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公開質問状

2017418 東北大学総長

里見 進 殿

科学技術振興機構(JST) 理事長

濵口道成 殿

JST宛て研究不正告発に対する東北大学調査報告書は依拠すべきガイドラ

インに従わず、しかも3編の告発対象論文を全く断りなく調査対象から外 している。この報告書は撤回して再審議すべきである

はじめに

昨年(2016年)1216日、東北大学の公式Webサイトに「研究不正疑義の告

発に関する調査結果について」と題した記事がリリースされた。記事の前半は、 東北大学宛の告発に関する調査結果である。これに関して科学技術振興機構

JST)宛に2017321日付で研究不正疑惑を告発した。関連して公開質問状 1を本フォーラムのHPにアップした。他方、Webサイトの記事後半は以下のよ うに記されている。

20121012日付け文書にて独立行政法人科学技術振興機構(以下、

JST』という。)から本学宛てに調査依頼のあった井上明久氏らを被告発 者とする顕名の告発案件についても、上記の本調査委員会において調査を行 い、その調査結果を踏まえ『研究不正は無かった』と判断し、JSTに報告し ましたので、同様に調査結果を公表します。」(引用終了)

ここで、‘20121012日付け文書にてJSTから東北大学宛ての調査依頼とは、 フォーラム世話人代表の日野秀逸氏らが2012712日付で、JST宛に、別紙「井 上明久氏(東北大学前総長)らの学術的にきわめて不適切な、原点が示されな い圧縮応力ひずみ曲線とそれから求めた機械的性質」に掲げた9編の論文にお ける著者を研究不正で告発した件を指す。

上記の本調査委員会は、「研究活動における不正行為への対応ガイドライ ン(2007年(=平成19年)31日 研究推進審議会研究倫理専門委員会)(以下、

『ガイドライン』という。)に基づく本調査委員会(委員長:四ツ柳隆夫(元 国立高等専門学校機構顧問/元日本分析化学会会長)」である。

調査報告書は、告発を受けた論文には、そのまま放置するわけにいかない 錯誤が存在すると指摘したが、しかし研究不正は無かったと結論した。研究

(2)

2 / 14 不正が無い論拠は、意図的に改ざんされたものとは判断できないおよび、材 料強度分野では特段問題ならない。従って、研究不正には該当しない。である。 以上のことが、東北大のガイドラインに従っているか否かが重要である。なぜ なら研究不正であるか否かはガイドラインに則って判断されているかどうかが 最も重要だからである。上記のガイドラインの該当部分を以下に引用する。

3 対象とする不正行為 本ガイドラインの対象とする不正行為は、発 表された研究成果の中に示されたデータや調査結果等の捏造、改ざん、及び 流用である。ただし、意図しない誤謬や実証困難な仮説など、故意によるも のでないことが根拠をもって明らかにされたものは不正行為には当たらな い。(1)捏造 存在しないデータ、研究結果等を作成すること。(2)改ざ ん 研究資料・機器・過程を変更する操作を行い、データ、研究活動によっ

て得られた結果等を真正でないものでないもの。(3)盗用(引用せずに終 了)。」(下線は引用者、以下同様)

ガイドラインは、告発された論文中に客観的な不正行為事実が認められ、 かつ故意性が認められると研究不正行為と認定する。他方、告発された論文中 の疑惑行為が客観的にガイドラインの捏造、改ざん、盗用に合致する行為であ っても、それが故意でなければ、つまり過失ならば、不正行為と認定しない。 なお、念のために付言すると、このガイドラインの但し書きの趣旨は、JST2007328日付け「研究開発活動の不正行為に係る告発の処理に関する規則」と同 一である。

また、ガイドラインは「63)③ 被告発者の説明及びその他の証拠によ って、不正行為であるとの疑いが覆されず、故意によるものと推定されるとき は、不正行為と認定される。また、被告発者が生データや実験・観察ノート、 実験試料・試薬の不存在など、本来存在すべき基本的な要素により、不正行為 であるとの覆すに足る証拠を示せないとき(上記②イ)も同様とする。」(引 用終了)と、規定している。つまり故意でないことの説明責任は被告発者側に ある。

調査報告書が、ガイドラインに基づいた調査結果による判定であるという ならば、当然、その結論である「研究不正は無かった」を支える論理の随所に、 告発書が提起した不正疑惑に対する被告発者の反論が、引用・紹介されていて 然るべきである。しかし、結論を先取りして言えば、2つの「調査報告書」に は、こうした記述が事実上皆無である。

