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武蔵野市歴史資料館(仮称)管理運営基本方針

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(1)

平成 25 年 11 月

武蔵野市教育委員会

生涯学習スポーツ課

(2)

武蔵野市歴史資料館(仮称)管理運営基本方針

目次

はじめに

……… 2

第1章

施設機能

……… 3

公文書館機能

……… 4

博物館機能

……… 6

様々な取り組みや機能との連携

………10

第2章

施設及び管理運営

………13

管理運営主体について

………13

組織体系

………14

施設

………15

開館時間・開館日・入館料

………15

基本的な機能と構造(案)

………16

駐車場・駐輪場

………18

会議室

………18

第3章

収支想定

………19

支出想定

………20

収入想定

………21

試算した収支想定

………21

(3)

はじめに

武蔵野市では、昭和 37 年の市史編纂事業を端緒とした、郷土の歴史を学び文化を継承する取り

組みが、行政をはじめとして、数多くの研究者や有志市民の協力により行われてきた。

この取り組みは、現在まで継続され、約 40 年にわたって収集された史・資料や、多方面にわた

る知見は、貴重な市の文化的資産となっている。

この成果を広く市民に伝え、後世に残したいとする人々の思いは、昭和 46 年の「武蔵野市郷土

資料館建設に関する請願」につながり、以降、歴史資料館の建設は、市の長期計画・調整計画に

おいて重点事業に掲げられてきた。

平成 23 年、第五期長期計画において「旧西部図書館は、市民が利用可能なスペースを備えた歴

史資料館として再整備することとし、その活用方法については今後検討を進める。」と示された

ことを受け、「武蔵野市歴史資料館(仮称)整備計画」(以下、【整備計画】という。)が策定さ

れた。この整備計画に基づき本施設の管理運営の方針として、この歴史資料館(仮称)管理運営基

本方針を策定する。

また、武蔵野市教育委員会では、平成 22 年、『武蔵野市生涯学習計画』を策定し、生涯学習施

策を総合的に推進している。同計画に掲げられた基本目標6「未来への学びの継承」に基づく、

基本施策「6-1-1 市の歴史や文化の知識提供」、「6-1-5 武蔵野らしい文化の醸成」などの施策に

ついても、歴史資料館(仮称)が取り組むべき課題である。

歴史資料館(仮称)では、【整備計画】における基本理念・求められる機能の充足とともに、

生涯学習計画の推進を図り、武蔵野市民はもとより、武蔵野市を訪れる多くの人々に武蔵野市の

歴史・文化を伝え、生涯学習のきっかけづくりや、これからの武蔵野市に想いをよせる活動の場

所になることを目標とする。

●武蔵野市の歴史を未来へ継承する

歴史公文書や行政刊行物の他、本市が収蔵している古文書や考古資料、戦争関係(中島飛行機関係) 資料などを収集・整理し、市民の財産として未来に継承し、未来の市民に対する説明責任を果たします。

●地域の歴史を学ぶ拠点としての機能を提供する

歴史資料を適正な管理により保管し、市民が本市の歴史や培われてきた文化に触れることでその知識 と理解を深め、貴重な資料を活用し、地域の歴史を学ぶ拠点としての機能を提供します。また、館内 における学習活動や資料の貸出等により学校教育を支援していきます。

●歴史資料を媒体とした市民交流拠点としての機能を提供する

資料館の活動に市民が積極的に関われるよう、資料の調査や収集・整理、歴史講座の開催等に、広く ボランティアが参加できる仕組みを作るとともに、市民がいつでも気軽に訪れることができ、歴史資 料にふれ、歴史に親しむことができる環境を整備することで、歴史資料を媒体とした、市民交流の拠 点としていきます。

(武蔵野市歴史資料館(仮称)整備計画より)

(4)

第1章 施設機能

整備計画

運営基本方針

歴史資料館(仮称)整備計画では、基本理念に基づき、4 つを重点的機能とした。すなわち、 公文書館機能・民俗資料館機能・古文書館機能・その他資料に関する機能である。

整備計画を具体化し、管理運営基本方針として策定するにあたって、これらの機能をさらに 整理し、以下の区分により、それぞれの施設機能を見直す。

公文書館機能

民俗資料館機能

古文書館機能

その他資料に

関する機能

公文書館機能

博物館機能

(民俗資料) (古文書資料)

(考古資料) (戦争関係資料)

