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(1)

Road of the Ring -Reverse-

Tadahiro Hoshino

Tohoku university

October 28, 2011

(2)

contents

環に関する結果について紹介する。 逆数学と代数の結果の紹介 アルチン環とネーター環について 非可換環について

抱えている問題と今後

(3)

reverse mathematics

二階算術の理論Z2の集合存在公理に制限を加えることで様々な 部分体系が得られる。

definition

RCA0, WKL0, ACA0はそれぞれ以下の公理からなる公理系で ある。

RCA0 BA + Σ01 induction + ∆01 comprehension WKL0 RCA0 + Weak K¨onig0s lemma

ACA0 RCA0 + arithmetical comprehension

(4)

Friedmanは「逆数学現象」と呼ばれる次の事実に気づいた。 H.Friedman 1974

数学の定理の多くはRCA0で証明できるか、そうでなければ他の 部分体系のいずれかと論理的同値になることがRCA0で証明で きる。

これが発端となって「数学の定理を二階算術で扱えるよう形式化 し、各々の定理を証明するのにどの強さの集合存在公理が必要 か」を調べる「逆数学プログラム」が始まった。

(5)

Weak K¨onig0s lemma

2<N{0, 1}の有限列全体の集合を表す。T ⊆ 2<Nが木である とはT がinitial segmentに関して閉じていることを言う。 f : N → {0, 1}T の道であるとは任意のnに対して hf (0), f (1), ..., f (n − 1)i ∈ T であることを言う。

弱ケーニヒの補題とは「T ⊆ 2<Nが無限木ならばT は道を持つ」 という主張である。

arithmetical comprehension

算術的内包公理とは集合量化記号を含まないような論理式を満た す自然数の集合の存在を保証する公理である。

(6)

theorem (RCA0)

以下は互いに同値である。

1 ACA

0

2 Σ0

1内包公理

3 任意の単射fに対してその値域が存在する。

Next.アルチン環とネーター環について

(7)

algebra

以降、特に断りがない限りRは可換環を表すものとする。 definition

Rがネーター環であるとはRがイデアルの無限上昇列を持 たないことを言う。

つまりイデアルの上昇列I0 ⊆ I1 ⊆ ... ⊆ In ⊆ ...に対 してあるN0が存在し任意のN > N0に対してIN0 = IN であることを言う。

Rがアルチン環であるとはRがイデアルの無限下降列を持 たないことを言う。

Rが強ネーター環であるとはあるNが存在し、任意のRの イデアルの上昇列の長さがNで抑えられることを言う。

(8)

ネーター環におけるイデアル分解の問題も興味深い。 definition

RのイデアルIが既約であるとはIを真に含む有限個のイデアル の共通部分でIが表せないことである。つまりI = A ∩ Bなら ばI = AまたはI = Bである。

RのイデアルJが準素イデアルであるとはR 6= Jかつ

ab ∈ J ∧ a /∈ J → ∃n (bn ∈ J )を満たすことである。特に素 イデアルは準素イデアルである。

proposition (RCA0)

Rをネーター環とする、このときRの既約イデアルは準素イデ アルである。

ネーター環において任意のイデアルは既約イデアルの共通部分へ と分解できることがACA0で証明できる。

(9)

以下はネーター環に関する主張としてヒルベルトの基底定理に着 目し、それに関するSimpsonの論文から始めた研究である。 definition

R加群MHilbertianであるとは任意のMの元の列hmii 対してあるn ∈ Nが存在して任意のjに対して

mj ∈ hm0, ..., mniRを満たすことを言う。 環に対しても同様に定義される。

環がHilbertianならばそれがネーター環であることはRCA0で示 せる。

proposition (ACA0)

ネーター環はHilbertianである。

(10)

example

proposition (RCA0+ IΣ2)

RHilbertianならば有限生成R加群もHilbertianである。 また、R[X]Hilbertianである。

(Rは非可換でもかまわない。)

