第5章 アレルギー疾患の共通理解と関係者の役割
4 研修体制のあり方等
アレルギー疾患への対応は、アレルギーの問題が医学的にも専門性が高く、関係者が共通 認識のもとに機能するためには、それぞれが努力し、研修する必要がある。
また、保育所において新しいアレルギーへの対応や知識、質の向上を目指し、行政は、関 係機関と連携し嘱託医や保育所に対し、保健分野の研修を計画的に実施することが課題であ る。特に、「エピペン®」の使用に関しては、地域でしっかり検討をし、より安全な「地域と しての緊急対応」を目指す。
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また、アレルギーに関する研究は著しく進んでいることから、ガイドラインについても適 宜見直しを行うこととする。
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参考様式、関係法令等
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参考様式(保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表)
表面
<参考様式> 名前 男・女 平成 年 月 日生 ( 歳 ヶ月) 組 ★保護者 電話: 1.ベータ刺激薬吸入1.とくになし(通常管理のみ) 2.ベータ刺激薬内服★連絡医療機関 3.その他 医療機関名: B.長期管理薬1.とくになし 電話: 1.ステロイド吸入薬2.食物アレルギー管理指導表参照記載日 年 月 日 剤形: 投与量(日): 2.ロイコトリエン受容体拮抗薬 3.DSCG吸入薬 4.ベータ刺激薬 内服 貼付薬1.とくになし 5.その他2.保護者と相談し決定 ( ) 記載日 年 月 日 A.重症度のめやす(厚生労働科学研究班)A.プール・水遊び及び長時間の紫外線下での活動C.発汗後 1.軽症:面積に関わらず、軽度の皮疹のみみられる。1.管理不要1.配慮不要 2.中等症:強い炎症を伴う皮疹が体表面積の10%未満にみられる。2.保護者と相談し決定2.保護者と相談し決定 3.重症:強い炎症を伴う皮疹が体表面積の10%以上、30%未満にみられる。 B.動物との接触 3.夏季シャワー浴(施設で可能な場合) 4.最重症:強い炎症を伴う皮疹が体表面積の30%以上にみられる。1.配慮不要D.その他の配慮・管理事項 ※軽度の皮疹:軽度の紅斑、乾燥、落屑主体の病変2.保護者と相談し決定(自由記載) ※強い炎症を伴う皮疹:紅斑、丘疹、びらん、浸潤、苔癬化などを伴う病変3.動物へのアレルギーが強いため不可 B-1.常用する外用薬C.食物アレルギーの合併動物名( ) 1.抗ヒスタミン薬 1.あり 2.その他( ) 2.なし 記載日 年 月 日 A.病型A.プール指導 1.通年性アレルギー性結膜炎1.管理不要 2.季節性アレルギー性結膜炎(花粉症)2.保護者と相談し決定 3.春季カタル3.プールへの入水不可 4.アトピー性角結膜炎B.屋外活動 5.その他( )1.管理不要 B.治療2.保護者と相談し決定 1.抗アレルギー点眼薬C.その他の配慮・管理事項(自由記載) 2.ステロイド点眼薬 3.免疫抑制点眼薬 4.その他( ) この生活管理指導表は、地域独自の取り組みや現場からの意見を踏まえ、今後改善していくことを考えております。
この生活管理指導表は保育所の生活において特別な配慮や管理が必要となった場合に限って作成するものです。 医療機関名【 緊 急 連 絡 先 】
医師名 医療機関名 医師名 医療機関名
A.寝具に関する留意点 2.防ダニシーツ等の使用 気 管 支 喘 息
( あ り ・ な し )
保育所での生活上の留意点 医師名
3.保護者と相談 B.食物に関する留意点 2.保護者と相談し決定 ア ト ピー 性 皮 膚 炎
( あ り ・ な し )
ア レ ル ギー 性 結 膜 炎
( あ り ・ な し )
病型・治療保育所での生活上の留意点
3.保湿剤 4.その他(
B-2.常用する内服薬
A.重症度分類(治療内容を考慮した)C.急性発作治療薬 動物名( )3.動物への反応が強いため不可
3.中等症持続型 4.重症持続型
1.間欠型 D.急性発作時の対応(自由記載)
保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表(気管支喘息・アトピー性皮膚炎・アレルギー性結膜炎) 提出日 平成 年 月 日 病型・治療保育所での生活上の留意点 病型・治療 1.ステロイド軟膏 2.タクロリムス軟膏(「プロトピック」)
2.軽症持続型 D.外遊び、運動に対する配慮
C.動物との接触 1.配慮不要
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裏面
