1 2016阻止ネット政策提言docx

Free

0
0
20
1 year ago
Preview
Full text
(1)2016 年度 阻止ネット 政策提言(案) 2016 年 10 月 28 日「六ヶ所再処理工場」に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク 呼びかけ団体: 生活協同組合 あいコープみやぎ グリーンコープ共同体 生活クラブ事業連合生活協同組合連合会 大地を守る会 特定非営利活動法人 日本消費者連盟 パルシステム生活協同組合連合会 「『六ヶ所再処理工場』に反対し放射能汚染を阻止する全国ネットワーク(略称:阻止ネット)」は、添 付資料①にある6つの呼びかけ団体の呼びかけに賛同する 650 の団体・個人によるネットワークであり、核 燃料サイクル(特に六ヶ所再処理工場)の日常運転による放射能や、福島第一原発のような原発事故により、 日本の空や海が放射能汚染されることを阻止するために添付資料①裏面のような活動を継続してきました。 私たちは次の3つの視点から専門家を講師に招いて内部学習会を実施し、問題点の抽出と提言内容の検討 を行いました。 1.運転費用の問題 (電力自由化(添付資料②)、使用済燃料再処理機構(添付資料③)) 2.火山の問題 (十和田カルデラ火山(添付資料④)) 3.放射能汚染の問題 (再処理工場のアクティブ試験結果と運転計画(添付資料⑤)) 本政策提言は、この内部学習会の成果を踏まえて、以下の 18 項目の中身にまとめたものです。政策実現 していくことを要望いたします。 提言内容 【電力自由化】 2016 年度から低圧電力(一般消費者向け)の電力自由化が始まり、私たちも自分たちが使用する電気を選ぶ ことができるようになりました。 1. 送配電網の利用料金である「託送料金」は地域独占で送配電を行う大手電力会社が決めていますが、 企業向けの高圧電力に比べて一般消費者向けの低圧電力が著しく高く、またその内訳が不透明です。託 送料金の詳細な内訳と原価を公表し、合理的な金額に値下げしてください。特に、原子力関連のコスト を託送料金に含めないでください。 2. 2020 年に予定している「発送電分離」をしっかりと行い、送電部門への既存大手電力会社の支配力 を排し、高い独立性を保った中立公正な事業としてください。 3. 各電力会社の電源構成や環境負荷に関する情報の開示等、一般消費者が選択できる条件を整備し、電 力自由化によって再生可能エネルギーが普及する流れを促進してください。 4. 私たち消費者は、再生可能エネルギーの供給に力を入れている電力会社と契約することで、再生可能 エネルギーの開発と普及の応援をしましょう。

(2) 【使用済燃料再処理機構】 再処理—プルサーマル政策はワンススルー(再処理しない場合)に比べてコスト的に高いことは原子力委 員会によって 2004 年に確認され、さらに 2012 年にも再び確認されています。しかし、政府は使用済み燃 料の再処理を継続し、2018 年に期限切れになる日米原子力協定を更新するために、十分な国会審議も経ず に、使用済燃料再処理機構を設置して、電力会社に再処理費用を拠出させる法律を可決しました。 5. 採算があわず必要性もない使用済燃料再処理事業を無理やり継続する小手先の措置をやめ、新しい機 構を創設するような屋上屋を重ねる無駄を排してください。 6. 電力会社から徴収する拠出金を MOX 燃料加工関連や中間貯蔵費用などの原子力政策費用に使うこと で、市民の電気料金に負担させないでください。 7. 改めて再処理事業の是非について、国会内に委員会を設置し、議員に加えて有識者や市民委員を広く 選任して、政策論、安全論、経済論、地域経済論などあらゆる側面から徹底的な議論を行ってください 。 その議論の経過をすべて公開し、広く国民が議論に参加する機会も設けてください。 【十和田カルデラ火山】 約千年前と約 20 万年前に十和田カルデラ火山の噴火があり、約 40 万年前と 76 万年前・90 万年前に八甲 田カルデラ火山の噴火がありました。当時の火砕流は六ヶ所再処理工場の敷地に届く距離まで到達しました。 六ヶ所再処理工場にそのような火砕流が流れ込むと、作業員が立ち入ることができなくなり、保管されて いる様々な核燃料物質の冷却を継続できなくなります。高温で厚く堆積する火砕流だけでなく、軽石や火山 弾の岩石による被害も想定されます。 8. 北海道の洞爺火山灰は核燃施設を飛び越えて、八戸市まで飛来して地層を形成しています。しかしな がら、核燃施設への影響評価では、160km 圏内の火山しか評価対象としていません。北海道の火山に ついても再評価してください。 9. 十和田湖の地下では、定常的に地震が発生しています。特に日本各地の火山では、2011 年の東日本 大震災の後で地震が活発になっているとされています。十和田火山と八甲田火山について再評価してく ださい。 10. 十和田山が噴火した場合の火砕降下物の積層のシミュレーションでは、噴火時の火山爆発指数を VEI 5としていますが、1万5千年前に起きた VEI 6以上の噴火が再び起きないと想定するのは楽観的 です。むしろ、3万年前に大噴火して、1万5千年前に再び大噴火したのであれば、次はもうすぐかも しれないと考えて、再評価をしてください。 11. 六ヶ所村の核燃施設は、日本の火山フロントの直近にあります。新火山の生まれる可能性のある場所 です。現存する活火山に限って影響評価をするのではなく、危険な場所であるという認識をもって、再 処理施設を廃棄してください。

