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車両用施解錠技術 「特技懇」誌のページ(特許庁技術懇話会 会員サイト)

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(1)

査を行いました。本稿では、その一部を紹介させて頂き ます。

 なお、本調査の対象は、ドア、エンジンルーム、ト ランク等の扉構造の部位の施解錠技術であり、エンジ ン、ステアリング、トランスミッション、ホイール、シー ト(座席)等を対象とした施解錠技術は含まれておりま せん。

2.

車両用施解錠技術の概要

(1)車両用施解錠技術の変遷

 車両用施解錠技術の変遷は第 1 図の通りとなっていま す。車両用施解錠技術は、車両の盗難防止のための技術 として発展してきましたが、特に 1980 年代以降、車両 盗難事故の増加を受けてより防盗性が高く、かつ、利便 性も兼ね備えた高度な施解錠技術が登場してきており、 今後もさらなる技術の進化が予想されております。  メカニカルキーでは、キー種類の多様化、複製防止、 シリンダ強度の向上等が図られており、電子キーでは、 リモートキー(遠隔操作可能)や、スマートキー(キー 操作不要)が登場しています。IT 技術や通信技術の進歩 とともに、メカニカルキーから電子キーへシフトしてい くことが予想されています。さらに、今後は個人認証を 可能とするセキュリティ機能の高度化が図られていくこ とが予想されます。

(2)車両用施解錠技術の主な構成技術

 車両用施解錠技術の主な構成技術としては、目的・課 題別の技術として、安全性向上技術、防盗性向上技術(セ キュリティに関する技術で、耐破壊性向上技術を含む)、

1.

はじめに

 車両の施解錠技術は、近年大きく進展している技術で す。特に、IT・通信技術との融合による利便性・安全 性の向上技術等、新しい技術についても開発が進んでお り、今後、益々の発展が期待される重要な技術となって います。こうした背景から、平成 20 年度の特許出願技 術動向調査では、「車両用施解錠技術」をテーマとして 選定し、特許出願動向、研究開発動向、市場動向等の調

特許審査第一部審査調査室

萩田 裕介

車両用

施解錠技術

第1図 車両用施解錠技術の変遷

1980 壝 20

キー の墷 化

シ 度等の向上

キー 防止

ー キーの

ー キーの 産化・ 化 スマー キーの

キ テ 機能の高度化( 人認証 等)

TECHNO

TREND

(2)

3.

特許出願動向

(1)日米欧中韓への出願人国籍別出願状況

 1980 〜 2006 年の日米欧中韓への出願における出願人 国籍別の出願件数を第 2 図に、出願件数推移を第 3 図に 示します。日米欧中韓への出願のうち、日本国籍出願人 の出願は 38.8%(7,491 件)を占めており、出願シェアで は 45.6%(8,796 件)の欧州国籍出願人の出願に次ぐもの となっています。また、日米欧中韓への出願件数は 1992 〜 1999 年に急増し、1,375 件でピークを迎えた後、 2004 年まで 1,100 〜 1,400 件で推移しています。

利便性向上技術(全体システムに関する技術)、快適性 向上技術(個別機能に関する技術)、耐久性向上技術、 経済性向上技術が挙げられます。

 安全性向上技術には、施解錠システムの誤動作・誤 操作防止に関する技術、車両事故や災害時等に脱出や 救出を可能とする緊急時対策に関する技術等、乗員の 安全確保のための技術が含まれます。防盗性向上技術 には、照合・認証に関する技術、耐破壊性向上技術を 含む不正解錠防止に関する技術等、車両本体の盗難お よび車内への侵入を防止するための、いわゆる、セキュ リティに関する技術が含まれます。利便性向上技術には、 自動化・連動化・システム化、遠隔制御性向上、車両 以外とのシステム共用化に関する技術等の、特にユー ザーの利便性向上のための、全体システムに関する技 術が含まれます。快適性向上技術には、施解錠動作の 応答性向上、施解錠音の音質向上・静音化・ガタツキ 防止、ドア開閉時のパワーアシスト機構に関する技術 等の個別機能に関する技術が含まれます。耐久性向上 技術には、機械特性の向上、電磁気特性の向上、耐候 性(防水・防塵・高温等)の向上に関する技術等、通常 使用時の施解錠システムの耐久性・信頼性向上技術が 含まれます。経済性向上技術には、開閉機構の機械要素・ 部品や制御システムの電装部品のコスト低減等、製造 コスト低減に関する技術と、車両使用時の消費電力低 減等のランニングコスト低減に関する技術等が含まれ ます。また、コスト低減のための標準化技術もこれに 含まれます。

