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No124 seizo kukan 製造空間としての大阪の強みと弱み~工場立地要因分析による検証~

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大阪府

資料 №12 4

平成 24 年 3 月

製造空間としての大阪の強みと弱み

~工場立地要因分析による検証~

大 阪 府 商 工 労 働 部

( 大 阪 産 業 経 済 リ サ ー チ セ ン タ ー )

(2)

ま え が き

大阪府は、 かつて のような 高い成 長経路 に再び乗 ること を目指し 、「大 阪の成長 戦略」を掲げて様々な施策を積極的に立案、実施する方向にあります。そして、成 長の起爆剤のひとつとして、製造業集積の拡大に多くの期待が置かれています。

近年をふりかえると、1 9 8 0 年代、1 9 9 0 年代においては、特に 1, 0 0 0 平方メート ル の 用 地面 積を 超 える よ うな 中 大規 模の 工 場の 立 地件 数は 低 調で あ りま し たが 、

2 0 0 0 年代に入って持ち直しの動きがありました。今後、新規工場立地の更なる拡大

が達せられるポテンシャルがそもそも大阪府にあるのか、関心の高い事項となって います。

本調査では、大阪府が、生産機能の場としてどのような強みと弱みをもっている のかについて、工場立地要因分析によって検証することを試みています。なお、本 調査では経済産業省『工場立地動向調査』の個票データを使用しておりますが、目 的外使用許可の申請に対して経済産業省から承認をいただき、データの提供を受け ました。

本報告書が、今後、地域経済の成長についての認識を深めていく際の一助となり、 関係者の皆様にご活用いただければ幸いです。

調査にあたり、ご協力いただきました皆様に、厚くお礼申し上げます。 本調査を担当した職員と分担は次のとおりです。

dd

第1章、第2章、第4章 研 究 員 小川 亮

第3章、補 章 客員研究員 石田貴士、研 究 員 小川 亮

平成 2 4 年3月

大阪産業経済リサーチセンター

センター長 小林 伸生

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目 次

要約 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

第1章 はじめに:大阪経済と工場立地 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

第2章 工場立地要因と大阪 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 1 .1 工場立地決定の要因候補 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 1 .2 既存の工場立地要因アンケート調査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 4 .3 統計でみる工場立地要因 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 7 .4 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 6

第3章 工場立地要因の計量経済学的分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 7 .1 はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 7 .2 推計方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 8 .3 データおよび推計結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 9 .4 要因分解シミュレーション ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 2 .5 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 6

第4章 おわりに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 7

補 章 研究開発型工場と本社の地理的関係・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 0

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第 1 章

○ 大阪経 済の地 位低下 は製造 業集積 の弱体 化が一 因。製 造業規模 に寄与 する中 大規模工場の立地件数は、 1990 年 代まで低調だったが 2000 年 代に持 ち 直 し 。

○大阪府に新規工場立地の拡大可能性はあるのか。工場立地要因分析が必要。

第 2 章

○工場立地要因の候補は、生産要素の価格(賃金、地価)、生産要素の賦存量(工 場現場労働者、研究者・技術者、立地可能用地)、市場集積、産業集積、本社 との近接性、輸送インフラなど。

○ 工場立 地要因 に関す る既存 のアン ケート 調査結 果をみ ると、グ ローバ ルを視 野 に入れ た企業 の生産 機能配 置の戦 略から して、 国内の 大都市 圏立地 の魅力 は、高度な技術・人材、技術や市場ニーズ等に関する情報へのアクセスなど。

○工場立地の諸要因に関するデータについて、大阪府と近隣府県を比較すると、 大 阪府は 産業集 積や本 社との 近接性 という 点で強 みをも つが、 生産要 素の価 格 ・アク セスの 容易さ などの 点では 劣勢。 他方、 大都市 の神奈 川県や 愛知県 と比較す ると、 大阪府 は特に 技術者 へのア クセス という 点で相 対的な 弱さを もつ。

以下、諸要因の大阪府の特徴

賃金:大都市の中では大阪は安い。近隣の工業県ともそれほど変わらず。 高卒求人倍率:大阪は神奈川より高く愛知と同程度。また近隣府県より高い。 製造系技術者:絶対数は全国 5 位だが、割合の順位は大きく下がる。

地価:東京、神奈川についで大阪は全国3位。近隣では大阪、京都が突出。 立地可能面積:大阪の分譲可能な工場団地は少ない。

市場集積:大阪の出荷額は全国 4 位だが、伸び率の順位は上位から漏れる 産業集積:大阪の事業所数は全国1位。

本社との近接性:本社所在地の近隣に工場を配置する傾向が強い。 輸送インフラ:大阪の高速の充実度は、愛知や兵庫より低い。

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第 3 章

○ 2 章の考察を精緻化するため、工場立地要因の計量経済学的分析を行った。推 計の結果、想定した立地要因は、仮説どおりの符号で統計的に有意であった。

○ この推 計モデ ルを用 いて、 生産機 能の場 として の大阪 の強みと 弱みを 検証。 主な結果としては以下の 2 点。

( 1)工 場の立 地先を 検討し ていた 全国の 企業か らみた 平均 の姿と して、大 阪 府は近隣府県 の兵 庫県、 滋賀県 、三重 県と比 べて選 択確率 が小 さい。そ の確率の 差を要 素分 解する と、産 業集積 や本社 との近 接性と いう 大都市特 有の強みが、技術者や高卒労働者へのアクセスの容易さ、(賃金よりも)地 価 での劣 勢をカ バー できて いない ことを 確認。 また、 兵庫県 に対 しては立 地可能面積で、三重県および滋賀県には市場集積の伸びでも、大阪が劣勢。

( 2)大 都市圏 との比 較の場 合でも 、大阪 府は愛 知県と 神奈 川県に 対して選 択 確率が 小さい 。そ の確率 の差を 要素分 解する と、ま ず愛知 県で は、製造 系 技術者 の豊富 さ、 安価で 潤沢な 立地可 能用地 、市場 規模の 成長 トレンド などの点で、工場立地先として大阪より選択されやすいことを確認。次に、 神 奈川県 では、 技術 者の割 合や高 卒求人 倍率な どの人 材アク セス 面で大阪 府 に対し優勢で ある が、賃 金、本 社との 近接性 、産業 集積、 高速 道路の充 実度では、大阪のほうが有利であることを確認。

第 4 章

○ 以上の 分析結 果を踏 まえる と、大 都市間 競争が 激化す るなか で、生 産機能 の 集積を ひとつ の成長 の手段 とす る場合 、大阪 府は技 術者や 工場労 働者に 対 するア クセス の不利 という 人材 面の問 題、あ るいは 地価や 分譲可 能な工 場 用地の不足な どの用 地面の 問題 を克服 する必 要があ ろう。 また、 大阪府 に は依然 として 多くの 製造企 業の 本社が 存立し ている のも事 実であ り、本 社 の近接 性を重 要視す るとい う工 場立地 要因分 析の結 果を鑑 みれば 、大阪 本社企業 の生産 機能の 拠点と して 、今ま で以上 のニー ズの聴 取、環 境整備 に取り組む必要があろう。

