株主の皆様、お客様、地域の方々など当社を取り巻くすべてのステークホルダーの皆様から信頼を得て、企業の社会的責 任を全うするためには、リスク管理、コンプライアンスなどの体制がしっかりと整備され、確実に運営されていることが 不可欠です。当社グループは、企業活動のベースとなるこうした体制について、いっそうの充実を図っています。
目標と実績
2015年度の目標
応用動作を含めた総合地震訓練の実施
社則・事業継続計画(BCP)の見直し、備品整備等の実施
2015年度の実績 達成度A
応用動作を含めた総合地震訓練(首都圏大震災を想定)を実施 社則・事業継続計画(BCP)の見直し、備品整備を適切に実施
2016年度の目標
法令・ルール遵守の徹底と、遵守意識のさらなる浸透 大規模地震・事故発生時における対応策整備、影響最小化 情報システムセキュリティの強化
最重点リスクの特定とリスク管理サポート
※ 自己評価による達成度:A 95%以上、B 70%以上95%未満、C 70%未満
目標と実績 リスク管理方針 リスク管理体制 リスク防止対策 コンプライアンスの推進
リスク・コンプライアンス
リスク管理方針
三井化学グループでは、「グループリスク管理方針」を策定し、日常業務のなかでリスク管理を行う上での原則を明確に しています。
グループリスク管理方針 基本目的
1. 社員全員にリスク管理意識が浸透していること
2. 体系的、組織的リスク管理システムが構築できていること
3. リスクに関わるライン管理が定着し、確実にPDCAが回っていること 基本姿勢
1. ライン管理者は日常ライン管理のなかで、リスクに関するPDCAを確実に回す 2. リスクに関する情報を得た社員は、ライン上位者にすべてを迅速に報告する
3. リスクに関する情報を得た社員は、自部門で情報を抱え込まず、積極的に他部門と共有化を図り、協力を求める 4. 社員一人ひとりは、自らがリスク管理担当者であるとの自覚をもち、常にリスクに対する感性を磨く
以上
目標と実績 リスク管理方針 リスク管理体制 リスク防止対策 コンプライアンスの推進
※
リスク・コンプライアンス
リスク管理体制
三井化学グループは、株主の皆様、お客様、地域の方々などステークホルダーの皆様からの信頼を確保し、企業の社会的 責任を果たすため、経営活動の脅威となり得るすべての事象についてリスク管理の徹底を図っています。
リスク管理システム
リスクを早期に発見し、リスクの顕在化を未然に防止するため、「三井化学グループリスク管理システム」を導入し、当 社グループ各社・各部門の年度予算の中で、重点リスクを洗い出し、リスク状況についての分析を行い、対策を講じてい ます。また、その進捗状況をチェックするためのコンプライアンス確認書の活用などにより、リスク管理に関するPDCA を着実 に実施し、リスク顕在化の未然防止に努めています。
PDCA:Plan(計画)-Do(実行)-Check(評価)-Action(改善)のプロセスを継続的に繰り返すこと。
リスク管理システム
リスク・コンプライアンス委員会
CSR重点項目のひとつであるリスク・コンプライアンスの個別方針・戦略・計画の立案のため、個別委員会としてリス ク・コンプライアンス委員会(委員長:リスク・コンプライアンス委員会担当役員)を設置しています。
同委員会では、当社グループがステークホルダーの信頼を確保し、企業としての社会的責任を果たせるよう当社グループ 各社・各部門におけるリスク管理に対するサポートなどを行っています。また、内部統制室は、当社グループ各社・各部 門に対して業務監査やリスク管理状況のインタビューを実施し、リスク・コンプライアンス委員会に報告しています。
これらの取り組みの結果、2015年度については、2014年度に引き続き、当社の社会的信用、事業運営、収益等に重大な影 響を及ぼす法令・ルール違反の件数はゼロでした。
※
「リスク管理システム」運営体制
目標と実績 リスク管理方針 リスク管理体制 リスク防止対策 コンプライアンスの推進
リスクの洗い出しおよび最重点リスクの特定等管理手順 リスクモデル(リスク分析項目一覧)
リスク・コンプライアンス
リスク防止対策
最重点リスク管理
当社グループ各社・各部門において、リスクモデルや手順書に基づき最重点リスクを特定し、リスクへの対策や管理を確 実に実施しています。
リスク・コンプライアンス委員会では、最重点リスクの対策・管理目標・達成状況を共有化するとともに、新規に顕在化 したリスクやグループ全体にインパクトが大きいと判断されるリスクに対して、またその他必要に応じて、適切な対応策 の検討およびサポートを行っています。
リスク分類