第3図 日米欧中韓への出願における出願人国籍別の出願件数推移

第2図 日米欧中韓への出願における出願人国籍別の出願 件数

日本国籍 7,491件

38 8 欧 国籍

8,796件 45 6 中国籍

74件 0 4

韓国籍 950件 4 9

の墶 242件 1 3

米国籍 1,748件 9 1

出願人国籍

177 259

365 379 414 424 443 400 383 380 584

1,049 1,046

1,375

1,168 1,142

769 919 1,038

609

308 309

496

906

1,322 1,316

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600

1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006

出願 ( 奙 )

日本 米国 欧 中国 韓国 の墶 合

(3)

(2)日米欧中韓相互の出願状況

 1980 〜 2006 年の日米欧中韓相互の出願件数収支を第 4 図に示します。日本への出願のうち、日本からの出願 は 88.5%を占め、自国への出願に占める比率が最も高い とともに、米国への出願件数の 30.6%、欧州への出願件 数の 11.9%、中国への出願件数の 42.0%、韓国への出願 件数の 12.7%を占め、各地域で存在の大きさを示してい ます。また、日本と各地域との収支を見ると、いずれの

地域との間でも日本からの出願件数が日本への出願件数 を上回っており、日本企業が他の地域に参入している状 況が窺えます。

 欧州からの出願も、日本への出願件数の 8.2%、米国 への出願件数の 34.6%、欧州への出願件数の 79.3%、 中国への出願件数の 27.7%、韓国への出願件数の 13.0% を占め、日本同様、各地域で存在の大きさを示してい ます。

第4図日米欧中韓相互の出願件数収支

の墶 14件 2 7 中国籍

68件 13 0

韓国籍 28件 5 3

米国籍 49件 9 4 欧 国籍

145件 27 7

日本国籍 220件 42 0

日本国籍 143件 12 7

欧 国籍 146件 13 0 米国籍

46件 4 1

韓国籍 780件

69 5 中国籍

0件 0 0 の墶

8件 0 7

日本国籍 1,044件

11 9

欧 国籍 6,975件

79 3

米国籍 633件

7 2 韓国籍

43件 0 5 中国籍

2件 0 0

の墶 97件 1 1 日本国籍

929件 30 6 欧 国籍

1,051件 34 6

米国籍 893件 29 4

韓国籍 54件 1 8 中国籍

2件 0 1

の墶 107件

3 5

の墶 16件 0 3 中国籍

2件 0 0 韓国籍45件

0 8 米国籍

127件 2 2

欧 国籍 479件

8 2

日本国籍 5,155件

88 5

の出願 の出願

の出願

の出願

の出願件

127件

929件

479件 1,044件

633件

220件 143件

145件 45件

2件

49件 46件

2件

28件

0件

146件 43件 54件

(4)

(3)技術区分別の出願動向

 目的・課題に対応する技術区分別の出願件数を第 5 図 に、出願件数推移を第 6 図に示します。全出願のうち 27.8%が利便性向上技術に関する出願でもっとも多く なっています。また、1980 〜 2006 年の 27 年間を通して、 利便性向上技術、快適性向上技術に関する出願が上位を 占めています。出願件数は、ほぼすべての技術区分にお いて、多少の増減を繰返しているものの、大きな傾向と しては増加傾向で推移しています。

 また、第 7 図に日米欧中韓への出願における技術区分 別−出願人国籍別出願件数を示します。いずれの目的・ 課題に関する技術においても、欧州国籍出願人と日本国 籍出願人の出願件数が拮抗しています。日本国籍出願人