(その他資料)

学校教育とも連携する通史展示・ 映像提供・体験活動の場の設置

歴史文化を中心とした生涯学習と市民交流

のための市民スペース(仮称)の設置

武蔵野をよりよく知り、愛するための 企画展示やイベントの実施

武蔵野市が所蔵している古文書・民俗・ 考古資料等の収集保存と活用

(5)

公文書館機能

(1)収集

市が「文書管理規則」に基づき行政文書を保管及び保存してきたもののうち、今後保

存年限に到達する文書の中で、歴史的に価値のあるもの(以下、「歴史公文書」という。)

について、選別して収集・保存を行う。これは、平成 24 年に改正施行された「公文書

等の管理に関する法律」(平成 24 年法律第 98 号。以下「法律」という。)において、

行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用を図ることが、地方公共

団体の努力義務とされたことを踏まえ、行政活動だけでなく、市民・議会の活動等が記

録されている歴史公文書を、市民が主体的に利用できる状態で管理・保存し、未来の市

民に対する説明責任を果たす取り組みである。

武蔵野市では、百年史編纂事業に伴う資料として、平成5年以降、保存年限に到達し

た文書の一部を仮保存している。これらの文書については、歴史的価値のあるものを選

別し、電子データ化等も含め保存に取り組んでいく。

また、市報等の行政刊行物の一部についても、利用者に対して市の歴史に関する情報

を総合的に提供するため、保存対象とする。

(2)評価・選別

文書管理規則においては、事務処理の必要上、保存年限を設け管理しているが、現行

においては「永年保存」の区分があり、この「永年保存」の文書は歴史的な価値を有す

蓋然性がある。しかし、扱いは現用文書とされるため、歴史資料館(仮称)において歴史

公文書としての取り扱いをすることができない。

また、文書の評価・選別にあたっては、文書作成段階から歴史公文書に該当するかの

予備的判断をすることも重要である。

これらの課題解決にあたって、総務課による文書管理規則の見直しと並行して、関係

各課と協議の上、歴史公文書の選別のための「歴史公文書選別基準(仮称)」を定める。

(3)保存

歴史公文書の保存については、原本保存のほか、所蔵スペースや利用効率の向上を目

的として、出来うる限り資料の電子データ化に取り組む必要がある。

また、歴史公文書を効率的・効果的に管理及び利用していく観点から、保存文書につ

いて体系的な目録を作成する。

一方、保存する電子データは、画像データ及びメタデータとして作成し、検索・閲覧

等への対応可能なシステムの構築を検討する。

(4)利活用

①利用の基本的な考え方

(6)

規定している。また、武蔵野市情報公開条例においても、市が保有する情報の公開が、

市民の知る権利に基づく市政への参加を保障し、公正で透明な行政の推進に寄与するこ

とを目的としている。

歴史資料館では、このような考え方を踏まえ、歴史公文書について、市民の知的財産

として一般の利用に供することで、現在及び将来の市民への説明責任を果たしていく。

②公開基準

歴史公文書は、その歴史的・文化的価値に鑑み、利用を制限する事由は必要最小限に

とどめ、原則公開の扱いとすることを基本方針とする。ただし、秘匿されるべき個人情

報等も存在するため、その重要性と公開によって得られる公共の利益を比較衡量するこ

とが必要である。

このことを踏まえ、公開の範囲については、情報公開制度及び個人情報開示請求制度

との整合を図るとともに、時の経過を考慮に入れた公開に関する判断基準(以下、「公

開基準」という。)を定める。

③公開方法

歴史公文書の利用は、利用希望者の申請に基づいて行い、歴史資料館(仮称)が、公開

基準に沿って、公開・一部非公開・非公開について判断する。

併せて、この決定について不服がある場合は、利用者が不服の申し立てを行えるよう、

行政手続法及び武蔵野市情報公開条例並びに武蔵野市行政手続条例等を踏まえた対応の

仕組みを検討する。

④調査研究

公文書館としての機能維持、向上を図るため、公文書の評価・選別・保存・整理の諸

活動を実施するほか、先に定める公開基準や利用者への支援等の在り方について、継続

(7)

