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解答3 宿題 microomaba

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Academic year: 2018

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駒場ミクロ 宿題3の解答

2009 年 12 月 12 日

授業のノートや奥野先生の教科書などを参考にしながらとりあえずこの解答を見ずに解いてみて下さい。 間違いやミスがありましたら、micro09komaba@gmail.comまでご連絡ください。

1 部分均衡分析

1.1 労働市場

図は次のグラフのようになります。

均衡での賃金と就業者数はX =

p

2X = 1200 − pを連立させて解くことで、p = 800X = 400と求め ることができます。このとき、市場供給曲線より賃金800円の水準で働くことを望む人数は400人でありま すから、この人々はすでに雇用されており、失業者は0人となります。

1.2 経済厚生

消費者余剰は、以下の図のオレンジ色の領域、生産者余剰は図の青色の領域になります。

(2)

消費者余剰は(1200 − 800) × 400 ÷ 2 = 80000円、生産者余剰は800 × 400 ÷ 2 = 160000円となります。 総余剰は両者をたしたものですから、240000円です。

1.3 最低賃金が低い場合

以下の図のようになります。

この経済で最低賃金が713円に設定されたとしましても、そもそも均衡で賃金は800円に設定されていま すから、何の影響も受けません。解答は最初の問題と同様になります。

1.4 最低賃金を引き上げた場合

以下の図のようになります。

(3)

均衡での賃金は800円でしたから、最低賃金が1000円に引き上げられますと、これは達成されないことに なります。この場合、企業は1000円で雇えるだけの労働者を雇うことになります。市場需要曲線に従います と、企業は200人の労働者を需要することになります。よって、賃金は1000円、就業者数は200人となりま す。賃金が1000円に設定されているもとでは、市場供給曲線によりますとこのとき就業を希望する労働者は 500人存在します。しかし実際に雇われるのは200人だけですから、その差の300人は失業者となります。

企業が払っても良いと考える賃金より安く雇えていることによる余剰が消費者余剰、自分が最低もらえれば 良いと考えている賃金より高い賃金を得られることによる余剰が生産者余剰ですから、消費者余剰は図のオレ ンジ色の領域、生産者余剰は図の青色の領域になります。消費者余剰は、(1200 −1000)×200÷2 = 20000円、 生産者余剰は台形の面積を求めるわけですから(1000 + 600) × 200 ÷ 2 = 160000円となります。総余剰はそ の和ですから、180000円になります。先ほどの最低賃金がない場合の余剰よりも240000 − 180000 = 60000 円 総 余 剰 が 減 っ て い ま す 。こ れ が 図 の 灰 色 の 部 分 に 当 た り ま す 。こ れ を 死 荷 重(deadweight loss)と 呼 び ます。

1.5 所得税を導入した場合

以下の図のようになります。

ま ず 、市 場 供 給 曲 線 が シ フ ト し て い る の が 分 か り ま す 。こ れ を ど の よ う に 求 め る か 、ま ず 考 え ま す 。例

(4)

したいと考えました。しかし、所得税により60%が税金になってしまうので、手取りは400円しか残りま せん。このため、労働を供給したいと考える人数は200人に減ってしまいます。要するに、元々のX =

p 2 の関係から、60%が税金になってしまうので、賃金が40%になってしまった状態に対応します。よって、 X = p

2 × 40% = 1

5pと求まります。

こ の と き 、均 衡 で の 賃 金 は1000円 、就 業 者 数 は200 人 に な り ま す 。こ の1000円 と い う 賃 金 水 準 の も とで働きたい人数は200人しかいませんから、失業者数は0人です。消費者余剰は図のオレンジの領域で 20000円、生産者余剰は手取りは400円ですから青色の領域となり、40000円となります。政府は一人あたり 1000 − 400 = 600円の税金を200人から徴収しますので、これは図の緑色の領域に該当し、税収は120000 円になります。このとき総余剰はこれらの和ですから180000円です。図の灰色の領域が死荷重になり、これ は60000円です。

この問題で注意して欲しい点は、この所得税は賃金の額に比例してかけられる「従価税」の一種であると いう点です。このため、市場供給曲線の「傾き」が変化しました。他に数量に応じて課される「従量税」があ ります。例えば、就業者一人あたり200円を徴収するというものです。この場合は、市場供給曲線は水平に スライドすることになります。

2 一般均衡分析:準線形効用関数の場合

2.1 準線形効用関数

この消費者の効用最大化問題は、

max u(x, m) = log(x) + m s.t. px + m = w

となります。予算制約をmについてまとめて代入すると、 max log(x) + w − px

となります。最適化の一階条件は、 1

x= p ⇔ x = 1 p

となりますから、リンゴの需要は 1pと分かります。

(5)

2.2 準線形効用関数と所得効果

さて、リンゴの需要量 1

p は所得wとは無関係に決まっていることが分かります。よって、所得が上がった としてもリンゴの需要量は上がりません。これは準線形効用関数の、所得効果がないという性質になります。