現在グレブナー基底を用いて任意のnに対してR[X1, ..., Xn]Hilbertianが示せないか研究中である。

(11)

Idea of the proof

R[X]Hilbertianであることを示す。 R[X]の列haiiを任意に取る。N ,Nn,In

N = {f ∈ R[X] | ∃m ∃ti ∈ R[X] (f =mi=0tiai)} Nn = N ∩ {g ∈ R[X] | ∃si ∈ R(g =ni=0siXi)} In = {r ∈ R | ∃a ∈ Nn (aにおけるXnの係数がrである)} とする。次数に関する帰納法を用いて任意のb ∈ N がそれに依 存しない有限個のb0, ..., bl ∈ N が存在してb ∈ hb0, ..., bliR[X] であることを示す。

任意のjに対してaj ∈ N であり、各bi ∈ N は有限個のaiで 表すことが出来ることからR[X]Hilbertianであることが示さ れる。

(12)

最高次の次数がnの項に対して、Inはその係数の集合であって RHilbertianであることからIn = hr0, ..., r (n)iと表すこと が出来る。Inの定義から各riに対して

fi = riXn+ (Xn`1以下の項) ∈ Nn ⊆ N となるfiが存在す る。よってある有限の次数までならこれら有限個のfi ∈ Nで最 高次の項は表すことが出来る。

I = ∪InとするとIは最高次の係数の集合で、IΣ0

1であるか

らその列挙hr0

iiが存在する。RHilbertianである仮定からあ

る番号kが存在してI = hr0

0, ..., rk0iRである。Iの定義から

i ≤ kに対してある番号ϕ(i)b’(i) ∈ N’(i) ⊆ N が存在して b’(i)= r0iX’(i)+ (X’(i)`1以下の項)と表すことが出来る。 m = max{ϕ(i) | i ≤ k}と置けば次数がm以上の項は b’(i) (i ≤ k)の部分で、m未満の項はIj (j ≤ m − 1)の部分 を用いて表すことが出来る。

(13)

以下はConidisが示した結果である。 theorem 1(RCA0 + IΣ2)

以下は同値である。

1 WKL

0

2 非自明な冪零元を持たないアルチン環はネーター環である。 theorem 2(RCA0 + IΣ2)

以下は同値である。

1 ACA

0

2 アルチン環は強ネーター環である。

(14)

idea of the proof 2

XΣ01-complete setとする。するとあるΣ00 formula ϕが存 在してx ∈ X ↔ ∃n ϕ(x, n)となる。ran(α) = Aの補集合の 無限部分集合がこのnbound出来るようなαの存在を2を 用いて示す。の構成に関してSoareの本を参照した)

R = Q[XN | N ∈ N]としRを二次の不定元からなるイデアル で割り、さらにqX¸(i)− X¸(i)+1で生成されるイデアルで割 る。こうして構成した環に仮定を適用してイデアルの無限下降列 から求める無限部分集合を得る。

(15)

Conidisの証明のアイデアから次を得た。 theorem(RCA0 + IΣ2)

以下は同値である。

1 ACA

0

2 Rがアルチン環ならば任意のイデアルは有限生成である。

3 R

がアルチン環ならば任意のイデアルは既約分解できる。

4 R

がアルチン環ならばRHilbertianである。

ACA0においてアルチン環はネーター環であることが示せる。

アルチン環ネーター環”に置き換えたものが一般的な主張で あるが、そのときにACA0を出せるかどうか研究中である。

Next.非可換環について

(16)

noncommutative ring

以降は非可換環に焦点を当てた研究である。 definition

Rを可換とは限らない環、M()R加群とする。 Msimple(単純)であるとはM 6= 0かつ

∀x ∈ M ∀y ∈ M \{0} ∃r ∈ R (x = ry)つまり任意の 0 6= m ∈ M に対してM = Rmを満たすことを言う。 Msemisimple(半単純)であるとはそれが単純な加群の直 和になっていることを言う。