この公開質問状2では、われわれのJST宛(2012712日付)の告発に対 する上記「東北大学調査報告書」を取り上げ、その結論がガイドラインに準拠 しない、事実誤認に基づく不当なものであることを示す。一連の考察を踏まえ て、東北大総長里見進氏、およびJST理事長濵口道成氏に対して質問する。両者 から責任ある回答をお願いしたい。

最初に一言しておくが、この調査報告には、看過しがたい根本的欠陥があ る。われわれが研究不正で告発した井上氏らの疑惑論文は9編であった。報告 書で取り上げられているのはそのうち6編であって、3編については全く言及 がない。これは、以下に詳述する報告書の論理的な欠陥とは別の、公的報告書

(3)

3 / 14 には決してあってはならない根本的欠陥である。このこと一事によっても,こ の報告書は撤回して再審議されるべきである。

I 前告発の趣旨と調査報告書が認めた客観的不正行為事実 I - 前告発の告発対象論文及び参照論文

JSTに宛てた前告発で対象とした不正疑惑論文は次の9編であった。著者名 の後の両かぎ括弧内の数字{例[13]}は、JSTERATO追跡評価用資料 井上過 冷金属プロジェクト(19972002)の 4.3.1 代表的論文29編の論文番号に対応 する。

8) Materials Transactions 43(2002) 708-711 T. Zhang and A. Inoue [13]

9) Materials Transactions JIM, 40(2001)1149-1151 A. Inoue, W. Zhang, T. Zhang and K. Kurosaka [4] 10) J. Materials Research 16(2001)2836-2844

A. Inoue, W. Zhang, T. Zhang and K. Kurosaki 11) Acta Materialia 49(2001) 2645-2652

A. Inoue, W. Zhang, T. Zhang and K. Kurosaka [3] 12) Materials Transactions 43(2002)1952-1956

A. Inoue, W. Zhang and T. Zhang [11] 13) Materials Transactions 43(2002)2342-2345 W. Zhang and A. Inoue

14) Materials Transactions 42(2001)1805-1812 A. Inoue, W. Zhang, T. Zhang and K. Kurosaka 15) Materials Transactions 45(2004)584-587

A. Inoue and W. Zhang [19]

16) J. Materials Research 21(2006)234-241 W. Zhang and A. Inoue [29]

調査報告書は、論文14)-16)を全く断りなく、調査対象から除外している。

I- 論文中に記載された機械的性質データの数値と図(応力-ひずみ曲線)か ら読み取れるそれらに違いがある事実改ざん

前告発の要点

1) 全破断ひずみに相当する数値 e(%)が、図から読み取れる値は 1.8%であ

るが、論文には2.1%と記載

8

。改ざんと疑われる。引張破断強度は、図から 読み取れる値は2600MPaであるが、論文には2700MPaと記載

8

されている。 改ざんと疑われる。

2) 圧縮破断塑性ひずみe(%)が、図から読み取れる値は1.1%程度であるが、

(4)

4 / 14 論文には1.7%と記載

9

。引張破断塑性ひずみは、図から読み取れる値は0% 程度であるが、論文には 0.4%と記載

9

と明記されている。改ざんと疑われ る。

3) 圧縮破断塑性ひずみは、図から読み取れる値は 1.3%であるが、論文に

1.6%と記載

10

されている。改ざんと疑われる。ActaMat

11

においても、 同様の不正疑惑が存在する。改ざんが疑われる。

調査報告書の【検証項目その1】に記された上記の疑義に関して、調査報告 書は「本文中に記載された材料特性と図から読み取れる材料特性に違いが生じ ていることを被告発者が認めた上で、-。」と記す。ここで、論文に記載された 機械的性質データの数値と図(応力-ひずみ曲線)から読み取れる機械的性質デ ータに違い(実際には、論文の記載値がすべて大)があることは、データの改 ざんである。したがって、客観的不正行為事実が存在すると本調査委員会は認 めている。参考までに告発書で補助線(赤の破線)を引いてこうした改ざんが 行われていたことを一目瞭然にした図を掲げ、解説を加えておく。

図1バルク金属ガラスNi53Nb20Ti10Zr8Co6Cu3合金の引張応力-ひずみ曲線(a) と圧縮応力ひずみ曲線(b

図1は、バルク金属ガラスNi53Nb20Ti10Zr8Co6Cu3合金(数字は原子%で表した 構成元素の組成)の引張応力-ひずみ曲線(a)と圧縮応力ひずみ曲線(b[MT 論文

8)

Fig. 5を再掲]と、それに本稿における説明に必要な補助線(破線)を書

き入れた図である。なお、圧縮試験片は2 mm直径x4 mm高さである。図1には、 応力とひずみの原点(0)が明示され、かつ二つの応力ひずみ曲線の間に分割 記号が付されている。これらは学術論文の図面の書き方としてはほぼ妥当であ