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1

章 はじ めに:大 阪経済と 工場立地

大阪の経済的地位の低下

近年の大阪経済を振り返ると、全国におけるその経済的地位は 1970 年 頃から 低下傾向にある。これをよく表すのが 、図表1-1にある大阪府内総生産額(つ ま り、大 阪府内 で生み 出され た付加 価値の 総額) の全国 シェアの 推移で ある。 1960 年 代後半ごろ、同シェアは 10%以上にも達していたが、 1970 年 代、 1980 年 代にお いて凋 落の一 途をた どり、 バブル 経済期 に少し 盛り返し たもの の、バ ブル崩壊後には再び低下傾向に戻り、2007 年 度、2008 年 度に若干持ち直したも のの、 2008 年 度の同シェアは 7.5%と、以前と比べると低い水準にある。

図表1-1 大阪府内総生産額の全国シェア

( 注)全国シェアは、大阪府内総生産額を県内総生産額の全都道府県計で除して計算。 出 所 :『 県 民 経 済 計 算年 報 』( 内 閣府 )

こ の全国 シェア の低下 は、大 阪府の 経済成 長率が 全国平 均より 下回り 続ける と いう現 象と表 裏一体 である 。図表 1-2 は、大 阪府と 全国に関 する府 内・国 内総生産額と従業者数のそれぞれの伸び率を 2 軸で表したものである。 1981 年 から 2006 年 まで を 5 つの期間に分けているが、円高不況からバブル経済にかけ

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た 1986~ 1991 年 の府内総生産額を例外にすれば、ここ 20~ 30 年間における大 阪 府の付 加価値 および 従業者 の伸び 率は、 全国平 均より 下回って いるこ とが確 認できる。

図表1-2 府内・国内総生産額(名目値)と従業者数の伸び率

( 注)全国は全県計の数値で算出。

出 所 :『 県 民 経 済 計 算 年報 』( 内 閣 府)、『 事 業所 ・ 企 業 統 計』( 総務 省 )

製造業に衰退の一因

そ れでは なぜ、 近年の 大阪経 済の成 長は弱 く、全 国のな かでの その地 位が低 下し、低迷しているのか 。大阪産業経済リサーチセンター( 2011)の 第2章「大 阪 の産業構造と 成長~ シフト シェア 分析に よるア プロー チ~」で は、大 阪経済 の 産業構 造に問 題があ る、つ まり、 大阪府 が全国 的にみ て不調な 産業・ 業種を 産 業構成 上、多 く抱え 込んで いるか ら大阪 経済が 衰退し ていると いう仮 説につ いて、従業者数の統計を用いて検証した。そこでは、1986 年 から 2006 年 におけ る 大阪の雇用成 長の低 さは、 必ずし も産業 構成だ けの単 純な問題 でない ことが 分かった。製造業については、全国的に不調な業種を多く抱えているとともに、 全 国平均 の伸び よりも 弱い業 種を多 く有し つづけ ている ことが確 認され た(図 表1-3参照)。

製造業 は、主 に地域 外の需 要向け に生産 活動を 行い、 いわゆる 「外貨 」を地

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域内に取 り込む 産業で ある。 また、 その生 産に必 要な原 材料・部 品、サ ービス を 地域内 から調 達する ことや 、それ ら一連 の取引 に関わ った地域 内事業 所に従 事 した雇 用者が 地域内 で消費 するこ とによ って、 地域経 済に新た な需要 ・生産 が連鎖的 に発生 する。 このよ うに製 造業が 地域経 済にお ける牽引 役であ ること を考慮すると、製造業の不調は大阪府の経済衰退の主な要因のひとつといえる。

図表1-3 従業者数伸び率の大阪府と全国平均との差の要因分解

( 注)『事業所・企業統計』( 総務省)の従業者数を用いたシフトシェア分析で算出。シ フ ト シ ェア分析は、ある地域と全国(平均)の成長率の差を、産業構成の違いで説明で き る部分(産業構造要因)とそれでは説明できない地域独自の部分(地域特殊要因)に 分 け る手 法 。

・ 大 阪 府 の 成 長 率-全国平均の成長率=産業構造要因+地域特殊要因

・ 産 業 構造要因

= Σ i [産業 i の府内構成比×(全国・産業 i の成長率-全国・全産業の成長率 )]

・ 地 域 特 殊 要 因

= Σ i [産業 i の府内構成比×(大阪・産業 i の成長率-全国・産業 i の成長率)] 出 所 : 大 阪 産 業 経 済 リ サ ー チ セ ン ター ( 2011)より作成

大阪における製造業集積の弱体化

こ こから は、大 阪府の 製造業 の動向 につい て諸統 計を用 いて概 観する 。図表 1-4は、 1980 年 代以降の大阪府と近畿の鉱工業生産指数の推移をグラフにし たものである。この図では、工業生産の水準が、 2005 年 を 100 とした場合に各 年 でいく らにな るかと いう指 標であ り、こ れによ って製 造業の規 模の推 移が把

1986 1991 1996 2001

~ ~ ~ ~

1991 1996 2001 2006

10.17% 2.89% - 8.47% - 6.87% 10.39% 4.57% - 4.18% - 2.53% - 0.22% - 1.67% - 4.29% - 4.34% 産業構造要因 1.92% - 0.95% - 0.49% - 0.01% うち製造業 - 1.15% - 3.09% - 2.04% - 1.31% うち非製造業 3.07% 2.14% 1.55% 1.30% 地域特殊要因 - 2.15% - 0.72% - 3.81% - 4.33% うち製造業 - 0.73% - 0.16% - 0.45% - 1.42% うち非製造業 - 1.42% - 0.56% - 3.36% - 2.91% 全国平均の成長率 (b)

全国平均との差 (a- b) 大阪府の成長率 (a)

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握できる。

この図表からわかることは、まず、 1990 年 代の近畿の生産水準が大まかにみ て横ばい にある 一方で 、大阪 府は同 期間に 大きく 落ち込 んでいる 点があ げられ る。次に 、2000 年 代では近畿が増加するなか、大阪府は横ばいで推移している。 こ のこと から、 近畿圏 との比 較でも 、大阪 の製造 業の低 下、低迷 の度合 いが強 いといえる。

図表1-4 工業生産指数(近畿と大阪府)

出 所 :「 製 造 工 業 指 数」( 大 阪 府)、「鉱 工 業 生 産 指 数」( 経 済 産 業 省 )

次 に、こ の期間 におけ る製造 品出荷 額等の 動向を みてみ る。図 表1- 5は、 製造品出荷額等の 1980 年 代、 1990 年 代、 2000 年 代の増加率を、製造事業所の 従業者規模別に寄与度分解したものである。

特徴としては、大阪府における 30 人~ 99 人、 100 人 ~ 299 人 、 300 人以上の 中大規模事業所の出荷額が、 1980 年 代に大阪府を除く近畿と比べて伸び悩んで いる点がまずあげられる。また、 1990 年 代には、 300 人以上の大規模事業所の 落ち込みが大阪府で特に激しい。 2000 年 代には、 300 人以上規模の事業所はプ ラ スの伸 びを示 したが 、大阪 府を除 く近畿 と比べ て弱く 、また 、大阪 府の 100