博物館機能

歴史資料館(仮称)は、博物館としての機能を有するものとする。

ここでいう博物館機能とは、①収集 ②保存 ③展示・公開 ④調査・研究 ⑤教育・普及

の5つの機能として定義づけられ、それぞれの機能が相互に関係することで、博物館としての

機能を果たすことができるとされている。

本館で対象とする資料と活動、その他の取り組みの概要は、以下のとおりである。

(1)民俗資料

近世から現代までの民具(衣食住、生産、生業、交通、運輸、信仰、遊戯、年中行事等)

を中心に、時代の変遷とともに本市の歴史、習俗等生活に密着した資料と記録写真・刊行物

等の資料を対象とする。

①調査研究・収集

武蔵野市が市民の協力により収集保存してきた民具等資料について、評価・点検を行い、

広く市民・研究者へ還元できるような調査研究を進める。

民俗資料調査収集協力員(市内に残る有形・無形の民俗資料及びその情報を収集すること

を目的に委嘱)からの情報提供を中心に広く市民に情報を求め、資料調査、記録保存調査、

聞き取り調査等の調査研究を行っていく。

また、新たな資料の収集にあたっては、別途収集基準を作成し、時代の変遷に合わせて、

未来に継承していく必要のある民俗資料を選別し収集していく。

②保存

調査研究・収集・整理した資料は、正常な状態を維持できるように、必要に応じてくん蒸

等処理を行い、適切な環境のもとに保存していく。

③収蔵・展示

通史展示における資料の活用のほか、市民スペース等での資料の活用を検討する。

また、収蔵庫を展示可能な状態で整備し、来館者が資料をより身近に感じられるような方

式(収蔵展示等)で整備の上、公開する。

④整理・選別

現在、市が保有している民俗資料のうち、歴史資料館において展示・収蔵展示できるもの

は、全体保有量の約 30%にとどまる。残る資料に関しては、館外に収蔵スペースを確保の上、

引き続き調査研究・保存を行う。また、別途作成する民俗資料整理選別基準に基づき、整理

選別を行ったのち、一部資料に関しては、教育機関等での活用や、所有者への返却又は廃棄

(8)

(2)古文書資料

本市では、指定文化財に指定されているものを含め、近世・近代を中心として約 7,100 点の

古文書を所蔵している。

これらの古文書のほか、古地図、絵図、系図など本市にとって歴史的又は芸術的価値の高い

もの、その他歴史資料となる学術的価値の高い古文書を対象とする。

①収集・整理・保存

現在、中央図書館に保存されている古文書は、当面の間、引き続き中央図書館において保存

する。ただし、一部資料については、歴史資料館において保存し研究に資するほか展示も行う。

現在、市が所蔵していない重要な古文書等の寄託・寄贈については、資料の調査・研究の結

果を踏まえ対応する。

収集した資料は、目録等を作成のうえ、整理・保存し、保存方法については、資料の状態に

応じて、適切な環境で管理する。

②調査・研究

市史編纂事業により収集された資料を中心として、現在収蔵されている資料の調査研究を継

続的に実施するとともに、新発見資料などにも対応し、調査研究を実施していく。

研究者・市民等に対して、市所蔵資料の検索・閲覧等のサービスを提供する。ただし、原本

の状態や権利・プライバシーの問題があるもの、寄託を受けた古文書のうち、所有者の承諾を

受けていないものなどは、閲覧の対象外とする。

※市指定文化財である古文書については、別途、文化財公開手続きが必要である。

③展示

豊富な古文書資料を基にした、武蔵野の歴史に関する調査・研究活動を踏まえ、その成果を

企画展示等により、来館者へ公開する。

また、これらの展示を通じて、来館者の知的好奇心を高め、生涯学習の動機づけを図る。

④講座・講演会

本市の歴史や文化を市民に広く伝えていくような講座や講演会を実施する。

市内に現存する近世・近代の古文書を市民に解読してもらう古文書解読講座等の連続講座を

実施する。

また、調査研究の成果を市民に還元するため、講演会等も実施する。

⑤その他

既刊の武蔵野市史等の文献資料について、原資料である古文書資料も含めたデータ化等を検

(9)