<参考様式> 名前 男・女 平成 年 月 日生 ( 歳 ヶ月) 組 ★保護者 A.食物アレルギー病型(食物アレルギーありの場合のみ記載)A.給食・離乳食 電話: 1. 食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎 1. 管理不要 2. 即時型 2. 保護者と相談し決定 3. その他 (新生児消化器症状・口腔アレルギー症候群・ B.アレルギー用調整粉乳 食物依存性運動誘発アナフィラキシー・その他: ) 1. 不要★連絡医療機関 B. アナフィラキシー病型(アナフィラキシーの既往ありの場合のみ記載) 2. 必要 下記該当ミルクに○、又は( )内に記入 医療機関名: 1. 食物 (原因: ) ミルフィー ・ ニューMA-1 ・ MA-mi ・ ペプディエット 2. その他 (医薬品・食物依存性運動誘発アナフィラキシー・ラテックスアレルギー・ ) エレメンタルフォーミュラ C.原因食物・除去根拠該当する食品の番号に○をし、かつ《 》内に除去根拠を記載 その他( ) 1. 鶏卵《 》C.食物・食材を扱う活動 2. 牛乳・乳製品《 》 1. 管理不要 電話: 3. 小麦《 》 2. 保護者と相談し決定 4. ソバ《 》D.除去食品で摂取不可能なもの 5. ピーナッツ《 》病型・治療のCで除去の際に摂取不可能なものに○記載日 6. 大豆《 》 年 月 日 7. ゴマ《 》1.鶏卵: 卵殻カルシウム 8. ナッツ類*《 》 ( すべて ・ クルミ ・ アーモンド・ )2.牛乳・乳製品: 乳糖医師名 9. 甲殻類*《 》 ( すべて ・ エビ ・ カニ ・ )3.小麦: 醤油 ・ 酢 ・ 麦茶 10. 軟体類・貝類*《 》 ( すべて ・イカ ・ タコ ・ ホタテ ・ アサリ ・ )5.大豆: 大豆油 ・ 醤油 ・ 味噌 11. 魚卵《 》 ( すべて ・イクラ ・ タラコ ・ )6.ゴマ: ゴマ油医療機関名 12. 魚類*《 》 ( すべて ・ サバ ・ サケ ・ )11.魚類: かつおだし ・ いりこだし 13. 肉類*《 》 ( 鶏肉 ・ 牛肉 ・ 豚肉・ )12.肉類: エキス 14. 果物類*《 》 ( キウイ・ バナナ ・ ) 15. その他 ( )E. その他の配慮・管理事項 「*類は( )の中の該当する項目に○をするか具体的に記載すること」 D.緊急時に備えた処方薬 1. 内服薬 (抗ヒスタミン薬、ステロイド薬) 2. アドレナリン自己注射薬「エピペン®0.15mg」 3. その他( ) 記載日 年 月 日 A.病型 1.管理不要 2.保護者と相談し決定 B.治療1.抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬(内服)B.その他の配慮・管理事項(自由記載) 2.鼻噴霧用ステロイド薬 3.その他
この生活管理指導表は保育所の生活において特別な配慮や管理が必要となった場合に限って作成するものです。
保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表(食物アレルギー・アナフィラキシー・アレルギー性鼻炎) 提出日 平成 年 月 日 ア レ ル ギー 性 鼻 炎
( あ り ・ な し ) 病型・治療保育所での生活上の留意点 1.通年性アレルギー性鼻炎A.屋外活動 2.季節性アレルギー性鼻炎 主な症状の時期: 春.夏.秋.冬 この生活管理指導表は、地域独自の取り組みや現場からの意見を踏まえ、今後改善していくことを考えております。
医療機関名
食 物 ア レ ル ギー ( あ り ・ な し )
ア ナ フィ ラ キ シー ( あ り ・ な し )
病型・治療保育所での生活上の留意点
【 緊 急 連 絡 先 】
医師名
[除去根拠] 該当するもの全てを《》内に番号を記載 ①明らかな症状の既往 ②食物負荷試験陽性 ③IgE抗体等検査結果陽性 ④未摂取
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参考様式(緊急時個別対応票)
表面
■ 緊急時個別対応票 (表)
年組名 前原因食物 年組初 期対応
□意識状態の確認 □呼吸、心拍の確認《意識レベルの低下》がある場合、 速やかに呼吸・心拍の確認をし、 応じて心肺蘇生を行いながら 速やかに救急搬送する。 応じてエピペンを注射する。 □食物が皮膚に触れ て症状がある □眼症状がある □食物が口の中にある