~ 299 人 の中堅規模事業所の落ち込みは大きいままである。

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図表1-5 製造品出荷額等の増加率と規模別寄与度

出 所 :『 工 業 統 計 表』( 経 済 産 業 省 )

図表1-6 中堅・大規模事業所数の推移

出 所 :『 工 業 統 計 表』( 経 済 産 業 省 )

最 後に、 この期 間にお ける大 規模、 中堅規 模の事 業所数 の推移 をみて みる。 図表1-6がそれをあらわすが、これから分かることは、300 人 以上の大規模事 業所は、大阪では 1980 年 代、 1990 年 代に大幅に減少しており、 100~ 299 人 の 工場は、大阪では 1990 年 代に続 き 2000 年 代も大きく減少している点である。

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以 上の諸 統計の 考察か ら、大 阪府の 製造業 集積が 弱体化 してい ること がわか る。特に、中大規模の事業所の出荷額、事業所数は、大幅な減少傾向にあった。

地域マクロ経 済への 影響度 からみ れば、 中大規 模工場 の集積状 況は着 目すべ き 事象の ひとつ である 。なぜ ならば 、その 規模の 大きさ からして 、工場 自体の 出 荷額や 従業者 数が地 域の製 造業規 模に寄 与し、 また、 原材料・ 部品の 調達や 清 掃・警 備など のサー ビスの 委託な どの取 引を通 じて地 元の中小 を含む 事業所 へ少なからずの影響があるからである。特に 、原材料・部品の調達については、 大阪府立産業開発研究所( 2008)「小規模事業所の増減と中大規模工場 ―製造 事 業所の 増減に 関する 調査報 告書― 」にお いて、 地域の 中大規模 事業所 の製造 品 出荷額 成長率 が上昇 すれば 、その 地域の 小規模 事業所 の伸び率 を高め ること が統計的分析で確認されている。

大阪の工場立地件数は 1980 年 代、 1990 年 代に低調、 2000 年 代に持ち直し 次に、中大規模を主とする工場立地に関する統計をみてみる。経済産業省は、 毎年、工場を建設する目的 で 1,000 ㎡以上の用地を取得した製造業 、電気業、ガ ス業、熱供給業の事業者を対象に『工場立地動向調査』を実施している。

図表1-7は、1980 年 代、1990 年代、2000 年 代の都道府県別工場立地件数を あらわしている。総計は 1980 年 代で 22,574 件 、1990 年 代で 19,283 件 、2000 年 代で 13,061 件であり、景気の影響もあるなか、この低下トレンドの背景には、 生産機能の海外移転があると考えられる。

そのようななか、大阪府に立地した工場件数は 、1980 年 代に 224 件 で全国 39 位、1990 年 代に 156 件で全 国 44 位と、全国のなかでも低調なグループに属して いる。他方、2000 年代に は 333 件で全国 14 位 と大きく浮上している。大阪府は 2000 年 代になって、それまでの最悪期からは持ち直したといえる。しかし、大 阪 府の製 造業規 模からし て物足 りなさ もある。『 工業統 計調査』(経済産 業省) の製造品出荷額でトップ 5 に入っている愛知県、静岡県、兵庫県は、 2000 年 代 の工場の新規立地件数でもトップ 5 にランクインしているのに対し、製造品出 荷額で全国 4 位の大阪府は、新規立地数は 14 位である。

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図表1-7 都道府県別工場立地件数

出 所 :『 工 場 立 地 動 向 調査 』( 経 済 産業 省 )

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工場立地要因分析の必要性

大阪の工場立地件数は 2000 年 代に入って、以前からの低いランクからは抜け 出 したが 、その 製造業 規模か らして 、依然 、不足 感が残 る状況に ある。 現在、 大阪府は、「大阪の成長戦略」を掲げて、今後において飛躍的な成長経路に乗る 道 筋を描 いてい る。そ のなか で、ひ とつの カギと なるの が製造業 におけ る工場 集 積であろう。 これに 関連し 、大阪 府が生 産機能 立地の 場として 拡大余 地があ るのか検討する必要がある。

そ のため にはまず、そ もそも 地域の 工場立 地件数 の大小 やバラ つきが 、何に よ って決 められ ている のかを 知る必 要があ ろう。 いわゆ る、工場 立地の 要因分 析 がいま必要と される 。この 分析を 踏まえ 、製造 企業が 生産機能 を大阪 府に立 地 するメリット 、デメ リット を把握 してお くこと は、地 域の経済 成長を 図る具 体的な政策を立案・実施する上で必要不可欠な基礎情報といえる。

本 報告書 では、 工場立 地要因 分析を 通じて 、製造 空間と しての 大阪の 強みと 弱みを考察する。以下 、本報告書の構成は以下のようになる。まず第 2 章では、 候 補とさ れる代 表的な 工場立 地要因 をあげ た後に 、立地 選択理由 の既存 アンケ ー ト結果 を考察 し、そ して、 工場立 地件数 と立地 要因の 関係をみ た統計 的観察 を行う。次に第 3 章では、計量経済学的アプローチでもって工場立地要因分析 を行った うえで 、大阪 府の工 場立地 場所と しての 強み、 弱みを検 証する 。最後 に第 4 章では、本報告書のまとめと今後の課題を述べる。

【参考文献】

大阪産業経済リサーチセンター( 2011)「大阪の経済成長と産業構造」政策立案 支援調査資料 NO.123

大阪府( 2010)『大阪の成長戦略』 http://www.pref.osaka.jp/kikaku/seichosenryaku/ 大阪府立産業開発研究所( 2008)「小規模事業所の増減と中大規模工場 -製造

事業所の増減に関する調査報告書-」産開研資料 No.108

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章 工場 立地要因 と大阪

こ の章で は、製 造企業 が工場 の立地 先を決 定する 際に考 慮する 代表的 な地域 属性につ いて概 説した のちに 、大都 市のひ とつで ある大 阪府の工 場立地 要因の 状況について考察する。

以下の構成として、まず 2.1 では、代表的な工場立地の決定要因を概説する。 次に 2.2 では、工場立地ニーズに関するある既存のアンケート調査を紹介する。 最後に 2.3 では、代表的な工場立地要因に関連したデータを観察しながら、大阪 府の大まかな特徴を把握し、第 3 章の計量経済学的分析につなげる。

2 . 1 工場立地決定の要因候補

工 場の立 地先決 定に影 響する 要因と は何で あろう か。以 下では 、いく つかの 有力な候補をあげる。

生産要素の価格:賃金、地価

工場の 生産要素は資 本、労 働、土 地であ り、そ の対価 である利 子、賃 金、地 価 はコス トとし て捉え られる 。特に 、賃金 や地価 は、国 および地 域によ ってバ ラ つきが よくみ られ、 その違 いを意 識して 工場の 立地先 が選択さ れやす い。特 に 、画一 的なあ るいは プロダ クトラ イフサ イクル でみて 成熟段階 に入っ た製品 を 大量に 生産す る工場 は、大 規模な 施設・ 建物が 構えら れる広大 な用地 や大量 の労働者 を必要 とする 傾向が ある。 国内で あれば 地方、 海外であ れば中 国、東 南 アジア などの 地域に 労働や 土地の 安さを 求めて 立地す る。した がって 、賃金 および地価の水準は、どの工場にも必ず考慮される地域属性といえる。

