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教務資料アーカイブ 名古屋大学大学院多元数理科学研究科・理学部数理学科 cd lecture 2003b

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(1)

理学部数理学科

多元数理科学研究科

(2)

つを,区別することとなりました.

前者(コースデザイン)は講義の全体像(到達目標,内容の概略,評価方法)を説明したもので,後者(シ ラバス)は一回一回の講義の流れ,試験の予定等を提示したものです.

3年後期の講義についての注意

3年後期の講義の題目と講義内容は必ずしも一致していません.コースデザインを熟読の上,講義の受講を 決めて下さい.

(3)

2003年度後期コースデザイン目次

数理学科

1年

数学展望 II(前半) 木村芳文 . . . 3

数学展望 II(後半) 伊藤由佳理 . . . 4

数学演習 II 健太郎, 佐野 武, 吉田 健一, 小林真一 . . . 5

2年 関数論 中西賢次 . . . 6

代数学序論 斎藤秀司 . . . 7

解析学要論 松本耕二 . . . 8

ベクトル解析 菅野浩明 . . . 9

数学演習 V・VI 橋本光靖,坂内健一,吉田健一, 佐藤 猛, 宮地 兵衛 . . . 10

3年 確率論(オムニバス講義) 伊藤由佳理, 中西 敏浩, 土屋 昭博 . . . 11

確率論(オムニバス講義その1)伊藤由佳理 . . . 12

確率論(オムニバス講義その2)中西敏浩 . . . 13

確率論(オムニバス講義その3)土屋昭博 . . . 14

多様体と微分型式 大和一夫 . . . 15

代数系と表現 行者明彦 . . . 16

基本群と被覆空間(自主研究) 藤原一宏 . . . 17

関数解析 石毛和弘 . . . 18

4年 数理解析・計算機数学II 内藤久資, 久保 仁, 服部 哲弥, 笹原 康浩 . . . 19

数理物理学IV 粟田英資 . . . 20

解析学III 長田博文 . . . 21

代数学III 寺西鎮男 . . . 22

幾何学III 大沢健夫 . . . 23

(4)

多元数理科学研究科

大学院

数理解析・計算機数学概論II 内藤久資, 久保 仁, 服部 哲弥, 笹原 康浩 . . . 27

数理物理学概論IV 粟田英資 . . . 28

解析学概論III 長田博文 . . . 29

代数学概論III 寺西鎮男 . . . 30

幾何学概論III 大沢健夫 . . . 31

偏微分方程式II 中西賢次 . . . 32

応用数学特論II 長谷川勝夫 . . . 33

社会数理特論1 岸本敏道, 中村 俊之(浪川幸彦) . . . 34

幾何学特論I 太田啓史 . . . 37

代数学特論II 伊藤由佳理 . . . 38

(5)
(6)
(7)

2003年度後期 対象学年 1年 レベル 0 2単位 専門基礎科目・選択

【科目名】 数学展望 II(前半) 振り子の数学

【担当者】 木村 芳文(前半の7回を担当)

【成績評価方法】 講義の途中あるいは最後にいくつかのレポート問題を出題します.

【教科書および参考書】 教科書は使用しません. 必要があれば参考書を講義の最初に提 示します.

【講義の目的】  振り子の運動は身近で観察で観察することのできる最も単純な力学の 問題のひとつです. この講義では振り子の運動を通して, そこから派生するいろいろな数 学について紹介することを目的とします.

 単純と言っても厳密に振り子の運動を記述するのには楕円関数を使わなくてはなりま せん. 楕円関数解については講義の後半で考察することになりますが, まずは振れが小さ い場合の近似としての調和振動子から始めることにしましょう. 調和振動子に問題を限っ ても興味深い問題が幅広く存在することがわかると思います. 調和振動子は線形の問題に 属しますが, より広い数学は非線形の問題から生まれてきます. 講義の最後は非線形の領 域に踏み込んで新しい数学の問題に触れたいと思います.

【講義予定】詳しい講義予定(シラバス)は第一回目の講義で配布する予定です.

【キーワード】運動方程式, 線形微分方程式, 固有値ー固有ベクトル, ハミルトン力学系, 相空間, 減衰振動, 指数法則, 連成振子, 楕円関数, 非線形振動子

【履修に必要な知識】特になし

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】 全体を通して自然現象からどのように数学を抽出するかを体 験してもらいたいと思います. レポート問題はなるべく簡単だけど発展性のあるような問 題を出題するつもりです. 自分でいろいろ考えたり工夫したりして問題に挑戦することを 希望します.

担当教官連絡先 kimura@math.nagoya-u.ac.jp

(8)

【科目名】 数学展望 II(後半) 行列ってなに?

【担当者】 伊藤 由佳理(後半を担当)

【成績評価方法】講義中に出題するレポートで評価する.

【教科書および参考書】 教科書は使わない.参考書があれば講義の中で紹介する.

【講義の目的】 みなさんは「一次変換」という名前を聞いたことがありますか. 線形代 数の教科書のどこかで「線形写像」という文字を見かけたことはあるかもしれません.

高校で学んだ数学で「行列」では, なんだかわからないけれど決められたルール通りに 足し算とか掛け算をして, 「逆行列」と「行列式」はこの公式で出ると言われ, ただただ 計算していませんでしたか.  でもこの計算の意味を本当に理解している人は少ないので はないでしょうか.

かつて高校の教科書には「一次変換」という章が「行列」の次にありました. そのころ は二行二列の行列しか習いませんでしたが, 行列の意味を理解し, その便利さを実感し, 数 学が面白いと感じたものです.

行列の計算が好きな人も, 無味乾燥で嫌いな人もこの講義で「行列」の深さを体験して みませんか. 数学以外の自然科学だけでなく, 経済学などへの応用も時間があったら, お 話したいと思っています.

【講義予定】この講義は木村先生が担当される7 回の講義の後, 11 月 27 日から始まる. 詳 しい講義予定はその第一回目の講義で説明する.

【キーワード】行列, 一次変換, 線形写像

【履修に必要な知識】高校の数学.

【他学科学生の聴講】 基礎知識はあまり前提にしていませんので,他学科の学生の聴講 も受講者数が許す限り歓迎します.講義担当教官に相談して下さい.

【履修の際のアドバイス】 講義時間は1 時間半であるが, その中で適当に演習や質問の 時間も設ける予定なので, ただ聞くだけでなく積極的に講義に参加してほしい.

担当教官連絡先 y-ito@math.nagoya-u.ac.jp

(9)

2003年度前期 対象学年 1年 レベル 0 2単位 専門基礎科目・選択

【科目名】 数学演習 II

【担当者】 糸 健太郎, 小林 真一, 佐野 武, 吉田 健一

【成績評価方法】演習は参加することに意義があります. どれだけ積極的に参加したかで 評価します. 詳しくは演習の時間に通知します.

【教科書および参考書】 各々の講義の教科書, 参考書を参考にしてください. また必要に 応じて演習の時間にも指示します.