の出願件数では利便性向上技術が最も多く、欧州に対し ても優位にあることが窺えます。一方、欧州国籍出願人 の出願件数では快適性向上技術が最も多く、日本よりも 優位にあることが窺えます。

第6図 日米欧中韓への出願における技術区分別の出願件数推移

第5図 日米欧中韓への出願における技術区分別の出願件数

性向上技術 5,539件

27 4 壉 性向上技術

1,407件 7 0

性向上技術 2,783件

13 8

利便性向上技術 5,615件

27 8 防盗性向上技術

2,964件 14 7 安全性向上技術

1,780件 8 8 の墶の関 技術

120件 0 6

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

出願 ( 奙 )

安全性向上技術 防盗性向上技術 利便性向上技術 性向上技術 壉 性向上技術 性向上技術 の墶の関 技術

1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006

637 1,322 2,812 1,564 512 1,248

416 633

876 1,183 2,036 2,942 654 1,235

5 21 20 16 6 5 2

112 128 280 292 54 81 6

26 34 51 92 22 17 1 42

197 159 124 276

69

出願人国籍

日本 欧 韓国 の墶 の墶の関 技術

性向上技術 壉 性向上技術 性向上技術 利便性向上技術 防盗性向上技術 安全性向上技術

米国 中国

(5)

(4)注目研究開発テーマの動向

 今後注目されると思われる技術分野(注目研究開発 テーマ)として、次の 4 分野を選定して、特許出願動向 を調査しました。

 第 8 図に、注目研究開発テーマ別−出願人国籍別出願 件数を示します。照合・認証の高度化、不正解錠防止の 高度化、車両以外のシステム共用化の 3 つのテーマにお

いて、日本国籍出願人の出願件数が最も多く、日本が技 術的に優位な立場にあることが窺えます。

 緊急時対策については、日本からの出願件数が、欧州 からの出願件数の約半分と少なくなっています。これは、 緊急時対策に関する技術の中で、特に、施錠状態維持に 関するものについて、欧州から多く出願されているため です。

表1 注目研究開発テーマ一覧表

注目研究開発テーマ 特許分析対象件数 選定理由

照合・認証の高度化 2,284件 キー技術の電子化に伴い、防盗性と利便性を兼ね備えた電子照合・認証技術の進歩が期待されている。

不正解錠防止の高度化 1,566件 キー技術の電子化に伴い、ロック機構の機械的な保護に加えて、制御回路の保護等、電気的な保護が必須となっている。

車両以外とのシステム共用化 175件 利便性の追求により、携帯電話を利用したシステムや、住宅等と共用できるシステムが今後増える可能性がある。

緊急時対策 1,011件 事件・事故発生時に必要な、相反する2つの技術(施錠状態維持技術、解錠技術)の両立が安全性向上には重要である。

1,231 737

288 216

579

570 12 14 5 2

74 97 7 56

17 20

16 105 28

79 119

30

出願人国籍

日本 欧 韓国 の墶

緊急時対策

車両以外とのシステム共用化 不正解錠防止の高度化 照合・認証の高度化

米国 中国

734

第8図 注目研究開発テーマ別−出願人国籍別出願件数

4.

政策動向と社会動向

 日本では、2001 年に、自動車盗難の急増をうけて「自 動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチー ム」が設置されました。プロジェクトチームの策定する 自動車盗難等防止行動計画には、盗難防止性能の高い自 動車の普及、防盗性能評価制度導入の検討、イモビライ ザ等盗難防止装置の普及促進、盗難防止装置の構造基準 の検討、イモビライザの性能向上、盗難対策車への保険 料 優 遇 措 置 の 拡 大 等 が 盛 り 込 ま れ て い ま す。 ま た、

1994 年に設けられた前面衝突基準、1998 年に設けられ た側面衝突基準においては、車体の衝突安全性が規制さ

れていますが、その安全性評価の一つに、ドアの開扉性 等が含まれています。

(6)

料が決まることから、自動車メーカーに対して、盗難防 止性能の向上を促す要因となっています。

 日本では 1990 年代後半から自動車盗難件数が増えて きたため、2000 年代に入ってから多くの対策が取られ るようになりました。欧米に約 10 年遅れて類似の対策 を取っていることとなります。