① 事業 ② 製品品質 ③ 生産・整備 ④ 製品安全 ⑤ 人事 ⑥ 情報管理 ⑦ 安全・衛生
⑧ 販売 ⑨ 資金 ⑩ コンプライアンス
2015年度の三井化学本体で特定された最重点リスクのうち未達であった案件については、それぞれ対応策を講じ、リス ク・コンプライアンス委員会でその内容を共有しました。また、他のリスクが重大な問題として発生または顕在化した状 況は確認されませんでした。
2016年度も各部門で管理目標に沿って取り組み、リスク・コンプライアンス委員会にて適切に管理していきます。
リスクホットライン
当社グループ従業員が社内で違法行為が行われているなどのリスク情報を入手した場合、直接リスク・コンプライアンス 委員会または社外の弁護士に報告・相談できる制度を設けています。本制度を通じて報告されたリスク情報は、即時また は適宜、当社監査役にも報告されます。
また、本制度を通じて報告・相談をしたことにより、当該従業員が不利益な取り扱いを受けないことを社内規則に明確に 定め運用しています。
なお、本制度では、当社グループ従業員のみならず、仕入れ先、工場協力会社等の取引先からも報告・相談を受け付けて います。
【 報告・相談窓口 】
[当社リスク・コンプライアンス委員会への報告・相談 ]
〒105-7122 東京都港区東新橋一丁目5番2号 汐留シティセンター
三井化学株式会社 総務・法務部内 リスク・コンプライアンス委員会 事務局 宛 E-mail:Risk@mitsuichemicals.com
[社外窓口(弁護士)への報告・相談 ]
〒100-6012 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 霞が関ビルディング12階 第一芙蓉法律事務所 「三井化学ホットライン」宛
E-mail:[email protected]
(リスクホットラインの運用)
当社グループの役員、社員、社員の家族、お取引先の方など、当社の事業活動に関係があるすべての方が報告・相談を 行うことができます。
当社は、リスク・コンプライアンス委員会又は社外窓口で受け付けたE-mail・手紙の閲覧可能者を委員会の一部のメン バーのみに制限しており、また、閲覧可能者は報告・相談者の氏名、所属、報告内容について秘密を厳守し、調査のた めに必要最小限の役員、社員または弁護士等以外に開示、漏洩(報告・相談者の氏名、所属および報告内容を容易に推 測される行為を含む)してはならないことを、社内規則に定めています。
当社は、調査のために協力いただいた方に関する情報および調査において得た情報についても、関係者以外には秘密を 保持します。
報告・相談を行ったことを理由として、報告・相談された方が不利益を受けることはありません。また、当社は、報告・
相談したことを理由に、当該お取引先に取引上の不利益を与えることはありません。ただし、報告・相談者が故意に 誤った情報を伝えるなど他人を陥れることを目的として行った場合や、脅迫・恐喝など違法行為を目的として行われた 場合はこの限りではありません。
報告・相談は、氏名および所属を明らかにしていただくことをお願いしています。また、手紙、E-mailによる報告・相 談をお願いしています。ただし、匿名でも受け付けますが、当社より連絡がとれない場合には、十分な実態把握ができ ず、適切な調査・対応等の措置がとれない場合がありますことを、ご承知おきください。
リスクホットライン運用実績
BCPの整備
当社は、首都圏大震災に備えた事業継続計画(BCP)を策定しています。本社機能が麻痺した場合、大阪工場などの主要 拠点にその機能を移管し、指揮命令系統を早期に確立するための「緊急対策本部」や、顧客対応を迅速・適切に行うため の「緊急顧客対応センター」の設置について定め、体制を確立しています。また、新型インフルエンザの流行や工場大規 模事故に備えたBCPも策定しています。
2016年度は、南海トラフ地震や首都圏大震災の発生可能性の高まり等をふまえて、2015年度に引き続き、BCPの実効性を 高めるため、首都圏大震災の発生可能性を前提とした応用動作を含むBCP総合訓練を実施予定です。また、それを受け て、規則やBCPの見直し・職場内周知徹底や必要備品の確認・整備などを実施していきます。 工場においては、地震、津 波対策訓練を定期的に実施し、安全な操業停止と工場勤務者の避難体制を確保しています。
事業の運営面では、サプライチェーンの確保を行うために、一部の重要な原材料などについては、複数購買先からの購入 や代替品購入先の確保、当社グループにおける主要な生産品の複数事業所での生産体制構築や一定水準の在庫の確保など の対策をとっています。