【講義の目的】 数学においてはただ講義を聞くだけではなく, 自分の手を動かして問題 を解いてみることがなによりも大切です. とくに演習をとおして線形代数と微分積分にお ける基礎的な計算力, 思考力を身につけることは, 今後どのような科学を研究する上でも 必要不可欠なことです. しかし自分ひとりで問題に取り組むのはなかなか大変なものです. 効率が落ちたりモチベーションを保つのも難しいでしょう. この演習では, 講義の理解の 助けになる問題や, より高度な数学を学ぶ上で基礎となるであろう問題を選んで出題した いと思います. またときには応用問題や最先端の話題にもふれ, その中で線形代数や微分 積分における基礎的な計算力や考え方を身に付けることの大切さを理解していただきた いと思います. 少人数クラスですので, 教官に様々な疑問をぶつけながら, 積極的に数学 に取り組んで下さい.

演習問題を解くことは, 本来楽しいものです. 問題が解けた時の喜び, いままで計算でき なかったものを計算できるようになる喜びを味わってください.

【講義予定】4つのグループに分けて少人数で行います. 演習の具体的な進め方につい ては, 担当者の説明をよく聞いてください.

【キーワード】自分の頭で考えてみよう.

【履修に必要な知識】なし

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】前期にこの演習を取らなかった方も大歓迎です. 一から始める ので安心してください. またこの学期は Cafe David に一年生の日を新しく設けます. 気 軽に遊びにきて, 講義で感じたちょっとした疑問, 演習の時間にわからなかったことなど, どしどし質問してください.

担当教官連絡先 sano@math.nagoya-u.ac.jp

(10)

【科目名】 関数論

【担当者】 中西 賢次

【成績評価方法】 主に中間試験と期末試験から評価しますが, 講義内演習での成績もプラ ス方向のみ考慮します.

【教科書および参考書】 教科書は指定しません. 参考書として アールフォース「複素解析」現代数学社

をあげておきます.

【講義の目的】 数学基礎Vに続き, 複素解析関数 (正則関数) について学びます. 正則関 数は, 一つ一つの関数としても, 関数の集合としても, 微分可能という定義から最初は想像 も付かないほど, 非常に強い性質を持っています. その世界では, 積分など種々の極限操 作が, 複素数空間上の関数や領域の形状についての情報に直結されて, そこから様々な数 理的構造が具体的な数量や等式などの形で現れてきます. このような解析, 幾何, 代数の 結び付きと, それがもたらす具体的な計算手法によって, 正則関数は自然科学と数学の多 くの分野で基礎理論の中核やプロトタイプとして重要な役割を果たしてきました. この講 義では, 上記の事柄を感覚的および論理的に理解するとともに, 積分計算を始めとする基 本的な応用技術を習得する事を目標とします.

【講義予定】 正則性, 巾級数, Cauchy 積分定理など数学基礎Vの内容を復習した後, 積 分定理の発展形である留数定理を学びます. 更に, 正則関数とその集合の様々な性質, 二 次元幾何との関係, 応用上重要な正則関数の例などを学びます. また講義時間の約半分は 演習として, これらを実際に応用する技術を身につけます. 詳しい講義予定(シラバス) は第一回目の講義で配布します.

【キーワード】正則関数, 巾級数, Cauchy 積分定理, 留数定理

【履修に必要な知識】 微積分の基礎知識(極限, 偏微分, 積分) と, 複素数の基礎知識 (加 減乗除, 複素平面) が必要です. 大部分の学生は2年前期の講義内容 (複素関数論, ε − δ 論 法, 集合と位相の基礎) を習得している事を前提にして講義を進めますが, これらの理解が 不十分でも議論の本質を見失わないような解説を心掛けます.

【他学科学生の聴講】 基礎知識はあまり前提にしていませんので,他学科の学生の聴講 も受講者数が許す限り歓迎します.講義担当教官に相談して下さい.

【履修の際のアドバイス】

担当教官連絡先 n-kenji@math.nagoya-u.ac.jp

(11)

2003年度後期 対象学年 2年 レベル 1 4単位 専門科目・必修

【科目名】 代数学序論 群と環の初歩

【担当者】 斎藤 秀司

【成績評価方法】 中間試験と期末試験の結果で判断する.

【教科書および参考書】教科書は使わない.参考書として 服部昭,現代代数学(朝倉書店),

ファン・デル・ヴェルデン,現代代数学(東京図書), をあげておく.

【講義の目的】 講義の主目的は,群論と環論の初歩を習得することである.これらは現 代数学の全ての分野において基本的な役割を果たすものである.「剰余群(=商群)」など の, 様様な抽象的概念を, できるだけ多くの具体例を学ぶことを通じて理解していくこと に重点をおき, 講義を進めるつもりである.そのために講義時間の半分近くを問題演習に 当てる.

2年前期に学んだ集合と写像に関する基本的概念や同値関係の概念をしっかり理解して いることがこの講義にとっては重要である.これらを元にして,「剰余群」や「準同型定 理」といった抽象的概念が理解される.また時間があれば環上の加群や単因子論の話題ま で話しを進めたい.

群論, 環論は4年前期で学ぶ体論とガロア理論へと発展して行く題材である.また基本 群などの形で, 幾何学にも発展していく.

【講義予定】 詳しい講義予定(シラバス)は第一回目の講義で配布する.実際には, 受 講者の理解に応じて講義を進めていくつもりである.

【キーワード】群, 正規部分群, 剰余類, 剰余群(=商群), 同型, 準同型, 環, 部分環, イ デアル,

【履修に必要な知識】 線型代数, 集合(部分集合, いくつかの集合の和集合および共通部 分), 写像(写像による像と逆像, 単射, 全射, 全単射), 同値関係, など.(可能な限り講 義の中で復習を行うつもりではいる).

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】 講義は午前8:45から始め,約1時間半を考えている.後 半は演習と質問の時間とする予定.講義中あるいは演習中の質問により, 積極的な講義へ の参加を奨励する.

担当教官連絡先 sshuji@math.nagoya-u.ac.jp

(12)

【科目名】 解析学要論 多変数の微積分

【担当者】 松本 耕二

【成績評価方法】 数回の小テストと定期試験の結果で判断する.詳しい説明を第一回講義 の最初にするので,必ず出席すること.

【教科書および参考書】 教科書として

小形正男,キーポイント 多変数の微分積分(岩波書店), 演習書として

福田安蔵(他), 詳解 微積分演習 II (共立出版), また参考書としては

杉浦光夫, 解析入門 (東京大学出版会), をあげておく.

【講義の目的】 この講義の主題は多変数の微分積分学である. 従って一年生の時にある 程度は習った内容であり, 題材として目新しいものはさほどない. むしろ, 二年生前期の 解析学序論で勉強した数学的に厳密な取り扱いに沿って, 多変数の微積分の知識を再構築 することが最大の目的といえる. 微積分学の場合には具体的な例の計算ができることもも ちろん大切なので, そうした計算例も豊富に扱いたいが, それだけでなく, 基礎的な概念や 定理の厳密な取り扱い, 諸公式の幾何学的な意味, などについても十分に理解することを 目指す.

【講義予定】詳しい講義予定(シラバス)は第一回目の講義で配布する.

【キーワード】偏微分, 全微分, Taylor 展開, 接平面, 極値, 重積分, 変数変換とヤコビア ン, 未定乗数法, 陰関数定理 (但し, 時間の都合で学習しないものがあるかもしれない)

【履修に必要な知識】 解析学序論の内容は必須である. また集合と位相などで扱われた, 平面や空間の位相についての基本的な知識も使う. ただしこれらの必要な知識については 講義中にも随時復習する.

