多機能空気調和機 17mani air tyowa

平成１７年度

特許出願技術動向調査報告書

多機能空気調和機

（要約版）

平成１８年３月

特 許 庁

＜目次＞

第１章

. . . . 1

第２章

. . . . 23

第３章

. . . . 25

第４章

. . . . 28

第５章

. . . . 31

第６章

. . . . 36

問い合わせ先

特許庁総務部技術調査課 技術動向班

電話：０３−３５８１−１１０１（内線２１５５）

第 １ 章 多 機 能 空 気 調 和 機 分 野 の 特 許 動 向 分 析

第 １ 節 多 機 能 空 気 調 和 機 の 技 術 俯 瞰 図

空 気 調 和 機 は 吸 収 式 冷 凍 機 の 発 明 さ れ た 19 世 紀 に は そ の 原 型 が 登 場 し た が 、 一 般 に は W H Car r i er に よ り 1915 年 に 開 発 さ れ た 冷 凍 機 、空 気 輸 送 を 組 み 合 わ せ た 空 気 調 和 シ ス テ ム が そ の 最 初 の 実 用 化 と い わ れ て い る 。 国 内 で は 東 洋 キ ヤ リ ア が 1929 年 に 生 産 を 開 始 し た 。 1928 年 に 発 見 （ Thomas Mi dgl ey J r , Du Pont ） さ れ た CF Cs ( Chl or of l uor oc ar bon) 系 冷 媒 は 安 全 で 小 型 高 性 能 の 圧 縮 式 冷 凍 機 や 、家 庭 用 空 気 調 和 機 の 発 展 に 決 定 的 な 影 響 を 与 え た 。CFCs 冷 媒 を 用 い た 空 気 調 和 機 生 産 は 1930 年 に 米 国 で 開 始 さ れ た 。国 内 で は CFCs 冷 媒 空 気 調 和 機（ 冷 房 専 用 ）の 生 産 を 1935 年 に 開 始 、窓 型 、パ ッ ケ ー ジ 型 、セ パ レ ー ト 型 が 開 発 さ れ 、発 展 し て き た 。空 気 調 和 機 の 歴 史 は 冷 媒 の 歴 史 で も あ り 、特 定 CF Cs に よ る 地 球 の オ ゾ ン 層 破 壊 現 象 の 発 見 、 次 い で 見 出 さ れ た 地 球 温 暖 化 効 果 へ の 対 応 が 必 要 と な り 、 冷 媒 、 エ ネ ル ギ ー 効 率 の 両 面 で 技 術 が 進 展 し て き た 。こ れ と と も に 、よ り 快 適 な 生 活 環 境 を 求 め て 、温 度 ば か り で な く 、 湿 度 、 換 気 、 気 流 、 空 気 清 浄 度 な ど 、 空 気 調 和 機 の 多 機 能 化 が 日 本 を 中 心 に 進 ん で き た 。 図 - 1 に こ の 分 野 の 技 術 俯 瞰 図 を 示 し た 。

図 - 1 多 機 能 空 気 調 和 機 の 技 術 俯 瞰 図

基盤技術 1（機械） 熱交換器、蓄熱技術

除湿機、加湿機 省エネルギー技術

冷凍機、圧縮機 送風機

基盤技術 2（電機） インバーター、P AM 暖房機、除塵・集塵技術

オゾン発生技術、 UV ランプ、自動制御 通信、マイナスイオン発生機

センサー技術

基盤技術 3（材料） 冷媒、高機能フィルタ

酸素分離膜 吸着剤、光触媒 サプリメント（カテキン）

（酵素） 多機能空気調和機

応用分野

空気調和機 機能

基盤 技術

関連学会、 工業会

 日本冷凍空調学会、空気調和・衛生工学会  米国冷凍空調技術者協会（AS HR AE ）

 欧州IIR 、独 DKV 、大韓設備工学会、中国制冷学会  

化学工学会、日本機械学会、流体力学会、触媒学会  日本エネルギー学会、エネルギー・資源学会、  電気設備学会、計測自動制御学会、低温工学協会  日本土木学会、日本音響学会、日本建築学会

基本機能 多機能

基盤技術 4（感性） 温冷感覚評価 体感指標、肌水分 標準有効温度（S E T ）

ファジー機能

 日本冷凍空調工業会、日本空気清浄協会  家電製品協会、日本電機工業会

 ヒートポンプ・蓄熱センター、省エネルギーセンター  米国空気調和機工業会(AR I）

 韓国冷凍空調協会、中国制冷工業協会(C AR ) 家庭用 ビルオフィス用 商用・公共施設用 病院・高齢者施設用 自動車、電車

航空機用

政策・規制

地球環境保護 脱GWP 冷媒関連

（HC F C , HF C , 自然冷媒） フロン回収破壊法 省エネルギー法改正

（C OP 値規制）

廃棄物・省資源 有害物質 家電リサイクル法

グリーン購入法 化審法

空気清浄化 改正建築基準法 改正ビル衛生管理法

（シックハウス対策） 大気汚染防止法

環境基本法

標準化 国際標準化

（IS O/ IEC T C 86）

（日本冷凍空調学会） 国内規格：J IS B8607 高圧ガス保安法改正

冷凍保安規則 温度調節機能

（冷暖房機能）

（急速昇降温）

（健康冷房）

湿度調節機能

（除加湿機能）

（急速除加湿）

（再熱）

空気清浄化機能

（除塵）（V OC 除去）

（消臭・脱臭機能）

（殺菌）（アレルゲン）

（換気機能）

快適性制御機能

（マイナスイオン）

（酸素富化機能）

（気流制御）（静音性）

（季節性制御）

その他機能

（蓄熱機能）

（複合空調システム）

（便利・易操作性）

多 機 能 空 気 調 和 機 の 技 術 は 四 つ の 基 盤 技 術 で 構 成 さ れ る 。即 ち 圧 縮 機 、冷 凍 機 、熱 交 換 器 、 除 湿 器 、 蓄 熱 技 術 、 省 エ ネ ル ギ ー 技 術 な ど の 機 械 技 術 、 ヒ ー タ ー 、 ヒ ー ト ポ ン プ 、 除 塵 ・ 集 塵 、 イ ン バ ー タ 、 オ ゾ ン や イ オ ン 発 生 な ど の 電 気 技 術 、 冷 媒 、 高 機 能 フ ィ ル タ 、 吸 着 剤 、 光 触 媒 、 サ プ リ メ ン ト な ど の 材 料 技 術 、 お よ び 温 冷 感 性 、 肌 感 覚 、 標 準 有 効 湿 度 な ど 、 人 間 の 感 性 に 関 す る 技 術 で あ る 。 空 気 調 和 機 は フ ロ ン 系 冷 媒 の 発 見 で 急 速 に 普 及 し た が 、 現 在 採 用 さ れ て い る 冷 媒 の 多 く が 地 球 環 境 の 面 で 課 題 を 抱 え て お り 、そ の 対 応 が 世 界 的 な 課 題 で あ る 。 ま た 建 築 材 料 の 変 化 、 建 築 物 の 気 密 性 の 向 上 な ど で 、 近 年 建 築 基 準 法 、 ビ ル 衛 生 管 理 法 な ど の 改 正 が 相 次 い で 行 わ れ た が 、 換 気 と 空 気 質 の 浄 化 を 中 心 と し た 快 適 性 向 上 で 空 気 調 和 機 に 期 待 さ れ て い る 役 割 は 大 き い 。

