利用されている)

―公開データ・試料の例(2015 年 1 月末現在)―

―110万枚以上の深海生物画像から生物・岩石試料も利用可能―

 地球深部探査船「ちきゅう」は2005年に完成、2007年から統合 国際深海掘削計画(IODP)による研究航海を開始した。IODPは日本 と米国が主導する国際科学計画で、世界中から研究者が集まり掘削 研究を進めている。「ちきゅう」は最先端の掘削船であると同時に、 すぐれた研究区画を備えた洋上の研究所でもある。集まったトップ クラスの研究者たちは、新たなコア試料やデータに向き合い、船上 では熱い討論が日夜行われる。まさに研究者の練磨の場でもある。  さらに「ちきゅう」は、2014年1月「南海トラフ地震発生帯掘削計 画」において海底下からの深度3,058.5mの掘削を行い、自らのもつ 海洋科学掘削の世界最深度記録を更新した。得られた貴重な試料や データの解析が進み、さらなる新たな発見が得られるであろう。

世界中の優れた研究者が

切磋琢磨する洋上研究所「ちきゅう」

―日本が主導する国際科学研究プロジェクト―

地球深部探査船「ちきゅう」による IODP-CDEX研究航海(2007-2014)

Expeditions 311 沖縄熱水海底下生命圏掘削

Expeditions 343, 343T 東北地方太平洋沖地震調査掘削 Expeditions 337

下北八戸沖石炭層生命圏掘削

南海トラフ地震発生帯掘削 Stage 1 Expeditions 314, 315, 316 Stage 2 Expeditions 319, 322, 332, 333 Stage 3 Expeditions 326, 338 Stage 4 Expeditions 348

「ちきゅう」乗船研究者:のべ342名 (2007年12月~ 2014年1月)

米国(37機関) 日本(23機関)

ECORD(58機関) アジア(13機関) 地球深部探査船「ちきゅう」

95名 28%

22名 6%

93名 27%

(10)

海洋科学・技術を通した社会貢献

 福島大学等と共同で開発・実用化を進めてきた、放射性物質90Sr(ス

トロンチウム90)を含む淡水試料のICP-MS(高周波誘導結合プラズマ 質量分析装置)を用いた迅速分析手法が、東京電力福島第一原子力発電 所内の分析業務に導入された。本手法はICP-MSにより、1L中に1Bq(ベ クレル)程度のわずかな量でも90Srを測定できる世界初の技術であり、

標準溶液を必要としないため、緊急時に一般の環境分析機関でも測定が 行えるようになる。また、作業員による化学処理がいらないため被ばく の低減が見込まれる他、従来手法では前処理含め1週間程度かかってい た測定が、最短30分程度で行えるようになるなど多数の利点がある。

福島第一原子力発電所廃炉への貢献

90

Sr の分析時間を大幅に短縮―

 町工場の活性化と技術伝承を目的に発案された「江戸っ子1号プロ ジェクト」が、産学官および金融の共同研究事業として実施され、完成 したフリーフォール型深海探査シャトルビークル「江戸っ子1号」は、 2013年11月の日本海溝の潜降実験(水深7,800m)で高精細な3Dフ ルハイビジョン映像による深海生物の撮影に成功した。下町発信によ る本プロジェクトの成功は大きな話題を呼び、第7回海洋立国推進功 労者表彰で内閣総理大臣賞を受賞するなど、高い評価を受けた。

江戸っ子 1 号プロジェクト

―町工場との連携で超深海生物の 3D 撮影に成功―

 スーパーコンピュータ「地球シミュレータ」は、地球温暖化や地 殻変動といった地球科学におけるシミュレーションに大きな力を 発揮するとともに、産業界による成果専有型の有償利用も可能と なっており、社会へのさまざまな貢献を行ってきた。

 また、JAMSTECが前身の海洋科学技術センター時代から培っ てきた海中探査技術は、潜水技術研修や民間企業との共同機器開 発を通して、社会に広く

展開されている。

―超高速計算や深海探査技術が豊かにする未来―

「地球シミュレータ」が再現した北西太平洋の微小な渦の変動 システム更新された

「地球シミュレータ」

※ICP-MS……微量な元素の測定を行う分析機器として、地球科学をはじめ幅広い分野で利用されている精密分析機器の一つ。

海洋調査船「かいよう」船上で

※産:株式会社杉野ゴム化学工業所、株式会社浜野製作所、株式会社パール技研、ツクモ電子工業株式会社、岡本硝子株式会社  学:国立大学法人東京海洋大学、芝浦工業大学

 金融:東京東信用金庫  官:JAMSTEC 

4号機にて撮影された映像の一部

大陸棚延長申請への貢献

―高精度海底地形調査、海底下構造探査を実施―

我が国の延長大陸棚!