(5)

5 / 14 る。ただし図のキャプションと本文で、図1を応力伸び(elongation)曲線と記 しているが、圧縮試験の場合、試料は縮むから 伸び(elongation)と書くのは間 違いである。また、単位長さあたりの変形量の議論だから横軸は伸びでなく、

ひずみ(strain)とすべきである。図1は応力ひずみ曲線の標準の示し方の例と

して引用したものであるが、それにもかかわらず、以下に示すように、図から 導き出される数値より大きな数値が論文に掲載されている問題点がある。

応力ひずみ曲線の破断点から垂線をおろし、ひずみ軸と交わる点と原点(0) との差は、全破断ひずみ(=弾性ひずみ+塑性ひずみ)である。しかし、井上 氏らはこの全破断ひずみに相当する量を「弾性伸び(ひずみ)を含む、伸び(ひ ずみ)」と呼んでいる。また、図1で、破断点からひずみ軸に向かって矢印が 記されているが、インストロン試験機を用いた圧縮試験では、この矢印のよう な線は得られない。矢印は破壊を意味する補助線と思われるが、補助線を実験 データと同じ太さと形式の線で示すことは、誤解を招く恐れがあるので、学術 論文のデータ記載法としては不適切である。

図1の応力ひずみ曲線は、引張 (a)の場合も圧縮(b)の場合も、最初、ほぼ 直線的な変化を示す。すなわち、弾性変形し、ほとんど塑性変形せずに破断す る。ここで、破断強度は、破断点における応力と応力の原点との応力の差であ る。図1の引張応力ひずみ曲線(a)では、引張破断強度は2400 MPa 2800 MPa のほぼ中間、つまり 約2600 MPa と読み取ることができる。他方、全破断ひず みは、先に述べたように、破断点から降ろした垂線がひずみ軸と交わる点とひ ずみの0点との差であり、図1のデータより、約1.8 %と読み取ることができる。 しかし, MT論文

8)

には、引張破断強度は2600 MPa ではなく2700 MPa, そして 弾性伸びを含む引張破断伸び(全破断ひずみに相当する数値)は1.8 %ではなく 2.1%と記載されている。この違いを理解するために、これらの大きさを図1に 青色の破線で書き込んだ。ところで、MT論文

8)

の題目は、「3000 MPaの高い強 度を持つ新しいバルクガラスNi 基合金」であり、高強度が主題である。また、 MT論文83 結果及び考察(P709 右欄下から5行目)は、The tensile fracture strength of 2700 MPa is believed to be the highest for all glassy alloys reported to date.

(参考訳;2700 MPaの引張破断強度は今日まで報告されているすべてのガラス 合金で最高であると信じられる)と記されている。つまり、2700 MPaの引張破 断強度は学術的に意義深い数値である。それが、改ざんされている事実は軽視 できない。さらに井上氏らは破断強度や全破断ひずみに相当する数値が大きい バルク金属ガラスを目指して研究を展開していることはよく知られている。図1 に見られるように、MT論文

8)

に記載の引張破断強度と弾性伸びを含む引張破断 伸びの数値は、応力ひずみ曲線から求められる数値に比べ大きな値となってい るが、これは井上氏らの研究目的の趣旨に沿う方向への変更であり、改ざんと 疑われる。

図2(次ページ)はバルク金属ガラスCu60Zr30Ti10合金の圧縮応力ひずみ曲 線(a)と引張応力ひずみ曲線(b)MT論文

9

Fig. 4を再掲)および、それに本

(6)

6 / 14 稿で説明に必要な補助線(赤破線)を加えた図である。本文とキャプションに は、Cu60Zr20Ti20合金の応力ひずみ曲線も示すと記されているが、そのデータは 示されていない。図2で注目される点は、応力が500 MPa以下の部分が示されて いない、つまり応力の0点が不明なことである。応力とひずみの0点が示され ていない図2の圧縮応力ひずみ曲線から、破断強度、弾性ひずみおよび全破断 ひずみの数値を算出ですることはできない。それにも拘わらず、このMT論文

9

には、圧縮破断強度と圧縮弾性ひずみに相当する数値が明記されている。この MT論文9に記載された数値はねつ造と疑われる。これについては後述する。

図2 バルク金属ガラスCu60Zr30Ti10合金の圧縮応力ひずみ曲線(a)と引張応力

ひずみ曲線(b)

繰り返すが破断塑性ひずみは、応力とひずみの0点が不明でも、参考値程 度に、算出可能である。図2から、圧縮試験と引張試験の破断塑性ひずみの値 は、それぞれほぼ1.1% とほぼ0%と算出できる。しかし、MT論文