(3) 【放射能汚染】 六ヶ所再処理工場は、ラ・アーグ再処理工場の運転実績を参考にすると、定常運転時においてトリチウ ム・クリプトン 85・炭素 14・ヨウ素 129 などの環境汚染が進行し、特にトリチウムによる海洋生態系への 影響が懸念されます。海産物の有機結合型トリチウムの増加が、人間の健康に与える影響が懸念されます。 また、セラフィールド再処理工場の事故を参考にすると、小中規模の事故発生時には廃液等の漏洩などに より、海岸や海水・海産物の汚染が急速に進み、漁業が衰退し、周辺の人々への健康被害が増大します。 ウラル核惨事として知られるマヤーク核技術施設の事故を参考にすると、東北地方・北海道が高濃度に汚 染され、人命にも大きな影響を与え、広範囲の国土を失うことが想定されます。 12. 海産物のストロンチウム汚染濃度の測定結果と、将来の予測濃度見積もりをすべて公表してください。 13. 六ヶ所再処理工場の放出放射能の量について、他の原子力施設と同様に線量告示を基準値として適用 してください。 14. 六ヶ所再処理工場での重大事故時の放射能拡散シミュレーションを求めます。また、その場合の住民 の避難計画を示してください。 15. 六ヶ所再処理工場にミサイルが着弾した場合の被害予測を公表してください。 【全般的政策提言】 六ヶ所再処理工場の竣工の見通しが立たず、高速増殖炉もんじゅの新しい運営主体も定まらない現況のな かで、核燃料サイクル政策の行き詰まりは明らかです。東電福島第一原発事故が収束する目途は立たず、今 も 9 万人もの福島の人々が故郷を離れ、苦難の避難生活を送っているなかで、国が行うべき政策は原発再稼 働ではなく、避難者への継続的な支援です。 16. 核燃料サイクル構想を破棄し、使用済み核燃料を再利用しないでください。不要な再処理工場を止め てください。 17. すべての原発の再稼働を中止し、廃炉へ向かい、原子力を放棄することを新たな国策として決定して ください。 18. 避難指示解除、損害賠償と住宅支援の打ち切りを撤回し、最低限、国際的な勧告に基づく公衆の被ば く限度である年1ミリシーベルトを満たすまで賠償や支援を継続してください。

(4) 添付資料①-1 阻止ネットの案内チラシ(表面)

(5) 添付資料①-2 阻止ネットの案内チラシ(裏面)

