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PFI の LCC

ドキュメント内 平成 (ページ 95-113)

各年度費用の現在価値合計

PFI の LCC

1年目

90 万円 1 年目

100 万円

1年目 90 万円

2 年目

1 年目 100 万円

PSC

なお、 PSC の算定にあたっては、コスト比較方式及び間接法によるキャッシュ・フ ロー比較方式のいずれにおいても、発生主義ベースの費用算定が必要であり、直 接法によるキャッシュ・フロー比較方式であっても、発生主義ベースの費用算定が望 ましい。これは、効率性原則を満たすか否かを判定する材料として、費用効率性か ら比較すること可能になるだけでなく、事業性の判断方法として、以下の視点からも 必要であると考えられる。

事業採算性の保証(財政負担許容度の評価)

z PSCの場合でも公立図書館事業が公共事業の1つとして、採算が取れていることが必要 である。社会的に許容できる範囲を超えて赤字経営が継続することは、地方自治体の資 産、すなわち税金を消耗していることとなる。従って、公立図書館事業を単独の1つのプロ ジェクトとみなして、発生主義ベースで黒字経営なのか赤字経営なのか、赤字の場合でも どの程度の赤字なのか、に留意し、当該地方自治体の財政上の許容範囲に収まることが 合理的な経営の基本的な姿勢として求められる。

同一の会計基準による比較検討の必要性

z PFI事業のLCCの算定にあたっては、民間事業者は企業会計方式に基づいた損益計画 策定が根拠となるのが一般的であり、公租公課(税金)を考慮する場合、発生主義により 税額計算をすることになるので、期間費用は発生主義によって計算されることになる。

従って、PFI事業のLCCとPSCを同じ会計基準で比較検討を行うためには、PSC算定も発 生主義に基づくことが求められる。PSCを単年度単式現金主義ベースで計算すると、減価 償却費等の後年度に発生する費用の負担が含まれず、不十分な比較検討となるため、

発生主義ベースで費用算定しそれらの差額分を補完することが望ましい。

アフォーダビリティ(取得の容易性)等の検討

z 図書館PFI事業においてPSCを算定する場合、①図書館事業・サービスのもたらす社会的 な効果は見合うのか、②PSCがそのまま公共部門の負担となる考え、当該部門の財政的 負担能力の範囲に収まるのか、2点を検討し、事業として取り上げ合理性を検証す必要が ある。

3.9.4 特定事業選定段階におけるVFM評価・検定の留意事項

VFM 評価・検定を進めていく上では、以下の点に留意する必要がある。

z 一般的に、公立図書館事業ではキャッシュ・フロー計算書(資金繰り表)は作成されていな いので、企業会計と同様の様式で別途作成する必要がある。

z 官民の会計処理・制度上の差異(一般会計繰入金、法人税等)に留意する必要がある。

図書館も建造物である以上、築10年や築20年のタイミング等における大規模修繕に備え た修繕引当金を資産計上しなくてはならない。この場合、公共部門では特に課税関係が 発生しないが、図書館事業を民間事業者が営む場合、この修繕引当金の損金計上が税 務会計上認められていない。実際に修繕がなされた場合においても、当該事業年度以降 に費用を期間配分しなければならない。これらの相違点に関しては、PFIのLCCとPSCの 間において、適切な調整を行うことになる。

z 固定資産の減価償却に際しては、いわゆる法定耐用年数と経済的使用可能期間の乖離 による収益ギャップの発生がある。しかし、PSC及びPFIのLCC算定における固定資産の 更新を考慮するにあたっては、法定耐用年数とは別に、実際に使用可能と推定される耐 用年数(経済的使用可能予測期間)を想定し、その期間が到来したならばたとえ法定耐 用年数が未到来であっても除却し、更新するものとして計算する、という点に留意する必 要がある。特に資産劣化の激しい情報システムに関連する資産が相当する。

- 従って、当該資産の使用頻度や修繕等によって実際使用可能年数が変動するため、

PSCとPFIのLCCに間における経済的使用可能予測期間は異なりうる。

- また、PFIのLCCにおいて、この経済的使用可能年数で減価償却を行うと、その減 価償却費の差額について税務申告上調整することになり、税金の影響が出るという ことについても留意する必要がある。

