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Quality of Service

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第 3 章 ホームネットワーク

3.4. Quality of Service

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L2マーキングはVLAN(IEEE802.11Q)タグのPCP(Priority Code Point)値によって優先 度を定義する。3bitのフィールドを持ち「0~7」の値が入る。

L3マーギングはIP PrecedenceまたはDSCPによって優先度を定義する。IPv4ヘッダ のToSフィールドの8bitのうち、3bit使用するのがIP Precedence、6bit使用するのがDSCP である。DSCPはIP Precedenceの拡張機能であり、互換性も保たれている。

IP Precedenceのクラスは以下の表のように分けられる。

IP Precedence値 IP Precedence 111(7) Network Control 110(6) Internetwork Control

101(5) Critical

100(4) Flash Override

011(3) Flash

010(2) Immediate

001(1) Priority

000(0) Routine

表74:IP Precedenceクラス一覧

IP Precedence値の6及び7はルーティングパケットやKeepAliveなど、ネットワーク 制御用に予約済みである。通常は「0~5」の値を使用する。

DSCPはPHB(Per Hop Behavior)と呼ばれるクラスに分ける。PHBは以下の表のように

区別される。

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PHB(Per Hop Behavior) DSCP値

Default 000 000 (0)

CS

(Class Selector)

CS0 000 000 (0) CS1 001 000 (8) CS2 010 000 (16) CS3 011 000 (24) CS4 100 000 (32) CS5 101 000 (40) CS6 110 000 (48) CS7 111 000 (56)

AF

(Assured Forwarding)

AF11 001 010 (10) AF12 001 100 (12) AF13 001 110 (14) AF21 010 010 (18) AF22 010 100 (20) AF23 010 110 (22) AF31 011 010 (26) AF32 011 100 (28) AF33 011 110 (30) AF41 100 010 (34) AF42 100 100 (36) AF43 100 110 (38) EF(Expedited Forwarding) 101 110 (46)

表75:PHB一覧

CS(Class Selector)は先頭3bitだけを使用し、後半3bitは0が設定される。

AF(Assured Forwarding)は先頭3bitの値が大きいほど優先度が高く、後半3bitの値が 大きいほど破棄(Drop)される可能性が高くなる。

EF(Expedited Forwarding)はユーザデータの中では最優先度になっており、破棄を考慮 されていない。通常音声パケットなどのトラヒックが割り当てられることが多い。

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3.4.2.3. キューイングとスケジューリング

パケットを送信する前にキューにパケットを格納することをキューイングという。

また、キューに格納されたパケットの送信順を決定することをスケジューリングと呼ぶ。

キューイングやスケジューリングは様々な方式があり、代表的な方式を以下表にまとめ る。

方式 説明

FIFO

(First In First Out)

受信した順にパケットを送信する方式

PQ

(Priority Queuing)

複数のキューの中で優先度の高いキューの特定パ ケットを最優先に送信する方式

WFQ

(Weighted Fair Queuing)

通信フローごとにキューを作成し、優先度に応じ てパケットを送信する方式

CBWFQ

(Class Based WFQ)

クラス毎に帯域幅を割り当て、各トラヒックが帯 域幅を確保して通信する方式。

LLQ

(Low Latency Queuing)

帯域幅を割り当て、優先度の高いキューからパケ ットが送信される方式

WRED

(Weighted Random Early Detection)

バッファが溢れる直前に、優先度の低いパケット をDropする方式。

表76:代表的なキューイング・スケジューリング方式

3.4.3. ホームネットワークにおける QoS 問題点

ホームネットワークは無線やPLCなど様々な媒体が利用され、L2レイヤのQoSは媒体 毎に設定が異なる。有線ならIEEE802.1p規格、無線なら IEEE802.11e規格、PLCなら

IEEE1901規格など様々な規格が存在する。このため、L2レイヤのQoSを設定するために

はすべての機器において、設定を網羅的に対応する必要がある。

また、L3レイヤのQoSにおいてもホームネットワークは小規模ながらも制御系やストリ ームデータ伝送系など、様々に異なる性質を有するトラヒックを発生するアプリケーショ ンが混在し、ユーザの行動に応じてトラヒックの時間的な変動も大きいという特徴がある。

そのため、伝送能力を最大限に伝えるためにはQoSの設定を利用状況に応じて設定変更し ていく必要がある。

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