(6) 添付資料② 2015.12.07 講師竹村英明氏 第1回学習会の要旨(まとめ:阻止ネット) 1. 電力自由化とは 誰でも①電気を創れる、②電気 を売れる、③電気を選べる、とい うこと。③は、「電力会社」や 「電源」を選べる、という意味。 「選べる」とは「契約」するとい うこと。再エネは発電が変動する が、停電しない仕組みが送電網を 活用することで可能。 2. 電力システム改革の動き 日本における電力自由化の流れ は右図のようになっている。 2016 年 4 月から第 2 段階である 小売りの全面自由化が導入された。 また、第 3 段階は 2020 年度から 導入の計画である。大手電力が分 割され解体されるという大きな改 革だが、その事が十分伝わってい ない。 3. 発送電分離は不十分 第3段階の発送電の法的分離では、既存の9電力会社(沖縄を除いて)が解体・分離され、送電部 門が完全に法的に独立し、公正な運用が図られるべきだが、実際にはホールディングカンパニー化 などで独立性が怪しい。既存電力の支配力が続くのではないか。このことは託送料金の不透明さに も現れている。送電部門の独立性を追求していかなくてはいけない。 4. 自由化の現状の問題点と今後の見通し 電力自由化は再生可能エネルギーを後押しするはずだが、現状は厳しい。再エネ電気を供給する 小売電気事業者には、①「30分同時同量」の義務、② FIT 電源からの調達には上乗せ価格の先払 い負担が必要、③使える再エネ電源が極端に少ない、などの厳しい条件があるからだ。

(7) さらに、低圧電力(一般消費者 円/kWh 以下、低圧は9円/kWh と なっている)。低圧電力に押し付 そして、誰でも「自 に」発電し、小売ができるということ・ ・・だが。 由 用)の託送料金が高い(高圧は2 本来は電力会社の解体・ 分離ということ しかし・・・><“ 既存の電力会社 ける形になってしまっている。ま 送配電は既存 電力の支配下、 発電と小売は 合体したまま、 新小売事業者 を食い潰す。 た、電力会社が決めている託送料 金の内訳が不透明なもの問題であ る。 再エネに対する潜在的な受容は なって拡大が難しい状況だ。 巨大シェア そのまま 暴れん坊怪 出 現 由 5. 小 売 獣 2005年からPPS( 定規 模電気事業者)も、高圧 ユーザー向けに電気を 売れるように。 2016年からは低圧ユー ザーにも販売できる。(完 全自 化) 特 大きいのだが、制度がネックと 電気料金に占める原子力関連費用 一般消費者の電気料金に含まれている 原子力関連の費用は結構多い。計算し ていくと、300kWh の使用料の場合に は、合計 1,057 円が原子力関連だ。 6. 日本は再エネ・省エネで十分やって いける 制度上のいろいろな問題はあるが、 日本の再エネポテンシャルは非常に大 きい。環境省における風力発電のポテ ンシャル調査では、日本の潜在力は風 力発電だけで日本が4つまかなえると 自ら報告している。 電力小売りをめざす地方自治体や市 民グループが続々と生まれている。 また、経済効果評価も「ざっと、 272.5 兆円の内需が生まれ」るとされ ており、非常に大きい。 さらに、毎年 20 兆円以上と言われて いる化石燃料の購入費用が削減される。 7. 私たちにできること 再エネ電源で独立する消費者がいるが、しかし、電力需給市場との関係を切ってしまうと、現在 の一般消費者に不利な現在の仕組みを変えられない。再エネ供給にチャレンジしている供給会社と 契約することで会社を応援することだ。

(8) *竹村氏を招いた研究会から半年が経過したが、 既存電力各社の消極姿勢から、電力会社の切り替 えがなかなか進展しない。また、FIT の廃止が示 唆されるなど、政府が本気で再エネを進展させよ うとしているとは受け止めにくい状況に陥ってい る。 エネルギー基本計画では 30 年時点での再エネ の割合は 22~24%と原発を上回り、再エネを中 心に温暖化対策を進めるメッセージとなっている。 他方、環境省は再エネ 35%が可能との試算だ。 着実に再エネを進展させる制度が求められる。