生産要素の賦存量:工場現場労働者、研究者・技術者

上 述の生 産要素 価格と は別に 、生産 要素に 関する 別のコ ストが 考えら れる。 そ のひと つに、人材に 対しア クセス (接近 )やサ ーチ( 探索)す るコス トがあ げ られる 。近年 の国内 の都市 部では 、工場 の現場 労働者 の人材獲 得に苦 労して い る企業 が多い 。労働 供給側 をみて みると 、高度 経済成 長期のよ うに地 方の農 村 部から 大量に 人材が 流入す ること はなく なって いる。 また、都 市部で は第 3 次 産業が発達し 、製造 業以外 にも様 々な職 種の選 択肢が 労働者側 には多 く存在 す る。他 方、労 働需要 側をみ てみる と、例 えば柴 山( 2006) は 、 製造企 業にお

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いて労働者を OJT などで社内養成するスタイルのほうが、現在の日本では主流 で あると 、統計 やヒア リング 、先行 研究を もとに 主張し ている。 このよ うな工 場 の人事 マネジ メント の変化 がある なか、 製造企 業は定 期的かつ 安定的 に主に 若年者を採用できる環境を地域の魅力と捉えている。

他方、高度な知識・技術を有する研究者・技術者へのアクセスも重要である。 特 に、近 年にお いて、 成熟し た製品 を大量 生産す る工場 が海外に 多く再 配置さ れ るなか 、国内 には企 画・開 発中あ るいは 開発さ れたば かりの製 品を扱 う工場 が相対的に立地しやすい。Hayter( 1997)は、プロダクトライフサイクルモデル の初期段階の製品に関連するイノベ―ティブな工場について、熟練した研究者、 技 術者、 工場労 働者に 対する アクセ スが重 要な立 地要因 のひとつ である と、い くつかの海外のアンケート調査結果を考察しながら指摘している。

中小企業 金融公 庫総合 研究 所( 2008) で は 、研究 開発に 取り組 む多く の中小 企 業では 、様々 な人的 ネット ワーク を活用 して自 社の外 部から経 験者を 採用す ることや、 OJT や Off-JT を組み合わせた教育訓練を実施することにより、不足 す る人的 資源を 補って いると 指摘し ている 。した がって 、高度な 知識・ 技術を もつ研究者・技術者へのアクセス、サーチの容易さも重要な立地要因といえる。

生産要素の賦存量:工場用地

工 場用地 は、い くら地価が安 くても 、工場 計画内 容にか なうよ うな性 質が備 わ ってい なけれ ば選択 されに くい。 たとえ ば、一 定のま とまった 面積が 確保で き ることや、工 場用地 として 整備さ れてい ること 、行政 的支援が 備わっ ている 工 場団地 である こと、 近くに 住宅地 がなく 操業環 境に恵 まれてい ること など、 製造企業は地価だけでなくその他の様々な土地の属性を考慮する。したがって、 工 場用地 として整備さ れた立 地可能 な用地 面積が 潤沢に あること は、様 々なタ イプの工場のニーズとマッチする確率を高めることになる。

市場集積

市 場集積 は、あ る地域 におけ る市場 の規模 や成長 性のこ とであ り、企 業は、 製 造品に 対する 需要が 大きい (また は伸び ている )地域 の近くに 工場を 立地し よ うとす る。そ れは、 新規取 引の契 約の機 会が増 えるこ とや、ユ ーザー との情 報 交換の容易さ 、輸送 費の軽 減など のメカ ニズム を通じ て、企業 の利潤 に正の 影 響をも たらす からで ある。 したが って、 製品を 需要す る製造事 業所が 多く集

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積していることも重要な立地要因であるといえる。

産業集積

地 域に特定の産 業が集 積する と、個 々の企 業の生 産性、 利潤に 対して 互いに 正 の影響 をもた らしあ う効果 が存在 し、そ の効果 を求め てさらに 工場が 累積的 に 立地・ 集積す るとい う現象 がみう けられ る。こ れは、 いわゆる マーシ ャルの 産業集積の外部効果である。柴山( 2006)は 、マーシャルの著書『経済学原理』 を引用しながら、特定産業集積の3つの効果を以下のようにまとめている。(以 下、柴山( 2006) から抜粋。ちなみに、柴山は以下の第 3 の効果が近年の日本 で当てはまりにくくなっていることを指摘している。)

・「第 1 は、熟練労働者の間に流通する情報が発明や改良を累積的に促進し、産 業の効率を高める効果である。」(p.38)

・「第 2 は、地域産業の規模が大きくなり集積する企業の数が増加するにつれて、 た とえ個 々の企 業の規 模は小 さくと も、地 域産業 全体と しては大 きな市 場を生 み出すこ とによ って関 連産業 の立地 を促し 、それ によっ て地域産 業全体 として 効率化する効果である。」(p.38)

・「第 3 は、特定技能をもった熟練労働者が特定地域に集積することによって、 企 業から みれば 、景気 変動や 個々の 企業の 状況に 応じて フレキシ ブルに 熟練労 働 者を雇 用でき ること 、逆に 、熟練 労働者 からみ れば、 特定地域 に特定 の技能 を需要する企業が多数立地することによって雇用が安定すること、したがって、 この面からも産業の効率が高まるという効果である。」(p.39)

こ のよう に特定 産業の 集積は 、労働 者間の 知識・ 技術の スピル オーバ ー、産 業 に特化 した中 間財、 サービ スおよ び労働 者の市 場形成 が、外部 経済効 果とし て企業の生産性向上に結び付くため、工場立地要因の有力な候補といえる。

輸送インフラ

輸 送コス トを押 し下げ る輸送 インフ ラの整 備状況 も重要 な工場 立地要 因のひ と つであ る。国 内では 、原材 料・部 品の調 達や製 品の販 売のため の輸送 手段と し て、道 路輸送 が大き な役割 を果た してい る。高 速道路 などの道 路の整 備は、 製品輸送 にかか る時間 などの コスト を節約 し、企 業の利 潤に正の 効果を 持つこ とが指摘されている。

他 の輸送 インフ ラであ る港湾 や空港 につい て、と りわけ 、輸出 企業に とって

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そ の近接 性は無 視でき ない要 素かも しれな い。た だし、 高速道路 網が整 備され た昨今の 日本で は、港 湾のな い内陸 部の県 での工 場立地 も盛んで ある状 況から も 、港湾や空港 の近接 性がか つてほ ど重要 ではな くなっ てきてい る可能 性はあ る 。ちな みに田 邉・松 浦( 2006) で は 、輸出 業種で ある電 気機械 ・輸送 用機械 の上場企業の製造事業所データを用いて分析したところ、電気機械では空港 55 分、港湾 75 分、自動車では空港 50 分、港 湾 100 分の範囲内で、空港・港湾の 近接性が工場立地要因として確認された。

