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とカイ2乗検定 計量経済学 鹿野研究室 note16

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Academic year: 2018

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(1)

担当:鹿野(大阪府立大学)

2013 年度後期

はじめに

前回の復習

 線形制約(複数の回帰係数への帰無仮説)→OLS残差2乗和に影響。

 F検定の考え方と手順。 カイ2乗検定による検定。

今回学ぶこと

 制約付きのOLS推定と残差2乗和の求め方。

 回帰係数の均一性の検定。

 テキスト該当箇所 :6.26.3章。

1 制約付き回帰モデルの実例

1.1 カイ 2 乗検定(or F 検定)の概要

 カイ2乗検定(or F検定)のアイディア:回帰モデルの係数に線形制約H0(仮説値) を 課した残差2乗和SSE0= ˆv2

i と、制約なしの通常の残差2乗和SSE = ˆu2

i の差

SSE0SSE ≥ 0 (1)

に着目。(∴線形制約による 。)

差をカイ2乗統計量に変換。

χ2=m2 SSE0SSE SSE



Chi(m1), (2)

ここでm1=Gm2=n −(K + 1)

カイ2乗値χ20 >5%臨界値χ2(m1) ⇒ H0を棄却。

 Remark:線形制約の検定では最低限、OLSを かける必要。

⊲ 1回目: SSE = ˆu2i 回帰モデルを普通にOLS推定。

⊲ 2回目: SSE0= ˆv2i 線形制約H0の下でモデルをOLS推定。

1

(2)

 実証分析で典型的な線形制約 (講義ノート#15前半も参照)

1. の検定。

2. 回帰係数の の検定。

1.2 結合有意性の検定

 普通の回帰モデル :簡単化のため、説明変数が二つ(K =3)の重回帰モデル

Yi = α + β1X1i+ β2X2i+ β3X3i+ui (3) を考える。古典的仮定は満たされるものとする。

制約なしのOLS残差2乗和SSEは、(3)式を すれば得られる。

⊲ gretlの出力では“Sum squared resid”

 結合有意性の線形制約 :分析者が(3)式に対し、線形制約

H0: β2= β3=0 (4)

を置いたとする。(制約の数G =2。)

この制約は、X2iX3i 」という仮説。検定で棄却されれば、X2iX3iが である証拠。

この制約を(3)式に代入すると

β2= β3 =0 Yi= . (5)

(注意:制約付きのモデルは、 誤差項をviと表記。)

⊲ ∴(3)式とは別に、 (5)式をOLS推定し、制約下の残差2SSE0を求めれば良い。

 Remark:説明変数が 有意か否かが問題となる実証分析も多い。

例:(3)式で、Yi =所得、X1i =年齢、X2i =高卒ダミー、X3i =大卒ダミーであると

する。「年齢をコントロールすれば、学齢は所得に影響を与えない」という仮説(疑 い)をどう検定する?

⊲ t検定による高卒ダミーの係数β2の有意性検定は、「 が、所得へ の効果があるか否か」 の検定。大卒ダミーの係数β3も同様。

一方「 の効果があるか否か」 は、β2β3を の問題。

1.3 回帰係数の一次結合の検定

 回帰係数の一次結合の線形制約 :再び(3)式のモデルを考える。 いま線形制約

H0: β1+ β2=1 (6)

を置いたとする。(制約の数G =1。)

⊲ ∴係数同士の線形関係 ( )を指定。

(3)

この制約をβ1= と移項し、(3)式に代入すると

Yi= α +X1iβ2X1i+ β2X2i+ β3X3i+vi

= α +X1i+ β2(X2iX1i) + β3X3i+vi

= α + β2 + β3X3i+vi. (7)

⊲ ∴Yi=(YiX1i)X2i =(X2iX1i)という変数を作れば、

= α + β2 + β3X3i+vi. (8)