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】 微積分は, 具体例を沢山こなしているうちに理解が進む部分 もあるので, その意味でも講義中に演習の時間をふんだんに取り入れて多くの計算問題を 解いてもらい, 実力が養えるようにするつもりである. しかし, ただ計算するだけではこ の講義に参加する意味はない. 緻密に理論を構成していく数学的思考法に慣れ, あいまい なところのない答案が書けるようになってほしい.

担当教官連絡先 kohjimat@math.nagoya-u.ac.jp

(13)

2003年度後期 対象学年 2年 レベル 1 4単位 専門科目・必修

【科目名】 ベクトル解析

— 線形性と「場」の微積分学 —

【担当者】 菅野 浩明

【成績評価方法】 数回の確認テストと期末試験の結果で判断します.詳しい説明を第一回 講義の最初にする予定です.

【教科書および参考書】教科書は使いません.参考書として 岩堀長慶,ベクトル解析(裳華房)

志賀浩二,ベクトル解析 30 講(朝倉書店)

深谷賢治,電磁場とベクトル解析,現代数学への入門 17 (岩波書店) をあげておきます.

【講義の目的】 これまでの微積分学では(多変数,多成分の場合も含め)関数の微積分 を学んで来ました.ベクトル解析は,一見すると多変数,多成分関数の微積分学のように も見えますが「場」という考え方を基本として微積分が展開される点が大きく異なりま す.例えば「複素数」という概念に基づいて展開される複素関数の微積分は,単なる実2 変数,2成分実数値関数の微積分とは異なるものであるということを既に学んでいると思 います.

「場」の概念のなかで歴史的に最も古く,とらえやすいのが物理学の電磁気学や流体力 学において自然に現れるベクトル場です.この講義では「場」の微分や積分として何が自 然かという問題意識を持ちつつ,2次元平面と3次元空間におけるベクトル場の微積分学 を理解することを目標とします.また,その過程で線形性(線形近似)の果たす役割が浮 き彫りになるよう努めたいと思います.これは,3年生以降,レベル2の講義で学ぶ多様 体上のベクトル場や微分形式の考え方へつながります.

【講義予定】 詳しい講義予定(シラバス)は第一回目の講義で配布します.講義の前半 で平面上のベクトル解析,後半で3次元空間のベクトル解析を扱う予定です.

【キーワード】ベクトル場,ポテンシャル,線積分,面積分,グリーンの定理,ガウス の定理,ストークスの定理

【履修に必要な知識】 共通教育1年次レベルの線形代数と微積分,多変数の微積分につ いては必要に応じて復習します.

【他学科学生の聴講】 基礎知識はあまり前提にしていませんので,他学科の学生の聴講 も受講者数が許す限り歓迎します.講義担当教官に相談して下さい.

【履修の際のアドバイス】

担当教官連絡先 kanno@math.nagoya-u.ac.jp

(14)

【科目名】 数学演習 V・VI

【担当者】 橋本 光靖,吉田 健一,佐藤 猛,宮地 兵衛,坂内 健一

【成績評価方法】 演習にどれだけ積極的に参加したかで評価します.特に出席は重視しま す.詳しくは演習の時間に通知します.

【教科書および参考書】 2 年生の各講義の教科書や参考書を参考にして下さい.必要に 応じて演習の時間にも別途指示します.

【講義の目的】 前期に引き続き,数学の演習問題に取り組んでもらいます.最初の目的 は,より実践的な問題を解くことによって,前期の講義で学んだ抽象的な数学的内容を確 実に身に付けることです.これによって今後数理学科で学ぶための基礎体力をつけてもら います.これと平行して,2年後期の講義の理解を深める問題も解いてもらいます.基礎 力を確実なものとするために,理論をしっかり理解していないと解けない問題や,じっく りと考える問題など,様々な問題に取り組んでもらう予定です.

また,より先の数学に興味のある人のために,より進んだ内容を学習するためのサポー トもします.演習担当者に気軽に相談して下さい.

【講義予定】 前期と同様,5つのクラスに分かれて少人数で行います.個別に問題を解 いたり,黒板で発表したり,小テストやレポートを実施したりと様々な形で行われます. 自分で考えることが大切なので,基本的には各自のペースで進めてもらいます.この機会 を積極的に利用して,色々な数学をどんどん吸収して下さい.努力するだけ報われます.

具体的な進め方については,各担当者からの説明を聞いて下さい.また,第1回目には クラス分けを行うので,必ず出席して下さい.

【キーワード】ひとつ上の自分になろう.

【履修に必要な知識】 1年のときに学んだ線形代数と微積分,および,2年前期に学ん だ内容.ただし,これらの内容も必要に応じて復習します.

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】 少人数であることを生かして,積極的に質問して下さい.ま た,2年の数理学科講義は,今後数学を学ぶ上で必要な内容が詰まっています.演習は各 講義の内容をより深く理解し,関連する話題やより発展した内容を実践的に学習する場で す.そのため,演習だけでなく,各講義にも積極的に参加して下さい.

担当教官連絡先 bannai@math.nagoya-u.ac.jp

(15)

2003年度後期 対象学年 3年 レベル 1 6単位 専門科目・選択

【科目名】 確率論

数学展望(オムニバス)

【担当者】 伊藤 由佳理, 中西 敏浩, 土屋 昭博

【成績評価方法】 各教官が出題するレポートの結果で判断する.

【教科書および参考書】各担当教官のコースデザインを参照のこと.

【講義の目的】 この講義の正式タイトルは「確率論」となっていますが, 実質は 3 人の 教官によるオムニバス形式の講義(数学展望)です.

基礎的な数学が現代数学の最前線に至る高度な数学に成長していく様子の一端を, 皆さ んがこれまでに学び慣れ親しんだ題材を用いて紹介していきます.

また, 一つの数学の概念が, 一見脈絡のないような異なるさまざまな分野に現れます. 数 学が物理などの他分野からアイデアを借りたり, 逆に応用を与えたりすることも見られま す. こうしたことを観察することによって, いろいろな側面の有機的なつながりの上に数 学が成立していることを理解してもらいたいと思います.

【講義予定】 詳しい講義予定(シラバス)は各担当教官のコースデザイン参照してくだ さい. 3 人の担当教官とそのおおまかな題材は以下の通りです.

• 伊藤由佳理: 有限群で遊ぼう!

• 中西 敏浩: 正則関数の世界-リーマンの写像定理を中心として

• 土屋昭博: 点の個数を符号付きで数えよう.

【キーワード】各担当教官のコースデザインを参照のこと.

【履修に必要な知識】3 年前期までの講義を履修していることが望ましいが, 可能な限り 講義の中で復習は行なう.

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】 講義の進め方は各担当者やそれぞれの回によって異なるが, 原 則としては講義とともに, 演習や質問に時間を十分に割く予定である.

担当教官連絡先

(16)

【科目名】 確率論(その1) 数学展望(オムニバス)の一部

【担当者】 伊藤 由佳理

【成績評価方法】講義中に出題するレポートで評価する.

【教科書および参考書】 教科書は使わない.参考書は必要に応じて講義の中でで紹介 する.

【講義の目的】 講義の題材は有限群である.この講義の主目的は,具体的な有限群を用 いて, 代数だけでなく, 幾何との関連など, いろんな数学と繋がっていることを実感するこ とである.