同一企業内の事業所との近接性

同 一企業 内の事 業所と の近接 性も、 工場立 地の際 に重要 視され る要因 のひと つ である 。特に自本社 との近 接性は 、既存 従業員 の通勤 の便が図 れるこ とや、 新 規工場 と本社 および 研究所 とのフ ェース ツーフ ェース の情報交 換がし やすい ことなどの理由で、不可欠な工場立地要因と考えてよい。

以 上で述 べてき た工場 立地要 因は実 際にど れほど 重要視 されて いるの か。以 下 、既存 のアン ケート 調査結 果や立 地要因 の関連 統計を 用いて、 これら の工場 立地要因に関する最近の動向を考察してみる。

2 . 2 既存の工場立地要因アンケート調査

2.1 で述べたように、地域の様々な属性が工場という生産機能の立地要因とし て候補に あげら れた。 それで は、企 業が実 際に工 場立地 を決定す る際に とりわ け重要視 するも のはど れか。 この問 いへの 答えは 、国や 地方自治 体が産 業政策 を立案する上でも必要な情報でもある。

こ の問い に対す るひと つの調 査とし て、実 際に企 業自身 に工場 立地の 決定要 因 として重要な ものを 回答し てもら う方法 がある 。この ような調 査方法 はアン ケート等の手段で行われ、これまで国内外で数多く実施されてきた。本節では、 わが国における既存の先行調査から、『通商白書 2006』(経済産業省)第 2 章第 2 節「アジアにおける国際事業ネットワークの形成」に掲載されている製造企業 の立地に関するアンケートの結果をみてみる。

こ のアン ケート は、国 内外の 各地域 に対す る製造 企業の 立地メ リット を企業 に選択 してもらう形式 である。想定さ れた地域は、海 外で中国、欧米 、 ASEAN 4 、 NIEs、 国内で 大都市 圏と大都 市圏以 外にな る。また 、事業 機能別 (研究開

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発 、生産 、販売 ・保守 点検) の観点 からも 要因選 択の回 答を得て いる。 そのな かでも本節では、生産機能を立地する理由等に関する調査結果をみていく。

図 表2- 1は、 生産機 能の現 在およ び今後 の立地 で重要 となる 立地要 因に関 す る回答 をまと めたも のであ る。こ こから 分かる ことは 、グロー バルな 視点か ら の生産 機能立 地の選 択要因 は、人 件費や 土地、 建物等 の現地資 本の安 さがよ り重要視 されて いる点 である 。また 、市場 との近 接性、 質の高い 工場労 働者も 相対的に重要な要因といえる。

図表2-1 生産機能で重要な立地要因(現在→今後)

( 備考)全回答に占める立地要因別のシェア。回答総数は現在:n=3,009、今後:n=1,908。 各企 業 は 事 業 機 能 ご と に 重要拠点3カ所まで回答し、その立地要因を選択(拠点地域ご と に重 要 な 項 目 を 5 つ ま で 複 数 回 答)。図表中の「現在」は現在重要と考える立地要因、

「 今 後 」 は 今 後 立 地 す る と し た ら重要 と 考 え る 立 地 要 因 を意 味 す る 。 出 所 :『 通 商 白 書 2006』(経済産業省)

次 に、図 表2- 2では 、生産 機能の 現在お よび今 後の主 要な立 地地点 に対す る回答を まとめ ている 。上記 の生産 機能の 立地要 因を背 景にしな がら、 回答企 業 は、現 在から 今後に かけて 、海外 への配 置を重 点化す る方向に ある。 また、 日本国内では大都市圏よりも大都市圏以外、海外では中国よりも ASEAN を 立地

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先として望んでいる。

図表2-2 生産機能の主要立地地点

( 備考)今後の立地地点は、現在の立地地点(総地点数=941)に今後新しく立地すると し た 場合 の 追 加 的 な 立 地 地 点 数( 総 地点 数 =519)を合計したもの。各企業は事業機能ご と に重 要 拠 点 3 カ 所 ま で 回 答 ( 複 数回 答 )。

出 所 :『 通 商 白 書 2006』(経済産業省)

図表2-3 地域別に見た生産機能で今後重要な立地要因(上位5項目)

( 備考)矢印は、表中の立地要因が現在と今後で重要性の順位が上昇、不変、低下した か を表す。各企業は事業機能ごとに重要拠点3カ所までについて、立地要因を回答(地 域 ご と に重 要 な も の を 5 つ ま で 複 数回 答 )。 現在 : n=3,009、今後: n=1,908。

出 所 :『 通 商 白 書 2006』(経済産業省)

日本大都市圏 n=162 日本大都市圏以外

n=368 欧米 n=168 中国 n=450 ASEAN4 n=611 1技術水準の高い技

術者・研究者 1 人件費が安価 1

現地国内市場での

販売が有利 1 人件費が安価 1 人件費が安価

1日本に技能・技術を残す 2繊細な作業を正確にこなせる工場労働者 2繊細な作業を正確にこなせる工場労働者 2現地国内市場での販売が有利 2現地国内市場での販売が有利

2繊細な作業を正確にこなせる工場労働者 3土地、建物等の現地資本が安価 3 人件費が安価 3繊細な作業を正確にこなせる工場労働者 3繊細な作業を正確にこなせる工場労働者

2

技術、市場ニーズ、 顧客等に関する情報 交換が容易

4

技術、市場ニーズ、 顧客等に関する情報 交換が容易

4

技術、市場ニーズ、 顧客等に関する情報 交換が容易

4土地、建物等の現地

資本が安価 4 部品、原材料が安価

2

製造業をサポートす る物流会社等のサー ビス業が多く存在

5

製造工程全体を考慮 するとコストが安いた

5近隣国の市場への

輸出が有利 5

近隣国の市場への

輸出が有利 5

製造工程全体を考慮 するとコストが安いた

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次に、図表2 -3か ら、地 域別に 見た生 産機能 で今後 の重要な 立地要 因につ い てみる 。注目 すべき は、全 体的に 労働や 土地の 安さが 重要視さ れるな か、日 本の大都市圏においては「技術水準の高い技術者・研究者」(1位)、「日本に技 能・技術を 残す」( 1位)、「繊細 な作業 を正確に こなせ る工場 労働者」( 2位)、

「技術、市場ニーズ 、顧客等に関する情報交換が容易」(2位)といったように、 高度技術 ・人材 の活用 ・育成 や、技 術や市 場など の情報 交換が、 生産要 素の価 格よりも重要視されている点である。

製品のなかには、プロダクトライフサイクルにおける初期段階のものもあり、 こ れには 高度な 知識・ 技術を 有する 人材に よって 扱われ たり、顧 客・ユ ーザー や企画・開発担当者との綿密な情報交換が必要とされたりする部分が多くある。 逆 にある 程度、 成熟し た製品 につい ては、 大量生 産体制 に移行す るため に、安 価 な労働 や、大 規模な 設備が 設置で きる広 大で安 価な土 地を求め て、国 内の地 方部、ア ジアな どの海 外へと 工場が 配置さ れる。 このよ うなプロ ダクト ライフ サ イクル からみ た製品 の違い に対応 して、 工場が 担う生 産機能も いくつ か異な りをみせており、立地ニーズも異なるものと考えられる。