第 ２ 節 多 機 能 空 気 調 和 機 の 市 場 規 模 と 技 術 の 全 体 像

多 機 能 空 気 調 和 機 は 2005 年 現 在 、実 質 的 に 日 本 メ ー カ ー の み が 製 造 し 、日 本 中 心 に 利 用 さ れ て い る と 見 ら れ る 。 世 界 で 製 造 さ れ 、 使 用 さ れ る 空 気 調 和 機 の 大 部 分 が 冷 房 機 能 の み を 有 す る 単 機 能 機 で あ る が 、 2005 年 の 国 際 見 本 市 （ I KK 2005 Hannov er mes s e） で は 、 韓 国 お よ び 日 本 メ ー カ ー と 提 携 し て い る 一 部 中 国 メ ー カ ー が 日 本 と 同 様 の 機 能 を 搭 載 し た 空 気 調 和 機 の 発 表 を し て お り 、 近 い 将 来 、 多 機 能 機 の 分 野 で も 市 場 を 巡 る 技 術 的 な 競 争 が 開 始 さ れ る で あ ろ う 。

空 気 調 和 機 は 家 庭 用 の ル ー ム エ ア コ ン 、 ビ ル な ど で 使 用 さ れ る パ ッ ケ ー ジ エ ア コ ン に 大 別 さ れ る 。 米 国 の 家 庭 用 空 気 調 和 機 は ユ ニ タ リ ー 型 と 呼 ば れ て い る が 、 家 自 体 の 大 き さ の 違 い も あ っ て 、日 本 の パ ッ ケ ー ジ 型 に 分 類 す る の が 適 切 で あ る 。空 気 調 和 機 の 市 場 は 中 国 、韓 国 、 東 南 ア ジ ア 諸 国 を 含 む ア ジ ア が 世 界 最 大 で あ り 、生 産 台 数 が 大 き く 、ま た 拡 大 の 一 途 に あ る 。 多 機 能 空 気 調 和 機 の 分 野 で 、特 許 出 願 件 数 、論 文 発 表 件 数 を 調 査 し た 。2000 年 、2003 年 の 調 査 結 果 を 市 場 規 模 と と も に 図 - 2 に 示 し た 。

図 - 2 空 気 調 和 機 市 場 規 模 （ 2003 年 ） と 多 機 能 空 気 調 和 機 開 発 状 況

出 典 ： 市 場 規 模 は ( 社 ) 日 本 冷 凍 空 調 工 業 会 に よ る 注 ） 出 願 年 が2000 年 ∼ 2004 年 で 検 索 日 ま で

の 採 録 分 全 デ ー タ を 対 象

121 58

40 22 2000年

2003年

570 541

1,314 1,548 2000年

2003年

168 2000年 111

2003年 7 4 15

12 64 2000年 16

2003年

55 60

45 54 2000年 2003年 10%

246

90% 2,119

9% 67

91% 663 11%

49

89% 393 欧州

中国

韓国

日本

北米

米国 アジア

特許出願件数 論文数 棒グラフ

円グラフ：%の下は需要台数（単位万台） ルームエアコン

パッケージエアコン 52% 678

48% 630

第 ３ 節 多 機 能 空 気 調 和 機 技 術 の 歴 史 と 開 発 状 況

空 気 調 和 機 の 主 要 要 素 で あ る 冷 凍 機 や 圧 縮 機 は 19 世 紀 に 発 明 さ れ た 。室 内 空 気 を 冷 媒 と 強 制 的 に 熱 交 換 さ せ て 冷 却 （ 除 湿 ） す る 現 在 の 形 の 空 気 調 和 機 は 米 W H Car r i er が 世 界 で 最 初 に 発 明 し た と さ れ て お り 、1915 年 で あ っ た 。日 本 で は こ の Car r i er が 発 足 さ せ た 東 洋 キ ヤ リ ア 社 が 1929 年 、 最 初 に 空 気 調 和 機 の 生 産 を 開 始 し た 。 1928 年 にDuPont のT Mi dgl ey J r が フ ッ 素 化 合 物 （ CF Cs ） と そ の 製 造 法 を 見 出 し 、 特 許 出 願 を 行 っ た が 、 フ ロ ン と 命 名 さ れ た こ の 冷 媒 が 空 気 調 和 機 の 小 型 化 と 家 庭 用 へ の 普 及 を 促 進 す る こ と に な っ た 。 多 機 能 空 気 調 和 機 の 圧 縮 機 は 、 初 期 段 階 の レ シ プ ロ 式 か ら ス ク リ ュ ー 式 、 ロ ー タ リ ー 式 、 ス ク ロ ー ル 式 へ と 発 展 し て 高 効 率 化 、 静 音 化 に 寄 与 し 、 ウ イ ン ド 型 、 壁 掛 け 型 な ど 室 内 設 置 が 可 能 と な っ て 、 ル ー ム 用 空 調 機 の 市 場 が 拡 大 し た 。1990 年 代 に 入 る と 、圧 縮 機 モ ー タ の 周 波 数 可 変 制 御 、直 流 ブ ラ シ レ ス 化 、 ヒ ー ト ポ ン プ 式 へ の 転 換 、 熱 交 換 器 改 良 な ど で 空 調 機 の 高 性 能 化 が 加 速 さ れ た 。 こ う し た 技 術 は 電 力 単 価 の 高 い 日 本 で 節 電 の 必 要 性 が 高 か っ た こ と 、 省 エ ネ ル ギ ー の 推 進 お よ び 地 球 温 暖 化 ガ ス 排 出 を 抑 制 す る 京 都 議 定 書 対 応 の 諸 政 策 に 触 発 さ れ て 進 展 し て き た 。

1974 年 に CF Cs に よ る オ ゾ ン 層 破 壊 現 象 が 発 表 さ れ る と 、 そ れ に 替 わ る 冷 媒 の 開 発 が 世 界 的 規 模 で 展 開 さ れ 、 さ ら に そ の 開 発 過 程 で 代 替 フ ロ ン と し て 期 待 さ れ た HCF C、 HF C が CO

