2.5 GC-ECD
による測定2.2
の3)
に従い調製した20 µg/mL
標準液の一定量をヘキサンで正確に希釈し,1 mL
中にフサライドとして
0.005
,0.01
,0.025
,0.05
,0.1
及び0.25 µg
を含有する各標準液を調製した.各標準液
1 µL
をGC-ECD
に注入し,クロマトグラムを得た.測定条件をTable 2
に示した.Table 2 Operating conditions of GC-ECD Column DB-1701 (0.25 mm i.d.×30 m, 0.25 µm film thickness),
Agilent Technologies
Column temperature 70 °C (hold for 2 min) → ramp 20 °C/min → 280 °C (hold for 10 min) Injection mode Splitless (120 s)
Injection port temperature 250 °C
Carrier gas He 1.0 mL/min
Make-up gas N
260 mL/min
Detector temperature 300 °C
2.6
カラム処理I
に係る検討方法稲わらを用い,
2.4
の1)
に従い調製した試料溶液にフサライドとして65 mg/kg
相当量(最終試92
飼料研究報告 Vol. 41 (2016)料溶液中で
0.052 µg/mL
相当濃度)を添加し,水5 mL
又は飽和塩化ナトリウム溶液10 mL(直
後の操作で多孔性ケイソウ土カラム(20 mL
保持用)を用いた場合は20 mL
)を加えた.この液 を多孔性ケイソウ土カラム(10 mL
保持用又は20 mL
保持用)に入れ,10
分間静置し,以下2.4
の
2)以降に従いフサライドを定量した.
2.7 GPC
による精製操作を追加した定量方法籾米を用い,
2.4
の1)
及び2)
に従い操作して得られたカラム処理I
の溶出液を40 °C
以下の水 浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後,窒素ガスを送って乾固した.シクロヘキサン-アセ トン(4+1)10 mL を正確に加えて残留物を溶かし,メンブランフィルターでろ過した.この液5.0 mL
をGPC
に注入し,フサライドが溶出する画分を200 mL
のなす形フラスコに分取し,40 °C
以下の水浴でほとんど乾固するまで減圧濃縮した後,窒素ガスを送って乾固した.なお,GPC
の条件をTable 3
に示した.ヘキサン
2 mL
を加えて残留物を溶かし,2.4の3)に従い操作した.
Table 3 Operating condition of GPC
Column Shodex CLNpak EV-2000 AC (20 mm i.d.×300 mm, 15 µm), Showa Denko Guard column Shodex CLNpak EV-G AC (20 mm i.d.×100 mm, 15 µm), Showa Denko Eluent Cyclohexane - acetone (4:1)
Flow rate 5 mL/min
Fraction volume 110~135 mL
2.8 GPC
による精製操作の省略の可否に係る検討方法フサライドとして籾米に
10 mg/kg
相当量(最終試料溶液中でGPC
による精製を省略した場合は
0.1 µg/mL
相当量,省略しない場合は0.05 µg/mL
相当量)を添加し,2.4 及び2.7
に従い操作して得られた試料溶液を
GC-MS
に注入し,回収率を比較した.3 結果及び考察
3.1 GC-ECD
による検討2.5
に従い調製したフサライド標準液各1 µL
をGC-ECD
に注入し,得られたクロマトグラムからフサライドのピーク面積及び高さを用いて検量線を作成した.その結果,
Fig. 2
のとおり,フサライドは
0.005~0.25 µg/mL(注入量として 0.005~0.25 ng
相当量)の範囲で決定係数0.99
以 上の直線の検量線が得られたものの,低濃度ではその直線から下に外れる結果となった.この検 量線を用いた場合,低濃度ではフサライドの定量値が低く見積もられることから,筆者らが用いた
GC-ECD
による定量は困難であると判断した.Fig. 2 Calibration curves of phthalide by peak area (left) and peak height (right) for GC-ECD
3.2 GC-MS
による検討1)
モニターイオンの検討2.2
の3)
に従い調製したフサライド標準液を用いて,本法の測定条件によりスキャンモードで測定したところ,
Fig. 3
に示すマススペクトルが得られた.この結果から,モニターイオン としてm/z 243
を定量イオンに,m/z 272を確認イオンに設定した.Fig. 3 Mass spectrum of phthalide standard solution
2)
希釈溶媒の検討JFRL
法では,希釈溶媒にヘキサンを用いることから,同溶媒を用いて標準液を調製しGC-MS
に注入したところ,低濃度になるに従いフサライドのピークのテーリングが大きくなり,良好な検量線を作成することができなかった.
このことを解消するため,ヘキサンに
PEG
を0.005 v/v%相当量添加した希釈溶媒を用いて
標準液を調製しGC-MS
に注入したところ,テーリングが改善され,ピーク形状が良好となっ た.このことから,本法では希釈溶媒として0.005 v/v%
相当量のPEG
を添加したヘキサンを 使用することとした.y = 8189363 x + 107198 R² = 0.9936
0.0E+00 5.0E+05 1.0E+06 1.5E+06 2.0E+06
0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25
Concentraion of phthalide/ [μg/mL]
Pe ak h ei gh t/ a rb . u ni ts
y = 2145207 x + 30365 R² = 0.9934
0.0E+00 1.0E+05 2.0E+05 3.0E+05 4.0E+05 5.0E+05 6.0E+05
0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25
Concentraion of phthalide/ [μg/mL]
Pe ak a re a/ a rb . u ni ts
94
飼料研究報告 Vol. 41 (2016)参考として,希釈溶媒の違いによるフサライド標準液の
SIM
クロマトグラムをFig. 4
に示 した.Fig. 4 Selected ion monitoring chromatograms of phthalide standard solution (0.05 µg/mL) (Arrows indicate the retention time of phthalide.)
A: Standard solution prepared with hexane
B: Standard solution prepared with 0.005 % PEG-added hexane
3.3
検量線2.2
の3)に従い調製した各フサライド標準液各 2 µL
をGC-MS
に注入し,得られたSIM
クロマトグラムからピーク面積及びピーク高さを用いて検量線を作成した.その結果,Fig. 5 のとおり,
ピーク面積の場合,フサライドは
0.002~0.2 µg/mL
(注入量として0.004~0.4 ng
相当量)の範囲 で直線性を示した.ピーク高さはピーク面積よりも決定係数が悪かったため,ピーク面積で定量 することとした.Fig. 5 Calibration curves of phthalide by peak area (left) and peak height (right) for GC-MS
3.4
カラム処理I
に係る検討JFRL
法では保持容量が20 mL
のInertSep K-solute
を用いているが,供試液量が約6 mL
であることを考慮すると容量が大きいと考えられた.また,
JFRL
法における稲わらでの検討結果が回-500 1000 2500 4000 5500 7000
10 11 12 13
In te ns ity / a rb . u ni ts
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(Page 99-102)