(3)考古資料

本市に存する井の頭遺跡群は、東京都の指定史跡であり、現在までの調査成果から、井の頭

池遺跡群は後期旧石器時代から歴史時代まで続く遺跡群であることが確認されている。

本市では、この遺跡群から発掘された後期旧石器時代の尖頭器などの考古資料、およそ 20 万

点を、関前文化財収蔵庫において収蔵している。

これらの資料は、引き続き関前収蔵庫において保存するが、国内でも数少ない縄文時代草創

期の土器等、貴重な様々な考古遺物について、これまでの発掘調査の成果等と合わせ展示する。

また、埋蔵文化財の保護にあたっては、遺跡の存在を市民に周知することが重要である。埋

蔵文化財の存在をより市民が身近に感じられるような取り組みを実施するとともに、市民の学

習活動への活用を行う。

①埋蔵文化財保護

埋蔵文化財包蔵地における建築工事の届け出に伴う指導事務を、文化財保護普及活動の移管

に伴い、歴史資料館(仮称)が行う。

ただし、試掘調査・発掘調査等現場作業並びに出土品管理については、前述のとおり関前文

化財収蔵庫をベースとした活動とする。

②展示・講座

埋蔵文化財の調査研究の成果を、展示等によって市民に還元するほか、豊富な出土遺物等を

活用したワークショップ形式の講座事業などを実施し、埋蔵文化財の保護普及に取り組む。

(4)戦争関係資料

本市における戦禍を歴史の教訓として後世に伝え、平和の大切さを学んでいただく機会とす

るため、第二次世界大戦から終戦までの期間を中心に、中島飛行機関係資料をはじめとした市

内の空襲や、戦時下の市民生活に関する資料を収集、保存、展示する。

①資料公開

戦争関係資料(中島飛行機武蔵製作所関係含む)の公開については、現在、市民活動推進課・

生涯学習スポーツ課等で保存している資料の中から一部を展示する。

②収集・保存

中島飛行機武蔵製作所を中心とした市内の空襲に関する資料、戦時下の市民の生活や戦後の

復興に関する資料など新たな資料が発見された際には、市が受けた戦禍を後世に伝え、平和に

ついて考える一助となり得るか、という観点で収集・保存する。

また、戦争の記録や記憶の継承については行政だけでの実行は不可能なため、個人・民間団

体の協力のもと、既に作成された記録についても収集・保存を行うなど、市と市民が協力・連

(10)

また、資料の収蔵にあたり、歴史資料館(仮称)において資料価値を検討のうえ、収蔵スペー

スを設け、保存していく。

③利活用

常設展示等において、これら資料の一部を展示するほか、市民による研究活動などを基にし

た企画展示等への利用も行う。

また、武蔵野市の平和関連事業とも連携するとともに、市民の学習活動への活用も行う。

(5)その他資料

市の歴史・文化に関する資料

昔の街並みや行事の写真、パンフレット、ポスター、市内の文化人に関する資料等、行政が

所有していない資料も数多く存在する。武蔵野市の歴史・文化を記した多くの資料の散逸を防

ぎ、後世に残すため、広く武蔵野に関する資料の収集・保存・展示・活用に努める。

また、これまでに、武蔵野市百年史編さんのために収集した資料についても保存し、活用を

図る。

(6)教育・普及活動

①学校教育との連携

学校教育における活用を十分に考慮に入れた展示構成を企画し、学習活動により効果的に利

用できるものとするため、各学校との連携を図る。また、学習活動に利用する副読本や教材ツ

ールを、各学校との連携により研究のうえ制作していく。

②研究・報告

所蔵資料の研究のほか、館における学芸員の研究成果を、研究紀要として定期的に発行し提

供する。

③学芸員養成支援

登録博物館又は博物館相当施設として認められた場合においては、積極的に学芸員養成支援

(11)

