公共経済学演習 41 取引,外交などの交渉で最後通牒というものがよく行われる.最後通牒とは(受諾されれば交渉を終え るが)受諾されなくても交渉を終えることにコミットメントした提案のことをいう.本来,提案が受諾さ れなくても交渉を終えるよりも交渉を続けることでよりよい結果になることも考えられるはずだが,なぜ 最後通牒がよく行われるのだろうか?
状況 自分の利益を追求するある商品の買い手と売り手が価格を交渉している.まず一方が 10,20,30, 40,50万円のうちから一つ提示する価格を選び,つぎにもう一方が,相手がどれを選んだか知ったうえ で,受諾,拒否のうちから一つ返答を選ぶ.提示した価格が受諾された場合,その価格で取引が行われる. 提示した価格が拒否された場合,取引は行われない.ただし,
a まず買い手が提示する価格を選び,つぎに売り手が,買い手がどれを選んだか知ったうえで,返答 を選ぶ場合(買い手が最後通牒を行う場合)
b まず売り手が提示する価格を選び,つぎに買い手が,売り手がどれを選んだか知ったうえで,返答 を選ぶ場合(売り手が最後通牒を行う場合)
の二つの場合を考える.買い手の留保価格は 45 万円,つまり,買い手は(低ければ低いほどよいが)45 万円以下なら買ってもよい.売り手の留保価格は 15 万円,つまり,売り手は(高ければ高いほどよいが) 15万円以上なら売ってもよい.したがって,例えば,
• 10 万円が提示されて受諾された場合,
– 買い手の利益は 45 万円以下なら買ってもよいが 10 万円で買うから 45− 10 = 35 万円, – 売り手の利益は 15 万円以上なら売ってもよいが 10 万円で売るから 10− 15 = −5 万円,
• 20 万円が提示されて受諾された場合,
– 買い手の利益は 45 万円以下なら買ってもよいが 20 万円で買うから 45− 20 = 25 万円, – 売り手の利益は 15 万円以上なら売ってもよいが 20 万円で売るから 20− 15 = 5 万円,
• 30 万円が提示されて拒否された場合,
– 買い手の利益は取引が行われないから 0 万円, – 売り手の利益は取引が行われないから 0 万円
である(他の場合は自分で計算せよ).
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公共経済学演習 41 Step1
Step1a:買い手が最後通牒を行う場合:ゲームの木をつくる 先に行動する買い手の利得を左に,後に 行動する売り手の利得を右に書くこと.
Step1b:売り手が最後通牒を行う場合:ゲームの木をつくる 先に行動する売り手の利得を左に,後に 行動する買い手の利得を右に書くこと.
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