2 . 3 統計でみる工場立地要因

2.2 のアンケート調査から、生産機能の立地要因としては、基本的に人件費や 土 地・建 物等の 現地資 本の安 さが重 要視さ れてい るが、 国内の大 都市地 域に対 し ては、 高度な 技術や 人材、 または 技術や 市場ニ ーズの 情報交換 がより 重要視 されていることが確認された。

そ れでは 、国内 の大都 市圏に 分類さ れる大 阪府は 、果た してこ のよう な大都 市圏に期待されるニーズに応える地域属性を備えているのであろうか。

本節で は、諸 統計を 用いな がら、 工場立 地の決 定要因 について 、都道 府県別 の 分布状況や、 立地件 数シェ ア(各 年)と 立地要 因との 関係を見 ていき 、その な かでの 大阪府 の位置 を確認 してい く。本 節でと りあげ る統計は 図表2 -4の とおりである。以下、順に考察していく。

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図表2-4 工場立地要因に関連するデータと出所統計一覧

賃金:大都市の中では大阪は安い。近隣の工業県ともそれほど変わらず

まずは、賃金の都道府県間のバラつきをみる 。統計は、「毎月勤労統計調査(地 方調査)」(厚生労働省)の、製造業(事業所規模 5 人以上)の常用労働者 1 人 当たり平均月間現金給与総額を用いる。

図表2-5 製造業の常用労働 者 1 人当たり平均月間現金給与総額

( 注)事業所規模 5 人以上。出所:「毎月勤労統計調査(地方調査)」( 厚 生 労 働 省 )

立地要因変数 使用データ 出所統計

賃金 製造業(事業所規模5人以上)の常用労働者

一人当たり平均月間現金給与総額 「毎月勤労統計調査」(厚生労働省) 高卒求人倍率 高等学校新規卒業者の求人倍率 「統計でみる都道府県のすがた」(総務省)

技術者の割合 製造系(*)技術者数(対総就業者数比) 「国勢調査」(総務省)

地価 地目別平均地価 「工場立地動向調査」(経済産業省)

立地可能用地 工業団地の分譲可能面積 「産業用地ガイド」(財団法人日本立地センター)

市場集積 製造品出荷額等 「工業統計調査」(経済産業省)

産業集積 製造業事業所数(従業者4人以上) 「工業統計調査」(経済産業省)

本社との近接性 工場の立地県と本社所在県 「工場立地動向調査」(経済産業省)

高速道路の充実度 高速自動車国道 実延長 「道路統計年報」(国土交通省)

(*)「A 専門的・技術的職業従事者」の「(2)技術者」のなかの、「3 農林水産業・食品技術者」、「4 属製錬技術者」、「5 械・航空機・造船技術者」、「6 電気・電子技術者」、「7 化学技術者」、「12 その他の技術者」。

(23)

図表2-5から、2002 年 ~ 2009 年 の 8 年間の都道府県別平均値(折れ線グラ フ )をみ てみる と、大 阪府よ り高い 値をと る県は 、高い 順で、東 京都、 神奈川 県 、愛知 県の3 つにな る。つ まり、 日本の 大都市 圏のな かでは、 賃金が 安いほ う に位置 する。 一方、 兵庫県 、滋賀 県、三 重県な どの近 隣の工業 県とは 同じぐ らいの水準にあることも大阪府の特徴といえる。

図表2-6 立地件数全国シェアと賃金との関係

図表2-6は、各都道府県における 、2003 年 ~ 2010 年 における各年の立地件 数 の全国 シェア と賃金 (自然 対数値 )との 関係を 表した 散布図で ある。 なお、 賃金のほうは一年ラグをとっている。例えば 、立地件数の全国シェアが 2003 年 の値であれば、賃金 は 2002 年 の値で対応させている。製造業規模の小さい地域 で は、あ る年の 工場の 新規立 地がそ の年の 地域の 製造業賃金に大 きな影 響を与 え るかも しれず 、ここ では賃 金の高 低が新 規工場 立地に 与える影 響をみ るため に 、一年 のラグ をとる 処置を 施して いる。 以下の 散布図 も同様に 立地要 因とな る変数は一年のラグをとっている。

工 場立地 と賃金 の関係 は、理 論的に は負の 関係で あるが 、この 散布図 をみる と、相関係数が 0.36 と弱いながらも正の相関であり、理論と反している。しか しこれは、国内立地に対して、単に賃金が安いだけで立地を決めるのではなく、

(24)

他の要因も大きく立地に影響していると解釈するのが妥当である。したがって、 他 の立地 要因を コント ロール した上 で、賃 金の高 さが立 地にとっ て負の 要因と なるかどうかを検証する必要がある。これは、第 3 章で行う工場立地要因の計 量経済学的分析の意義のひとつでもある。

大 阪府に ついて 経済規 模が近 い県と 比較す ると、 まず愛 知県は 、大阪 府より 賃 金が少 し高い が、立 地件数 シェア で大き く大阪 府を上 回ってい る。ま た、神 奈 川県は 、大阪 府より 高い賃 金であ るにも 関わら ず、大 阪府と同 レベル の立地 割 合を達 成して いる。 このよ うに、 大阪府 は製造 業の賃 金の面で 神奈川 県と愛 知 県と比 べ少し 有利で あるに も関わ らず、 他の要 因によ ってこの 有利さ が打ち 消されているといえる。

高卒求人倍率:大阪は神奈川より高く愛知と同程度。また、近隣府県より高い。 工場労 働者と して主 に高校 卒業者 を採用 する製 造企業 にとって は、立 地先の 地 域にお いてス ムーズ に該当 人材を 獲得す ること が重要 である。 高等学 校新規 卒 業者の 求人倍 率(対 新規高 卒者求 職者数 )は、 その獲 得困難の 度合い を示す 統計指標であり、図表2-7において都道府県別の状況をグラフにしている。

図表2-7 高等学校新規卒業者の求人倍率(対新規高卒者求職者数)

出 所 :『 統 計 で み る 都 道府 県 の す が た』( 総務 省 )

(25)

大都市圏 内の都 府県間 で比較 すると 、製造 業以外 の産業 が多く 集積す る東京 都 では、 高卒人 材の獲 得競争 度はす こぶる 高い。 大阪府 は、愛知 県と同 じ程度 であるが、神奈川県よりは平均値でみて少しだけ高い。

次 に、近隣府県 と比較 すると 、賃金 の場合 と異な り、大 阪府の 高卒新 規求人 倍 率は相 対的に 高いこ とが確 認でき る。こ のこと から、 工場労働 者の獲 得の容 易さは、関西郊外に工場立地が進んだ有力な要因のひとつだと疑われる。

図表2-8 立地件数全国シェアと高卒求人倍率との関係

図表2 -8は 、工場 立地件 数全国 シェア と高卒 求人倍 率の散布 図であ る。こ れ も、賃 金の場 合と同 様に、 相関係 数が弱 いなが らも正 である。 したが って、 他 の立地 要因を コント ロール した上 で、理 論どお りの負 の関係が あるの かが注 目される。