2.3 準線形効用関数の場合の一般均衡

(1)

Aさんの最大化問題は、

max xA+ mA s.t. pxA+ mA= 12

となります。予算制約は左辺が支出、右辺が資産になります。Aさんの資産は貨幣12単位です。 Bさんの最大化問題は、

max 2xB+ mB s.t. pxB+ mB = 5p

となります。この予算制約は貨幣単位で記述されていることに注意すると、Bさんの資産はリンゴの貨幣価 格p ×リンゴの量5個であることが分かります。

(2) Aさんの効用最大化問題を解き、リンゴと貨幣それぞれの最適消費計画を求めて下さい。これは、価格

pのときにリンゴと貨幣をそれぞれいくら需要するかをそれぞれ決める計画でありますから、つまりpの 関数になります。

Aさんの最大化問題を書き直すと、

max xA+ 12 − pxA

となります。微分して一階最適化条件を求めますと、 1

2√xA − p = 0

となります。これを整理すると、xA= 1

4p2 となります。これがリンゴの最適消費計画です。貨幣の最適消費 計画は、これを予算制約に代入して求めます。

pxA+ mA= 12 ⇔ mA= 12 − pxA= 12 −

1 4p となります。

(3)

Bさんの最大化問題を書き直すと、

max 2xB+ 5p − pxB

となります。微分して一階最適化条件を求めますと、

(6)

となります。これを整理すると、xB= 1

p2 となります。これがリンゴの最適消費計画です。貨幣の最適消費 計画は、

pxB+ mB= 5p ⇔ mB = 5p − pxB= 5p −

1 p となります。

(4)

均衡価格を求めるには、財(リンゴもしくは貨幣)の需要量の合計が初期保有量の合計(総供給)に等しくな るという、需要と供給の一致の均衡条件を使って求めます。リンゴの場合ですと、初期保有はBさんの持っ ている5単位のみですから、これは

xA+ xB = 1 4p2 +

1 p2 =

5 4p2 = 5 となります。これより、均衡価格はp =

1

2 であると分かります。ワルラス法則より、リンゴの市場が均衡し ますと残りの貨幣の市場も均衡しますから、リンゴの市場のみ考えれば十分であることが分かります。念の ため貨幣の市場の均衡も考えてみますと、

mA+ mB = (

12 −4p1 )

+ (

5p −1p )

= 12

となります。この式を解けば同様にp = 1

2 が求まります。

均衡価格が求まりましたので、後はこれを代入していきますと、 xA= 1

4p2 = 1, mA= 12 − 1 4p =

21

2 , xB= 1

p2 = 4, mb= 5p − 1 p=

1 2

と求まります。まとめますと、ワルラス均衡は以下のようになります。 (p, (xA, mA), (xB, mB)) =( 1

2, (

1,21 2

) ,

( 4,1

2 ))

2.4 パレート効率性と契約曲線

パレート効率的である配分は、AさんとBさんの限界代替率(MRS)が等しくなるような配分になります。 まず、AさんのMRSを計算しますと、

M RSリンゴ、貨幣A = ∂uA/∂xA

∂uA/∂mA

=

1 2xA

1 = 1 2√xA

となります。BさんのMRSは、

M RSリンゴ、貨幣B = ∂uB/∂xB

∂uB/∂mB

=

1

x

B

1 =

√1x

B

と求まります。パレート最適な配分は 1

2√xA

= 1

xB ⇒ 4x A= xB

を満たすものになります。リンゴの初期保有量は全体で5ですから、配分はxA+ xB = 5となります。これ より、xA= 1, xB = 4と求まります。先ほどのワルラス均衡解におけるリンゴの消費量と一致することを確 認して下さい。

(7)

さて、ここで貨幣の配分に関する条件が抜けていることに注意して下さい。実はこの場合はリンゴの配分 さえ上の条件を満たせば、貨幣をどのように配分したとしてもパレート最適になります。準線形効用の場合 には、AさんについてもBさんについても貨幣1単位がちょうど効用1単位と常に等しくなっていました。 このため、貨幣の配分を変えたとしても、MRSに対する影響はまったくないことになります。例えばAさ んの無差別曲線をプロットしてみますと、以下のようにmA軸についてスライドするような形になることか らも、分かると思います。

0 2 4 6 8 10 12

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0

Indifference Curves

m_A x_A

エッジワースボックスは以下のようになります。契約曲線は、xA= 1, xB= 4を見たし、また貨幣の配分 は、mA+ mB= 12を満たす限りどんなものでも良いので、赤色の線になります。

0 2 4 6 8 10 12

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 5.0

Edgeworth Box

m x

数学的には、以下のようになります。

{((xA, mA), (xB, mB)) xA= 1, xB= 4, mA≥ 0, mB ≥ 0, mA+ mB= 12}

参照

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