認められた範囲

審査が先送りされた範囲

 2012年4月27日、国連の大陸棚限界委員会は我が国が2008年11 月に申請した大陸棚74万km2のうち約31万km2の延長を認めた。

 JAMSTECは、この大陸棚延長申請に必要となった地形・地質等の 科学的データを収集するための大陸棚調査に参画し、調査船「かいよ う」、「かいれい」による精密海底地形調査や高精度海底下構造探査とこ れらのデータ解析において大きく貢献した。2014年10月1日付でこ れに関する政令が施行され、延長が認められた部分のうち、計17万 7000km2の海域が新たに我が国の大陸棚となった。

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海洋科学・技術を通した社会貢献

 福島大学等と共同で開発・実用化を進めてきた、放射性物質90Sr(ス

トロンチウム90)を含む淡水試料のICP-MS(高周波誘導結合プラズマ 質量分析装置)を用いた迅速分析手法が、東京電力福島第一原子力発電 所内の分析業務に導入された。本手法はICP-MSにより、1L中に1Bq(ベ クレル)程度のわずかな量でも90Srを測定できる世界初の技術であり、

標準溶液を必要としないため、緊急時に一般の環境分析機関でも測定が 行えるようになる。また、作業員による化学処理がいらないため被ばく の低減が見込まれる他、従来手法では前処理含め1週間程度かかってい た測定が、最短30分程度で行えるようになるなど多数の利点がある。

福島第一原子力発電所廃炉への貢献

90

Sr の分析時間を大幅に短縮―

 町工場の活性化と技術伝承を目的に発案された「江戸っ子1号プロ ジェクト」が、産学官および金融の共同研究事業として実施され、完成 したフリーフォール型深海探査シャトルビークル「江戸っ子1号」は、 2013年11月の日本海溝の潜降実験(水深7,800m)で高精細な3Dフ ルハイビジョン映像による深海生物の撮影に成功した。下町発信によ る本プロジェクトの成功は大きな話題を呼び、第7回海洋立国推進功 労者表彰で内閣総理大臣賞を受賞するなど、高い評価を受けた。

江戸っ子 1 号プロジェクト

―町工場との連携で超深海生物の 3D 撮影に成功―

 スーパーコンピュータ「地球シミュレータ」は、地球温暖化や地 殻変動といった地球科学におけるシミュレーションに大きな力を 発揮するとともに、産業界による成果専有型の有償利用も可能と なっており、社会へのさまざまな貢献を行ってきた。

 また、JAMSTECが前身の海洋科学技術センター時代から培っ てきた海中探査技術は、潜水技術研修や民間企業との共同機器開 発を通して、社会に広く

展開されている。

―超高速計算や深海探査技術が豊かにする未来―

「地球シミュレータ」が再現した北西太平洋の微小な渦の変動 システム更新された

「地球シミュレータ」

※ICP-MS……微量な元素の測定を行う分析機器として、地球科学をはじめ幅広い分野で利用されている精密分析機器の一つ。

海洋調査船「かいよう」船上で

※産:株式会社杉野ゴム化学工業所、株式会社浜野製作所、株式会社パール技研、ツクモ電子工業株式会社、岡本硝子株式会社  学:国立大学法人東京海洋大学、芝浦工業大学

 金融:東京東信用金庫  官:JAMSTEC 

4号機にて撮影された映像の一部

大陸棚延長申請への貢献

―高精度海底地形調査、海底下構造探査を実施―

我が国の延長大陸棚

認められた範囲

審査が先送りされた範囲

 2012年4月27日、国連の大陸棚限界委員会は我が国が2008年11 月に申請した大陸棚74万km2のうち約31万km2の延長を認めた。

 JAMSTECは、この大陸棚延長申請に必要となった地形・地質等の 科学的データを収集するための大陸棚調査に参画し、調査船「かいよ う」、「かいれい」による精密海底地形調査や高精度海底下構造探査とこ れらのデータ解析において大きく貢献した。2014年10月1日付でこ れに関する政令が施行され、延長が認められた部分のうち、計17万 7000km2の海域が新たに我が国の大陸棚となった。