(9) 添付資料③ 講師伴英幸氏 学習会の要旨(まとめ:伴英幸氏) 2016 年 5 月に現行の再処理積立金法 1)を改正して、「原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施に 関する法律」(以下、再処理拠出金法)とする法律が制定された。施行は半年以内とされている。 法律の提案理由は「使用済燃料の再処理等を着実かつ効率的に実施していくため」と記載されている。制 度措置が必要なのは、電力自由化により事業者間の競争が進み、また原発依存度が低減していく中では、安 定して再処理が実施できないとの判断による。具体策は、経産省が設置した「原子力事業環境整備検討専門 ワーキンググループ」(座長:山内弘隆)が報告書にまとめた。法律はそれに沿ったものである。 同法律の要点は、①認可法人として「使用済燃料再処理機構」の名称を含む組織を設立する、②機構が再 処理を実施するために必要な資金を従来の積立金に代えて拠出金として納付させる制度を創設することにあ る。さらに、その際に、拠出金の対象とする事業を従来の再処理等に加えて MOX 燃料工場の建設、運転、 廃棄物処理・処分の費用、さらに、六ヶ所で再処理されない使用済燃料の貯蔵と将来の再処理等の費用にも 拡大する。これが隠れた狙いと言える。具体的な金額の策定は経済産業省令で定めることになっていて、現 時点では省令が定まっていない。 法律は機構が再処理を委託することができるとしている。例えば、機構が直接に再処理事業を行うことに なれば、原子力規制委員会の許認可審査を受けなければならない。これを避けるために、委託する方式にし たのである。具体的には、日本原燃の六ヶ所再処理工場への再処理委託である。 屋上屋を重ねるように認可法人として機構の設立を法に盛り込んだのは、日本原燃が民間の株式会社であ り、解散の自由があるからである。日本原燃を救う措置でもあるが、同時に同社の任意の解散を阻止するた めでもあるのだ。認可法人となれば、設立時に経済産業大臣の認可を受けるのはもちろんだが、解散にも認 可が必要なのである。 資金の拠出者は原発を所有する電力各社である。法律には「使用済燃料の処分の方法として再処理を選択 した実用発電用原子炉設置者」が拠出者と書かれているが、そして、これを持って経産官僚は再処理の強制 ではないと弁明しているが、実際問題としてすべての原子炉設置者が再処理を選択している。否、それ以外 の選択肢はなかった。ただし、現時点では、新設原発に対しては再処理をしない選択肢もあるが、使用済燃 料の直接処分が法的に位置づけられていない現状では、これを選択することは事実上できないと言える。 2005 年に成立した再処理等積立金法により、原子力発電環境整備・資金管理センターに、15 年度以前に 5.2 兆円が積み立てられ、3.0 兆円が使われた。また、2007 年に導入された経産省令によって、電力各社は 六ヶ所再処理工場の対象外の使用済燃料の将来の再処理等費用を引当金として内部留保している。 電力各社の財務諸表には使用済燃料再処理等引当金と使用済燃料再処理等準備引当金の 2 項があり、前者 が資金管理センターで積み立てられ、後者が内部留保に当たる。どちらも費用化されて電気の原価の一部に なり、電気料金から徴収されている。 このたび成立した再処理拠出金法では後者の準備金も拠出することになる。いきなり引当額全額を拠出す

(10) ると膨大な金額になる ので、一定の猶予期間 を設けることになるだ ろう。 MOX燃料加工に必 要な費用に対してはこ れまで手当されてこな かった。新法ではこれ も拠出の対象となる。 再処理—プルサーマル政策はワンススルー(再処理しない場合)に比べてコスト的に高いことは原子力委 員会によって 2004 年に確認され、さらに 2012 年にも確認 2)されている。そして法案提出理由が明瞭に示 しているように、電力自由化後の競争環境下では再処理が事業として成立しないことも明らかである。再処 理事業が競争力のあるものなら、このような法律は不要であるからだ。 原子力委員会は 12 年に日本原燃(株)の事業評価を3年以内に実施することを決定したが、経済産業省は原 子力委員会の決定は義務ではないと無視している。評価をすれば事業の成立性がないことが明らかとなるか らだろう。 法による制度措置で拠出金として電力各社からの支出額を増やすことで当面の資金には余裕ができ、日本 原燃(株)は経営破綻から免れることになるだろう。しかし 2006 年にアクティブ試験に入ってから今日まで 425 トンの再処理しかしていない、特に 2008 年以降は完全に工場はストップしているが、毎年 2700 億円 を超える費用が発生している。日本原燃は六ヶ所再処理工場の竣工は 2018 年上期と発表しているが、規制 基準への適合性審査状況を見ているとさらに数年遅れる可能性は高い。また、日本のプルトニウムの余剰状 況の改善なしに再処理に入れない可能性もある。さらに先行する英仏の再処理工場の設備利用率の低さから 考えれば、六ヶ所再処理工場も公称どおりの再処理(年間 800 トン)の達成は難しいと考えられる。にもか かわらず数千億円の費用の支出は続いていくだろう。従って将来的に拠出金枯渇に陥る恐れが高い。 今回の制度措置に関する審議過程では、再処理の是非を議論せず、また撤退と推進との比較衡量もなく、 再処理維持という経産省の筋書きに沿って進められた。原子力発電への依存度の可能な限り低減する政策方 針の中では、再処理政策継続の是非について改めて議論を尽くす必要がある。その際、従来の原子力推進の 経産省や原子力ムラの有識者による議論を超えて、幅広い市民の参画のもとで、十分な根拠資料に基づく徹 底した政策議論とその公開による国民的合意が必要である。 経産省にはこの能力と資格がない。そこで、国会内に委員会を設置して、議員に加えて有識者や市民委員 を広く選任して、政策論、安全論、経済論、地域経済論などあらゆる側面から徹底的な議論を行うことを提 案したい。本来は法案審議の過程で徹底した政策論議を行うべきだったが、法律施行前に実施することを求 めたい。 【参考文献】 1)「原子力発電における使用済燃料の再処理等のための積立金の積立て及び管理に関する法律」(2005 年 5 月 20 日法律第 48 号) 2)04 年は新計画策定会議におけるバックエンド総合評価、12 年は核燃料サイクル等検討小委員会における 評価。