2^に

比 較 に な ら な い 程 の 地 球 温 暖 化 効 果 を 有 す る こ と が 見 出 さ れ た 。1970 年 代 以 降 の 空 気 調 和 機 は 新 規 冷 媒 の 開 発 と 機 械 的 な 対 応 、 さ ら に 省 エ ネ ル ギ ー 化 を 軸 に 進 ん で い る 。 空 気 調 和 機 開 発 の 流 れ を 歴 史 的 に 整 理 し て 図 - 3 に 示 し た 。

冷 凍 機 と し て は 低 沸 点 の 媒 体 を 圧 縮 ・ 液 化 と 気 化 を 行 う サ イ ク ル で 機 能 す る も の が 主 で あ る が 、 冷 媒 に よ り 最 適 の 操 作 温 度 、 圧 力 が 変 わ り 、 従 っ て 周 辺 機 器 の 設 計 仕 様 も 変 更 を 求 め ら れ る 結 果 、 CFCs 、 HCFC、 HF C と 冷 媒 の 変 更 と と も に 空 気 調 和 機 も 変 化 し て き た 。 ア ン モ ニ ア 吸 収 式 の 冷 凍 機 は 1859 年 に J Gor r i e に よ り 発 明 さ れ 、 現 在 で は 臭 化 リ チ ウ ム 水 溶 液 を 用 い た 密 閉 式 の 湿 式 吸 収 式 冷 凍 機 と し て 中 央 式 空 調 シ ス テ ム な ど に 多 用 さ れ て い る 。

冷 凍 機 、 熱 交 換 器 と 室 内 外 空 気 の 循 環 シ ス テ ム を 制 御 す る と い う 空 気 調 和 機 の 基 本 機 能 に 対 し て 、 本 調 査 は そ の 多 機 能 化 に 関 す る も の で あ る 。 例 え ば 除 湿 機 能 で は 冷 媒 温 度 を 通 常 快 適 温 度 よ り も 低 く 設 定 す る か ら 、 循 環 空 気 の 温 度 が 過 剰 に 低 下 し 、 冷 房 病 の よ う な 健 康 障 害 の 原 因 に な る 。 こ れ を 緩 和 す る た め に 冷 却 （ 除 湿 ） し た 空 気 を 再 度 快 適 温 度 ま で 加 熱 昇 温 す る 、い わ ゆ る 再 熱 機 能 が 1970 年 代 に 導 入 さ れ た 。ま た 循 環 空 気 中 の 除 塵 を 行 う た め の フ ィ ル タ が 早 い 時 期 か ら 採 用 さ れ た が 、 そ の 性 能 が 向 上 し 、 ま た 産 業 用 に 発 展 し て き た 電 気 集 塵 機 を 空 気 調 和 機 の な か に 取 り 込 ん だ 商 品 が 1980 年 代 に 登 場 し て き た 。そ の 後 も こ の 技 術 の 進 展 は め ざ ま し く 、 花 粉 、 ア レ ル ゲ ン 対 応 機 能 を 有 す る フ ィ ル タ 、 除 菌 フ ィ ル タ 、 光 触 媒 を 導 入 し た 脱 臭 フ ィ ル タ な ど が 、相 次 い で 開 発 さ れ 、現 在 に 至 っ て い る 。家 屋 の 気 密 性 向 上 に 伴 い 、 建 築 基 準 法 、 ビ ル 衛 生 管 理 法 が 改 正 さ れ 、 換 気 性 能 、 空 気 清 浄 化 機 能 が 空 気 調 和 機 に 求 め ら れ る よ う に な っ た 。 さ ら に 現 代 人 の 嗜 好 に 合 わ せ る よ う に 、 酸 素 、 ビ タ ミ ン 、 肌 湿 度 向 上 、 局 所 換 気 、 静 音 化 、 快 眠 性 、 フ ァ ジ ー 制 御 な ど 、 種 々 の 快 適 性 機 能 、 易 操 作 性 機 能 が 導 入 さ れ 、 激 し い 市 場 シ ェ ア 競 争 と 合 わ せ て 、 各 社 が そ の 機 能 向 上 を 競 っ て き た 。

ま た 地 球 温 暖 化 防 止 で 京 都 議 定 書 が 締 結 さ れ 、 先 進 国 の 多 く が CO₂の 排 出 抑 制 、 す な わ ち 省 エ ネ ル ギ ー 化 に 努 力 し て い る が 、 家 庭 や ビ ル 消 費 電 力 の 中 で も 大 き な 割 合 を 占 め る 空 気 調 和 機 の 省 エ ネ ル ギ ー 化 へ の 要 請 は 大 き い 。 氷 蓄 熱 、 ヒ ー ト ポ ン プ 技 術 な ど 、 こ れ に 対 応 す る 技 術 の 開 発 も 進 ん で い る 。 以 下 に 特 許 出 願 状 況 、 市 場 動 向 、 研 究 開 発 動 向 な ど か ら こ れ を 検 証 す る 。

− 4−

図 - 3 空 気 調 和 機 関 連 技 術 開 発 の 歴 史

冷媒 非フッ素系冷媒時代 フロン冷媒時代

C F C (R- 12: C F2C l2)

冷凍機 吸収式冷凍機

圧縮式冷凍機

空気調和機

デシカント空調機

地域冷暖房

熱搬送

省エネルギー

1950 1960 1970 1980

W H C arrier 減湿型空調機

（1915）

国産空気調和機

（東洋キヤリア社）

（1929） C F C 媒体 空調機の生産

（GM/ DuPont）

（1930）

地域冷暖房

（万国博）稼働

（1970）

インバーター 空調機の生産

（東芝）

（1981） 特定C F C sによる

オゾン層破壊の発見

（S R owland, M Molina,） Nature, 249, p810（1974） 1995年Nobel化学賞

J Gorrie NH

3^{吸収式冷凍機開発} （1859）

General Motors 民生用製氷機

（1918） C F C s特許出願

DuPont

（1928年）

開放式空気調和機

（湿式）

（E Altenkirch） (1959) 1900

壁掛け型冷暖房 エアコン発売

（松下電器産業） (1972)

デシカント空調機 US 4034569

（D I T c hernev） (1977） フルオロカーボン国産

（大阪金属工業）(1935)