いままでに代数学の講義で学んできた群論は, 群の定義に始まり, 一般に成り立つ定理 を証明する, という群の一般論であった. この講義では, 具体的な群に触れて, 群をもっと 身近に感じ, 更に「代数」「幾何」「解析」などの分野の垣根を越えた数学的現象があるこ とを体験してほしい.

まず具体的な有限群として正多面体群について, どんなものがあるのか分類する. 有限 群の表現を簡単に紹介し, 正多面体群の表現を求めてみる. そこに隠れている数学的な法 則を確かめてみよう. またさらに時間があったら、幾何学との関係(特異点解消など)や 現代数学の最新の情報についてもお話ししたい.

【講義予定】この講義は後期開講前の10 月 6 日から開始する!詳しい講義予定(シラバ ス)は第一回目の講義で配布する.

【キーワード】正多面体, 有限群, 有限群の分類, 群の表現, ディンキン図形, マッカイ対応

【履修に必要な知識】仮定する知識は、群論の初歩と線形代数であるが, 群の表現など必 要となる知識は, そのつど解説する.

【他学科学生の聴講】 基礎知識はあまり前提にしていませんので,他学科の学生の聴講 も受講者数が許す限り歓迎します.講義担当教官に相談して下さい.

【履修の際のアドバイス】 講義は午前8:45から始め,約1時間半を考えている.後 半は演習と質問の時間とする予定.

担当教官連絡先 y-ito@math.nagoya-u.ac.jp

(17)

2003年度後期 対象学年 3年 レベル 1 6単位 専門科目・選択

【科目名】 確率論(その2) 数学展望(オムニバス)の一部

【担当者】 中西 敏浩

【成績評価方法】 講義中に出題するレポートで判断する.

【教科書および参考書】教科書は使わない.参考書として

L. V. Ahlfors, Complex Analysis, McGraw-Hill (L. V. アールフォース著 (笠原乾吉訳) 複素解析学, 現代数学社)

ニーダム著(今吉洋一他訳)ビジュアル複素解析, 培風館. をあげておく.

【講義の目的】 複素関数論, その中でも特に等角写像に焦点をあてる. 多くの教科書で 採用されているRiemann の写像定理の証明は, 正規族を用いたものが多いが, この講義で は Thurston らのアイデアによる幾何学的な証明を紹介する. Riemann や Thurston によ る自然な発想と, それらを厳密化するための工夫, 苦心を知ってもらいたい. それととも に確立された古典的な結果に違った方面からアイデアを導入することで, 新しい発展が可 能であることを伝えたい.

【講義予定】 等角写像論における基本定理に, 複素平面内の少なくとも2つの境界点を持 つ単連結領域から単位円板への等角写像が存在がするというRiemann の写像定理がある. この定理にはいろいろな証明があるが, 講義では正規族を応用した方法の他に, Thurston, Rodin, Sullivan のアイデアによるサークル・パッキングを用いた証明を紹介する.

多角形の内部を単位円板または半平面に写す等角写像はSchwarz-Christoffel 変換と呼 ばれ, 静電気学や流体力学に広く応用される. 特に長方形を上半平面に写す等角写像を表 示するのは楕円積分である. この楕円積分をいろいろな問題に応用してみる. 複素平面の ある領域間の写像族に一つ極値問題を導入し, その解を楕円積分を用いて求める. これは Teichm¨uller 理論のひな形となる. Teichm¨uller 理論は Riemann 面の変形理論であり, 現 代の数学に数多くの影響を与えた.

講義の後半では, 複素関数論の基本事項に関する演習を行なう.

【キーワード】正則関数, 等角写像, Riemann の写像定理, 正規族, サークル・パッキング

【履修に必要な知識】複素関数論で修得した事項

【他学科学生の聴講】 基礎知識はあまり前提にしていませんので,他学科の学生の聴講 も受講者数が許す限り歓迎します.講義担当教官に相談して下さい.

【履修の際のアドバイス】8 時 45 分から開始するので遅刻しないように. 担当教官連絡先 tosihiro@math.nagoya-u.ac.jp

(18)

【科目名】 確率論(その3) 数学展望(オムニバス)の一部

【担当者】 土屋 昭博

【成績評価方法】 講義中に出題するレポートで判断する

【教科書および参考書】 教科書は使わない. 参考書は講義中に指定する.

【講義の目的】 私の担当分は, 幾何学である. 特に図形の大局的性質を調べることを目 的とする位相幾何学について述べる. いくつかの簡単な典型的な例を使ってその真髄を伝 えたいと考えている.

【講義予定】題:点の個数を符号付きで数えよう

 数学においては, 点を数えることが多い. 例えばn次式の解を求めることは数学の基 本であるが, これは難しい問題である. しかし, 複素数で考え重複度まで考慮すると, n次 方程式は丁度n個の解を持ち, 解の個数は係数によらない. 平面内の2つの単純閉曲線は 複雑な交わり方をするが, 閉曲線に向きをつけ, 交わりを符号付きで考えると, その交わ りは零となる. 電磁気学においても, 空間の原点に単位電荷をおくと, その回りに電場が 発生するが, 電荷を囲む閉曲面を考え, そこから閉曲面に沿って出ていく電場の総和を考 えると, 閉曲面の取り方によらず一定である.  このように符号付きで点の数を数えると, 物の本質が極めて鮮明に浮かび上がることがある.  講義では, このような典型的な例を いくつかの観点から取り上げる. また, それがどのような基本原理から生じるかについて 簡単に説明する.

【キーワード】交点数

【履修に必要な知識】3年前期までの科目, 特に3年前期の幾何学要論

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】 講義は時間通り始める. 各講義の導入部分は特に重要である. 講義に遅れないこと.

担当教官連絡先 tsuchiya@math.nagoya-u.ac.jp

(19)

2003年度後期 対象学年 3年 レベル 1 6単位 専門科目・選択

【科目名】 多様体と微分型式 多様体入門のための位相空間論

【担当者】 大和 一夫

【成績評価方法】 演習及び定期試験の結果で判断する.

【教科書および参考書】参考書として例えば

シンガー&ソープ:トポロジーと幾何学入門(培風館)

【講義の目的】 数学ではいろいろな集合が導入され論じられる. 幾何学では例えば, 3 次直交行列全体のつくる集合 O(3) を考える必要がおこる. これは勿論無限集合で, この 集合を目に見ること, 頭にイメージすることは, 諸君にはまだ出来ないと思う. この講義 を修得すればそれが可能になります.

この例O(3) に限らず, 数学であらわれる多くの集合は位相空間になっていて, 幾何学的 な” 図形” として扱うことが可能になる. そして, この” 図形” 扱う手段としてもっとも基 本的なものがホモトピー群(基本群)で, これによって”図形”(位相空間)を近視的でな く大局的に見ることが出来る.

【講義予定】詳しい講義予定(シラバス)は第一回目の講義で配布する.

【キーワード】位相空間, ホモトピー, 基本群, 被覆空間.

【履修に必要な知識】線形代数, 微分積分学.

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】 自分で鉛筆をもって考えること.

担当教官連絡先 yamato@math.nagoya-u.ac.jp

(20)

【科目名】 代数系と表現 多項式環論

【担当者】 行者 明彦

【成績評価方法】 基本的には中間試験と定期試験の結果で判断する.