様々な取り組みや機能との連携

歴史資料館(仮称)は、旧西部図書館跡地の再活用という条件のもと整備する。

このため、既存施設の床面積を整備上の上限として、当初予定されている4つの機能を充足

させることとなり、結果として、前述のとおり民俗資料・古文書資料・考古資料等については、

分散保存・活用を念頭に置いた運営形態となる。

このような点を踏まえ、様々な人々の交流と他の公共施設や機関との連携を図る取り組みを、

歴史資料館の特徴的な活動として位置づける。

具体的な活動方針について、以下のように整理する。

(1)学校教育とも連携する通史展示・映像提供・体験活動の場の設置

武蔵野市の歴史を、自然環境・原始古代から現代までの通史で伝える展示を、通年を通して

利用可能な状態で設置するほか、武蔵野市に関する映像資料を利用した説明を実施し、さらに

は民具のほか、出土した土器、武蔵野にまつわる実物の資料に触れられるような体験学習の機

会等を準備し、学習指導要領にも明示されている「博物館との連携」に沿った活動として、教

育課程にも対応した整備を行う。

(2)歴史文化を中心とした生涯学習と市民交流のための市民スペース(仮称)の

設置

歴史資料館(仮称)の活動に、広く市民が関わることができる環境を整備し、歴史資料を媒

体とした市民交流の拠点整備を進める。

企画展示・常設展示とともに、歴史関係団体、地域住民、市内の学校(高校・大学・専門学

校)等の在校生に呼びかけ、企画への参画を促す。

また、旧西部図書館は長い間、地域住民にとって「憩いの場」でもあったことから、歴史資

料館(仮称)には、この「憩いの場」のイメージを残した市民スペース(仮称)を設置する。

このスペースは歴史資料館(仮称)と一体化した「歴史資料館(仮称)の中の市民スペース」と

いう枠組みで設置するとともに、市民が利用可能な会議室も設置し、市民が交流し、学ぶ環境

を構築する。

①市民スペース(仮称)の機能

(A)新聞・雑誌・書籍等の閲覧

一般的な新聞のほか、雑誌においては、民俗学、考古学などの専門誌を置くことにより、

歴史などへの関心を高める。

(B)書籍などの設置

市民が身近に武蔵野について学び、併せて民俗学・考古学・歴史学などに触れる機会を提

供するために、市民スペースから手の届くような距離に書籍・刊行物を置く。

(C)授乳スペースの設置

(12)

用しやすい環境を整備する。

(D)パネルなどによる資料の展示

市民スペースに設置可能なパネル等展示資料を制作し、市民が市民スペースにいながらに

して、武蔵野や歴史・自然などについて学ぶことができるよう、様々な展示を展開する。

(E)レクチャーなどの実施

学校の団体見学の際など、多数の来館者が訪れる際にはレクチャーを行う場所として活用

する。また、市民スペースを活用した講座・ワークショップを行う。

②前庭の活用

前庭は、市民が屋内展示と合わせ屋外で交流できる重要な場と位置付け整備を行う。

講座・ワークショップを開催するだけでなく、市民スペースと連動した整備を行う。

③会議室の機能

市民が交流することができる会議室を整備する。この部屋は学校などが団体で来館した際

には、映像を使ったシアタールームとしても使用することを可能とする。

市民の交流と教育の場としての活用を両立させる。

④その他

ボランティア育成を通じて、市民が積極的に歴史資料館(仮称)に関わり交流できるよう

に、ボランティア講座などを実施する。

(3)武蔵野をよりよく知り、愛するための企画展示やイベントの実施

様々な視点によって「武蔵野」をとらえ、研究していくことを、歴史資料館(仮称)のテ

ーマの一つとして取り組み、市民自身が主役となる生涯学習活動へのきっかけづくりを行う

とともに、市民企画の展示等を支援し実施していく。

現在を生きる市民が、未来への指針として歴史を学ぶとともに、市民の多様な文化活動を

支援し、武蔵野らしい文化の醸成を図り、武蔵野をよりよく知り、愛するための取組みを行

っていく。

歴史資料館(仮称)による企画展示やイベントを定期的に実施するほか、市民による企画

展示・イベント等も実施できるような体制を準備していく。

(4)関連施設との連携

武蔵野市立中央図書館では、武蔵野文庫(武蔵国、江戸・東京関係資料、地図・絵図、地

誌、行政資料等、約 2,800 点)をはじめ、定点撮影写真資料(平成4年度より市内の定めら

れた地点を定期的に撮影し、武蔵野市の景観の移り変わりを郷土写真資料として記録、保存

しているもの)など、武蔵野市の歴史・文化を知るうえで貴重な資料が収集保存されている。

(13)