大陸棚の延長海域(総合海洋政策本部HPより) 

10

      J A M S T E C の 成 果 と 活 動 実 績

2005 2009 2006 -2010 2007 -2011 2008 -2012 2009 -2013 2010 -2014 2.0 0.0 4.0 6.0

京都大学 北海道大学

東北大学 東京大学

JAMSTEC 6.61 5.95 5.61 5.23 4.30

世界に向けた成果発信や国際展開

 世界的に主要な学術文献・引用索引データベース「Web of Science®」による、Geosciences分野の論文の被引用数 から、日本の主要な研究機関データを抽出・再集計した結 果では、JAMSTECは2002年以降この分野において我が 国でトップクラスとなっており、研究成果は広く活用され ている。

 2014年8月、平理事長は、安倍晋三内閣総理大臣の中南 米5か国歴訪に合わせてブラジルを訪れ、我が国の海洋科学 技術に関する取り組みを広く紹介するとともに、ブラジル科 学技術イノベーション省(MCTI)とJAMSTEC間での「海洋 研究・開発の協力推進に関する意図表明(DoI:Declaration of Intent)」を 締 結 し た。翌 月 に は、イ ン ド 地 球 科 学 省 (MoES)との間に意図表明文書(Letter of Intent:LoI)を締 結するなど、JAMSTECは海洋地球科学技術分野の積極的な 国際展開によって、研究連携の活性化と友好関係の構築を目 指している。

論文(Geosciences分野)では高い引用率

主要研究機関の論文平均引用率の比較→ (Web of science Geoscience分野 2015年2月調べ)

両首脳前での覚書等文書発表式(左より、平理事長、安倍総理、ジニス大臣) (引用写真:PORTAL DO MINISTÉRIO DA CIÊNCIA, TECNOLOGIA E INOVAÇÃO)

「ニコニコ超会議3」の様子

「日立世界ふしぎ発見!」 収録の様子

「夢の扉+」 収録の様子

夢や感動を伝える!

 2013年6月22日、カリブ海の深海5,000mからの生中継 が実現した。世界最深部の熱水噴出孔で調査潜航する「しん かい6500」に直径0.9mmの光ファイバーケーブルで繋ぎ、 通信衛星を介してインターネットにより全世界に深海調査 のリアルタイム映像を配信した。番組ページ(ニコニコ生放 送)へは、リアルタイムで延べ30万人以上が視聴、コメント が50万人以上から寄せられ大反響を呼んだ。

 またこの配信番組を地上に再現するコンセプトで行われ るイベント「ニコニコ超会議3」が2014年4月26、27日、に 開催され、主催者からの協力依頼により「しんかい6500」実 機の展示と関連イベントを実施した。10~20歳代を中心に 2日間で12万4966名の来場があり、若い世代への周知にも 大いに効果をもたらすことが出来た。

深海からのライブ放送とイベント実施

 世界のあらゆるふしぎを解き明かしていくTBSテレビ 『日立世界ふしぎ発見!』の番組で、JAMSTECが協力し、有 人潜水調査船「しんかい6500」、地球深部探査船「ちきゅう」 での研究活動や、研究船「なつしま」と無人探査機「ハイパー ドルフィン」による「ハガキにかこう海洋の夢コンテスト」入 賞者による体験乗船イベントなどが放映され、海洋科学技術 の研究活動が紹介された。また、TBSテレビ「夢の扉+」の番 組では、東日本大震災後の海底の様子や地震メカニズムにつ いて研究を進める研究者の研究活動が紹介され、研究成果と 社会と関わりについて国民に分かりやすく伝えることが出 来た。

研究成果の社会貢献

海洋地球科学技術分野の国際展開

(12)

2015 年 3 月発行

http://www.jamstec.go.jp/

参照

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