【教科書および参考書】 教科書は使わない.参考書として, 一応 ファン・デル・ヴェルデン, 現代代数学(東京図書)

をあげておくが, 授業時にも参考書を紹介する.

【講義の目的】 講義の題材は多項式環である.この講義の主目的は,空間とその上の関 数(多項式)の組みを考える考え方の導入である.これは代数幾何学に限らず,現代数学 において基本的考え方である.

2年後期,3年前期と学んできた代数学は群論,環論と抽象度が高いものであった.イ デアル等の概念をなぜ考えるのかを,上に述べた幾何学観点から再考して行く.

多項式環は既に3年前期で学んではいるが,前半で1変数多項式から始める.これは4 年前期で学ぶガロア理論へと発展して行く題材である.後半の内容は4年あるいは大学院 で学ぶ代数幾何学へとつながるものであり, さらに整数論, 不変式論, 表現論などとも密接 につながっている.

【講義予定】詳しい講義予定(シラバス)は第一回目の講義で配布する.

【キーワード】対称式,3, 4次方程式,多項式環,イデアル,アフィン集合,ヒルベル トの基底定理,ヒルベルトの零点定理

【履修に必要な知識】 代数学序論,代数学要論を履修している事が望ましいが,可能な 限り講義の中で復習は行う.

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】 講義は午前8:45から始める.講義のあいだに演習をはさ む.「演習が始まれば講義は終わり」というわけではない.

担当教官連絡先 gyoja@math.nagoya-u.ac.jp

(21)

2003年度後期 対象学年 3年 レベル 1 6単位 専門科目・選択

【科目名】 基本群と被覆空間(自主研究) 自分で探す数理科学の世界

【担当者】 藤原 一宏

【成績評価方法】詳しい説明を第一回説明会で行うので、必ず出席すること.

【教科書および参考書】 教科書は使わない. 参考書のリストを第一回に行われる説明会 で配布する.

【講義の目的】 皆さんは既に数理学科の講義・演習を多く経験してきたと思います. こ の講義枠「グループ学習」では, 今までとは違うアプローチをとります. まず, 主目的は

「自分たちの力だけで新しいことを学ぶ」ことです. これは今まで皆さんが得た知識を生 きたものとし, 研究者や, 社会に出て力を発揮するために必要不可欠なものです. そのた めに自分たちで数理科学を勉強・研究するグループを作ってもらいます. そして成果を学 期末に発表してもらい, グループごとに評価をします.

基本的には自分たちで計画をたて, 実行してもらうのがいいと思いますが, 教員は以下の 形で手助けをします. グループで行う活動の典型的なものは「みんなでテキストを読み、 問題を発見・解決する」ことです. そのため, 説明会までに定評のあるテキストを(多数) 提示します. 同じテキストを選んだ人たちでグループを組むのが一つの方法です.

自分たちだけでは解決出来ない問題が出てきたときに助言をするのも教員の仕事です. ただし, そのときは Cafe David に行けば大学院生の人たちにもいろいろ考えてもらえる と思います. 最終的にはポスター発表をしてもらうことになります. 優れた発表には賞を だすことも検討中です. より詳しいことは10月に行われる説明会で発表します.

【講義予定】詳しい内容は第一回目の説明会で配布する.

【キーワード】グループ学習

【履修に必要な知識】特になし.

【他学科学生の聴講】希望する場合, 藤原まで連絡のこと.

【履修の際のアドバイス】 注意: 4年生が履修する場合, 特別履修の扱いになる.

担当教官連絡先 fujiwara@math.nagoya-u.ac.jp

(22)

【科目名】 関数解析 多項式環論

【担当者】 石毛 和弘

【成績評価方法】 中間試験と定期試験の結果で判断する.詳しい説明を第一回講義の最初 にするので,必ず出席すること.

【教科書および参考書】 教科書は使わない.参考書は講義において説明するが, ハイム・ブレジス著,関数解析(共立出版)

はあげておく.

【講義の目的】 本講義では, 2年, 3年前期で学んできた事柄を用いて, 関数解析の第一 歩を踏み出すための内容を講義する. そのため, 本講義では, 一環して何かのテーマを目 指して講義するといったものではなく, 雑多な内容になる予定である. ただし, 「関数を 空間内の一点ととらえる」という考え方は, ところどころに感じられると思われるが, こ のような考え方は現代数学では基本的な考え方である.

本講義の内容は幾つかのテーマで分かれ, それらは別々に学ぶことができるものである. また, これらのテーマは4年生以降で学ぶと思われる本格的な関数解析における理解を支 える具体例を多く与えることになる. 具体的には, 常微分方程式の解を関数空間における 不動点と見直すことによって解の存在を再度証明したり, 解析学序論・要論のレベルのフー リエ級数を学んだ後, それらを L2 空間において見直す.

【講義予定】詳しい講義予定(シラバス)は第一回目の講義で配布する.

【キーワード】フーリエ級数, L2 空間, l2 空間, ヒルベルト空間, 完備性, 縮小写像と不動 点定理, 常微分方程式の解の存在と一意性

【履修に必要な知識】 解析学序論, 解析学要論を履修していることは必要である. また, ルベーグ積分論についてある一定の理解が必要である.

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】 講義は午前8:45から始め,約1時間半を考えている.後 半は演習と質問の時間とする予定.

担当教官連絡先 ishige@math.nagoya-u.ac.jp

(23)

2003年度後期 対象学年 4年 レベル 2 3単位 専門科目・選択

【科目名】 数理解析・計算機数学 II アルゴリズムとプログラミング

【担当者】 内藤 久資, 服部 哲弥, 久保 仁, 笹原 康浩

【成績評価方法】 講義中に指示するレポートをもとに評価する. 詳しい説明を第1回講義 に行うので必ず出席すること.

【教科書および参考書】教科書は特に指定しない. 最も重要な参考書は

• B. Kernighan, D. Ritchie, プログラム言語C(第2版), 共立出版.

である. 講義及び実習中にこの文献を参照する可能性も高い. その他の参考書については 講義中に適宜紹介する. 必要に応じて講義資料を配布する.

【講義の目的】 前期に引き続いて, コンピュータと数学が深い関わりを持っていること をアルゴリズムという視点から考える.

【講義予定】詳しい講義予定(シラバス)は第1回目の講義で配布する.

前期に引き続いてプログラミングの基本事項を初歩から解説する. 後期のテーマとして は, 「浮動小数点演算の基礎」から始めて, 「微分方程式の数値解法」, 「乱数」, 「暗号」,

「連立一次方程式の解法」, 「グラフとネットワーク」などのテーマから適宜選択して解 説する. また, アルゴリズムやプログラムの「仕様」を文書化する過程も考察したい.

前期と同様にC言語によるプログラミング実習を行う. (学部生は情報メディア教育セ ンター理学部サテライトラボを利用する. 大学院に関しては多元数理科学研究科計算機室 を利用する.)

【キーワード】計算機と数学の関わり, アルゴリズムとプログラミング.

【履修に必要な知識】 前期の「数理解析・計算機数学3」の内容. なお, その内容を完全 には理解できていなくても対応できるようにしたい.

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】 コンピュータを数学的な立場から理解しようとする意志が重 要である. また, プログラミングに関しては日々の努力を怠ってはならない.