 第 9 図は、出願先国別の出願件数推移に、自動車の 盗難防止等に関する政策等の動向のうち、主な動向を 併記したものです。1992 〜 1999 年において、出願件 数が急増した時期には、米国、欧州における政策等の 動向がいくつかあり、関連する技術開発を促している

ことが考えられます。中でも、欧州におけるイモビラ イザ装着の義務化に関する動向は、欧州への出願件数 の急増に最も影響が大きく、日米欧中韓への出願件数 全体を押し上げている要因となっていると考えられま す。一方、日本では、2001 年の自動車盗難等の防止に 関する官民合同プロジェクトチームの設置まで政策等 の大きな動向はありませんが、欧州に比べては緩やか ではあるものの、1993 〜 2000 年にかけて日本への出願 件数が増加しています。この要因としては、欧州にお ける政策等の動向の影響を受けていることが考えられ ます。

第9図 出願件数推移と政策動向

出願人国籍

177 259

365 379 414 424 443 400 383 380 584

1,049 1,046

1,375

1,168 1,142

769 919 1,038

609

308 309

496

906

1,322 1,316

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600

1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006

出願 ( 奙 )

日本 米国 欧 中国 韓国 の墶 合

1,321

1992   自動車 盗を として 化(米)

1993   ッ ムによる

防盗性能 開 ( ス)

1993   要件を

が 用( )

2004   ッ ・

部品に関する 一 の

壪( C )

1995   夻を

化する C ( ) 1998  国 の車両等の

一 に る ( C )

2001  自動車盗 等の防止に関する 合 ロ ク ームを 夬(日)

5.

市場動向

 日本における自動車四輪車生産台数推移を第 10 図に、 日本におけるドアロックおよびキーシステムに関する自 動車部品出荷金額推移を第 11 図に示します。日本にお ける自動車四輪車(乗用車、トラック、バス)の生産台 数は、1998 年の約 1000 万台から堅調に推移しており、 2007 年には約 1160 万台に達しています。一方、それら の自動車に搭載されるドアロックおよびキーシステム等 の自動車部品出荷金額は、1998 年度には 1750 億円であ り、自動車本体と同様に堅調に推移した結果、2006 年 度には 2370 億円に達しています。

(7)

と、日本における生産台数の全世界に占める比率から試 算すると、2005 年の統計値を用いた試算では、約 1 兆

3830 億円となります。

6.

提言

 今回の調査により、車両の施解錠技術については、日 本と欧州が米中韓を牽引している存在であることがわか りました。日本と欧州との比較では、日本は、特に利便 性向上技術において欧州より優位となっています。また、 注目研究開発テーマで見ると、照合・認証の高度化、不 正解錠防止の高度化、車両以外のシステム共用化に関す る技術は日本の強みが活かせる技術となっています。そ の一方で、緊急時対策に関する技術は日本より欧州の方 が出願に積極的な技術であることがわかりました。これ

らの調査結果を踏まえて、以下に、車両の施解錠技術に ついての提言を紹介させて頂きます。

(1)利便性や快適性の追求

 利便性向上技術や快適性向上技術に関する出願は、目 的・課題別の出願の中で上位を占めており、他の目的・ 課題別の技術に比べて多いことから、利便性や快適性の 向上に対するニーズが大きいことが窺えます。これらは ドアキーやドアロックをできるだけ便利に使うことがで きるように、付加価値を高める目的の出願であると考え られます。キーレスエントリーやキーフリーエントリー は、利便性や快適性の向上に関する技術を代表する技術 であり、1990 年代になって出願が急増しています。今 後も、一定水準の防盗性を確保した上で、利便性や快適 性を追求する傾向が続くことが考えられます。

 特に、非接触認証や生体認証を始めとする高度な認証

数︵

10041 9892 10140 9777 10257 10286 10511 10799 11484 11596

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007

用車 ック ス 合

174 180 188

203 199 210 217 224 236

0 50 100 150 200 250

ー ・キー び システム びロック び ッ 合

額︵

1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006

第10図 自動車四輪車生産台数推移(日本) 第11図 ロックおよびキーシステムに関する自動車部品出荷

金額推移

第12図 自動車四輪車生産台数(日米欧中韓およびBRICs)

