Summarized on August 19, 2006
改定案概要:
以下の4つの IDS 提出時期に応じた IDS 提出要件(提出書類)に関する改定案が公開。
特許庁が提案している IDS の提出規則の改定案によると、第 1 期と第 2 期での IDS 提出は従来の手 続きと大きく変わることはないですが(但し 25 ページを越える英語文献では「説明<1.98(a)(3)(iv)以下参 照>」を加えなければならない)、以下のまとめのように第 3 期、第 4 期に IDS を提出するときには特許 性の主張(IDS 提出する文献と独立クレームの構成要素との比較)をしなければならない。 従って、第 3 期、第 4 期に IDS 提出の必要性が生じた場合には IDS 文献の開示内容の検討且つクレームとの比 較検討作業に費用が掛かるのは避けられない。 然るに、第 3 期、第 4 期の合算期間を減らし、この IDS 提出困難時期をできる限り短縮するという案が考じられる。 即ち、特許許可通知が発行されれば
自動的に現地代理人に発行費用の支払いをしてもらい、第 3 期の期間を実質的に無しにすることが可 能である(第 1 案)。
しかし最も問題となる第 4 期を短縮することはほぼ不可能なのでこの期間に関連外国出願等で OA あ るいは SR が発行された場合には過去に提出したる IDS 文献の開示内容と比較し、内容的に重複して いるのであれば(既に提出された文献よりもさらに関連性があるというのでなければ)IDS として提出し ないというのが妥当策と考えます(第 2 案)。
然しながら、第 4 期で IDS 提出の必要性が生じた場合には、第 4 期で要求される提出書類を準備する よりは、即刻、係属審査(RCE)或いは、継続出願を実行するほうが費用面でも経過書類禁反言の材料
(技術文献とクレームの構成要素との対応関係を説明すること)を作らないためにも得策と考えます
(第 3 案)。 然しながら今後は RCE の回数に制限を加えられる可能性がありますので、第 4 期に提出 するべき先行技術文献の数が妥当に少ない場合には(多くの場合に第 4 期においては1つか2つの関 連性の高い文献が引用される程度)本改訂規則に基づき正攻法でクレームと先行技術文献を比較検 討し、説明書を提出するのが妥当かもしれません(第 4 案)。
要は出願毎に上記第 1 案から第 4 案のいずれが適切か、あるいは、どの組み合わせが妥当かを判断 することになるでしょう。
IDS 提出時期 IDS 提出要件
コメント
第 1 期
出願後 3 ヶ月又 は第 1 回目の拒 絶通知の発行前
(どちらか遅いほ う)
この期間においては、以下に該当しない 場合には IDS として提出するのみ:
(1) 英語文献で 25 ページを超える場
合;
(2) 非英語文献(アブストラクト又は翻
訳は上記英語文献と見做す⇒25 ペ ージ制限に該当する);又は、
(3) 提出文献の合計数が20を超える
場合;
以上何れかに該当する場合には追加の
「説明」<1.98(a)(3)(iv)>が要求される。
例外: 対応外国出願における審査レポ ートあるいはサーチレポートで引用される 文献に対する説明は不要(但し、当該審 査・調査レポートを提出すること); ⇒ 上記(3)の 20 個にカウントされない。
1.98(追加説明):
1.98(a)(3)(iv)に基づく「説明」
(1)特定
(i) 提出する文献に開示された 特徴、開示事項、あるいは、教 示事項; および
(ii) 開示箇所の特定(ページ、行 など)
(2)関連性
上記特定開示箇所とクレーム用 語との関連性、あるいは、クレ ームの基礎を成す明細書の特 定開示箇所との関連性
第 2 期
上記第 1 期満了 日から許可通知 又は許可可能通 知発行まで(どち らか遅いほう)
本期間に提出される文献に関しては、
(1) 「説明」;および
(2) 「重複しないという説明(非重複開
示)」 <*1.98(a)(3)(v)>
1.98(a)(3)(v) 「非重複であること の記載」
⇒ 第 1 期間では必要なし!