担当教官連絡先 computer lecture@math.nagoya-u.ac.jp

(24)

【科目名】 数理物理学 IV 解析力学

【担当者】 粟田 英資

【成績評価方法】 数回のレポート(講義中に出す演習問題など)を判断材料にして評価す る. レポートの点数が低かった人は何度出し直しても構いませんが, 他人のレポートを写す 事は厳禁です.

【教科書および参考書】 教科書は特に用いない. 参考書は例えば,

伊藤秀一著, 共立講座 21 世紀の数学 11, “常微分方程式と解析力学”, 共立出版 深谷賢治著, 岩波講座 現代数学への入門 18, “解析力学と微分形式”, 岩波書店

Arnold, “Mathematical Methods of Classical Mechanics,” 2nd Edition, Springer-Verlag.

(邦訳:アーノルド著, 古典力学の数学的方法, 岩波書店) ランダウ, リフシッツ著, “力学” 東京図書,

【講義の目的】

本講義の主題である解析力学とは, ニュートン力学を座標系の選び方に依らない様に定 式化したもので, いわゆる古典物理のかなめであると同時に量子物理の基礎にもなってい ます.

ニュートン力学はその誕生以来, 数学, 特に解析学や幾何学と互いに大きく影響をおよ ぼし合いながら発展してきました. 数学を良く理解するためにも, 物理の言葉に慣れてお く事は有用です. そこで本講義の目的は, 物理の言葉や考え方に慣れる事, 特に, 作用, ラ グランジアン, ハミルトニアン等に慣れる事を一つの目標とします.

【講義予定】講義の内容は, 解析力学の初歩的な解説で, 具体的には: 1. ニュートン力学   2. 変分原理

3. ラグランジュ形式  4. ハミルトン形式

5. 可解系       6. シンプレクティック多様体

【キーワード】ラグランジアン, ハミルトニアン

【履修に必要な知識】 特に仮定しない. (あえて言うなら, 高校程度の物理学の漠然とし た記憶)

【他学科学生の聴講】 基礎知識はあまり前提にしていませんので,他学科の学生の聴講 も受講者数が許す限り歓迎します.講義担当教官に相談して下さい.

【履修の際のアドバイス】

担当教官連絡先 awata@math.nagoya-u.ac.jp

(25)

2003年度後期 対象学年 4年 レベル 2 2単位 専門科目・選択

【科目名】 解析学 III ラプラシアンを巡って

【担当者】 長田 博文

【成績評価方法】 優と良については, 試験の結果で判断する.また, 合否については小テス ト・レポートも考慮する.

【教科書および参考書】教科書は使わない.

【講義の目的】 講義の題材はラプラシアンである.この講義の目的は,今まで習ってき た様々な解析学の理論を「ラプラシアン」という具体的な対象に適応させ, 更に発展させ ることにより理解を深めることである.

【講義予定】詳しい講義予定(シラバス)は講義で配布する.

【キーワード】ラプラス方程式, 熱方程式, 波動方程式, ガウス核, ブラウン運動, フーリ エ変換, スペクトル分解, 2階複素常微分方程式, 特殊関数

【履修に必要な知識】4年前期までの解析の講義内容

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】

担当教官連絡先 osada@math.nagoya-u.ac.jp

(26)

【科目名】 代数学 III 群の表現

【担当者】 寺西 鎮男

【成績評価方法】 レポートにより評価する. 詳しい説明を第一回講義の最初にするので, 必ず出席すること.

【教科書および参考書】 教科書は使わない.参考書として セール, 有限群の線形表現 (岩波書店)

浅野啓三, 永尾 汎,  群論 (岩波全書)    岩掘長慶, 対称群と一般線形群の表現論(岩波書店) Fulton, Harris, Representation theory (Springer) Weyl, The classical groups (Princeton)

をあげておく.

【講義の目的】 講義の題材は群の表現論である.主として有限群の表現論の基礎理論の 解説を行なうが, 連続群の表現も取り扱う.

有限群の表現およびその指標についての基礎事項の解説をおこなう. 一般論の応用とし て, 対称群の表現とその指標, および, 一般線鶏群の多項式表現とその指標についての解説 をする.

最初に群作用の復習をし, 群の線形作用及びその指標の基本的性質について調べる. ヤ ングの対称子を用いて対称群や一般線形群の既約表現を構成する. これらの群の既約表現 の次数やテンソル積表現の既約分解をヤング図形の組合せ論を用いて行なう.

【講義予定】詳しい講義予定(シラバス)は第一回目の講義で配布する.

【キーワード】群の作用, 群の表現, 表現の指標, 半単純環の構造定理, 対称群の既約表現, ヤング図形, 一般線形群の既約表現 

【履修に必要な知識】 代数学序論,代数学要論を履修している事が望ましいが,可能な 限り講義の中で復習は行う.

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】

担当教官連絡先 teranish@math.nagoya-u.ac.jp

(27)

2003年度後期 対象学年 4年 レベル 2 2単位 専門科目・選択

【科目名】 幾何学 III

【担当者】 大沢 健夫

【成績評価方法】 到達目標の達成度に応じて成績をつけたいので、試験を行う.

【教科書および参考書】参考書 スピヴァック著「多変数解析学」

【講義の目的】 到達目標:可微分多様体上の微分形式という基本概念を正確に把握し、 それらに対する演算である外微分, 共変微分, 積分等に通じ, ドラームの定理などを通じて 位相的条件がある種の解析的存在定理を統制することを理解する.

内容の概略:H. ポアンカレは論文 “位置解析について ” で、彼の構想を次のように説明 している:‘曲面の連結度は一般関数論(=複素解析)で重要な役割を果たすが、それと 似たことが数学の他の分野へも移植できる. それ(=この一まとまりの理論)を位置の幾 何と言おう. ’ この 3 年後に出版された大論文 ‘位置解析 ’ において彼はホモロジー論を創 始したのであったが、彼のアイディアは現在 ‘コホモロジー理論 ’ の中で最も美しく結実 している. この講義ではその中でも特に簡単かつ基本的なものである ‘可微分多様体上の ドラームコホモロジー理論 ’ について詳しく解説したい. 最初はポアンカレの思想の近 代数学の中での位置づけのような話をしながら、複素関数論の復習をする. コーシーの積 分公式の中に、すでにドラームの定理が胚胎されているからである. 次に可微分多様体上 の定義から, 微分形式, ドラームの定理へと進むが, つねに多様体上の解析学の立場から, 関連した多くの話題を提供しながら話を進めたい.

【講義予定】

【キーワード】多様体, 微分形式, コホモロジー

【履修に必要な知識】数学基礎I ∼ V および関数論

【他学科学生の聴講】可

【履修の際のアドバイス】知識を増やすことも大事だが、このテーマにおいては諸概念 のつながりについてのセンスをみがくことにも努力されたい.

担当教官連絡先 内線:2823

(28)
(29)
(30)
(31)

2003年度後期 対象学年 大学院 レベル 2 2単位 A 類 I(基礎科目)

【科目名】 数理解析・計算機数学概論 II アルゴリズムとプログラミング

【担当者】 内藤 久資, 服部 哲弥, 久保 仁, 笹原 康浩

【成績評価方法】 講義中に指示するレポートをもとに評価する. 詳しい説明を第1回講義 に行うので必ず出席すること.