さらに、各図書館及び市政資料コーナーにおいては、行政刊行物を中心とした資料を収集・

保存しており、これら各部門が保有する資料等と歴史資料館(仮称)が保有する資料の相互

利用・収蔵等を検討し、重層的かつ効率的なサービスの提供を目指す。

また、各部門にわたる資料に関する様々な質問に対して、図書館のレファレンスサービス

などと連携し、対応できるよう充実を図る。

(5)文化財保護事務の移管

これまで、生涯学習スポーツ課生涯学習係が所管してきた文化財保護普及にかかる事務を

歴史資料館(仮称)に移管する。

具体的には、文化財保護委員会議の運営、埋蔵文化財調査、民俗調査関係事務、指定文化

財の保存、古文書管理保存、文化財保護普及事業・調査、文化財地図の作成、民俗資料デー

タベース作成、古文書解読講座の開催、むさしのばやしチビッコ教室の開催等であり、移管

にあたっては既存事業を十分精査し、歴史資料館(仮称)における新規事業の在り方等と併

せ検討していく。

この事務移管により、武蔵野市における「文化財担当」の総合的な窓口が構築され、市民・

研究者に対して、必要に応じた情報提供や満足度の高い相談対応が可能となる。

また、歴史資料館(仮称)を効率的に利用し、また利用効果を高めるための取り組みも積

(14)

第 2 章

施設および管理運営

管理運営主体について

(1)管理運営主体についての考え方

公文書館機能については、公文書の収集・選別や資料の閲覧制限の取り扱い等にあたって、

行政文書に関する知識・経験を必要とすることから、当面は市の直営とする。

また、博物館機能や文化財保護事務の所管についても、博物館法・文化財保護法等に照ら

して教育委員会による所管となることから、直営による運営とする。

将来的には、運営業務マニュアルの整備とその適切な更新を行うとともに、顕在化する課

題や問題点の解消に努め、安定的なサービス提供体制を整えたうえで、公文書を取り扱う施

設としての適性等を総合的に検討しながら、指定管理者制度の導入についても検討していく。

(2)ボランティア・市民参加

広く市民がかかわることができる環境を整備し、歴史資料を媒介とした市民交流の拠点整

備に取り組み、資料の調査や収集・整理だけでなく、展示・解説なども含め、広くボランテ

(15)

組織体系

歴史資料館(仮称)の運営組織は、管理部門と学芸部門に分かれるが、職員それぞれの専

門分野のみならず、開館業務、庶務的な業務等を兼ねて担うことで最小限の職員体制で効率

的な組織運営を目指す。

(1)管理部門 (4名)

館長 1名 正規職員 1名

事務嘱託 1名 (週5日勤務 9:00~17:15 の間の7時間勤務)

事務アルバイト 1名 (週5日勤務 9:00~17:15 の間の7時間勤務)

(2)学芸部門 (3名)

嘱託職員(学芸員) 3名(民俗資料担当 1名 古文書担当1名 考古担当1名) (週 5 日勤務 9:00~17:15 の間の 7 時間勤務)

嘱 託 職 員

( 学 芸 員 ・ 民 俗 )

嘱 託 職 員

( 学 芸 員 ・ 古 文 書 )

嘱 託 職 員

( 学 芸 員 ・ 考 古 )

嘱 託 職 員

( 事 務 )

ア ル バ イ ト

( 事 務 )

正 規 職 員

( 事 務 )

館 長

学 芸 部 門

管 理 部 門

(16)

施設

名称 武蔵野市歴史資料館(仮称)

場所 武蔵野市境5-15-5(旧西部図書館)

規模 敷地面積 1,138.93 ㎡ 延床面積 999.26 ㎡

構造 鉄筋コンクリート

階数 地上2階(住居部分は3階建て)

― 概要 ―

昭和 57 年建築された都営境5丁目アパートの一部として開設された旧西部図書館を改修し、

歴史資料館(仮称)として再活用する。

開館時間・開館日・入館料

休館日 ① 金曜日・土曜日

② 国民の祝日に関する法律に規定する休日

③ 12 月 29 日から翌年の 1 月 3 日までの日

④ くん蒸や整理のための期間(特別整理期間)

開館時間 午前9時 30 分から午後5時まで

入館料等 入館料は、無料とする。資料の複写については、実費相当額の複写料を設定する。

会議室についても、使用料を設定し貸し出し施設として整備する。

― 概要 ―

開館時間は、開館準備等を考慮に入れ、市立図書館の開館時間を参考に午前9時 30 分とした。

(17)

基本的な機能と構造(案)

旧西部図書館の基本的な構造をできる限り生かしたうえで、整備計画における原案を修正し、

以下のように各機能を配置する。

各機能の最終的な配置や展示計画は、展示委託に関するプロポーザルを実施し、選定された

提案を基に決定する。

1階

受付カウンター・導入展示 (該当機能:共通)

○ 歴史資料館(仮称)の入り口に配し、来館者へのサービス提供を行う。

事務室・作業スペース (該当機能:共通)