9

にはそれぞ れ1.7%0.4%と明記されている。その大きさを、図2に書き込んだ。応力ひず み曲線から求められる値に比べて、破断塑性ひずみは大きな数値が論文に記載 されており、図1の場合と同様に改ざんと疑われる。

以上の両図の解説は、日野らの告発書からの抜粋だが、この抜粋の論点を 調査報告書は認めている。

また、【検証項目その1】は、「被告発者らは、材料試験によって得られた 荷重変位の関係を記録した紙チャート(生データ)からデータを採集し、投 稿用図面に手作業で変換する過程で、紙チャートの縮小コピーなどが行われた 際、データのわずかな読み違いが発生したと弁明した。ここで、被告発者らは 当時の論文作成過程において、本文中の記載の方が正しく、図が不適切であっ たと弁明した。これは、数回行った実験で得られた結果の平均値、もしくは最

(7)

7 / 14 高値を本文中に記載した、との弁明と合致する(引用終了)」。と記されてい る。

ところで機械的性質の数値が数回行った実験で得られた結果の平均値、も しくは最高値であるとは井上氏らの論文にはほとんど書かれていない。ただし、 問題のMT論文

9

はデータの幅が珍しく記されている。すなわち、Fig. 4の説明文

P1150 右欄下から3行目)は、The glassy alloys subjected to compressive deformation exhibit elastic elongation (εe) of 1.7-1.9%, followed by plastic elongation of 0.8-1.5% and then final fracture(参考訳:圧縮変形を受けたガラス合金は 1.7-1.9%の弾性伸び(εe)(ママ)を示し、次いで0.8-1.5%の塑性伸び(ママ)を示 し、最終破断する)と記されている。ここで、ひずみの原点が不明なので、1.7-1.9% の弾性伸び(εe)が妥当であるか否か検証できない。他方、ひずみの原点が不明で も算出可能な圧縮塑性ひずみ(塑性伸び)は0.8-1.5%と記されている。すなわち、 応力-ひずみ曲線から読み取れる圧縮塑性ひずみ1.1%は0.8-1.5%の範囲内であ り、論文の記述と矛盾しない。しかし、論文に記載された数値、1.7%は、0.8-1.5% の範囲外であり、最高値を超えている。したがって、調査報告書に記された、

「数回行った実験で得られた結果の平均値、もしくは最高値を本文中に記載し た。」は、論文に記載された事実に反する。

また、縮小コピーなどが、データのわずかな読み違いの原因であるとの科 学的合理的説明はない。図(応力ひずみ曲線)から、数値が算出されるのだから、

‘本文中の記載の方(数値)が正しく、図が不適切は主各転倒の論理であり、科学的 合理性に欠ける。本文中の記載の方(数値)が正しく、図が不適切というなら、 図を錯誤により取り違えたということである。

東北大宛の公開質問状1(本HP、新着情報No.24,参照)に対しては、被告 発者らは錯誤により、図(写真)を取り違えたと弁明した。しかし、本件では、 被告発者らは、錯誤により図を取り違えたとは主張していない。従って、図が 適切で、論文の数値が正しくない、つまり誤りであると考えるのが普通である。 単に誤りではなく、各数値は全て大きな値で、つまり論文の主題に合致する方 向に改変されて記されていることが、改ざんが疑われる大きな理由である。

また、調査報告書の「3結論(1)検証項目その1について」、にも同様なこ とが記されている。「引張ないしは圧縮試験を複数回行った場合、本文中に記 載の数値と図面から読み取れる数値の不一致はその範囲内である。以上のこと から、本文中に記載の数値と図面から読み取れる数値の差異は、意図的に改ざ んされたものとは判断できない。」(引用終了)。

ここで、記載の数値と図面から読み取れる数値の不一致はその範囲内は、 各論文で範囲内が具体的に示されない弁明である。弁明が妥当であるか否か判 断不能である。また、上述したように、MT論文

9

では、数値の不一致は範囲内 とは言えない。「本文中に記載の数値と図面から読み取れる数値の差異は、意図 的に改ざんされたものとは判断できない。」は、ガイドライン「3 対象とする 不正行為」に記された、「故意によるものでないことが根拠をもって明らかに されたものは不正行為には当たらない。」に該当しないと考えられる。つまり、 被告発者らは、研究不正でないことを、根拠を持って明らかにしていないから、

(8)

