付則 XI:スポーツラリーおよびヒルクライムに適用される
ピリオドJ1およびJ2車両の規定
1. 参加資格のある車両
1.1
ピリオドJ1およびJ2(1982
年1
月1
日~1985
年12
月31
日および1986
年1
月1
日~1990
年12
月31日)の車両のみが以下の通り受け入れられる:
-グループB車両 -
1600cm
3超および/あるいは過給器付き- グループB車両 -
1600cm
3以下- グループA車両
- グループN車両
1.2 HMSCは、参加資格のある車両のリストを変更および/あるいは拡張する権利を留保する。
1.3
安全上の理由でグループB車両でもピリオドにてラリー参加を禁止されていた車両もあること に注意しなければならない。同じ理由で、それら車両の使用はこのカテゴリーの競技にてまだ許可されていない(付則
K
項7.4.1参照)。
2. 技術規定
2.1 1.1に一覧されている車両は付則K項7および以下の項に合致していなければならない。
2.1.1
重量ピリオドJ1およびJ2車両のピリオド当時の付則J項に明記されている最低重量は、現在指定 されている追加の安全装備との調整をとるため25kg増量される。
2.1.2
電子装置電子制御装置、エンジンマネジメントシステムおよび/あるいはセンサーが当初より装備され て公認されていた車両、あるいはその使用が許されていた車両は、ピリオド当時使用されてい た通り、あるはピリオドの付則J項で要求されていたように、同じシステムをつなぎ、完全に機 能する状態で使用しなければならない。
2.1.3
リストリクターすべてのピリオドJ2の過給器付き車両は、コンプレッサーハウジングに取り付けられるリス トリクターが装備されなければならない。
このリストリクターは、ラリーでは取り付けが義務付けられているものであるが、その他の競 技では競技参加者がそれを使用することを決定する場合は、使用が禁止されいない。
エンジンへの供給に必要なすべての空気はこのリストリクターを通過しなければならず、次の 寸法を遵守しなければならない。
グループN(大規模量産ツーリングカー)については最大内径が36mm、グループA(競技ツー リングカー)では38mmとし、この内径は、ホイールブレードの最も上流の端を通過する面か ら最高50mmに位置する回転軸に対し垂直な面から測定して、下流の方向へ最低3mmの幅が維持 されなければならない。この距離は吸気ダクトの中立軸に沿って計測される(下記図参照)。
この内径は、温度条件にかかわらず満たされていなければならない。
リストリクターの外径は、その最も細い部分でグループNでは42mm未満、グループAでは44mm 未満でなければならず、上流、下流の双方へそれぞれ5mmの距離を維持していなければならな い。
リストリクターのターボチャージャーへの取付けに当たっては、コンプレッサーからリストリ クターを取り外すためにコンプレッサーハウジングまたはリストリクターから2つのネジを完 全に取り除かなければならないような形で行わなければならない。
ニードルスクリューを使用した取付けは認められない。
リストリクターの取付けに際し、コンプレッサーハウジングの部材の除去、または追加は、そ の目的がリストリクターをコンプレッサーハウジングに取り付けるためのものである場合に限
り認められる。ネジの頭部に封印を可能にするための穴を開けなければならない。
リストリクターは、単一の素材で作られていなければならず、取付けおよび封印を目的とした 場合にのみ穴を開けることができる。これは、取付けネジ、リストリクター(またはリストリ クターとコンプレッサーハウジングの取付け部)、コンプレッサーハウジング(またはハウジ ングとフランジの取付け部)およびタービンハウジング(またはハウジングとフランジの取付 け部)の間に施されなければならない(下記図を参照)。
注:過給器付きエンジンのピリオドJ1車両の公称気筒容積は係数
1.4
を掛け、ピリオドJ2車 両は係数1.7
を掛ける。3. 安全に関する規則
3.1 1.1に一覧されている車両は、以下の条項に矛盾なき場合、第5項(安全)に定められた条項に
従わなければならない。
3.2 1.1
に一覧されている車両は以下を装備しなければならない:3.2.1
サイドウインドウの飛散防止フィルムガラス製のサイドウインドウを保持しているピリオドJ1およびJ2の車両は、それらのウイ ンドウの内側を透明な飛散防止フィルムで覆わなければならない。車検の際にフィルムの検出 を容易にするため、フィルムに小さい穴を残しておくことが推奨される。
3.2.2
ウインドスクリーン・フィルムラミネートのウインドスクリーン装着のすべての車両は、損傷を防ぐために透明な保護用プラ スチックカバーを使用できる。このカバーはウインドスクリーンとおなじサイズと形状であり、
完全にそれに接していなければならない。
3.2.3
ロールケージ図面については付則Ⅴを、規定については付則Ⅵを参照。
3.2.4
座席ピリオドJ1およびJ2の車両の座席は、FIA基準8855/1999あるいは8862/2009の公認がされ ているものでなければならない。
ただし、8862/2009基準のみを受け入れるランチア037は除く。
座席支持具は公認規定に合致していなければならない。
3.2.5
取り外し可能なステアリングホイール取り外し可能なステアリングホイールの取り付けは、ピリオドJ1の車両に義務付けられる
(地域/国内の当局承認を条件とする)。
3.2.6
燃料およびオイル配管‐燃料見本の取り出しピリオドJ1およびJ2の車両は、量産の燃料およびオイルの配管を、付則J項第253条3.2に 合致した金属製被膜(航空/エアロクイップ方式かそれと同等)の配管に交換しなければならな い。燃料装置には
FIA
テクニカルリストNo.5
に掲載のドライブレーク燃料見本抽出カップリン グが装備されていなければならない。3.2.7
消火器ピリオドJ1およびJ2の車両は、現行の付則J項第253条7.2に合致する消火装置1つ、およ び付則J項第253条7.3に合致する手動式消火器1つの取り付けがなければならない。
3.3
頭部の動きを抑制する装置(FHR)と座席ベルトピリオドJ1およびJ2車両のドライバーおよびコ・ドライバーは、現行のFIA付則L項第3章 第3節に従う頭部の動きを抑制する装置と、現行の付則J項第253条6項に合致した、今現在FIA 公認頭部拘束装置に適合する6点式座席ベルトを着用しなければならない。
APPENDIX XII
表1-アルミニウム合金の指定基準
付則XIIは、FIAウエブサイト(www.fia.com)に公開されている付則K項に掲載される。