パッケージ型エアコン

（工場・店舗用）生産開始

（ダイキン工業）

（1951）

B A T oms 配管抵抗 低減剤の発見

（1948） 湿式除湿剤 開放式空調機

（1930年代）

C O

2^{冷媒自動車冷房} US 4045972

（L T yree J r） (1976）

J Perkins（米） 圧縮式冷凍機特許 (DE E 、手動式)（1834）

J Harrison（豪） 圧縮式冷凍機を開発 （DE E 、圧縮機）(1855）

T L owe（米） C O

2 ^{圧縮機を開発} (1866）

船舶用製氷器 C O

2 ^{圧縮機を開発}

（三菱重工業） (1915）

J G de R emar（米） ロータリ圧縮機開発

(1926）

ウインドエアコン用 ロータリ圧縮機

（ダイキン工業） (1958） ツインスクリュー

圧縮機開発 S R M社（S weden）

(1934） D Boyle（米）

NH 3 ^{圧縮機を開発}

(1873）

スクロール圧縮機 研究活発化

（米Arthur D L ittle） (1970s）

密閉式スクロール 圧縮機を発表

（日立） (1980）

壁掛け型冷房専用 エアコン上市

（松下電器産業）

（1969） セパレート型床置

冷房専用エアコン

（東芝）

（1961） ウインド型空調機

（日立） (1952）

HP式冷暖房装置

（京都電灯本社ビル）

（1937）

スクロール圧縮機 特開昭54- 81513

（日立） (1977）

省エネルギー法 (1979) デシカントロータ

除加湿空調法 US 2700537

（N A Pennington） (1951）

車両用インバー ター空調機 特開昭49- 104307

（東芝） (1974） N L S C arnot

熱機関理論 （1824）

重要論文等

重要技術開発

特許 B A T oms 配管抵抗 低減剤の発見

（1948）

HC F C (R- 22: C HF

2^{C l) 代替フロン （}HF C R- 134a） (410A, 407C )

ノンフロン系 （プロパン、ブタン、アンモニア）（C O2 ）

1990 2000

HC F C から HF C への 転換開始（1998年）

京都議定書

（1997）

大型地域冷暖房

（幕張）の稼働

（1990）

吸収冷凍機使用の大型 地域冷暖房（横浜みなと

みらい）の稼働

（2000） ビル用マルチ

空調機発売

（ダイキン工業）

（1982）

氷蓄熱ビル用 マルチ発売

（ダイキン工業）

（1989）

フロン回収 破壊法

(2001)

建築基準法 ビル衛生管理法

改正 (2003)

再生湿式デシカント 空調機 (DryKor社）

(1997)

高齢化社会対応型 空調機 UDデザイン

（2000)

欧州議会で空調機 の自然冷媒化審議

(2005)

大伝熱束輸送用熱伝達

（ドリームパイプ） WO86/ 02717

（Univ F lorida） (1984）

包接型水和物を用いた 蓄熱、熱搬送 特開平11- 264681

（J F E エンジニアリング） (1998） 電気事業法改正

(1995) モントリオール議定書批准

C F C 規制開始（1988）

C F C 生産全廃

（1995）

ノンフロン冷凍機 開発・実用化

(1998) J AR E P 代替冷媒評価プログラム

日米欧加国際共同 （1993∼ 1997）

ウイーン条約採択

（1988）

熱駆動式ポンプ (V RV ) 商品化 (ダイキン工業、三菱電機）

(1998) ルームエアコン用低騒音・低振動

蒸気圧縮機商品化

（松下電器産業、ダイキン工業） (1989)

密閉式スクロール 圧縮機搭載空調機

（日立） (1985）

高性能スクロール 圧縮機/ 空調機

（松下電器産業） (1990）

直流ブラシレスモータ インバータ・スクロール 圧縮機/ 空調機

（三菱重工業） (1994） トルク制御方式

圧縮機搭載空調機

（日立） (1988）

全開PAM空調機

（日立） (2000) 空調機用室外機

小型化が進む (1992- 1993）

ヘリカル圧縮機

（東芝キヤリア） (2000）

セントラル方式空調への ユニット型氷蓄熱システム導入

（1980- 1988）

スーパーHP実証研究

（中部電力）

（1993- 1995）

都市再開発型 地域冷暖房

（汐留、六本木）

（2003）

京都議定書

（1997）

家庭用C O2給湯器 商品化 (2001)

地球温暖化対策 推進大綱発表

(2002)

改正省エネルギー法(1999) トップランナー方式導入による 機械器具に係わる措置の強化 工場に係わる措置の強化

エネルギー政策 基本法制定

(2002)

改正省エネルギー法（2003） 第一種、第二種エネルギー管理指定工場

特定建築物の省エネ届出

可変気筒型圧縮機

（機械振興賞）

（東芝キヤリア） (2004） 直流モータ・インバータ

ツインロータリー圧縮機

（東芝）(1993）

新冷媒HF C 使用 トップランナー空調機 開発・実用化（東芝）

(1998)

改正省エネルギー法（2006） 工場、運輸、住宅・建築物、 機械器具の省エネ基準強化

情報提供義務 改正省エネルギー法(1993)

空調機（冷房・冷暖房） 基準エネルギー消費の設定

グリーン購入法

（氷蓄熱採用など） (2001) エネルギー需給構造

改革投資促進税制

（1992）

RoHS 発効

（有害物質規制） (2006)

潜熱輸送用水和物スラリー 熱搬送と冷暖房 特開2005- 29591

（新産業創造研究機構） (2003）

R - 134a代替自動車 空調機冷媒の発表 (Honeywell)

(2006)

第 ４ 節 多 機 能 空 気 調 和 機 分 野 で の 特 許 出 願 状 況 と 出 願 件 数 の 推 移

空 気 調 和 機 へ の 多 機 能 性 の 導 入 は 、空 気 調 和 機 が 発 明 さ れ た 1915 年 当 初 か ら 試 み ら れ た も の と 思 わ れ る 。 し か し い ず れ の 機 能 も そ れ ぞ れ 機 械 的 、 電 気 的 、 ま た は 材 料 的 な 発 見 を 基 に は じ め て 可 能 と な る か ら 、 現 在 国 内 で 生 産 さ れ る 空 気 調 和 機 の 持 つ よ う な 多 機 能 性 の 導 入 が 本 格 化 し た の は 1970 年 代 に 入 っ て か ら で あ る 。空 気 調 和 機 の 多 機 能 化 に 係 わ る 特 許 を 検 索 し 、 精 読 で 確 認 し た 特 許 に つ い て 件 数 や そ の 推 移 を 調 査 し た 。 使 用 し た デ ー タ ベ ー ス は 、 日 本 特 許 は PATOLI S、外 国 特 許 は WPI NDEX で あ り 、検 索 期 間 は 2000 年（ 出 願 年 ）以 降 と し た が 、検 索 日 は 2005 年7 月 で あ り 、 2004 年 の 採 録 件 数 は 少 な い 。 出 願 件 数 推 移 は 優 先 権 主 張 年 で 解 析 し て い る 。 図 - 4 は 日 本 、 米 国 、 欧 州

1)