8 / 14 調査委員会は不正判定をすべきであった。

2 応力の原点が示されていない応力ひずみ曲線とそれから算出した機械的 性質の数値捏造・改ざん

4原点が示されていない圧縮応力ひずみ曲線と、それから算出した圧縮 破断強度と圧縮破断ひずみに捏造の疑い

9

5応力500MPa 以下がカットされた応力ひずみ曲線と外挿による原点の

推定より、改ざんの疑い

10

678)原点が示されていない応力-ひずみ曲線から圧縮破断強度と圧縮 弾性ひずみの数値が掲載されている。圧縮試験が適切・正常に行われなか った疑いなど

12-16

【検証結果その2】は、以上の疑義に関して以下のように記す。「圧縮試験に よって得られる応力ひずみ曲線では、教科書で示されるような原点からの直 線的な弾性域は見られないことがある。これは、この分野の常識である。そこ で、圧縮試験で得られた応力ひずみ曲線を研究論文等で報告する場合には、1) 弾性域に見られる応力ひずみ曲線に対して直線を仮定する、2)原点からある ひずみ量までの曲線をそのまま掲載する、3)原点からあるひずみ量までの曲線 を削除して掲載するなどの処置がとられる。このことから、対象論文中で見ら

れる500 MPa 以下の応力-ひずみ曲線を削除し、示さないことは従来からしば

しば行われて来た処置の一つである(引用終了)。」

圧縮試験では、原点からの直線的な弾性域は見られないことがある’-は事 実である。しかしそれは、圧縮実験が正確・適切に行われなかったことの証でもあ る。本件で問題になっている被告発者らの圧縮試験片は、直径1-2㎜で高さ

(=長さ)4㎜程度の、小さな円柱状試料である。このように小さい試験片を 用いて的確に正確に圧縮試験を行うことは一般には容易ではない。だからこそ、 圧縮試験がどの程度の正確性をもって行われたか知る上で、応力ひずみ曲線を見 て確かめることが必要である。上記の、「1)弾性域に見られる応力ひずみ曲線 に対して直線を仮定する、及び3)原点からあるひずみ量までの曲線を削除して 掲載する。」は、被告発者の2001年以降の論文に多く見られることであるが、しか し学術誌(投稿論文等)で、一般的に行われていること、あるいは認知されていること ではない。そのような改変は、ガイドラインの定義によれば、改ざんに相当する からである。応力ひずみ曲線の原点が不明であると、論文に記された破断強 度や破断ひずみの数値が妥当であるか否か、検証できないことが問題点である。

応力の原点(σ= 0 MPa)が示されない応力ひずみ曲線がなぜ疑惑を生むこ とになるのか、図3(次ページ)を用いて探ってみよう。インストロン試験機 を用いた材料試験では、試験片に負荷した荷重とクロスヘッドの移動量の関係 を測定し、それぞれを単位面積当たりと単位長さ当たりに換算して応力ひずみ 曲線を得る。これを「オリジナル(本来)の応力ひずみ曲線」と呼ぶ。「オリ ジナルの応力ひずみ曲線」には、応力とひずみの原点(σ= 0 MPa、およびε= 0%) が必ず存在する(図1参照)。以下の図解では、調査報告書が無視した、告発

(9)

9 / 14 対象論文「15) Materials Transactions 45(2004)584-587 A. Inoue and W. Zhang [19]

Fig.3を用いる。図3は同論文Fig.3の再掲である。この図の応力軸の原点は500

MPaであるから「オリジナルの応力ひずみ曲線」とは明らかに異なる。

図3 MT04論文

15

Fig.3の再掲

そこで、「オリジナルの応力ひずみ曲線」(①)の500 MPa以下の部分に ついて、図3の横軸のひずみ軸を単純に500MPa分相当だけ下方に移動し(破線

②相当)、これと応力軸との交わる点(0*)が、応力とひずみの原点(σ= 0 MPa、 およびε=0%)となる。図3中の左端のデータ曲線を下方に延長(赤線)してみ ても、この応力-歪み曲線は、原点と交わらない。図3の①は、応力の原点を示 さない表示法を取ることによって、σ(応力)= 0 MPaのとき、ε(ひずみ)は0% ではなく負の値を取る(0**点)という、およそありえない事態を、論文読者に 見え難くしている可能性がある。

なお、同様な事象「σ(応力)= 0 MPaの場合ε(ひずみ)は0%ではなく負 の値を取る」は、調査報告書が無視した、告発対象論文「15) J. Materials Research 21(2006)234-241 W. Zhang and A. Inoue [29]」のFig.10でも明瞭に認められる。

他方、調査報告書は、「3結論 (2)検証項目その2については、-原点を 省略して応力-ひずみ曲線を記述し論文中に掲載することそのものは、材料強 度分野では特段問題とならない。従って、この件は不正には該当しない。」と