→触れた皮膚を流水で洗い流す →眼を流水で洗う →食べ物を吐き出させて、十分にゆすぐ ※医療機関、消防署への情報伝達 1.年齢、性別ほか患者の基本情報 2.食物アレルギーによるアナフィラキシー症状が現れていること 3.どんな症状がいつから現れて、これまでに行った処置、またその時間 特に状態が悪い場合は、意識状態、顔色、心拍、呼吸数を伝えられると良い ※保護者への情報伝達 1.食物アレルギー症状が現れたこと 2.応じて医療機関へ状況連絡し、救急搬送することなどの了承を得る 3.応じてエピペンを使用することの了承を得る 4.保護者が園や病院に来られるか確認する 5.応じて搬送先を伝え、搬送先に保護者が来られるか確認する
保護者 連絡先
名前・名称続柄連絡先 管理 状況
内服薬有・無 保管場所( ) エピ ペン有・無 保管場所( ) 指定救 急機関
救急119 所轄 消防署名称 Tel( ) 主治医医師名 Tel( ) カルテNo. 園医医師名 Tel( ) 搬送医 療機関
病院名 Tel( ) カルテNo. 園内 内線
園長室 職員室
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裏面
記録者:
生年月日: 平成 年 月 日 ( )歳
1. 発症時間
2. 食べたものとその量
臓器 重症度 臓器 重症度
軽症 中等症
軽症 軽症
中等症 中等症
重症 重症
軽症 軽症
中等症 中等症
重症 重症
血圧 (mmHg)
平成19年度緊急対応等モデル事業「文京区・小平市緊急児対応カード」より引用 一部改変
氏名 体重( kg)
症状
:
【内服など】
【連絡確認】
広範囲のじんましん、あかみ、
強いかゆみ 処置ほか
【初期処置】
:
:
:
■緊急時個別対応票(裏)
経過記録票
声枯れ、声が出ない、 喉 や胸が強く締めつけられる感覚 鼻みず、鼻づまり、弱く連続しない咳 部分的なじんましん、あかみ、かゆみ
□ 口の中のものを取り除く □ うがいをする □ 手を洗う □ 触れた部位を洗い流す
【皮膚】
【呼吸器】
時間
:
:
:
エピペンの使用 あり ・ なし 時 分 □ 保護者への連絡 □ 主治医・学校医への連絡 □ 管理者への連絡
時々連続する咳、咳き込み
強い咳き込み、ぜん鳴(ゼーゼー、ヒュー ヒュー)、呼吸困難
体温 備考欄
(℃)
:
:
:
:
【全身】
【消化器】
呼吸数
(回/分)
脈拍
(回/分)
唇や瞼(まぶた)の腫れ、
口や喉の違和感、かゆみ
症状
強い唇や瞼(まぶた)、顔全体の腫れ、
飲み込み辛さ、
3.
4.
5.
軽い腹痛、単回の嘔吐・下痢 明らかな腹痛、複数回の嘔吐・下痢 強い腹痛、繰り返す嘔吐・下痢
症状経過
(
【粘膜】
ぐったり、血圧低下、
意識レベル低下~消失、失禁 明らかに元気がない、立っていられない、
横になりたがる やや元気がない 内服薬などの使用(内容 )
平成 年 月 日、 時 分
時 分
【エピペン】
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関係法令等
○児童福祉施設最低基準(抄) (昭和23年12月29日厚生省令第63号)
(衛生管理等) 第十条
1~3 (略)
4 児童福祉施設には、必要な医薬品その他の医療品を備えるとともに、それらの管理を 適正に行わなければならない。
(食事) 第十一条
1~2(略)
3 食事は、前項の規定によるほか、食品の種類及び調理方法について栄養並びに入所し ている者の身体的状況及び嗜好を考慮したものでなければならない。
4 (略)
○保育所保育指針(抄) (平成20年3月28日厚生労働省告示第141号)
第五章 健康及び安全
子どもの健康及び安全は、子どもの生命の保持と健やかな生活の基本であり、保育所にお いては、一人一人の子どもの健康の保持及び増進並びに安全の確保とともに、保育所の子ど も集団全体の健康及び安全の確保に努めなければならない。また、子どもが、自らの体や健 康に関心を持ち、心身の機能を高めていくことが大切である。このため、保育所は、第一章(総 則)、第三章(保育の内容)等の関連する事項に留意し、次に示す事項を踏まえ、保育しなけれ ばならない。
1 子どもの健康支援
(一) 子どもの健康状態並びに発育及び発達状態の把握
ア 子どもの心身の状態に応じて保育するために、子どもの健康状態並びに発育及び発 達状態について、定期的、継続的に、また、必要に応じて随時、把握すること。
イ 保護者からの情報とともに、登所時及び保育中を通じて子どもの状態を観察し、何 らかの疾病が疑われる状態や傷害が認められた場合には、保護者に連絡するとともに、
嘱託医と相談するなど適切な対応を図ること。
ウ 子どもの心身の状態等を観察し、不適切な養育の兆候が見られる場合には、市町村 や関係機関と連携し、児童福祉法第二十五条の二第一項に規定する要保護児童対策地 域協議会(以下「要保護児童対策地域協議会」という。)で検討するなど適切な対応を 図ること。また、虐待が疑われる場合には、速やかに市町村又は児童相談所に通告し、
適切な対応を図ること。
(二) 健康増進