(11) 添付資料④ 2016.02.17 講師松山力氏 第2回学習会(十和田山・八甲田山)の要旨 1. 日本は4つのプレートの上にあり、4つの火山フロントでできている。 4つのプレート ・ユーラシアプレート ・北米プレート ・フィリピン海プレート ・太平洋プレート 4つの火山フロント プレートが別のプレートにぶつかって地中に沈み込むところに「海溝」や「トラフ」があり、大地震の震 源域である。 プレートに巻き込まれた海水が沈み込んだ先でマントルに水分を供給し、マントルが部分融解して液化し たマグマが形成され、膨張して密度が軽くなったマグマがまっすぐに上昇して火山を作る。 これが列をなすことから火山フロントと呼ばれる。火山フロントの線上であれば、どこに火山ができても おかしくない。 プレート型地震と火山 東日本大地震のようなプレート型地震の直後には、上側のプレートの跳ね返りで地盤の圧力が低くなり、 岩盤の融点が低くなることにより溶けやすくなって、マグマが増えるために火山の活動が活発になる。

(12) 2. 日本の活火山分布 常時観測火山には、八甲田山・十和 田・弥陀ヶ原も加えられ、計 50 ヶ所 になる。  日本にある 110 ヶ所の活火山は、ほとんどが4つの火山フロントの上にある。  六ヶ所再処理工場や MOX 燃料加工工場などの核燃施設も、この火山フロント上にある。  日本原燃(株)は、原子力規制委員会の審査会合(H27.5.15)で、このうち 2 つの火山から火砕流が到達す る可能性があると報告している。 八甲田カルデラ(約 40 万、76 万、90 万年前) 十和田火山(西暦 915 年、約 20 万年前)

(13) 3. 火砕流とは 火山活動に直接由来する「火山砕屑物の流れ」で、「高温の マグマの細かい破片が気体と混合して流れ下る現象」の総称。 温度は、マグマに近い高温のものから 100℃程度まで幅が ある。火砕流は最大で約 100km も流れる事がある。 (Wikipedia より) 4. 地層で見る降下火山灰と火砕流堆積物の厚さ 青森県八戸市内の火山灰層 十和田八戸火山灰層(1.5 万年 前) 高舘火山灰層(12 万年前~2万年前) 洞爺火山灰層(11 万年 前) 天狗岱火山灰層(数十~13 万年前) 青森県新郷村堂ヶ前(十和田湖から 29km)の十和田八戸火砕流堆積物

(14) 5. 十和田及び八甲田地域におけるカルデラ火山の活動の時空間分布 日本原燃(株) は、原子力規制委員会の審査会合(H27.5.15)で、次のように説明している。  湯ノ沢カルデラは、350 万年前に活動していた。  碇ヶ関カルデラは、240 万年前から 130 万年前まで活動していた。  沖浦カルデラは、170 万年前から 68 万年前まで活動していた。