○ 事務所機能と作業スペースを一体として整備する。

授乳スペース (該当機能:共通)

○ 来館者が安心して利用できるスペースを設ける。

第1展示室 武蔵野の歴史 (該当機能:博物館)

○ 武蔵野市の自然環境を踏まえ、旧石器・縄文時代から現代にいたるまでを紹介する。

展示(案)

(自然環境・地形)武蔵野市の自然環境

(旧石器・縄文)井の頭池遺跡群出土の代表的遺物、縄文時代住居址等モデル作成

(中世)出土遺物等の展示

(江戸時代)新田開発、明暦の大火、四か村の暮らしと近隣諸村との関わり

(明治・大正)御門訴事件・甲武鉄道の開設

(昭和)戦争の惨禍、戦後の復興、発展

(平成)武蔵野から未来へ

第2展示室 特別展示・企画展示室 (該当機能:博物館)

○ 武蔵野市の所蔵資料等を様々な切り口をテーマとして紹介するほか、市民とともに作り

上げる企画により展示を行う。

企画(案)

*武蔵野 昔の子どもの遊び・暮らし *音楽から見たむさしの(3寺文化を語る)

*文学から見た武蔵野 *技術者の足跡(武蔵野から生まれた精密機械の世界)

(18)

市民スペース(仮称) (該当機能:共通)

○ 昔の武蔵野の暮らしを体感できる民家の再現を行う。

○ 旧4か村の紹介パネルをはじめ、民具など、身近で懐かしい資料を展示する。

○ 市政資料・歴史資料を配架し閲覧可能とするほか、新聞・雑誌等を提供し来館者が憩え

るスペースを創出する。

○ 前庭との一体感を持った整備を行い、開放感のある空間とするとともに、屋外イベント

等も実施する。

(案) *屋外での民具活用イベント *昔の暮らし体験コーナー

*むかしの武蔵野を聞く

2階

民俗資料収蔵室 (該当機能:博物館)

○ 江戸時代から昭和30年代頃までに武蔵野で使われていた民俗資料を収蔵するとともに、

来館者に公開できるような展示を構成する。

展示資料(案)

民具(衣食住、生産、生業、交通、運輸、信仰、遊戯、年中行事等)

公文書・その他収蔵庫 (該当機能:公文書館・博物館)

○ 歴史公文書及び一部の古文書を保管する収蔵庫を整備する。

○ 適切な環境で保存・収蔵できるよう、管理体制を整備すると同時に、公開・利用を前提

とした整理を行う。

会議室・講座室 (該当機能:公文書館・博物館)

○ 文化財関連講座の実施や関係会議等に活用をする。

○ 視聴覚資料の閲覧も実施できるようなプロジェクター設備も準備する。

作業・ボランティアスペース (該当機能:博物館)

○ 資料調査・展示準備などのスペースとして活用するとともに、市民ボランティアの活動

(19)

施設機能の具体的配置(案)

駐車・駐輪場

旧西部図書館は、最寄りの武蔵境駅からは徒歩で 15 分程度の距離であるが、ムーバス路線が

あり、来館者の主なアクセス手段として想定される。

敷地の制約上、管理用 1 台及び障がい者用 1 台 計 2 台分の駐車スペースを確保するほかは、

駐車場の新規整備は行わない。

また、駐輪場に関しては、旧西部図書館と同様のスペースを確保する。

会議室

市民による生涯学習活動や自主講座実施のほか、近隣住民の会議等の使用に供するため、歴

史資料館(仮称)の会議室の貸し出しを検討する。

この場合、武蔵野市の他の公共施設の条件を参考に有償を原則とする。

2 階

(20)

第3章 収支想定(概算)

支出想定

(1)人件費想定

組織体制については、第2章で示したとおりである。

正職員(館長含む)2名、その他職員5名と想定し、必要な人件費を以下のように想定する。

(給与単価)

正職員 (年/1名) 8,000千円

嘱託職員(学芸員) (年/1名) 4,300千円

嘱託職員(一般) (年/1名) 2,600千円

アルバイト(週5日) (年/1名) 1,620千円

(試算結果)