の 他 、 世 界 最 大 の 空 気 調 和 機 生 産 地 域 で あ る ア ジ ア の 中 国 、韓 国（ 以 上 を 5 極 ）、台 湾 、シ ン ガ ポ ー ル 、さ ら に 将 来 の 空 気 調 和 機 の 大 消 費 地 に な る こ と が 期 待 さ れ る ブ ラ ジ ル を 加 え た WPI NDEX 採 録 対 象 と な っ て い る 合 計 8 極 に つ い て 特 許 出 願 件 数 を 地 域 別 に 比 較 し た も の で あ る 。日 本 へ の 出 願 は 全 出 願 件 数 の 78. 9％ と 高 く 、韓 国 、 中 国 、 米 国 、 欧 州 と 続 い て い る 。 台 湾 、 シ ン ガ ポ ー ル 、 ブ ラ ジ ル へ の 出 願 件 数 は 極 め て 少 な く 、需 要 が 現 時 点 で 低 い こ と が 背 景 に あ る 。図 - 4 右 に 示 す よ う に 出 願 件 数 は 年 間 1, 700 件 程 度 で 、 2000 年 以 降 、 緩 や か に 減 少 し て い る 。

図 - 4 出 願 先 国 別 の 多 機 能 空 気 調 和 機 関 連 特 許 の 出 願 件 数 推 移 と 比 率

注 1） 出 願 年 が 2000 年 ∼ 2004 年 で 検 索 日 ま で の 採 録 分 全 デ ー タ を 対 象

注 2) 出 願 年 が 2000 年 ∼ 2004 年 で 検 索 日 ま で の 採 録 分 全 デ ー タ 中 、 優 先 権 主 張 年 が 2000 年 ∼ 2003 年 の も の を 対 象 注 3) 台 湾 特 許 公 開 制 度 は 2003 年 開 始 、 そ れ 以 前 は 公 告 の み で

WPI NDEX は 1993 年 以 降 、 2004 年 12 月 21 日 ま で 採 録 あ り

1) 欧 州 ： オ ー ス ト リ ア 、 ベ ル ギ ー 、 ブ ル ガ リ ア 、 ス イ ス 、 キ プ ロ ス 、 チ ェ コ 、 ド イ ツ 、 デ ン マ ー ク 、 エ ス ト ニ ア 、 ス ペ イ ン 、 フ ィ ン ラ ン ド 、 フ ラ ン ス 、 イ ギ リ ス 、 ギ リ シ ャ 、 ハ ン ガ リ ー 、 ア イ ル ラ ン ド 、 ア イ ス ラ ン ド 、 イ タ リ ア 、 リ ヒ テ ン シ ュ タ イ ン 、 リ ト ア ニ ア 、 ル ク セ ン ブ ル グ 、 モ ナ コ 、 オ ラ ン ダ 、 ポ ー ラ ン ド 、 ポ ル ト ガ ル 、 ル ー マ ニ ア 、 ス ウ ェ ー デ ン 、 ス ロ ベ ニ ア 、 ス ロ バ キ ア 、 ト ル コ 、 ア ル バ ニ ア 、 ボ ス ニ ア ・ ヘ ル ツ ェ ゴ ビ ナ 、 ク ロ ア チ ア 、 ラ ト ビ ア 、 マ ケ ド ニ ア 、 セ ル ビ ア ・ モ ン テ ネ グ ロ

台湾への出願 39件 0.6% 韓国への出願

464件 6.6% 中国への出願

416件 5.9% 欧州への出願

219件 3.1% 米国への出願

331件 4.7%

シンガポール への出願

4件 0.1%

ブラジルへの出願 13件 0.2%

日本への出願 5,548件

78.8%

73 75

82

46 ⁵²

33 55

101 113

16 14

2 2

13 24 02 00

1,300 1,282

1,370 1,497

57

51

101

110 90

137

102 1,629 1,651

1,705 1,788

0 100 200 300 400

2000 2001 2002 2003

優先権主張年 出

願 件 数

1,200 1,300 1,400 1,500 1,600 1,700 1,800

出 願 件 数

︵

8 極 合 計

︶

日本への出願 米国への出願 欧州への出願

中国への出願 韓国への出願 台湾への出願

シンガポールへの出願 ブラジルへの出願 8極合計

1,300 1,400 1,500

（右 軸 ）

特 許 出 願 先 国 別 で 出 願 件 数 の 多 か っ た 日 本 、 米 国 、 欧 州 、 韓 国 、 中 国 の 5 極 に つ い て 、 出 願 人 国 籍 を 解 析 し 、 各 極 間 の 特 許 の 相 互 出 願 状 況 を 解 析 し た 。 結 果 を 図 - 5 に 示 し た 。

日 本 へ 出 願 さ れ た 5, 548 件 の 特 許 の 96. 9％ が 日 本 人 に よ る 出 願 で あ り 、欧 米 諸 国 か ら の 日 本 へ の 出 願 件 数 は 極 め て 少 な い 。一 方 米 国 に 出 願 さ れ た 特 許 で は 米 国 人 に よ る 出 願 が 38％ で 、 日 本 、韓 国 、欧 州 か ら の 出 願 割 合 も 高 い 。欧 州 に 出 願 さ れ た 特 許 も 、欧 州 人 に よ る 出 願 が 36％ で 、 日 本 、 韓 国 、 米 国 か ら の 出 願 割 合 も 高 い 。 中 国 、 韓 国 に 出 願 さ れ た 特 許 件 数 で は 、 そ れ ぞ れ 自 国 出 願 人 の 出 願 件 数 が 最 大 で あ る が 、 中 国 特 許 で は 日 本 、 韓 国 か ら 、 ま た 韓 国 特 許 で は 日 本 か ら の 特 許 出 願 比 率 が 高 い 。

日 本 は 各 極 で そ れ ぞ れ の 極 か ら の 出 願 件 数 に 次 い で 第 二 位 の 出 願 件 数 と な っ て お り 、 国 内 ば か り で な く 、 海 外 へ の 市 場 展 開 を 目 指 し た 積 極 的 な 特 許 出 願 を 行 っ て い る 。 日 本 に 次 い で 外 国 へ の 特 許 出 願 を 積 極 的 に 行 っ て い る の は 韓 国 で あ り 、 特 に 日 本 と と も に 米 国 、 欧 州 、 中 国 へ の 特 許 出 願 戦 略 に よ っ て 市 場 の 確 保 を 狙 っ て い る 。 な お 世 界 最 大 の 生 産 台 数 を 誇 る 中 国 は 自 国 以 外 の 地 域 へ の 特 許 出 願 件 数 が 現 状 で は 極 め て 少 な い 。 日 本 、 韓 国 な ど 、 外 国 企 業 が 中 国 に 工 場 を 建 設 し 、 事 業 を 行 っ て い る こ と か ら 、 今 後 技 術 力 向 上 と と も に 、 対 外 特 許 戦 略 強 化 に 転 じ る 可 能 性 が あ る 。

図 - 5 多 機 能 空 気 調 和 機 関 連 特 許 出 願 に お け る 日 本 、 米 国 、 欧 州 、 中 国 、 韓 国 、 5 極 の 出 願 件 数 収 支