(15)  南八甲田火山群は、110 万年前から 30 万年前まで活動していた。  八甲田カルデラは、100 万年前から 40 万年前まで活動していた。  北八甲田火山群は、40 万年前から活動が始まり、最新噴火は約 600~400 年前である。 以上の火山群は、時を経て青矢印のように(核燃施設の方に向かって)場所を移動しつつある。  十和田カルデラは、20 万年前から活動が始まり、奥瀬火砕流(8万年前)が3番目に大きな爆発で、大不 動火砕流(4万年前)と八戸火砕流(2万年前)にカルデラ形成を伴う大爆発を起こし、最新噴火は西暦 915 年である。 ① 奥瀬火砕流 ②大不動火砕流 ③八戸火砕流 ①奥瀬火砕流は、核燃施設の敷地に到達 していない。そのときの降下火砕物 (軽石など)は、敷地近傍で最大 20cm の層厚。 ② 大不動火砕流は、敷地に到達したが末端 である。落下火砕物は敷地近傍で約 3~ 7cm。 ③ 八戸火砕流は、敷地内で層厚 20cm の パッチ状の堆積を確認。 6. 日本原燃(株)の資料より  火山の近傍では、八戸火砕流や八戸テフラの層が厚いが、敷地に近づくにつれ薄くなり、八戸火砕流は 敷地内ではバッチ状(斑に存在すること)で、八戸テフラは到達していない。

(16)  火山爆発指数(VEI)5クラスの噴火で、降下火砕物のシミュレーションをしている。  毎月の平均風速風向で計算すると、最大になる 8 月で も火山灰厚さは 0.47cm。  噴煙の高さが通常より(25km)より低く 20km だった場 合でも、火山灰厚さは最大でも 0.87cm。  当日の風速が平均値よりも若干少なかった場合でも、火 敷地内の 層厚は 30cm 山灰厚さは 1.8cm。  当日の風向が核燃施設の方向であったとしても、敷地内 の層厚は 30cm。(左図のシミュレーション結果)  日本原燃(株)は、「設計対応可能な火山事象として降下火砕 物の層厚 30cm を評価対象とする。」としている。  この後、「十和田火山と八甲田火山について、火山活動のモ ニタリング及び火山活動の兆候を把握した場合の対処方針を 策定し、火山事象に対する核燃施設の設計対応及び運転対応 が妥当か」を評価することになっている。 【出典】原子力規制庁 https://www.nsr.go.jp/data/000137797.pdf https://www.nsr.go.jp/data/000137795.pdf