(10)

10 / 14 記す。ここで、下線を引いた記述しの意味が不明であるが、これを無視して考 える。

冒頭で述べたように、ガイドラインは、告発された論文中に客観的な不正 行為事実が認められ、かつ故意性が認められると、研究不正行為と認定する。 他方、捏造、改ざん、盗用に、合致する行為であっても、それが故意でなけれ ば、研究不正行為と認定しない。応力500MPa以下がカットされた原点が示され ない応力ひずみ曲線を示したことは、改ざんされた応力ひずみ曲線を示すこと であり、客観的不正行為事実が存在すると考えられる。被告発者が意識して、従 って「故意」に、応力500MPa以下をカットした、原点が示されない応力ひず み曲線を作成したことについては、疑いようがない事実である。従って、客観 的不正行為事実が存在し、それを故意に行ったというのであるから、研究不正 行為と判定すべきと考えられる。しかしながら、上記のように、調査報告書は、

「材料強度分野では特段に問題とならない。従って、研究不正には該当しない。」 と結論しているが、これはガイドラインに準拠しない、誤った結論である。

ところで、ガイドラインは20131126日付で改訂され、さらに、2015323日に改訂された。前者を2013年ガイドライン、後者を現行ガイドライン、 そして、上記の2007年のガイドランインを旧ガイドラインと呼ぶことにする。 2013年ガイドライン(研究活動における不正行為への対応ガイドライン(平成 25年(2013年)1126 役員会))と現行ガイドラインはほぼ同じである。 2013年ガイドラインP2は次のように記す。4 対象とする不正行為1 対象とする不正行為 本ガイドラインの対象とする不正行為は、発表された研

究成果の中に示されたデータや調査結果等の捏造、改ざん、及び流用である。 ただし、意図しない誤謬や実証困難な仮説、過誤など故意に基づかない行為、 科学的見解の相違、研究分野における一般慣行によった行為、単なるデータの 記載ミスや錯誤による取り違えなどはこれに該当しない。」(引用終了)

旧ガイドラインで、「ただし、意図しない誤謬や実証困難な仮説など、故 意によるものでないことが根拠をもって明らかにされたものは不正行為には当 たらない。」が、上記の「ただし、意図しない誤謬や実証困難な仮説、(中略)、 錯誤による取り違えなどはこれに該当しない。」に改訂された。

調査報告書の結論、つまり「材料強度分野では特段に問題とならない。従 って、研究不正には該当しない。」は、2013年ガイドラインの「研究分野にお ける一般慣行によった行為は研究不正に該当しない」を適用したことは明らか である。

すなわち、昨年(2016年)1216日、東北大学の公式Webサイトに掲載され た「研究不正疑義の告発に関する調査結果について」記事で、東北大学は、調 査報告書が、「研究活動における不正行為への対応ガイドライン(2007年(= 平成19年)31日 研究推進審議会研究倫理専門委員会)(『つまり、旧ガイド ライン』という。)に基づく」というが、実際には、2013年ガイドラインに基 づいて判定したのは明らかである。

(11)

11 / 14 II 質問事項

以上を踏まえて、東北大学総長里見進氏及びJST理事長濵口道成氏に対して

以下の質問をする。

(1) われわれが、この問題に関する研究不正告発で不正疑惑論文として掲

げたのは、9編であって、6編ではない。調査報告書は、「I-1 前告発の告 発対象論文及び参照論文」に掲げた次の論文について全く言及していない。

14) Materials Transactions 42(2001)1805-1812 A. Inoue, W. Zhang, T. Zhang and K. Kurosaka 15) Materials Transactions 45(2004)584-587

A. Inoue and W. Zhang [19]

16) J. Materials Research 21(2006)234-241 W. Zhang and A. Inoue [29]

これは、JSTがこの告発を受理し、東北大学に調査依頼をしたとき、こ れらの論文に関する不正疑惑について調査を求めなかったからか?それと も、東北大学が調査を怠ったからか?もしJSTが、告発を受理しておいて、 規則に則り、東北大学に調査依頼をした際、この3論文を外していたという なら、その理由を具体的で明確、明解に、かつ可及的速やかに、JSTの公式 HPで公表されたい。われわれがこれらの論文を告発したのが事実であった ことを示すために、告発書そのものを同時に公開する。

2012712日付け告発書別紙 URL

https://docs.google.com/viewer?a=v&pid=sites&srcid=ZGVmYXVsdGRv bWFpbnx3d3dmb3J1bXRvaG9rdTNyZHxneDoxZjEwYmQyNmRhMmEwMWUw