注 ） 出 願 年 が 2000 年 ∼ 2004 年 で 検 索 日 ま で の 採 録 分 全 デ ー タ を 対 象

欧州 0.4% 米国

0.6%

中国 0.0%

韓国 2.0%

その他 0.2%

日本 5,376件

96.9%

その他 7.6% 韓国 16.0%

中国 0.3%

米国 125件 37.8% 欧州

12.4%

日本 26.0%

日本 34.2%

欧州 79件 36.0%

米国 11.0% 中国

0.0% 韓国 14.2%

その他 4.6% その他

0.7% 韓国 17.1%

中国 202件 48.6%

米国 2.4%

欧州 1.0% 日本 30.3% 日本

21.3%

欧州 1.3% 米国

3.4%

中国 0.0% 韓国

338件 72.8%

その他 1.1%

日本への出願（5,548件）

米国への出願（331件）

欧州への出願（219件） 中国への出願（416件）

韓国への出願（464件）

110件 99件

126件 1件

1件 75件

21件

0件

0件

31件 86件 16件

53件

6件 10件 31件 71件

4件

41件 24件 0.02%

図 - 5 で は 5 極 以 外 で 多 機 能 空 気 調 和 機 に 関 す る 特 許 出 願 を 行 っ て い る 国・地 域 は「 そ の 他 」 と し て い る が 、 そ の 件 数 は 極 め て 少 な く 、 実 質 的 に 上 記 5 極 が 多 機 能 空 気 調 和 機 に 関 す る 特 許 出 願 を 行 っ て い る と い え よ う 。 ま た 本 報 告 書 で 出 願 件 数 合 計 を 「 全 世 界 」 と 呼 ぶ 場 合 は 、 WPI NDEX、 PATOL I S に 特 許 デ ー タ が 採 録 さ れ て い る 全 て の 国 を 意 味 す る 。

一 方 、見 方 を 変 え て 、特 許 出 願 人 国 籍 別 に 8 極 へ の 特 許 出 願 件 数 を 解 析 し た 結 果 を 図 - 6 に 示 し た 。 日 本 お よ び 欧 州 国 籍 の 出 願 人 に よ る 特 許 出 願 件 数 は 緩 や か に 減 少 傾 向 に あ る の に 対 し 、中 国 、韓 国 国 籍 の 出 願 人 に よ る 出 願 件 数 は 増 加 傾 向 が 顕 著 で あ る 。台 湾 、シ ン ガ ポ ー ル 、 ブ ラ ジ ル か ら の 出 願 件 数 は な お 少 な い 。

図 - 6 8 極 へ の 多 機 能 空 気 調 和 機 関 連 特 許 出 願 に お け る 出 願 人 国 籍 別 出 願 件 数 推 移

注 ) 出 願 年 が 2000 年 ∼ 2004 年 で 検 索 日 ま で の 採 録 分 全 デ ー タ 中 、 優 先 権 主 張 年 が 2000 年 ∼ 2003 年 の も の を 対 象 に 図 示

第 ５ 節 特 許 出 願 上 位 企 業 と 出 願 件 数 の 推 移

多 機 能 空 気 調 和 機 関 連 の 特 許 出 願 件 数 上 位 企 業 を 調 査 し た 結 果 を 図 - 7 に 示 し た 。調 査 対 象 国 へ の 特 許 出 願 件 数 の 合 計 で は ダ イ キ ン 工 業 が 最 も 多 く 、 次 い で 三 洋 電 機 、 松 下 電 器 産 業 、 富 士 通 ゼ ネ ラ ル と 日 本 企 業 が 上 位 を 独 占 し 、 第 5 位 に 韓 国 の L G El ec t r oni c s が 入 っ て い る 。

日 本 へ の 特 許 出 願 件 数 上 位 企 業 の 2000 年 ∼ 2003 年 の 特 許 出 願 件 数 の 推 移 を 図 - 8 に 示 し た 。 こ れ に よ る と 、 ダ イ キ ン 工 業 、 三 洋 電 機 は 減 少 傾 向 に 、 ま た 松 下 電 器 産 業 が 増 加 傾 向 に 、 ま た 三 菱 電 機 が ほ ぼ 一 定 件 数 の 特 許 出 願 件 数 を 維 持 し て い る 。一 方 図 - 9∼ 図 - 12 に 示 す よ う に 、 米 国 、欧 州 、中 国 、韓 国 へ の 特 許 出 願 件 数 の 上 位 に 韓 国 の LG El ec t r oni c s が 入 り 、そ の 件 数 は 増 加 傾 向 に あ る 。 日 本 の ダ イ キ ン 工 業 の 出 願 件 数 は 2003 年 に は 全 地 域 で 減 少 し た 。

45 ⁵⁴

31

54 40

27

37 16 22

49 ⁵⁴

64

111 110

196

168

1000 3 20 2 2 1 ⁵ 0 0

1,450

1,325

1,314 1,548

1,788

1,705

1,629 1,651

0 100 200 300 400 500 600

2000 2001 2002 2003

優先権主張年 出

願 件 数

1,200 1,300 1,400 1,500 1,600 1,700 1,800

出 願 件 数

︵

全 世 界

︶

日本 米国 欧州 中国 韓国

台湾 シンガポール ブラジル 全世界

1,300 1,400 1,500 1,600

出願人国籍

︵合計︶

合 計 （右 軸 ） 196

図 - 7 8 極 へ の 多 機 能 空 気 調 和 機 関 連 特 許 出 願 に お け る 上 位 出 願 人 と 合 計 出 願 件 数

注 ） 出 願 年 が 2000 年 ∼ 2004 年 で 検 索 日 ま で の 採 録 分 全 デ ー タ を 対 象

図 - 8 日 本 へ の 多 機 能 空 気 調 和 機 関 連 特 許 出 願 に お け る 上 位 出 願 人 と 出 願 件 数 推 移

注 ） 出 願 年 が 2000 年 ∼ 2004 年 で 検 索 日 ま で の 採 録 分 全 デ ー タ 中 、 優 先 権 主 張 年 が 2000 年 ∼ 2003 年 の も の を 対 象

103 141

148 227

234 299

360 424

483 538

578

874

0 200 400 600 800 1,000

東陶機器(株) (株) デンソー 三菱重工業(株) 東芝キヤリア(株) シャープ(株) ( 株)日立製作所 三菱電機(株) LG E lec tronic s Inc ( 株)富士通ゼネラル 松下電器産業(株) 三洋電機(株) ダイキン工業(株)

出 願 人

出願件数

16 33 32 33

49 70 51

30 70

74 95

124

154 144 115 89

239 192

2001 2002 2003

(株)デンソー

三菱重工業(株) 54 39 31 12

シャープ(株) 39

東芝キヤリア(株) 41 67

(株)日立製作所 64 88 ⁵⁰ 61

三菱電機(株) 75 79

(株)富士通ゼネラル 154 97 94

松下電器産業(株) 91 93 77 218

三洋電機(株)