(17) 7. 講師の松山先生の呟き いくつかの政党とその所属政治家は、自然の脅威(怖さ)を顧みず、技術力を過信して自然をなめてかか り、一般庶民の生存権をよそに危険を冒して、利益を漁ることのみに熱心なようです 。 1. 自然は人間・生物に豊かな恵みを与えてくれるこよなき宝です。 2. 反面、地球は、地震・津波や火山活動、また洪水、気象災害など、常に大被害を与えてきました。加え て人間の科学力(技術力)過信は、制御できない派生物質まで造りだし、なおもしがみついて有害物質 の始末もできません。授業で天体・気象・大地・地球内部の問題を扱ってきた私は、多くの政治家が地 球上に展開する自然を理解しようとせず、地震・断層・津波、火山活動とその噴出物、気象現象に無知 と言っても過言と思えない現状を悲しく思います。 3. 一般庶民の方がはるかに研究熱心で、問題を素直に正しく実感しています。つまり、本能的に科学的に 問題を捉えています。 4. 今、高校の授業計画=カリキュカムから、こうした分野を扱う理科の地学が消えようとしていることに 危機感を禁じ得ません。 5. 地震・火山活動など、自然界に単純な確率論は成り立ちません。 8. 火山による被害について  噴火の爆発力や高温の溶岩はもちろん、火砕流もとても高温です。数日間以上にわたって人々が立ち入 れない状況になることが想定されます。核燃施設を制御するための最低限度の要員も確保できなくなり ます。  厚く堆積する火砕降下物だけでなく、軽石や火山弾の岩石により、道路を自動車が通行することができ なくなります。核燃施設を維持するための物資の供給が途絶えます。  火砕降下物によって送電線が切断されるだけでなく、変電設備等の地上設備も被害を受けて、外部電源 を損失します。非常電源の燃料である重油のタンクなども損傷を受けて、燃料切れになります。  複雑な化学プラントである核燃施設を巡る様々な配管が損傷を受け、放射能を放出します。  使用済み燃料プールに火山弾などの岩石が飛来して、使用済み燃料を損傷し、放射能を放出します。  使用済み燃料プールに火山弾などが飛来して、燃料の物理的配置がずれて、再臨界を招きます。  高レベル廃棄物に火山弾などが飛来したり、火砕流の高温に晒されることで、放射能を放出します。 9. 日本原燃(株)の「火山の影響評価」について  六ヶ所村の核燃施設は、日本の火山フロントの直近にあります。新火山が生まれる可能性のある場所で す。 であるのに、既に現存する活火山に限って影響評価をしています。  日本原燃(株)も認めているように、青森県の火山の位置は次第に六ヶ所村核燃施設に近づいています。  北海道の洞爺火山灰は、核燃施設を飛び越えて、八戸市まで飛来して地層を形成しています。 であるのに、核燃施設から 160km 圏内の火山しか評価していません。  十和田湖の地下では、定常的に地震が発生しています。 特に日本各地の火山では、2011 年の東日本大震災の後で地震が活発になっているとされています。  十和田山が噴火した場合の火砕降下物の積層のシミュレーションでは、噴火時の火山爆発指数を VEI 5 としていますが、1万5千年前に起きた VEI 6以上の噴火が起こらないと想定するのは楽観的です。 むしろ、3万年前に大噴火して、1万5千年前に再び大噴火したのであれば、次はもうすぐかもしれな いと考える方が自然です。

(18) 添付資料⑤ 2016.04.08 講師永田文夫氏 第3回学習会(放射能汚染)の要旨(まとめ:阻止ネッ ト) “六ケ所再処理工場の定常運転時の環境汚染を考える” 六ヶ所再処理工場は、このように日常的に放射能を放出する工場であるのに、放射能の放出許容量につい て、国の法律や基準値がなく、「周辺の人たちの年間被ばくは、合計約 0.022 ミリシーベルト/年」という 事業者の机上の計算値で事業許可が下りている。

(19) 1)六ケ所アクティブ試験のデータから ① 六ケ所再処理工場アクティブ試験の 3 年間で、下記の放射能が環境へ放出された。 ・海へ トリチウム 3970 万人分の年摂取限度相当(3960 万 mSv) ヨウ素 129 6 万 1 千 mSv ・空へ クリプトン 41 万人分の年摂取限度相当 ・これら以外の放射能も放出されている。 ② 公的データを集めただけでも、下記のことが事実として確認できる。 ・【大気】 クリプトン 85 の高濃度雲の降下が頻繁にあったこと ・【土壌】 ヨウ素 129 が周辺に降下していること。 ・【尾駮沼】 ヨウ素 129 で水生生物が汚染されたこと ・【海】 トリチウムの海洋水濃度が広範囲に上昇 ・【海産物】 尾駮沖合の海産物でヨウ素 129、トリチウム増加 ・【食物】 六ケ所周辺の漁民のヨウ素 129 摂取量増加 ・【井戸水】 尾駮の井戸水でストロンチウム 90 全国最高濃度を検出 ③ 本格操業すれば、アクティブ試験(↑上記数値)の約 5 倍の放射能が放出される! 2)セラフィールド再処理工場(イギリス)のデータから ①1970 年代~80 年代にかけて、廃液を海へ「垂れ流し」(海洋拡散希釈方式)しており、イギリス沿岸~ 北海~北東大西洋に深刻な汚染が広がった(セシウム、プルトニウム、ストロンチウム等)。あまりに酷い 汚染に、北東大西洋沿岸 15 カ国と EU が結束して放出ゼロを求めた(2000 年)が遅すぎた。 ② 垂れ流しや事故に起因する様々な問題 ・工場から 2.4km のシースケール村で小児白血病が多発。国平均の 10 倍!(1983 年発覚) ・工場から 10km の浜辺に建つ一般家屋のリビングやキッチンで、危険なレベルのプルトニウム、ストロン チウムなどを検出。 ・1983 年、高レベル廃液の異常放出事故が起き、周辺海岸が 40km に渡り閉鎖(立入禁止)になった。海 藻が汚染され、以降、海藻を食べなくなった。 ・鳩や野鳥が汚染されているので捕獲して処分。渡り鳥の減少。魚介類を食べる人が激減。等々 3)ラ・アーグ再処理工場(フランス)のデータから ① 現在 2 つの再処理施設があり、そのうち 1990 年から操業している UP3 は六ヶ所のモデルとなった同型工 場。ラ・アーグで起きている汚染は六ケ所の将来を暗示している。 ② ラ・アーグ周辺の放射能測定データからわかること ・操業直後からトリチウムを大量に放出しており、海水、海藻、魚へと汚染が広がっている。 ・特に「有機結合型トリチウム」が農作物や魚介類から検出されていることが憂慮される(これが健康にど のような影響を与えるかは未知数である)。 ・炭素 14、ヨウ素 129 は半減期が長く、環境に蓄積し続け、徐々に濃度が上がってくると考えられる。 ・プルトニウム、アメニシウム等の α 線核種が、海藻、河川水、農産物からも検出されており、体内被曝が 憂慮される。 周辺住民は長期にわたり、↑これらの放射能の複合被曝を受けることになるであろう。 ③ ラ・アーグ再処理工場による漁業被害・農業被害 ・カニの甲羅の黒い斑点。カニの奇形多発。タラの肝臓の異常が見つかっている。 ・漁獲量が少なくなり漁師も減っているが、補償はなにもない。