- 但し、公共施設の保有権が公共側にあるBTOの場合、当該固定資産を長期割賦債 務と見なして、各年度に割賦代金の回収として経理処理を行えば、償却期間との紐 付けは可能となる。

z PFI事業のLCC算定にあたっては、各種の課税関係の取扱いに留意する必要がある。一

般的に課税関係に係わる公共施設等の管理者等による基本的選択肢は以下の2つが想 定される。

- 既存の税体系をそのまま適用し、この中で前提条件を設定する。

- 課税権限が当該地方公共団体の権限に属する場合には、特例的な条例措置等に より減免するか。また、VFMの計算上の調整項目として計上し、影響が出ないよう にする。例えば、神奈川県立近代美術館新館(仮称)等事業等においては、県が実

(注)VFM計算上における税の影響を考える場合、SPCの所得にかかる法人税は 他の税とは異なる扱いとなる、調整項目には入らないことに留意しなければならな い。

国税(法人税、登録免許税)

都道府県税(住民税、事業税、

不動産取得税)

住民税(市町村民税)、固定 資産税、都市計画税(特別区 の場合は固定資産税、都市 計画税は都の税収となる)

市町村、特別区

国税(法人税、登録免許税)

市町村税(住民税、固定資産税、

都市計画税)

住民税(都道府県民税)、事 業税、不動産取得税、(東京 都のみ)都市計画税 都道府県

②直接の収入とならない税収

①直接の収入となる税収 自治体の種類

3.10. 国内PFI先進事例からのフィードバック・課題 3.10.1 事業全体

PFI 事業の場合、事業推進当初の実施方針策定まで、部課横断的な作業や議 会・議員向け説明が重要となる。そのため、円滑な事業推進のためには、首長の リーダーシップと関係各部課との頻繁なコミュニケーションが重要である。

通常、導入可能性調査の結果は、可能性があり、通常、一定のVFMが発生する こととなる。寧ろ、可能性の中身として、PFI事業化によって自治体にはどの程度のメ リットがあるのかで、導入可否の判断材料とすることが重要である。従って、自治体 自体が主体的に導入可能性調査を実施する事が望ましい。

一方、自治体の多くは、教育委員会及び首長部局ともVFMについてよく認識して いない。従って、まずは、公立図書館関係者において、PFI事業スキームにおける VFM に関する理解を深めてく努力が重要である。

z PFI事業においては直営方式とPFI事業方式の収入・支出・収益の比較が必要になるため、

PFI事業化可能性検討は、行政コストを計算し認識する契機となる。

3.10.2 導入可能性調査

PFI 事業評価である VFM について

(教育委員会)VFMに関する認知度 充分理解している。,

4.7%

基本概念は理解し ているつもりだが、

具体的な計算方法 については、分から ない。, 28.0%

全く知らない。, 34.7%

無回答, 3.3%

言葉を耳にしたこと があるが、内容につ いてはよく知らな

(首長部局)VFMに関する認知度

基本概念は理解し ているつもりだが、

具体的な計算方法 充分理解している。,

18.5%

言葉を耳にしたこと があるが、内容につ いてはよく知らな

い。, 14.3%

無回答, 1.7%

全く知らない。, 8.4%

3.10.3 実施方針策定・特定事業選定段階

PFI 事業の場合、実施方針策定・特定事業選定段階で、事業の大枠が決まるため、

必要書類作成だけでなく、さまざまな関係事業者との調整作業及び地域住民との意 見交換作業が大変重要である。また、作業ボリュームが多いため。早期から専任担 当を配備するなど、十分な推進体制が必要である。担当者に期待される役割として、

以下が想定される。

z コンサルタントの頻繁な打合せ(定期会議以外に日常的な質問回答が発生する。)

z 推進体制内部における意識合せ・討議 z 議会に対する説明

z 地域住民への説明、パブリックコメント

複数の候補者から最適な事業者を選定できるように、図書館運営業者選定にお いて、競争性の確保が必要である。また、事業期間内の外部環境変化にも対応した モニタリング仕組みとなるような、図書館事業者との契約においても、柔軟性の確保 が必要である。

z 但し、既存の図書館業務受託業者以外にも、新規参入を検討している事業者が存在の模 様。

3.10.4 事業者選定・契約段階

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