152 ダイキン工業(株) 184

2000

優先権主張年 出

願 人

図 - 9 米 国 へ の 多 機 能 空 気 調 和 機 関 連 特 許 出 願 に お け る 上 位 出 願 人 と 出 願 件 数 推 移

注 ） 出 願 年 が 2000 年 ∼ 2004 年 で 検 索 日 ま で の 採 録 分 全 デ ー タ 中 、 優 先 権 主 張 年 が 2000 年 ∼ 2003 年 の も の を 対 象

図 - 10 欧 州 へ の 多 機 能 空 気 調 和 機 関 連 特 許 出 願 に お け る 上 位 出 願 人 と 出 願 件 数 推 移

注 ） 出 願 年 が 2000 年 ∼ 2004 年 で 検 索 日 ま で の 採 録 分 全 デ ー タ 中 、 優 先 権 主 張 年 が 2000 年 ∼ 2003 年 の も の を 対 象

4 3

2001 2002 2003

(株)富士通ゼネラル

2 1

三菱重工業(株)

2 1

C arrier C orp

2 Delphi T echnologies Inc

2 1

2

1 三洋電機(株)

1 松下電器産業(株)

1 2

シャープ(株)

1

1 1 2

三菱電機(株)

B ehr GmbH & C o. 2 2

LG E lec tronics Inc ¹⁰ 13

1

2000 ダイキン工業(株)

11 14

2

優先権主張年 出

願 人

3

3

3 2

3 7

5

2001 2002 2003

1 1 三洋電機( 株)

2 R obert B os c h GmbH

1

1

3 ¹ 2

Honeywell International Inc

2 (株)日立製作所

1 三菱電機( 株)

1 1 Delphi T echnologies Inc 4

1 (株)荏原製作所

1 1

C arrier C orp 6

1

4 1

ダイキン工業( 株)

1

10 3 (株) デンソー

2000

14 17 3 4

LG E lectronics Inc

優先権主張年 出

願 人

図 - 11 中 国 へ の 多 機 能 空 気 調 和 機 関 連 特 許 出 願 に お け る 上 位 出 願 人 と 出 願 件 数 推 移

注 ） 出 願 年 が 2000 年 ∼ 2004 年 で 検 索 日 ま で の 採 録 分 全 デ ー タ 中 、 優 先 権 主 張 年 が 2000 年 ∼ 2003 年 の も の を 対 象

図 - 12 韓 国 へ の 多 機 能 空 気 調 和 機 関 連 特 許 出 願 に お け る 上 位 出 願 人 と 出 願 件 数 推 移

注 ） 出 願 年 が 2000 年 ∼ 2004 年 で 検 索 日 ま で の 採 録 分 全 デ ー タ 中 、 優 先 権 主 張 年 が 2000 年 ∼ 2003 年 の も の を 対 象

5 6

43

2001 2002 2003

1

3 シャープ(株)

Mando C limate C ontrol C orp

6

1

1 1 2

( 株) 日立製作所

2

5 ¹

Daewoo E lec tronic s C orp

4

松下電器産業(株) 4 4 8

2

10 Winiamando Inc

1 ₃

S ams ung E lectronics C o

3

14 ⁴

ダイキン工業(株) 8 7

2 1

7 ⁵ 6

三洋電機(株)

50 65 51

LG E lec tronic s Inc

2000

優先権主張年 出

願 人

WiniaMando Inc

12

2001 2002 2003

6 9 18 20

1 2

3 (株) 日立製作所

1 三菱電機(株)

1 2 2

S ams ung E lec tronic s C o

1

4

3 3

東芝キヤリア(株)

2 1 Haier Group C o

2 3 5

1

4 Y uejin E lectronic T ianjin

E lec tric E quip

8 1 Univ S hanghai J iaotong

2

7 松下電器産業(株)

2

7 6 6

13 11 LG E lec tronic s T ianjin

A pplianc es C o

11

1 ダイキン工業( 株)

2000

9 5

6 7

三洋電機(株) LG E lectronics Inc

優先権主張年 出

願

人 ^{E E C o}

各 国 へ の 特 許 出 願 件 数 の 中 、 内 国 人 出 願 人 に よ る 全 特 許 出 願 件 数 に 対 す る 内 国 人 出 願 に よ る 多 機 能 空 気 調 和 機 関 連 の 特 許 出 願 件 数 の 比 を 求 め て 、 そ の 重 視 さ れ 方 の 定 量 的 比 較 を 試 み た 。 2000、 2001、 2002 年 で の 調 査 結 果 を 表 - 13 に 示 し た 。 日 本 は 多 機 能 空 気 調 和 機 関 連 の 出 願 件 数 比 が 3. 5‰程 度 と 世 界 で 最 も 高 く 、こ の 分 野 が 重 要 な 技 術 分 野 に 位 置 づ け ら れ て い る 。 日 本 に 次 い で 比 率 の 高 い の が 韓 国 で 、次 い で 中 国 と な っ て い る 。欧 米 は 日 本 の 1/ 10 以 下 で 低 い 。

表 - 13 出 願 国 ご と の 内 国 人 出 願 件 数 と 多 機 能 空 気 調 和 機 関 連 の 内 国 人 出 願 件 数 の 比 較 出 願 年

2000 2001 2002

出 願 先 国

内 国 人 出 願 件 数

内 国 人 多 機 能

比 * 1000

内 国 人 出 願 件 数

内 国 人 多 機 能

比 * 1000

内 国 人 出 願 件 数

内 国 人 多 機 能

比 * 1000 日 本 387, 364 1, 445 3. 730 386, 767 1, 343 3. 472 369, 458 1, 240 3. 356 米 国 175, 582 18 0. 103 190, 907 33 0. 173 198, 339 19 0. 096 欧 州 61, 637 12 0. 195 67, 330 22 0. 327 67, 677 13 0. 192 韓 国 73, 378 79 1. 077 74, 001 59 0. 797 76, 860 115 1. 496 中 国 25, 592 16 0. 625 30, 324 46 1. 517 40, 346 55 1. 363 出 典 ： 特 許 庁 編 、 特 許 行 政 年 次 報 告 書 2005 年 版 、 2004 年 版 、 2003 年 版

注 ） 多 機 能 空 気 調 和 機 に つ い て は 出 願 年 が 2000 年 ∼ 2002 年 で 検 索 日 ま で の 採 録 分 全 デ ー タ を 対 象