提出される各文献が他の文献と は重複していないという説明
と共に提出すること。
例外: タイミング良く提出されたという証 明<*1.97(e)(1); (2)>と共に提出される対応 外国出願のサーチレポート或いは審査レ ポートに対しては上記(1)、(2)は不要
第 3 期
上記第 2 期満了 日から特許発行 費用の支払日ま で
本期間に提出される文献に関しては、
(1) タイミング良く提出していることの
証明<*1.97(e)(1); (2)>;
(2) 特許性の証明(A)*1.98(a)(3)(vi)
又は(B)<*1.98(a)(3)(vi)>の何れか;
と共に提出すること。
1.98(a)(3)(vi) 特許性の証明
⇒ 許可通知発行後に IDS 提出 する場合にのみ必要
特許性の証明(A) ⇒第 3 期間 のみに適用:
「説明」; 「非重複開示」; およ び、独立クレームが提出される IDS 文献に対しても特許性があ ることの理由説明;
第 4 期
上記第3期満了 日から、特許発 行までの期間で 審査官が IDS を 検討するのに十 分な時間がなく なるまで(発行費 用支払い後約 3 ヶ月で特許証が 発行される)
本期間に提出される文献に関しては
(1) タイミング良く提出していることの
証明<*1.97(e)(1); (2)>;
(2) 特許証の発行を中止する申請書;
(3) 1 乃至はそれ以上のクレームが提
出される文献に鑑み特許性がない という説明と補正クレーム、および、
特許性の証明(B)<*1.98(a)(3)(vi)>
を提出すること。
1.98(a)(3)(vi) 特許性の証明(B)
⇒第 3 期間にも適用可能; 第 4 期間には適用必須
「説明」; 「非重複開示」; お よび、補正独立クレーム(補正
なしでは IDS 文献によって特許 性がないことを自認)が提出さ れる IDS 文献に対しても特許性 があることの理由説明;
Rules
内容
1.97(e)(1) or 1.97(e)(2)
Timeliness Certifications
<*1.97(e)(1); (2)> タイミング良く提出していることの証明
1.97(e)(1)
提出しようとする IDS 文献は対応外国出願において初めて引用されたもの であって、引用されてから 3 ヶ月以内である;
又は、
(e)(2)
提出しようとする IDS 文献は対応外国出願において引用されたものではな く、本 Timeliness certification(タイミング良く提出していることの証明書)に
署名する者の理解するところでは、当該 IDS 文献はそれを知ってから 3 ヶ 月以内である。
⇒ 上記第 3、第 4 期(あるいは第 2 期)に IDS 文献を提出するときに、IDS 文献と共に上記(e)(1)又は(e)(2)の何れかを証明し、提出すること;
1.98(a)(3)(vii)
Meaningful compliance
各要件を満たすための 要求レベル
1.98(a)(3)(vii): 各要件を満たすための要求レベル
「説明」: 文献を提出する根拠となる開示されている特徴・ 開示内容・
又は、教示内容の特性に相応しい正確さレベルであること;
「非重複開示」: 提出される各文献が、何故他の文献の開示内容の重複 ではないということの理由を説明する;
「特許理由」: 提出される文献にある特定の特徴・ 開示内容・ 又は、教 示内容とクレーム用語との関連を議論すること;
「説明」・「非重複開示」・「特許理由」の何れかが各要求を満たさない場合 には USPTO は IDS の検討を拒否できる。
1.98(a)(3)(ix): 「説明」
の更新
IDS を提出した後にクレーム補正等がなされた場合には過去に提出した IDS 文献に対する説明をアップデートしなければならない。
1.98(c): 非重複開示
開示内容の重複する文献の提出は回避されねばならない。 審査官が IDS 文献を検討するときに文献の重複開示内容に疑問を生じたる場合には、そ れ以上の IDS 文献の検討を中止しても良い。
1.98(a)(3)(xi): 翻訳
現行規則 1.56(c)に基づく翻訳の提出ルールはそのまま維持する。
非英語文献を IDS として提出する場合に、その翻訳を既に所有、乃至は、
保管、或いは、容易に入手できる状態にある場合には非英語文献と同時 に提出すること。
詳細は以下 URL 参照ください: (USPTO の Home Page のリンク)
http://www.uspto.gov/web/offices/pac/dapp/opla/presentation/focuspp.html#ids
添付資料13B:
早期審査(Accelerated Examination)に関する手続きの改定 By USPTO
(2006 年 06 月 26 日特許庁 HP で公開)
2006 年 8 月 25 日の米国特許(意匠)出願より実施可能:
By Tatsuo YABE Summarized on August 19, 2006
以下の要件を満たすことによって 8 月 25 日以降の米国特許出願(意匠出願)で早期審査を受けられま す。 早期審査の目標は出願日より 12 ヶ月以内に審査結果をだすことです。 但し、何らかの事情で
(出願人側に瑕疵がなくとも)達成できなくともそれを理由に不服を訴えることはできません。 既存の 特別審査(make special)と類似するもので、クレーム合計数などに制約が設けられたことと、12 ヶ月以 内に審査結果を出すことをより明瞭に打ち出した点で改善されています。
(1) 電子出願(特別審査を申請: Petition to Make Special)を実施すること;
(2) 合計クレーム数は 20 個以内で、独立クレームは3つまで;(多数項従属クレームは不可)
(3) 審査官のインタビュー要請に応じること;
(4) 特許性の主張は独立クレームに対してのみ行うこと;
(5) 出願時点で、調査を出願人側が完了していること;
― 調査の範囲は米国特許・米国特許出願公開・外国特許公報・ 非特許刊行物を包括 すること(但し、出願人がある特定範囲のサーチで十分に関連性のある先行技術文献を見つけられる ということ証明できる場合には出願人の主張する調査範囲で可能);
― 調査の範囲は予想される補正クレームの特徴もカバーしていること;
― 出願時に『早期審査サポート書面』(調査結果報告書: an accelerated examination support document)を提出すること;
『早期審査サポート書面』は以下の内容を含むこと:
* 各クレームの主題と最も関連性のある先行技術文献(IDS);
* 各クレームの構成要素が引用される先行技術文献のどこに開示されているかを特 定すること;
* 各クレームが先行技術文献に対して何故特許性があるかの詳述;
* 各独立クレームで規定される発明の効用に関する簡潔な説明;
* 各クレームの構成要素の明細書でのサポート箇所;
* Means + Function クレームの場合には当該構成要素に対応する明細書サポー ト箇所
* 103 条(c)項に該当する先行技術文献(自明性拒絶の適用例外)の特定
改定概要:
項目