42,010 44,548 45,233 43,726 45,867

46,805 49,535 50,373

52,173 54,801

7,193 8,711 10,342 11,230

13,252 15,820 6,217

5,169 5,767 3,841

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000

日本 米国 欧 中国 韓国 ロシ 日米欧中韓 BRICs

数︵

(8)

技術は、日本からの出願が日米欧中韓の中で最も多く、 日本が優位にある技術であるため、この高度な認証技術 を利用しつつ利便性や快適性を考慮した技術開発を行 い、技術を牽引していくことが期待されます。

(2)ネットワーク技術との融合

 ネットワーク技術と施解錠技術を融合させたシステム は、日本からの出願が多く、日本が優位にある技術です。 また、ネットワーク技術は、遠隔地にある事故車や盗難 車の施解錠状態をネットワーク技術を用いて監視または 制御する技術のように、緊急時対策、盗難対策等の様々 な応用技術に適用可能な技術です。

 また、車両以外とのシステム共用化に関する出願につ いても、日本からの出願が多く、優位にある技術です。 特に、携帯電話を利用したキーシステムに関する出願が 多くみられます。ヒアリング調査においては、住宅のキー システムとの共有化等、車両以外とのシステムの共用化 がビジネスの 1 つの方向性であるとする回答が多く得ら れました。ネットワーク技術を利用した車両に留まらな いトータルセキュリティシステムの実現は、自動車以外 の市場との融合によって、新たな市場を誕生させる可能 性があり期待されています。

 このように、ネットワーク技術と施解錠技術を融合さ せたシステムは、日本からの出願も多く、また、様々な 応用技術に適用可能であり、かつ、新たな市場創造も期 待されることから、今後、日本がこの分野に関連する技 術を牽引していくことが望まれます。

(3)緊急時対策技術分野への更なる参入

 緊急時対策技術に関する出願は、欧州からの出願が最 も多く、欧州が技術的に優位な立場にあることが窺えま す。欧州からの出願は、特に 1998 年以降に活発化して いますが、1998 年は自動車の安全・環境についての世 界統一基準に関する協定が採択された時期となります。 一方、日本からの出願には、欧州からの出願に見られる ような 1998 年以降の急増傾向は見られず、世界統一基 準に関する日本と欧州の対応の違いが出願件数に表れた 可能性が考えられます。技術基準の策定等とも対応させ つつ、当該技術分野への更なる参入が期待されます。

(4)BRICsへの対応

 BRICs の自動車四輪車生産台数は毎年増加しており、

日米欧の自動車四輪車生産台数がほぼ横ばいで推移して いることと比べると、市場の拡大が顕著です。自動車四 輪車の生産台数の増加に伴って、施解錠技術に対する需 要についても増加し、市場の拡大が見込まれます。ヒア リング調査においても、BRICs における施解錠技術の 市場拡大はビジネスチャンスとして捉えられていまし た。このような需要の増加・市場の拡大に対応するべく、 技術開発および特許出願・権利化を戦略的に進めること が望まれます。

7.

最後に

 本稿では、車両の施解錠技術について、技術動向調査結 果の一部を紹介させて頂きました。また、平成 20 度の特 許出願技術動向調査「車両の施解錠技術」の要約について は、特許庁 HP から入手可能ですので、もし興味があれば 参照して頂けると幸いです。

 車両の施解錠技術は進歩が早く、スマートキーシステム の普及率は上がっておりますし、車両と住宅の電子キーの 共用化等の新しい技術も、既に実用化の段階に入っていま す。車両の施解錠技術は、自動車と同様に日本が強い競争 力を持つ分野ですが、今後もこの強い競争力を維持し、新 しい技術を牽引して行くことが期待されています。

p

rofile

萩田 裕介(はぎた ゆうすけ)

平成13年4月 特許庁入庁(特許審査第一部住環境) 平成19年1月 調整課企画調査班統計係長

平成20年1月 特許審査第一部事務機器

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