また、もし東北大学が調査を怠った結果なら、東北大学総長の里見進 氏は、調査報告書に最終責任を負う大学のトップとして、この疑問に答える 責務があると考える。里見氏には、東北大学がこの3論文を調査から除外し た理由を、具体的で明確、明解に、かつ可及的速やかに、貴大学の公式HP で公表されたい。

論文 14)は、JSTの看板プロジェクトであるERATOプロジェクト(井上

過冷金属JST-ERATOプロジェクト)の成果であり、セカンドオーサーの張

偉氏はこのプロジェクトの研究員でもある(筆頭著者は井上氏)。論文 15) でもセカンドオーサーである張偉氏は、JSTの職員としてこの研究に関わっ ている(筆頭著者は井上氏)。論文 16)では張偉氏は、筆頭著者(井上氏 はセカンドオーサー)だが、謝辞でこの論文が、JSTCRESTプロジェクト の助成金を受けたと明記している。JSTが、自身の職員に関する研究不正疑 惑について告発があったことを隠蔽するようなことはなかったと考える。し かし、JSTが3編の論文を調査依頼から外していた場合には、そうした批判 を甘受せざるを得ないであろう。

調査報告書は、「4.告発者への提言-研究管理、最終的なデータの 整備と公表の方法について」の第1段落で次のように述べている。

(12)

12 / 14

「実験データの取扱(記録、保管)と論文作成のための研究者教育

(リテラシー)に問題点があったと言わざるを得ない。また、データの 管理についても、不十分であった。被告発者の井上氏は、研究室運営の 方針として、共同研究者の将来性に配慮して、生データを持たせて帰す ことを慣行としていた。今回の例では、論文の記述検証のカギを握るデ ータが、共同研究者の帰国途上、海難事故で失われた。このことが、状 況の証明にとって大きな障害となっている。生データの管理方法に関し 責任の自覚が必要である。(引用終了)」(強調下線は引用者)

もし、東北大学の本調査委員会が、全く断りなく、上記3編の論文を 調査対象から外したことに責任があるなら、これは誠に白々しいコメントで ある。本調査で審議する告発書が、告発対象として列挙している論文がいか なる論文であるのかは、最初に確認しておく必要があるからである。

他方、「論文の記述検証のカギを握るデータが、共同研究者の帰国途 上、海難事故で失われた」というのは、2007年の匿名投書問題で大きな話題 になった張濤北京航空航天大学教授(匿名投書が対象とした疑惑論文の実験 担当者、当時井上研助手)が、同年1227日の記者会見の席で、疑惑論文執 筆当時の実験ノートや製作試料は全て「天津湾沖」の海難事故で喪失した、 と言う「話」である。しかし、われわれとの名誉毀損裁判で井上氏はこの海 難事故が起きたのは「釜山沖」だと証言した。中国の港と韓国の港では大違 いである。このため、この事故がそもそも本当にあった事実なのか、と言う 疑問さえ生じているが、調査委員会が真相を解明したとは聞かない。事故は、 2002年にあったという(この海難事故については,新着情報20,をも参照)。 論文 14)は2001年が公表年であり、著者に張濤氏が入っている。しかし、 論文 15)は2004年に、論文 16)は2006年にそれぞれ公表されていて、両論 文の著者に張濤氏の名前はない。少なくともこの2編の論文には、調査報告 書が言う、「論文の記述検証のカギを握るデータ」の不存在を海難事故に帰 する論理は通用しない。問題のデータは現存するはずである。調査委員会は、 このデータに照らして、少なくともこれら2編の論文との厳密な照合精査を 行うべきだ。里見氏は今後の対応について明確、明解に回答されたい。

われわれは、JSTの「監査・法務部研究公正課」から昨年(2016年)1216日付け書状で東北大学本調査委員会の調査報告書を受け取った。この添 え状では、調査報告書が告発で取り上げた全ての対象論文を扱っているのか 否かという、調査を依頼した側が最低限行うべきチェックさえせず、われわ れに写しを転送してきただけであった。報告書の極めて杜撰な取扱と言わざ るを得ない。濵口氏にはこの責任の所在を明確にすると共に、この質問書で 明らかにした報告書に内在する一連の本質的欠陥を踏まえ、今後どのような 対応を取ることになるのか、明確、明解に回答されたい。

(2) 東北大学は公式HPで、ここで取り上げた調査報告書をリリースするさ

い、「研究不正疑義の告発に関する調査結果について」と題した記事で、調 査委報告書が依拠したガイドラインは、「研究活動における不正行為への対 応ガイドライン(2007年(=平成19年)31日 研究推進審議会研究倫理専

(13)