正職員 8,000千円×2名 = 16,000千円

嘱託職員(学芸員) 4,300千円×3名 = 12,900千円

嘱託職員(一般) 2,600千円×1名 = 2,600千円

アルバイト(週5日) 1,620千円×1名 = 1,620千円

合計 33,120千円

※ただし、正職員1名及び嘱託職員(学芸員)については、生涯学習スポーツ課生涯学習

係からの事務移管に伴い、配置換えを行うことを想定している。

(2)維持管理経費想定

維持管理経費は、施設を維持管理していくために必要な経費であり、光熱水費・修繕費・

各種保守管理委託・機器借上げ等にかかる経費である。

光熱水費・消耗品費等 6,987千円

役務費(郵便・電話料等) 1,241千円

委託費(施設保守等) 10,136千円

使用料・賃借料 15,242千円

工事費(維持修繕) 1,000千円

備品費 443千円

(21)

(3)事業経費想定

事業費については、公文書館・博物館における事業運営にかかる経費並びに文化財保護事

務に係る経費等であり、本施設の特色ある活動を維持するために必要な経費である。

委託費(事業委託費・発掘調査費等) 20,232千円

賃金・報償費 6,155千円

補助金・負担金 160千円

合計 26,547千円

※開館に伴う一時的な経費(イニシャルコスト)

本方針に従い、旧西部図書館を改修し、歴史資料館(仮称)として整備するためには、別途

(22)

収入想定

収入に関しては、会議室を公開した場合に生じる使用料と複写機の使用料のみと想定され

る。

①会議室使用料想定 1㎡単価 10 円/時間と仮定

会議室面積 60 ㎡として、1 時間当たり 600 円

開館日数想定 年間 240 日

開館時間 1 日 7 時間 30 分

有償稼働率(想定) 5%

240 日*7.5 時間*5%*600 円 = 54,000円(年間)

②複写機使用料想定 年間複写枚数 10,000 枚×10 円 =100,000円(年間)

試算した収支想定

収入 会議室使用料 54,000円

複写機使用料 100,000円

合 計 154,000円

支出 人件費 33,120,000円

維持管理経費 35,049,000円

事業経費 26,547,000円

(23)

第4章 今後の課題とスケジュール

【課題】

(1)資料保存・収蔵スペース

本来、貴重な史・資料の収蔵管理については、歴史資料館(仮称)において一括して行う

ことが理想的だが、本方針では施設の物理的な制約等により、歴史資料館(仮称)以外の場

所での収蔵保存を一部行うため、このための収蔵スペースの確保が大きな課題である。

同時に、これらの資料を散逸することなく、武蔵野市の貴重な文化資産として、確実に保

存管理していくことも重要な課題である。

(2)施設整備・保全

今回の歴史資料館(仮称)の整備は、都営住宅施設を利用したものであるため、施設整備・

保全について、東京都及び東京都住宅供給公社等関連機関との調整が必要である。

また、本施設は建築から 30 年以上を経過しており、将来的には、施設の建て替え問題等の

課題も生じると思われ、本歴史資料館(仮称)の整備と運営のあり方についての検討が必要と

なることが想定される。

(3)歴史資料館(仮称)の評価

博物館法及び公立博物館の設置及び運営上の望ましい基準においては、運営状況の評価や

それに基づく改善を行うこと、事業の状況について自己点検及び評価や外部評価を行うこと、

並びにその結果の公表が求められている。

歴史資料館(仮称)は、公文書館機能、博物館機能のほか、様々な機能が付加された施設で

あり、施設の評価については様々な指標によって行われるべきものであることから、他の博

物館における評価手法を参考としながら、利用者満足度を高め、効率的な運営を継続的に行

うための評価を実施していくことが求められる。

【スケジュール(案)】

本方針の策定以降の施設開館に向けたおおむねのスケジュールを、次のとおり示す。

1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4

整備計画

展示設計 ・制作

工事

事務・予算

10月 11月 12月 12月 1月 2月 3月 H26/4月 5月 6月 7月 8月 9月

H25/11月

管理運営 基本方針 策定

展示設計・制作業務の実施 (工事設計支援) (整備工事支援) 展示制作物

作成・設置

展示整備工事 9月中旬完了予定 基礎整備工事

現地展示・ 設置調整等

平 成 二 十 六 年 十 二 月 開 館 予 定

工事設計 契約 管理運営基本方針に基づく

展示設計・製作の検討

補正 予算

設置条例 上程(予定)

(24)

平成 25 年 11 月

武蔵野市教育委員会

〒180-8777

武蔵野市緑町2-2-28

武蔵野市教育委員会教育部生涯学習スポーツ課

参照

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