Rに対してもそれを()R加群と見ることで単純と半単 純が同様に定義される。

Rが斜体であるとは0でない任意の元が単元であることを 言う。

(17)

proposition(RCA0)

単純な()R加群は非自明な部分加群を持たない。

逆はWKL0を用いて体でない可換環が非自明なイデアルを持つ のと同様の方法で示す。可換環のイデアルに関する研究は Downey, Lempp, Miletiの論文を参照するとよい。

(18)

theorem(ACA0)

()R加群Mに対して以下は同値である。

1 M

は半単純である。

2 M

の任意の部分加群M0に対して部分加群M00が存在して M = M0 ⊕ M00である。

3 M

は単純な部分加群の和である。 これについて次を得た。

theorem(RCA0) 以下は同値である。

1 ACA

0

2 M

()半単純R加群ならば、任意の部分加群M0に対し て部分加群M00が存在してM = M0⊕ M00である。 逆の主張の結果については分かっていない。

(19)

idea of the proof

R = Qとし、半単純な左R加群をM = ⊕i2NQXiとする。任

意に与えられた単射f に対してMの部分加群を

M0 = ⊕m2NQ(X2f (m)− (m + 1)X2f (m)+1)とすると仮定よ り部分加群M00が存在してM = M0⊕ M00である。

任意のn ∈ Nに対してX2n, X2n+1 ∈ M \M0であるからある Y2n, Y2n+1 ∈ M0Z2n, Z2n+1 ∈ M00\{0}が存在して

X2n = Y2n+ Z2nかつX2n+1 = Y2n+1+ Z2n+1

である。∃m f (m) = nならばX2n− (m + 1)X2n+1 = (Y2n− (m + 1)Y2n+1) + (Z2n− (m + 1)Z2n+1) ∈ M0であ るからZの項は0になる。Zの消える項の係数からmを計算し てf を適用するとnになる。すなわちZ2n0でない項の係数 qiZ2n+1の項の係数q0iに対してf (qqi0

i − 1) = n

である。

(20)

一般に自己準同型環は自己準同型写像の集合であって2階算術で は定義できないが、単純な加群の自己準同型をその生成元の行先 で定めることで2階算術でも定義する事が出来る。これによって 以下を得る。

theorem(Wedderburn-Artin) (RCA0)

Rを任意の左半単純環とする。このときある斜体D1, ..., Drと n1, ..., nrが一意に存在してR ∼= Mn1(D1) × ... × Mnr(Dr) である。

(21)

idea of the proof

Rは半単純であるから単純な部分加群(極小な左イデアル)Miが 存在してR = ⊕i»nMiと表せる。各Miを加群として同型なも の同士に分けてNk = ⊕j<’(k)Mj;kとする。各Mj;kは単純で あるから単元生成であり、自己準同型End(Nk)を考えるとそれ はM’(k)(End(Mj;k))と同一視できる。

単純性からEnd(Mj;k)が斜体であることが容易に分かる。

(22)

problem

RHilbertianならば任意のnに対してR[X1, ..., Xn] Hilbertianであることを(どこで)示せるか?

Rがネーター環ならば任意のイデアルは有限生成である」 の逆証明。

()R加群Mの任意の部分加群M0に対して部分加群 M00が存在してM = M0 ⊕ M00ならばMは半単純であ る」の逆証明。

(23)

future study

さらなる非可換環の定理について研究する。

(24)

references

Chris J.Conidis

CHAIN CONDITIONS IN COMPUTABLE RINGS R.G.Downey, S.Lempp, J.R.Mileti

Ideals in computable rings

R.I.Soare Recursively enumerable sets and degrees S.G.Simpson Subsystems of second order arithmetic S.G.Simpson

Ordinal Numbers and the Hilbert Basis Theorem T.Y.Lam A First Course in Noncommutative Rings

参照

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