コレが線形制約下の回帰モデル。⇒OLS推定で制約付きのSSE0が得られる。

 例:北海道の公立病院のコブ・ダグラス型生産関数(講義ノート#13) の、推定結果(サ ンプル数n =89、カッコ内はt値)とSSE

log( ˆQi) = 0.44

(2.78)+(10.82)0.72 log(Li) + 0.18(2.54)log(Ki), SSE = 0.66. (9)

ここで (規模に関する )の仮定

H0: β1+ β2=1 (10)

β1=1 − β2と変形すれば、

log( ˆQi) − log( ˆLi)

 

=qi

= α +log( ˆKi) − log( ˆLi)

 

=ki

β2+vi. (11)

⊲ qikiに回帰した結果、

ˆqi=0.03

(0.21)+0.29(3.93)ki, SSE = 0.82. (12)

β1の推定値は、制約より間接的にβˆ1 =1 − 0.29 = 0.71

カイ2乗値は

χ20= (89 − 3) ×0.82 − 0.66

0.66 =20.85. (13)

自由度m1=G =15%臨界値は、分布表よりχ2(1) = 3.841χ20 =20.85 > 3.841 よりH0は 。

2 サブ・サンプルと係数の均一性検定

2.1 サブ・サンプル分析

 サブ・サンプル:サンプル数nの標本が、二つの属性グループに分割できるとする。それ ぞれのグループのサンプルを、 と呼ぶ。

「 男 or女 」 、「 製 造 業or非 製 造 業 」 、「2010 年 に 調 査 or 2011年 に 調 査 」な ど 。

Di =0, 1(講義ノート#14) でグループを区別。

(4)

⊲ Di=0グループのサンプル数を 、Di =1グループのサンプル数を と置 く。∴総数n =

⊲ n0n2ともに十分多いならば、 それぞれのグループを別個に回帰分析しても良い。

これを と呼ぶ。

 サブ・サンプル回帰:標本を二つのグループに分割し、 それぞれOLS推定。

Di =0 : Yi= α + βX1i+ β2X2i+ · · · + βKXKi+u0i, i =1, 2, . . . , n0, (14) Di =1 : Yi= α+ βX1i+ β2X2i+ · · · + βKXKi+u1i, i =1, 2, . . . , n1. (15)

⊲ 回帰係数の値が、 グループ毎に 可能性。

⊲ ∴一般に 推定される係数の総数は、 二式合わせて 。

2.2 係数均一性の仮定:標本のプール

 サンプルのプーリング:両グループで係数に大差がないならば、サブ・サンプルに分けず、 統合したサンプルでOLS推定すべき。

Yi = α + βX1i+ β2X2i+ · · · + βKXKi+vi, i =1, 2, . . . , . (16)

⊲ 二つのグループを統合することを、「標本を 」と言う。

サンプル総数nを所与とすれば、推定すべきパラメータ数が

2(K + 1)プール−−−−(K + 1) (17) に減るので、推定の精度が上がる。∴できることならば、 プールしたほうがお得。

⊲ プールすべきか否かを、 判断するには ?⇒カイ2乗検定(F検定)を 応用。

 回帰係数の均一性の線形制約 :サブ・サンプル回帰の(14)式と(15)式に登場する回帰係 数に関し、次の仮説

H0 : α = α, β1= β1, . . . , βK = βK (18) を置く。制約の数はG =

⊲ ∴「両グループで、 すべての係数が等しい」 という仮説。

⊲ この制約下では、二つの回帰式は統合され となる。(注意:制約下のモデ ルなので、誤差項はvi。)

⊲ この制約が真であるならば、 サブ・サンプル毎に回帰分析する必然性がない⇒標本 をプールして回帰分析すべき。

 Remark:サブ・サンプルOLSとプールしたOLS、どちらの残差2乗和が大きい?