大 阪府は愛知県 と比べ ると、 高卒求 人倍率 でそれ ほど大 きな差 がない のに、 立 地件数 の割合 では大 きな差 をつけ られて いる。 また、 大阪府と 神奈川 県を比 べると、若干 、神奈川県のほうが、高卒求人倍率で大阪府より有利さをもつが、 他の立地要因で、神奈川県のその有利さが相殺されているようにみえる。

(26)

製造系技術者:絶対数は全国 5 位だが、割合の順位は大きく下がる。

次に、 高度な 知識・ 技術を 有する 技術者 につい てみる 。ここで は、都 道府県 間の比較の前に、まずは、全国における技術者に関する特徴を把握する。『国勢 調査』(総務省)でみると、日本職業分類で定義された技術者は、2005 年 におい て 214 万 人であり、同年の総就業者数の 3.5%に相当する(図表2-9)。

図表2-9 技術者職種別人数と割合

出 所 :『 国 勢 調 査』( 総務 省 )

図表2-10 職種別技術者の産業別割合( 2005 年 )

( 注 )製 造 系技 術 者 は、農 林 水 産 業・食 料品 技 術 者、金 属 精 錬 技術 者 、機械・航 空 機・造 船 技 術 者 、 電 気・ 電 子 技術 者 、 化 学 技術 者 、 そ の他 の 技 術 者 をさ す 。 出 所:『 国 勢調 査 』( 総 務 省)。

2000 2005

割合 割合 農林水産業・食品技術者 58,603 2.3% 47,965 2.2% 属製錬技術者 18,908 0.7% 16,375 0.8% 機械・航空機・造船技術者 282,935 11.2% 284,038 13.3% 電気・電子技術者 351,564 13.9% 303,710 14.2% 化学技術者 66,913 2.7% 66,994 3.1%

築技術者 387,284 15.3% 232,686 10.9%

木・測量技術者 510,196 20.2% 306,797 14.3% 情報処理技術者 777,487 30.8% 819,984 38.3% うちシステムエンジニア 745,153 34.8% うちプログラマー 74,831 3.5% その他の技術者 69,995 2.8% 62,063 2.9%

総計 2,523,885 100.0% 2,140,612 100.0%

(27)

これらの うち、製造業に従事 する割合が 20%を越す職種は、 農林水産業・食 品 技術者 、金属 精錬技 術者、 機械・ 航空機 ・造船 技術者 、電気・ 電子技 術者、 化学技術者、その他の技術者である(図表2-10)。これらの技術者の職種グ ループを、ここでは製造系技術者とよぶことにする。

図表2-11 製造系技術者数とその割合(対総就業者数)

( 注)「 製 造系 技 術 者 」は 、製 造 業 に 従 事 す る割 合 が 20%を越す、「農林水産業・食料品 技 術 者 」、「金 属 精錬技術者」、「機械・航空機・造船技術者」、「電気・電子技術者」、「化 学 技 術 者 」、「 その他 の 技 術 者 」と 定 義 し て いる 。ま た 、労 働 者 は 基 本 的 に 職住 近 接 を 好 むことを考慮し、居住地ベースの値を用いている。出所:『国勢調査』(総務省)

図 表2- 11は 、製造 系技術 者数お よびそ の対総 就業者 数比率 の都道 府県別 分 布であ る。まず、製 造系技 術者数 (棒グ ラフ・ 右軸) をみてみ ると、 大阪府 は 、神奈 川県、 愛知県 、東京 都と大 きな差 をつけ られて いる。む しろ水 準的に は、大阪府は埼玉県や兵庫県と同じくらいである 。他方、近隣府県と比べると、 兵庫県を除けば、大阪府は相対的に高い水準にある。

た だし、単に技 術者数 が多け れば、 その分 、企業 が技術 者にア クセス しやす い というわけで はない 。そこ には、 経済規 模にみ あった ライバル 企業も 多く存 在 する。 したが って、 対総就 業者比 率(折 れ線グ ラフ・ 左軸)の ような 技術者

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へ のアク セスの 容易さ をあら わす指 標でも ってみ る必要 もある。 図表2 -11 か ら、まず大都 市圏間 で比較 すると 、大阪 府は神 奈川県 、愛知県 より大 きく劣 勢 であり 、東京 とは同 じくら いであ る。ま た、そ のほか の関東、 中部の 県より も 低い。 近隣府 県と比 較する と、兵 庫県や 、絶対 数では 大阪府の 半分に も満た ない滋賀県、三重県、奈良県にも差をつけられている。

図表2-12 立地件数全国シェアと製造系技術者の割合との関係( 2005 年 )

図表2-12は、 2005 年 の工場立地件数全国シェアと技術者数割合の散布図 である。相関係数が 0.52 と正の関係がみられ、工場立地の有力要因といえよう。

以 上のよ うに、 絶対数 では神 奈川県 や愛知 県に劣 るもの のある 程度大 きい大 阪府の技術者数は、アクセスの容易さを表す対総就業者数比の視点からすると、 全国的に見劣りしてしまう。2.2 で紹介したアンケート調査結果において、工場 立 地で大都市圏 に期待 するひ とつが 高度な 技術・ 人材で あったた め、大 阪府の 製 造系技 術者の 密度的 な薄さ は、懸 念すべ き材料 かもし れない。 ただし 、大阪 府 は東京 都ほど ではな いにし ろ、製 造業以 外の産 業の一 大集積地 でもあ り、さ まざまな 職種の 人材が 集積し ている のもま た事実 である 。そのあ たり、 神奈川 県 や愛知 県とは 異なっ た特徴 をもつ 大都市 として 、他産 業とのバ ランス でもっ て技術者のデータはみる必要もあろう。

(29)

地価:東京、神奈川についで大阪は全国3位。近隣では大阪、京都が突出。 図 表2- 13は 、都道 府県別 の地価 の状況 を示す 。工場 用地取 得に関 わる平 均地価( 2002 年 ~ 2009 年 の平均値)について、大阪府は東京都と神奈川県につ い で3番 目に高 い。他 方、愛 知県の 地価が 大阪府 に比べ てかなり 安いの も特筆 すべき点 である 。また 、近隣 府県の なかで は京都 府とと もに大阪 府は突 出して いる。

図表2-13 平均地価

( 注)実際の工場立地のデータから、平均地価=用地取得費÷敷地面積を計算。 出 所 :『 工 場 立 地 動 向 調査 』( 経 済 産業 省 )

図 表2- 14で は、立 地件数 割合と 地価と の散布 図であ る。地 価と立 地件数 割合の相関係数は 0.20 と、弱いながらも正の相関にある。ただし、地価が対数 値で 10 以上のところでは 、負の相関もみてとれ、愛知県と大阪府と神奈川県も そ の関係 にあて はまっ ている ように みえる 。つま り、愛 知県は大 阪府や 神奈川 県 に比べ て地価 が安い という 点で、 相対的 に工場 立地に 有利とい える。 大阪府 は愛知県 に比べ て、地 価のば らつき が大き いが、 おおよ そ神奈川 県と同 じくら いの地価水準であり、立地割合も同じぐらいである。

(30)