【教科書および参考書】教科書は特に指定しない. 最も重要な参考書は

• B. Kernighan, D. Ritchie, プログラム言語C(第2版), 共立出版.

である. 講義及び実習中にこの文献を参照する可能性も高い. その他の参考書については 講義中に適宜紹介する. 必要に応じて講義資料を配布する.

【講義の目的】 前期に引き続いて, コンピュータと数学が深い関わりを持っていること をアルゴリズムという視点から考える.

【講義予定】詳しい講義予定(シラバス)は第1回目の講義で配布する.

前期に引き続いてプログラミングの基本事項を初歩から解説する. 後期のテーマとして は, 「浮動小数点演算の基礎」から始めて, 「微分方程式の数値解法」, 「乱数」, 「暗号」,

「連立一次方程式の解法」, 「グラフとネットワーク」などのテーマから適宜選択して解 説する. また, アルゴリズムやプログラムの「仕様」を文書化する過程も考察したい.

前期と同様にC言語によるプログラミング実習を行う. (学部生は情報メディア教育セ ンター理学部サテライトラボを利用する. 大学院に関しては多元数理科学研究科計算機室 を利用する.)

【キーワード】計算機と数学の関わり, アルゴリズムとプログラミング.

【履修に必要な知識】 前期の「数理解析・計算機数学3」の内容. なお, その内容を完全 には理解できていなくても対応できるようにしたい.

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】 コンピュータを数学的な立場から理解しようとする意志が重 要である. また, プログラミングに関しては日々の努力を怠ってはならない.

担当教官連絡先 computer lecture@math.nagoya-u.ac.jp

(32)

【科目名】 数理物理学概論 IV 解析力学

【担当者】 粟田 英資

【成績評価方法】 数回のレポート(講義中に出す演習問題など)を判断材料にして評価す る. レポートの点数が低かった人は何度出し直しても構いませんが, 他人のレポートを写す 事は厳禁です.

【教科書および参考書】 教科書は特に用いない. 参考書は例えば,

伊藤秀一著, 共立講座 21 世紀の数学 11, “常微分方程式と解析力学”, 共立出版 深谷賢治著, 岩波講座 現代数学への入門 18, “解析力学と微分形式”, 岩波書店

Arnold, “Mathematical Methods of Classical Mechanics,” 2nd Edition, Springer-Verlag.

(邦訳:アーノルド著, 古典力学の数学的方法, 岩波書店) ランダウ, リフシッツ著, “力学” 東京図書,

【講義の目的】

本講義の主題である解析力学とは, ニュートン力学を座標系の選び方に依らない様に定 式化したもので, いわゆる古典物理のかなめであると同時に量子物理の基礎にもなってい ます.

ニュートン力学はその誕生以来, 数学, 特に解析学や幾何学と互いに大きく影響をおよ ぼし合いながら発展してきました. 数学を良く理解するためにも, 物理の言葉に慣れてお く事は有用です. そこで本講義の目的は, 物理の言葉や考え方に慣れる事, 特に, 作用, ラ グランジアン, ハミルトニアン等に慣れる事を一つの目標とします.

【講義予定】講義の内容は, 解析力学の初歩的な解説で, 具体的には: 1. ニュートン力学   2. 変分原理

3. ラグランジュ形式  4. ハミルトン形式

5. 可解系       6. シンプレクティック多様体

【キーワード】ラグランジアン, ハミルトニアン

【履修に必要な知識】 特に仮定しない. (あえて言うなら, 高校程度の物理学の漠然とし た記憶)

【他学科学生の聴講】 基礎知識はあまり前提にしていませんので,他学科の学生の聴講 も受講者数が許す限り歓迎します.講義担当教官に相談して下さい.

【履修の際のアドバイス】

担当教官連絡先 awata@math.nagoya-u.ac.jp

(33)

2003年度後期 対象学年 大学院 レベル 2 2単位 A 類 I(基礎科目)

【科目名】 解析学概論 III ラプラシアンを巡って

【担当者】 長田 博文

【成績評価方法】 優と良については, 試験の結果で判断する.また, 合否については小テス ト・レポートも考慮する.

【教科書および参考書】教科書は使わない.

【講義の目的】 講義の題材はラプラシアンである.この講義の目的は,今まで習ってき た様々な解析学の理論を「ラプラシアン」という具体的な対象に適応させ, 更に発展させ ることにより理解を深めることである.

【講義予定】詳しい講義予定(シラバス)は講義で配布する.

【キーワード】ラプラス方程式, 熱方程式, 波動方程式, ガウス核, ブラウン運動, フーリ エ変換, スペクトル分解, 2階複素常微分方程式, 特殊関数

【履修に必要な知識】4年前期までの解析の講義内容

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】

担当教官連絡先 osada@math.nagoya-u.ac.jp

(34)

【科目名】 代数学概論 III 群の表現

【担当者】 寺西 鎮男

【成績評価方法】 レポートにより評価する. 詳しい説明を第一回講義の最初にするので, 必ず出席すること.

【教科書および参考書】 教科書は使わない.参考書として セール, 有限群の線形表現 (岩波書店)

浅野啓三, 永尾 汎,  群論 (岩波全書)    岩掘長慶, 対称群と一般線形群の表現論(岩波書店) Fulton, Harris, Representation theory (Springer) Weyl, The classical groups (Princeton)

をあげておく.

【講義の目的】 講義の題材は群の表現論である.主として有限群の表現論の基礎理論の 解説を行なうが, 連続群の表現も取り扱う.

有限群の表現およびその指標についての基礎事項の解説をおこなう. 一般論の応用とし て, 対称群の表現とその指標, および, 一般線鶏群の多項式表現とその指標についての解説 をする.

最初に群作用の復習をし, 群の線形作用及びその指標の基本的性質について調べる. ヤ ングの対称子を用いて対称群や一般線形群の既約表現を構成する. これらの群の既約表現 の次数やテンソル積表現の既約分解をヤング図形の組合せ論を用いて行なう.

【講義予定】詳しい講義予定(シラバス)は第一回目の講義で配布する.

【キーワード】群の作用, 群の表現, 表現の指標, 半単純環の構造定理, 対称群の既約表現, ヤング図形, 一般線形群の既約表現 

【履修に必要な知識】 代数学序論,代数学要論を履修している事が望ましいが,可能な 限り講義の中で復習は行う.

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】

担当教官連絡先 teranish@math.nagoya-u.ac.jp

(35)

2003年度後期 対象学年 大学院 レベル 2 2単位 A 類 I(基礎科目)

【科目名】 幾何学概論 III

【担当者】 大沢 健夫

【成績評価方法】 到達目標の達成度に応じて成績をつけたいので、試験を行う.

【教科書および参考書】参考書 スピヴァック著「多変数解析学」

【講義の目的】 到達目標:可微分多様体上の微分形式という基本概念を正確に把握し、 それらに対する演算である外微分, 共変微分, 積分等に通じ, ドラームの定理などを通じて 位相的条件がある種の解析的存在定理を統制することを理解する.