第 ６ 節 技 術 区 分 別 の 特 許 出 願 動 向

多 機 能 空 気 調 和 機 に 関 す る 特 許 で 明 細 書 に 記 載 さ れ た 機 能 を 11 の 技 術 区 分（ 用 途 分 野 、形 式 分 野 、 各 1 を 含 む ） 大 分 類 に 分 類 し 、 各 項 目 を そ れ ぞ れ 中 分 類 、 小 分 類 に 細 分 化 し て 、 合 計 54 の 中 分 類 、 133 の 小 分 類 に 分 類 し た 。 調 査 対 象 期 間 に 出 願 ・ 採 録 さ れ た 全 特 許 （ 2005 年 7 月 の 検 索 日 ま で ） に 技 術 分 類 を 付 与 し て 、 そ の 技 術 内 容 を 解 析 し た 。 1 件 の 特 許 が 複 数 の 技 術 分 野 に 分 類 さ れ う る の で 、 付 与 さ れ た 技 術 分 類 総 件 数 は 特 許 件 数 よ り も 多 く な っ て い る 。 大 分 類 [ 1] ∼ [ 9] の 技 術 分 野 に 付 与 さ れ た 分 類 （ 総 件 数 を 100％ と す る ） の 内 訳 を 図 - 14 に 示 し た 。 快 適 性 制 御 に 関 す る も の が 最 も 多 く 、 易 操 作 性 、 換 気 機 能 、 空 気 清 浄 化 機 能 と 続 い て い る 。

図 - 14 多 機 能 空 気 調 和 機 関 連 特 許 出 願 に お け る 分 類 件 数 比 率 （ 8 極 全 体 ）

注 ） 出 願 年 が 2000 年 ∼ 2004 年 で 検 索 日 ま で の 採 録 分 全 デ ー タ を 対 象 9 複合空調

システム 389件

3.1%

8 易操作性 2,894件

22.9%

7 快適性制御 4,209件

33.4%

6 空気清浄化機能

1,176件 9.3%

5 蓄熱機能 578件

4.6%

4 換気機能 1,336件

10.6% 3 物質等の

富化機能 479件

3.8% 2 加湿機能

579件 4.6% 1 除湿機能

975件 7.7%

各 大 分 類 に つ い て さ ら に そ の 内 容 を 中 分 類 ベ ー ス で 解 析 し た 結 果 を 図 - 15 に 示 し た 。 除 湿 機 能 で は 冷 却 除 湿 に 関 す る も の が デ シ カ ン ト 式 よ り も 特 許 出 願 件 数 が や や 多 く 、 一 方 加 湿 で は デ シ カ ン ト 式 が 気 化 式 よ り も 多 か っ た 。 物 質 富 化 機 能 で は マ イ ナ ス イ オ ン の 添 加 に 関 す る 特 許 が 多 く 、 酸 素 富 化 、 ビ タ ミ ン 等 の 付 加 と 続 い て い る 。 換 気 機 能 で は 給 排 気 関 係 、 給 排 気 方 式 に 関 す る 特 許 出 願 が 見 ら れ る 。 蓄 熱 機 能 で は 氷 蓄 熱 方 式 の 利 用 に 関 す る 特 許 の 他 、 地 中 熱 の 利 用 、 躯 体 蓄 熱 な ど 、 最 近 の 空 気 調 和 機 の 機 能 に 関 す る 特 許 出 願 が 多 く な っ て い る 。 空 気 清 浄 化 は 多 機 能 空 気 調 和 機 の 重 要 な 機 能 で あ る 。 清 浄 化 の 対 象 に 関 す る 特 許 、 そ の 原 理 に 関 す る 特 許 が 出 願 さ れ て い る 。 快 適 性 制 御 で は 温 度 、 湿 度 、 濃 度 の 他 、 換 気 制 御 、 気 流 ・ 送 風 量 制 御 、 睡 眠 に 特 化 し た 制 御 、 季 節 性 制 御 、 省 エ ネ ル ギ ー を 目 的 と し た 制 御 、 フ ァ ジ ー 制 御 、 静 音 制 御 、 複 数 空 気 調 和 機 の 連 動 制 御 、 他 の 装 置 と 組 み 合 わ せ た 制 御 の 他 、 快 適 性 制 御 の た め の セ ン サ ー 関 係 、演 算・運 転 モ ー ド・学 習 機 能 な ど に 関 す る 分 類 を 行 っ て い る 。気 流 ・ 送 風 量 制 御 が 最 も 特 許 出 願 件 数 が 多 か っ た 。 易 操 作 性 機 能 で は 遠 隔 操 作 、 掃 除 ・ メ ン テ ナ ン ス 関 係 、 モ ニ タ ー ・ 自 己 診 断 関 係 、 そ の 他 に 技 術 分 類 し て い る が 、 そ れ ぞ れ 同 レ ベ ル の 出 願 比 率 と な っ た 。 最 新 の 空 気 調 和 機 の 重 要 な 機 能 で あ る 床 暖 房 、 輻 射 冷 暖 房 な ど と の 複 合 空 調 シ ス テ ム で は 、 輻 射 式 暖 房 に 関 す る 特 許 出 願 が 多 く 、 給 湯 と の 組 合 せ 、 乾 燥 と の 組 合 せ な ど が 続 い て い る 。 ま た 全 特 許 に つ い て そ の 形 式 （ セ パ レ ー ト 型 、 自 納 式 、 中 央 式 、 形 式 限 定 の な い も の ）、 用 途 （ 家 庭 用 、 業 務 用 、 用 途 限 定 の な い も の 、 そ の 他 ） に 分 類 し て い る 。

図 - 15 多 機 能 空 気 調 和 機 関 連 の 技 術 区 分 別 ・ 中 分 類 別 特 許 出 願 件 数 推 移 （ 8 極 全 体 ）

1 除湿機能 1C  その他

5.7%

1A  冷却凝縮式 52.4% 1B  デシカント式

41.9%

2 加湿機能

2E  気化式 21.0%

2D 水噴霧式、 遠心式

7.7% 2F  水の補給

27.1%

2G その他 3.4%

2B  超音波式 1.8% 2A  デシカント式

32.7%

2C  水蒸気式 6.3%

3 物質等の富化機能

3C  ビタミン等付 加 13.5%

3A  酸素富化 19.3%

3B  マイナス イオン

48.8% 3D その他

18.4%

5 蓄熱機能

5C  建築物躯体 13.7%

5A  氷蓄熱 39.6%

5B  地中・地下水 9.4% 5D その他

37.3% 4 換気機能

4C  その他 0.4%

4B  給排気方式 32.0%

4A  機能 ( 給排気、 給気のみ 等）

67.6%

6 空気清浄化機能

6B  原理（空気集 塵、フィルタ、オゾ

ン 等） 51.2%

6A  対象

（除塵、 消臭・脱臭 等）

48.7% 6C  その他

0.04%

（1,010 件 ） _{（829 件 ）}

（615 件 ）

（1,971 件 ）

（635 件 ） ^{（2,248 件 ）}