図表2-14 立地件数全国シェアと地価との関係

立地可能面積:大阪の分譲可能団地は少なく、それも 2000 年代に埋まっていく。 2.1 で述べたように、企業側に多様な立地用途ニーズがあるなかで、マッチン グ の成立 確率を 高める 意味で も、立 地可能 な工場 用地の 広さが重 要な立 地要因 と なる。 ここで は、工 場団地 の分譲 可能面 積をと りあげ る。図表 2-1 5がそ の都道府県別の分布を表したものである。このデータの出所は、『産業用地ガイ ド 』とい う、財 団法人 日本立 地セン ターが 毎年発 行して いるもの であり 、掲載 団 地とし ては、 都道府 県、市 町村、 開発公 社なら びに中 小企業基 盤整備 機構、 都 市再生 機構、 民間デ ベロッ パーが 事業主 体とな ってい る全国の 造成済 ・造成 中・造成 予定の 産業団 地(工 場団地 、流通 団地、 研究団 地、事業 団地等 )にな る 。このガイド ブック は、全 国規模 での産 業用地 情報を 網羅した 我が国 唯一の ものであり、工場用地を探している企業にとって有力な情報源となっている。

図表2 -15 をみる と、大 都市圏 では、 愛知県 が大き な分譲可 能面積 を有し て いるが 、大阪 府、東 京都、 神奈川 県は軒 並み小 さい。 次に、近 隣府県 をみる と 、平均 値でみ て大阪 府は奈 良県よ りは多 いが、 突出し ている兵 庫県や 、京都 府、和歌山県、滋賀県、三重県には劣っている。ちなみに大阪府は、 2003 年 版 から 2009 年版にかけて、当時の好景気を背景に、分譲可能面積が急減している。 このことは、現在そして今後の大阪府の深刻な用地不足問題を示唆する。

(31)

図表2-15 工場団地分譲可能面積

( 注) 北海道 およ び青森 県の 2003 年版から 2010 年 版ま での平 均値 は、そ れぞれ 5,795ha、 2,149ha と な る 。 出 所 :『 産 業 用 地 ガイ ド 』( 財 団法 人 日 本 立 地 セ ン タ ー )

図表2-16 立地件数全国シェアと工場団地分譲可能面積との関係

( 注)サンプルにゼロの値があるため、全ての値に1を足して自然対数をとって いる 。

(32)

図 表2- 16は 、工場 立地割 合と工 場団地 分譲可 能面積 との散 布図で ある。 大 阪府は 、愛知 県と比 べると 、用地 面積の 要因で 大きく 立地件数 の差を つけら れ ている ことが 分かる 。神奈 川県と の比較 をみる と、大 阪府の分 譲可能 面積の ばらつきと比べ、神奈川県のほうが安定的な供給がなされているようにみえる。

市場集積:大阪の出荷額は全国 4 位だが、伸び率の順位は上位から漏れる。 製造品 の取引 先およ び取引 先候補 が多く 集積し ている 場所の近 くに立 地する こ とは、 製造品 に対す るユー ザーの 情報へ のアク セスの 容易さや 、取引 契約機 会の増大、輸送コストの低減などで、企業にとってメリットである。

図表2-17では、都道府県別の製造品出荷額とその伸び率をあらわす。2002 年~ 2009 年 の製造品出荷額の平均値(棒グラフ・右軸)をみると、愛知県が断 トツの1 位であ り、そ の次に 、神奈 川県、 静岡県 、そし て大阪府 の順と なって いる。近隣府県では 、兵庫県とそれほど差がなくなっている状況にある。次に、 伸 び率( 後方三 ヵ年移 動平均 )の平 均値( 折れ線 グラフ )をみて みると 、まず 大都市圏 では、 大阪府 は東京 都や神 奈川県 に勝っ ている が愛知県 には負 けてい る。近隣府県と比べると、三重県や滋賀県、兵庫県に大きく負けている。

図表2-17 製造品出荷額と伸び率

( 注)伸び率は、後方三ヵ年移動平均値。出所:『工業統計調査』(経済産業省)

(33)

図表2-18 工場立地件数割合と製造品出荷額との関係

図表2-19 工場立地件数割合と製造品出荷額伸び率との関係

図 表2- 18は 、立地 件数割 合と製 造品出 荷額と の関係 、図表 2-1 9は、 立 地件数割合と 製造品 出荷額 伸び率 との関 係を表 してい る。出荷 額が、 相関係

(34)

数 0.68 と正の相関を示しているのに対し、出荷額の伸び率は、無相関のように み える。 ただし これは 、他の 立地要 因をコ ントロ ールし た上で、 正の影 響をも たらすかどうかを検証しなければならない。(第3章の推計結果の内容を先取り すると、製造品出荷額の伸び率が正で有意の結果であった。)

産業集積:大阪の事業所数は全国1位。

マーシャルのいう特定産業の集積の外部効果は、2.1 で述べたように、労働者 間 の知識 ・技術 のスピ ルオー バー、 産業に 特化し た中間 財、サー ビスお よび労 働 者の市 場形成 が、外 部経済 効果と してそ の地域 に存立 する企業 の生産 性向上 に結び付くため、工場立地要因の有力な候補といえる。

図表2-20 製造業の事業所数(従業者4人以上分・ 2007 年 )

(単位:か所)

大阪府 東京都 神奈川県 静岡県 愛知県 全国計

料品製造業 1, 109 1, 039 849 1, 472 1, 542 32, 508

料・たばこ・飼料製造業 86 64 73 538 176 4, 542

繊維工業 658 150 64 242 961 6, 785

服・その他の繊維製品製造業 1, 120 662 173 164 718 12, 748

木材・木製品製造業 282 135 90 430 460 8, 146

家具・装備品製造業 664 457 199 414 656 8, 215

パルプ・紙・紙加工品製造業 926 762 244 576 602 7, 414 印刷・同関連業 1, 867 3, 723 526 431 1, 052 16, 320

化学工業 626 297 277 179 253 5, 034

石油製品・石炭製品製造業 53 23 53 30 50 986

プラスチック製品製造業 1, 908 1, 027 717 930 1, 899 16, 021

ゴム製品製造業 370 330 87 147 306 3, 221

なめし革・同製品・毛皮製造業 260 553 10 25 67 2, 105 窯業・土石製品製造業 454 305 317 301 1, 056 12, 897

鉄鋼業 673 201 181 155 540 4, 696

非鉄金属製造業 334 197 143 188 234 3, 168

金属製品製造業 4, 858 2, 392 1, 731 1, 424 3, 005 33, 355 般機械器具製造業 3, 967 2, 352 2, 136 1, 736 3, 968 33, 955 電気機械器具製造業 1, 178 1, 039 864 796 939 11, 932

情報通信機械器具製造業 114 254 286 89 57 2, 293

電子部品・デバイス製造業 268 492 439 161 148 5, 767 輸送用機械器具製造業 613 475 751 1, 438 2, 225 12, 426

精密機械器具製造業 308 744 259 118 202 4, 254

その他の製造業 857 1, 008 354 443 652 9, 444

合計 23, 553 18, 681 10, 823 12, 427 21, 768 258, 232

参照

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