(20) ・農畜産物の風評被害を恐れて、ラ・アーグ、コタンタンなどの地名を避けている。 ・牛の白血病が発生(一農場で1カ月に7頭死亡)。これは補償された模様。 ・火災事故が発生し、牛乳、乳製品の販売が止められた。これは操業補償があった。 ・排ガステニウムフィルター故障により排ガスが漏れる。風下の牧草から 700Bq/kg 検出。等々 ④「小児白血病の発病率が工場から 10km 圏内では 2.8 倍高い」(ブザンソン大学・ヴィエル教授「ブリ ティッシュ・メディカル・ジャーナル」1997 年 1 号に発表) ・妊娠中の母親が海岸によく行くと、子どもが白血病になりやすい。 ・海岸によく遊びに行く子どもは白血病になりやすい。 ・地元で採れる魚介をよく食べる子どもは白血病になりやすい。 政府は多発の事実を認めた。が、再処理工場との因果関係は認めなかった! 4)六ケ所再処理工場が稼働したときの放射能汚染 まとめ ① 定常運転時(ラ・アーグ参考) ・トリチウム、クリプトン 85、炭素 14、ヨウ素 129 の汚染が進行し、特にトリチウムによる海洋生態系へ の影響が懸念される。 ・海産生物の有機結合型トリチウムの増加が、消費者の健康に与える影響が懸念される。 ・日本は海産物の大消費国であり、予測のつかない問題が生じる可能性がある。 ② 小中事故時(セラフィールド参考) ・廃液の漏洩等により、海岸や海水、そして海産生物の汚染が急激に進み、深刻な影響を与える。漁業が衰 退し、周辺の人々への健康被害が増大する。 ③ 大事故時(マヤーク参考) ・高レベル廃液の爆発が起きれば、東北・北海道が高濃度に汚染され、人命へ大きな影響を与える。広範囲 の国土が回復不可能な汚染に見舞われるであろう。 ④ 今後の課題 ・再処理工場の重大事故のシミュレーションを求める。避難計画が立てられない。 ・貯蔵されている高レベル廃液を早期にガラス固化し安定させること。東海、六ケ所両方で行わせる。 ・大事故を絶対に起こさないよう働きかけること。 ・戦争は絶対にしてはいけない。ミサイル攻撃で電源喪失すれば、たちまち重大事故に至るであろう。 ・↑これらのことを政治家や人々に知らせること! ・海産物のストロンチウム濃度の情報公開を求めること。

(21)

Tags

2016阻止ネット政策提言Docx 2 2016阻止ネット政策提言Pptx