13 / 14 門委員会)(以下、『ガイドライン』という。)」であった、と明記してい る。このガイドラインによれば、不正行為の認定は、客観的不正行為事実が あり、同時にその行為に「故意性」がある場合であり、被告発者が調査委員 会による不正判定を免れる=回避することが出来るのは、「根拠をもって」 当該行為が「故意」ではなかったこと、つまり「過失」に過ぎなかったこと を「明らか」にする場合に限られている。

調査報告書は、井上氏ら被告発者には「不正は無かった」と判定したが、 調査報告書が、真実ガイドラインに基づいた調査結果による判定であるとい うならば、当然、その結論である「研究不正は無かった」を支える論理の随 所に、告発書が提起した不正疑惑に対する被告発者の反論が、引用・紹介さ れていて然るべきである。しかし詳しく見たように、調査報告書には、こう した記述が事実上皆無である。

もし、里見氏が東北大学のこの調査報告書の結論を是認するならば、な ぜ是認できるのかを、具体的で明確、明解に、かつ可及的速やかに、貴大学 の公式HPで公表されたい。

また、われわれの告発を受理し、規則に則り東北大学に調査依頼をした JSTの濵口氏が、こうした調査報告書の結論を追認されるなら、なぜ追認す ることが出来るのかを、具体的で明確、明解に、かつ可及的速やかに、JST の公式HPで公表されたい。

(3) 調査報告書が依拠したガイドライン(「研究活動における不正行為への

対応ガイドライン」)は、実際には、東北大学役員会が20131126日付 けで制定された。この制定日は、本調査委員会の発足(2013111 日) 当月で、しかも本調査委員会の最初の委員会開催日(201312月4日)直 前であった。本調査は、実際には、この20131126日付けのガイドラ インに従っていたのではないかと疑われる。

この20131126日付けのガイドラインでは、東北大学が最初に制 定した200731日付けのガイドラインにあった但し書き、「ただし、意 図しない誤謬や実証困難な仮説など、故意によるものでないことが根拠をも って明らかにされたものは不正行為には当たらない」がすっかり書き換えら れ、「ただし、意図しない誤謬や実証困難な仮説、過誤など故意に基づかな い行為、科学的見解の相違、研究分野における一般慣行によった行為、単な るデータの記載ミスや錯誤による取り違えなどはこれに該当しない」となっ た。

この改訂は看過しがたい。①最初のガイドラインでは、被告発者が研究 不正の嫌疑から逃れるために行うことが義務づけられている「故意性」を否 定する立証責任規程が、つまり嫌疑が「過失」から生じたことに関する立証 責任規程が、削除され、②同時に、嫌疑すなわち客観的不正行為事実が「過 失」(「過誤など故意に基づかない行為」、「単なるデータの記載ミス」、「錯誤 による取り違え」)であるかどうかは、調査する側(大学側)の判定マター になり、③この判定マターに、「科学的見解の相違」、「研究分野における一 般慣行によった行為」という2つの行為が加わり、大学側が、告発された客

(14)

14 / 14 観的不正行為事実をこれらの行為(総計7行為)に分類すると、いわばアプ リオリに、「不正行為には当たらない」と判定されることになったからであ る。こうした除外規程が適用され、調査報告書では、「不正は無かった」と 判定されたのではないのか。

もし、里見氏が、調査報告書ではこうしたルール違反がなされていない、 との立場を取るなら、否定できる根拠を、具体的で明確、明解に、かつ可及 的速やかに、東北大学の公式HPで公表されたい。

また JST の濵口氏が、東北大学の調査報告書に、判定基準に関するル ール違反はない、との立場を取られるなら、その根拠を具体的で明確、明解 に、かつ可及的速やかに、JSTの公式HPで公表されたい。

(4) 最後に、元大学教員で、名古屋大学の総長経験者でもあった濵口氏に

伺いたい。ここで示したいくつもの事実から、20161216日に公表された、 JST宛て告発に対する東北大学の調査報告書は、本来依拠すべきガイドライ ンに従っていないのは明白である。したがって、JSTは、自ら調査するか、 外部の第三者に調査を委託するか、あるいは東北大学に、調査報告書のHP 掲載時に添付公表しているガイドライン(200731日)に則った再審議を 要求すべきであると考える。そうでなければ、JSTはタックスペイヤーへの 説明責任を放棄しているとの謗りを免れないだろう。井上氏らの研究不正疑 惑は、JSTが資金提供したERATOプロジェクトの成果論文に生じている疑惑 であり、この資金の原資は国民の税金だからである。濵口氏は、今後、この JSTとしての説明責任をどのように果たされるのか、具体的で明確、明解に、 かつ可及的速やかに、JSTの公式HPで公表されたい。

参照

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