内容の概略:H. ポアンカレは論文 “位置解析について ” で、彼の構想を次のように説明 している:‘曲面の連結度は一般関数論(=複素解析)で重要な役割を果たすが、それと 似たことが数学の他の分野へも移植できる. それ(=この一まとまりの理論)を位置の幾 何と言おう. ’ この 3 年後に出版された大論文 ‘位置解析 ’ において彼はホモロジー論を創 始したのであったが、彼のアイディアは現在 ‘コホモロジー理論 ’ の中で最も美しく結実 している. この講義ではその中でも特に簡単かつ基本的なものである ‘可微分多様体上の ドラームコホモロジー理論 ’ について詳しく解説したい. 最初はポアンカレの思想の近 代数学の中での位置づけのような話をしながら、複素関数論の復習をする. コーシーの積 分公式の中に、すでにドラームの定理が胚胎されているからである. 次に可微分多様体上 の定義から, 微分形式, ドラームの定理へと進むが, つねに多様体上の解析学の立場から, 関連した多くの話題を提供しながら話を進めたい.

【講義予定】

【キーワード】多様体, 微分形式, コホモロジー

【履修に必要な知識】数学基礎I ∼ V および関数論

【他学科学生の聴講】可

【履修の際のアドバイス】知識を増やすことも大事だが、このテーマにおいては諸概念 のつながりについてのセンスをみがくことにも努力されたい.

担当教官連絡先 内線:2823

(36)

【科目名】 偏微分方程式特論 II 関数評価と非線形偏微分方程式

【担当者】 中西 賢次

【成績評価方法】 レポートで評価します.

【教科書および参考書】 教科書は使いません.講義中,必要に応じて参考文献を挙げ ます.

【講義の目的】 実変数の偏微分方程式を研究する上で重要な,幾つかの関数解析的およ び調和解析的手法について,具体的な方程式に対する解析を軸として学んで行きます.偏 微分方程式論,特に非線形方程式では,関数の滑らかさや減衰度などの性質を様々な関数 空間における不等式で評価する事が議論の中心部分となります.この講義では,関数の評 価がどのようにして方程式の解の構成や, 形状,漸近挙動の解析などに結びつくのか, 方 程式からどのようにして関数の評価を導くか,それらの評価を体系的に用いる為に関数空 間をどう使うか,についてある程度まとまった知識を習得すると共に,色々と具体的な偏 微分方程式の性質について触れる事を目標とします.

【講義予定】 緩増加超関数での Fourier 変換 ,Lp 空間,Sobolev 空間,それらの補間 空間について,基本的な性質と評価式を学びながら, それにできるだけ並行する形で偏微 分方程式の関数解析的取り扱いを議論していきます. 扱う方程式は,線形の熱や波動など の基本的な方程式の他, 非線形 Schr¨odinger 方程式,Navier-Stokes 方程式,KdV 方程式 などを予定しています.関数の評価は主に滑らかさと減衰に関する基本的な物を考えます が,非線形特有の評価も幾つか取り扱います.詳しい講義予定(シラバス)については第 一回目の講義で配布します.

【キーワード】超関数,Fourier 変換,Sobolev 空間,補間空間, Littlewood-Paley 分解, 摂動法,先験評価,コンパクト性

【履修に必要な知識】 集合と位相,複素関数論, ルベーグ積分,関数解析,それぞれの 基礎事項.

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】 大学院講義なので,証明の細部よりも考え方の説明に重点を 置きます.講義で省略された部分は各自納得できる形まで補完するように努力して下さい (もちろんその為の質問は歓迎します).

担当教官連絡先 n-kenji@math.nagoya-u.ac.jp

(37)

2003年度後期 対象学年 大学院 レベル 3 2単位 A 類 II(専門科目)

【科目名】 応用数理特論 II 自然を数学によって理解する

【担当者】 長谷川 勝夫

【成績評価方法】 中間試験と定期試験の結果及び講義中の対話で総合的に判断する. 出席率も参考にする予定であるが, 詳しい説明を第一回講義の最初にするので, 必ず出席す ること.

【教科書および参考書】 教科書は使わないが興味を広げる手助けをする.  参考書として Schr¨odinger’s Kittens and the Search for Reality(J.Gribbin), Heizenberg Probably Slept Here(R.Brennan), 二十世紀数学思想 (佐々木 力) の三つを挙げておく.

【講義の目的】 講義の題材は自然の中にある諸々の謎である. この講義の主目的は, 自然 を数学的に理解するとはどういうことかについて学習することである. 学習する自分自身 も自然に含まれるから, これは自分自身を理解するとはどういうことかも含んでいる. つ まり, アインシュタインが何に悩んだのか, どうしたら数学的思考ができるのかと云った 疑問に挑戦するユニークな内容の講義をする.

 何を基準にして自分の興味を特定の分野に絞り込んで行こうとするのか. その興味が 持続するという保証はあるのだろうか. 数学や物理の学生ならアインシュタインの業績を 知らぬものはいないが, ニュートンと同じく自然の法則性に数学的思考で挑戦した結果, 相対論に到達したのである. 何を根拠にどう考えたのかを辿る.

 体験する事実には謎と感じることが多い. 我々は誰もが等しくなぜだろうと思う特権 を持っている. その理由を探ると意外な事実に出会うことになる. 今までに誰も見たこ とのない微小な粒子の存在や, 現象の深い原因を推理して予言するためには精緻な筋道の 通った考え方がなければならない. わが国の自然科学に対する取り組みは西洋と比べると 明らかに立ち後れていたが数学的思想に関しては精鋭が輩出している. 体験より思考重視 型の特徴である. しかし, これからの時代はより幅の広い思考も必要である. その思考形 式を知れば何を研究するにも役に立つ.

【講義予定】詳しい講義予定(シラバス)は各回毎に講義に先立って配布する.

【キーワード】Lagrange 方程式,運動方程式,変分法,素粒子物理学,確率論,組み合 わせ論,観測論, Minkowski 空間,Borel 空間, エントロピー

【履修に必要な知識】 実数の連続の概念をしっかりと理解していることくらいで, 欲を 云えば明確な対話を目指した意欲を感じられること, つまり, ぼんやりしていない良い意 味での緊張感を持っているのが望ましい.

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】 講義は午後1:10から始め,約1時間半を考えている. 昼 食後の睡魔の対策を各自練ること. 適宜不意の質問をして覚醒の手伝いをする予定.

担当教官連絡先 hasegawa@math.nagoya-u.ac.jp

(38)

【科目名】 社会数理特論 1

【担当者】 (株) 日立製作所  岸本敏道, 中村俊之(浪川幸彦)

【成績評価方法】原則として, 各教官の出題するレポートの結果によって判断する.

【教科書および参考書】 各教官が作成する資料, 各教官が講義内で適宜紹介する書籍・ 資料

【講義の目的】本講義は, 数学的思考法や理論が実社会においてどのように用いられるか を, IT分野あるいは金融分野などの専門家・経験者から直接学ぶことを目的とする. 社 会人の視点に触れることで, 数学を学習・研究する意義を再認識するともに, 数学の活用 方法を考える契機とする. 講義は3名によるオムニバス形式とし, 初歩的な演習を含む.

【講義予定】  以下の月曜日の4∼5時限(14:45∼18:00)     10/20, 10/27, 11/10, 11/17:岸本敏道   12/1, 12/8, 12/15, 12/22:中村俊之

      

【キーワード】IT分野での数学の活用方法

【履修に必要な知識】特になし

【他学科学生の聴講】

【履修の際のアドバイス】社会人への質問を持ってきて下さい.

担当教官連絡先 namikawa@math.nagoya-u.ac.jp

参照

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