サブ・サンプルOLS(制約のない2本の回帰式、図1A:グループ毎に異なる係数 を当てはめ⇒モデルの、データへの当てはまりが良い⇔残差2乗和が 。

プールしてOLS(制約で2本の回帰式を統合、図1B:両グループに同じ係数を「無 理強い・使い回し」⇒サブ・サンプルOLSと比べ、当てはまりが悪い⇔残差2

和が 。

⊲ ∴残差2乗和の差がそれほど大きくなければ、量グループの係数の差は 、 と考えればよい!⇒カイ2乗検定でジャッジ。

(5)

3 4 5 6 7 8 9

681012141618

A

Xi

Yi

3 4 5 6 7 8 9

681012141618

B

Xi

Yi

1:サブ・サンプル毎の回帰(Avs. プールした回帰(B

2.3 回帰係数均一性のカイ 2 乗検定

 OLS残差2乗和の計算

⊲ 制 約 な し:標 本 を グ ル ー プ 分 け し て (14)式 、(15) 式 を そ れ ぞ れ 別 個 に OLS推 定

⇒ を計算。

SSE = ˆu20i+ ˆu21i. (19)

⊲ 制約付き:標本をプールして(16)式をOLS推定⇒残差2乗和を 使う。 SSE0=

ˆv2i. (20)

 係数均一性のカイ2乗検定 1. カイ2乗値を求める。

χ20=m2

 SSE0SSE SSE



=[n − 2(K + 1)] SSE0SSE SSE



. (21)

二つの回帰式を推定するので、m2= である点に注意。

2. カイ2乗分布表から自由度m1 =G = K +15%臨界値、χ2(m1)を求め、上で得た カイ2乗値と比較。

χ20 χ2(m1) (22)

ならば「係数が均一であるという制約H0は、無視できないほどSSEを大きくする」 と判断。⇒H0を 。

 例:中古マンション価格(講義ノート#12)で、ワンルーム・ワンルーム以外で分けた場 合のOLSと、プールしたOLSの結果は次の通り。

(6)

ワンルーム以外 ワンルーム 全サンプル 係数 t値 係数 t値 係数 t値 定数項 1933.77 12.17 798.12 1.67 1496.51 9.88 最寄駅時間 -38.05 -4.08 5.36 0.24 -32.68 -3.20 築年数 -63.02 -15.16 -43.92 -4.53 -58.45 -12.61

面積 60.16 22.48 63.39 3.57 64.18 33.58

修正済みR¯2 0.85 0.82 0.88

サンプル数 157 37 194

SSE/10 918 38 1020

制約なしの残差2乗和はSSE = 918 + 38 = 956(和)、一方制約付きはSSE0=1020

(そのまま)。よってカイ2乗値は

χ20 =(194 − 2 × 4) × 1020 − 956

956 =12.45. (23)

一方自由度m1 = (K + 1) = 45%臨界値はχ2(4) = 9.488 χ20 = 1245 > 9.488 ので、H0 :「係数が両グループで等しい」 は 。

 Remark:時系列データ(講義ノート#01) による回帰分析では、「ある時点n

の前後で 係数が均一か」(モデルの構造の安定性) が問題となる。これを と呼ぶ。

時点nを境に、観測の前半i =1, 2, . . . , nと後半i = n+1, n+2, . . . , nで、回帰係 数が不変か?

⊲ 構造変化の検定:係数の均一性の検定をすれば良い。 テキストp153∼154参照。

まとめと復習問題

今回のまとめ

 カイ2乗検定の実行法:制約付き残差2乗和の求め方。

 回帰係数の均一性の検定。

復習問題

出席確認用紙に解答し (用紙裏面を用いても良い)、 退出時に提出せよ。

1. 回帰モデルYi = α + β1X1i+ β2X2i+ β3X3i+uiに対し、H0: β1+ β2+ β3 =1の線形制約を 置く。制約付きの回帰モデルを導出せよ。 ただし誤差項はviと表記すること。

2. いま、標本中の観測が5つのサブ・グループに分割できるとする。H0:「すべてのグルー プで係数が等しい」 という線形制約の検定を考えたい。

(a) 制約なしのSSE、制約付きのSSE0を求める方法を述べよ。

(b) 各グループに関し、 推定すべきパラメータの数をK +1とする。m1を設定せよ。 (c) この検定のためのカイ2乗統計量と自由度m2を設定せよ。

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